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カニ鍋2

ルキアに案内されて、遊びにきていた一護たちを、瀞霊廷は迎え入れた。

一護の他にも、井上、石田、茶虎がきていた。

「ああ、一護君」

「浮竹さん、久しぶり。体はいいのか?」

「ああ、この通り最近は元気なんだ。熱も出ないし、肺の病の発作もないし」

「そりゃよかった」

「こら一護!浮竹隊長に失礼であろう!ちゃんと敬語で話せ!」

「うっせーなルキア」

「まぁまぁ、朽木もそのへんにしておけ」

「なりません、浮竹隊長!こやつは、つけあがると・・・・・」

ぐりぐりと、一護の頭を拳で殴っていたルキアを、一護が振り切る。

「さっきから大人しくしてると、いてぇなこの野郎!」

「もきゃあ!?」

尻もちをついたルキアを、一護が助け起こす。

「仲がいいんだな、二人とも」

「こ、こんなたわけのことなどどうでもいいのです!」

真っ赤になったルキアが、ぶんぶんと首を振る。

同じく真っ赤になった一護が、ルキアを指さす。

「こ、こんな傲慢で我儘なルキアのことなんて!」:

「おーい、みんな、私たちもいること忘れてないー?」

井上が、石田と茶虎を連れてきた。

「ぬおっ、井上!そうだ、兄様に井上を紹介しに行かねば!」

「私なら、先ほどからここにいるが?」

「兄様、いつの間に・・・・気配を絶っておりましたね?」

「騒がしいのは、好かぬ」

「兄様、こやつが井上織姫!現世の、高校なる場所で出会った、一番の友人です」

「朽木さん、一番の友人だなんて照れるなぁ」

「ふむ。井上とやら、ルキアを今後も頼む」

「あああ、朽木さんのお兄様、それはこちらのほうから言いたい言葉です」

わいわいと賑わっていたら、京楽がやってきた。

「おや、珍しい面子がそろっているねぇ」

「京楽!日番谷隊長と松本副隊長は!?」

「ちゃんといるよ。ねぇ?」

「なんなんだ、いきなり呼びつけたりして」

「なんか美味しいもの食べさせてくれるらしいですよ」

松本がわくわくしていた。

すでに、段取りは決まっていた。

朽木家に移動して、座敷でカニ鍋が現世組、ルキアと白哉用、日番谷と松本用、浮竹と京楽の、4つの鍋があった。

現世組は人数が多いので大鍋だった・

「白哉を口説き落として用意させたんだ。みんな、カニの季節だし好きなだけ食べていってくれ」

「わーカニなんて久しぶりー」

井上がとても嬉しそうにしていた。

「隊長、カニですよカニ。最近食べてませんね」

「俺はこの前食べた」

「ええっ、ずるい!」

「ばあちゃんちで、カニ鍋したんだよ!ばあちゃん、質素な生活してるから、俺が帰らないと、豪華なもの食わねーからな」

「へえ、冬獅郎ってばあちゃんいるのか」

一護が、珍しそうな声を出した。

「いちゃ悪いのかよ!」

「なんでそうなるんだよ!」

「日番谷隊長と呼べ!」

ワイワイ言ってる間に、鍋が沸騰しだして、カニや海老、はまぐりに鮭、あとは白菜、椎茸、えのきだけ、人参、うどんなどを入れていく。

「んー美味しい」

「美味しいー」

松本と井上の反応は似ていた。

白哉は、ややためらいがちに、はじめて誰かと鍋をつつくということを経験していた。

「兄様、カニはこうすると身がとりやすいのです」

「こうか?」

「お上手です、流石兄様!何をされても絵になります!」




「まぁ、上手に朽木隊長を口説き落としたもんだねぇ」

「3日かかった」

「うわぁ。さすがに朽木隊長に同情しちゃうよ」:

「でも、皆でカニ鍋を囲むのも悪くないだろう?」

「まぁ、人数が多すぎて鍋は別々だけどね」

楽しそうに浮竹は笑う。

その笑顔を、京楽だけでなく日番谷と白哉も見ていた、

段取りまで時間がかかったせいもあって、その日の夕方にが一護たちは現世に帰ることが決まっていた。

「じゃあ、みんなまたな!」

一護が、手を振る。ルキアは現世組についていって現世に戻るので、白哉はルキアにマフラーをもたせた。

「風邪など、ひかぬように」

「ありがとうございます兄様!それではまた戻る時まで、しばしの別れです」

「気を付けて。一護君も、元気で」

「ああ、浮竹さんもな!」

京楽は、小声で「一護君はもうこなくていいよ」とかいってたので、浮竹がその頭を殴っていた。

「白哉、朽木家を貸してくれてありがとうな」

「兄がそうしないと、血を吐くと脅したせいであろう」

実際、脅しているわけではなかったが、一度血を吐いた。浮竹は発作の我慢はできないが、血を吐こうとしたら、そうできるときがあるので、白哉も気が気ではなかった。

「京楽も、手伝ってくれてありがとう」

「どういたしまして」

皆、帰路についていく。

その日の夕焼けは、いつもより格段に綺麗だった。

夕日に照らされて、紅色に染まる白い髪を見ていた京楽は、その髪に口づけた。

「楽しかったかい?」

「ああ、久しぶりに楽しんだ」:

「今日の夜、いいかい?ご褒美に」

浮竹は、夕暮れのせいではない朱さで頬を染めた。

「仕方ないな・・・・・・」

3日前にしたばっかりなので、1週間に2回と決められているせいで、そろそろいいかと思っていたのだった。

「じゃあ、雨乾堂に戻ろうか」

「ああ、そうだな。京楽」

「なんだい?」

「俺は白哉に日番谷隊長に一護君が大好きだが、一番大好きなのはお前だからな!」

顔を真っ赤にしながら、そう叫んだ。

「浮竹は、かわいいね」

にんまりとした優越感に浸る笑みを、京楽が刻む。

こうして、冬も過ぎていくのであった。









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