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  • 04/10/19:21

黒猫と白猫の亜人29

「新婚旅行に行こうよ」

「いいけど、あんまり遠くは嫌だぞ」

「隣の隣の国のイルパ共和国なんてどう?天然温泉のある、一流ホテルがあるよ」

「イルパ共和国か。温泉はいいかもな」

浮竹と京楽は、パンフレットを見て、他に行きたい場所はないだろうかと探す。

「温泉街のタスタニアのちょい北に、サファイアのとれる鉱山があるみたい。お金出せば、自由に発掘可能だって」

「へぇ、面白そうだな」

浮竹は、興味を示したようで、白哉とも話してイルパ共和国のタスタニア温泉街に、1週間滞在することが決まった。

「じゃあ、白哉、行ってくるな?」

「留守は任せたよ」

「のんびり楽しんでこい。土産とかは気にしなくていい」

浮竹と京楽は、猫の亜人であることを隠す帽子をして、尻尾を茶色に染めて出かける。

タスタニア温泉街につくと、泊まるホテルにチェックインする。

一流の三ツ星のホテルだった。

お金は京楽が出してくれた。京楽は栽培したマンドラゴラを流通の少ない市場に売って、けっこうなお金をもっていた。

「それにしても、立派なホテルだな」

「ほんとはスウィートルームにしたかったんだけどね。高すぎて無理だったよ。白哉君から資金援助の話も出てたんだけど断った。ボクたちの新婚旅行だからね」

「ホテルのグレード落としてもよかったんだぞ?もっと普通の民宿とか」

「だめだめ。もしも黒猫と白猫の亜人だって知られたら、何かあるかもしれないじゃない。安全方面で信用のおけるこのホテルにしたんだよ」

「それにして、ツインじゃなしにダブルベッドの部屋選んだんだな」

浮竹が、ベッドにダイブする。

「ふかふかだ」

「ふふ、ボクたち新婚だからね?」

「とりあえず、温泉に入ってこよう。耳とか尻尾出るけど、いいよな?」

「そこは大丈夫。ここのホテルは警備がきちんとしてるし」

浮竹も京楽も、安心してホテルの温泉に入る。

温泉は広く、滝のように湯が流れているところもあれば、水風呂にサウナもあり、薔薇風呂や柚子風呂といったものもあった。

「肩こりに効くらしいよ、ここの温泉」

「俺はあんまり肩なんてこらないけどな」

「あと、美肌の効果があるらしいよ」

「それはちょっと興味あるな」

浮竹は毎日のお肌の手入れとかはしてないけど、魔王の浮竹から化粧水をもらったりしていて、たまーに手入れする。

「滝の湯にあたろうか」

「ああ」

二人して、ドドドドドと滝のように流れている湯の下にくる。

普通の遊より温度が少し高めで、ずっと浴びていると体が火照って、水風呂に入った。

「ああ、湯あたりしそうだね。そろそろあがろうか」

「この薔薇風呂ってのに最後入りたい」

「あ、いい匂いするねぇ。ボクも入ろうっと」

二人して、薔薇風呂に入って華やかないい香りをさせる。

浴衣を着て、自販機からフルーツ牛乳を買って、二人は腰に手をあてて飲んでいく。

「ぷはぁ、おいしい」

「うまいな」

「キンキンに冷えてるとこがいいよね。大都市じゃないと、自販機なんてないからね」

「俺たちの国の王都でも、数えるくらいしかないからな」

浮竹と京楽は、その後マッサージ機にコインを入れて1時間ほどゆったりして、中庭を散歩する。

桜が咲いていた。

「ここの国は、今が春なんだな」

「そうみたいだね。王都はまだ冬だけど」

桜を見上げてから、夕食をレストランでとって、チェックインしている部屋に泊まる。

「明日は、サファイアのとれる鉱山に行ってみようか」

「荷物はホテルに置きっぱなしでもいいんだろう?」

「うん。発掘に必要な品は向こうで借りれるから」

その日、二人はお互いを抱きしめあって寝た。

次の日になり、北にあるトトの町につくと、鉱山に続く山道を馬車でのぼっていった。

「さぁ、ついたよ」

鉱山の番人に、金貨を数枚払い、ピッケルやツルハシを借りた。

浮竹と京楽は、鉱山の奥に潜っていく。

サファイアの結晶を見つけて、とってみてみる。

「けっこういい品質だね。向こうのサファイアはランクが低かったけど」

「ランクとかいいじゃないか。綺麗なんだし」

「でも、アクセサリーに加工したいから、ランクの高いサファイアがほしいよ?」

「あっちの結晶はどうだ?」

「お、いいねぇ。このグレードならいいアクセサリーになりそう」

浮竹と京楽は、金貨をさらに数枚はらって、とったサファイアをホテルに持ち帰る。

「この結晶ままのやつ、白哉にあげよう」

「こっちの結晶は、お揃いでペンダントにしようか。余ったので、君の髪飾りも作りたい」

浮竹が赤くなる。

「お揃いか。結婚指輪もそうだけど、なんか照れるな」

「ふふ、こっちの結晶は、魔王の浮竹と幽鬼のボクにあげよう。宝石とかいっぱいもってるだろうけど、加工してない結晶とか持ってなさそうだし」

二人は、その日も温泉を楽しんで、近くの町やら村を探索して、1週間の新婚旅行を終えるのであった。

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