返信。
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サチさん見に来てくださってありがとう。
休止中ものぞいててくださったみたいで。とりあえずお絵かき環境を整えれば、久しぶりに絵を描こうかと思います。
更新はガンダムOOとオリジナル小説でいこうかと。
BLサイト何気に両性具有ネタで更新してます。
携帯サイトが更新できてませんね。
今から少し続きを打ってこようかなぁとか思ってたり。
サチさんのサイトなくなったのが残念。絵をもっといろいろ見たかったです。でも小説書きでもありますもんね。
私の絵はもう進化がない退化しかしてませんけどwww
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シャナの欠片Ⅱでも続きうってきますかなぁ。
その前に読み直してどこまでうったのか確認しないと。
長いこと
印刷するにもお金がかかるし、お金出してまで見る価値はない気がしますここ。
ローゼンメイデンの下絵が2枚でてきました。
トレースされた下絵ようのもの。
スキャナなんとか動かすようになれないかなw
まぁ今日はスキャナのペンタブも置いておきましょう。
今月の小遣い1万3千400円~。フールーと契約してるので毎月マイナス千円。2万2千だからちょっとアマゾンで何かかったみたい。
来月は多分0。
っていうかマイナス?
よく噛むキンクマの3代目ですが、里子に出しました。エサ変えるだけで噛みつかれて毎日流血ものだったんですけど、4代目のキンクマさんは怖がりのようです。
さわるとギャーってないてひっこみます。
そっとしておこう。。。
無題
久しぶりに。
銀行振り込みだけどかわりに親父殿にふりこんでもらうか・・・(自分でふりこめよ)
サンプル見てこんな小説書いてみたいと思いました。でも文才の違いがはっきりしてるので私には無理ですねww
そもそも絵描きから小説書きに転身したんですけど。
ペインターのシリアルNOわかりました。
あとはスキャナとペンタブをどうにかすればお絵かきできる環境になりそうです。
古いフォトショップで加工するんですけど、まぁ2PCのPCが古いフォトショのインストール受け付けてくれているので。
年内に絵がかければいいなぁと思いつつ、安定剤のまないためのハッカ飴をもう何個もなめてる人。
ラグナロク、青箱ばかり買取りがやってきてあまり売れない。
値段さげるかなぁ。35K仕入で40K売りなんだけど。
紫がまた値あがってきた。
反映されないw
ちゃんと更新うったのになぁ。
15日で更新とまってるんだけど、あれ2年前の15日のやつなんだよね。
30日日づけで更新したメニューページがあるんだけれど。
ちゃんとUPしてるのに、サイトにうまく反映されてない。
18禁がだめなので今のサイトにうつったんだけど、ここもなぁ・・・・。
前のサイトに戻るかなぁ・・・・
喪服2(2期)
艶やかに咲いて、甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
「あんたは・・・・・間違っていない」
彼がしたことを、否定するのではなく肯定する。
家族の仇は結局うてなかったのだが、代わりに刹那がうつと、もう心に決めていた。
あの時、刹那の機体がもっと早く到着していれば、あるいはニール・ディランディはロックオン・ストラストのまま死ぬことはなかったかもしれない。だがそれは仮定の話であって、事実はどうなったか分からない。
「あんたの夢は俺が叶える」
世界から、テロを、紛争をなくすことを。
彼の代わりに、成し遂げてみせよう。そう強く心に誓う。
「そしてあんたは置いていってしまったな」
誰でもない、ティエリア・アーデというもう一人のガンダムマイスターを。ティエリアとロックオンは恋人同士だった。トレミーの誰もが知る仲の良さだった。
それさえも捨てて、命を投げ出したロックオン。
それが愚かなのかは分からない。
ロックオンのことが分かるのは、やはり彼自身なのだから。
「じゃあな。またくる」
「おっと。刹那か」
すれ違いになったのは、今のロックオン・ストラトスことライル・ディランディだった。
「今日は命日だそうだから。朝にはティエリアもきてたぜ。アレルヤと一緒に」
「そうか。ティエリアもアレルヤも、この日は忘れていないんだな」
ニールが散ってしまった敗北の日を。
誰もが忘れることができない。心に刻まれたままだ。その日の出来事は。その日のまま、ティエリアは時間が凍り付いたように生きている。それを溶かすことができるのは、今は刹那ただ一人だった。
「俺は先に宇宙に戻る。あんたはどうするんだ」
「いや、このアイルランドには生家があるんだよ。兄さんが管理してたみたいだけど、流石に無人の時間が長いと荒れるからな。ちょっと掃除とかしにいく予定だ」
「ああ・・・・それなら、ティエリアが合い鍵をもらっていたらしい。家の管理もある程度はティエリアがしていたと思う」
「そうなのか。あのかわいい教官殿がねぇ」
ティエリアになら、生家をいじられてもいいかと、ライルは空を見上げた。
「じゃあ、宇宙で会おう」
「ああ」
刹那は、止めてあった黒い車に乗って去って行った。次は、ライルが墓参りにくる番だった。
「さて、兄さん。兄さんが死んだなんていまだに実感がわかないよ。俺たち、ずっと離れ離れだったからな。今俺は兄さんの名前を受け継いでCBにいるんだ。ガンダムマイスターになったよ」
墓前にそっと置くのは、刹那が備えたのと同じ白い百合の花だった。
「こんな場面に薔薇とか、ちょっと悲哀すぎるもんなぁ。日本では菊が定番と聞いたが・・・・あいにくそんなもの売ってねーし。ここはアイルランドだしな」
ディランディ家の墓前には、アレルヤとティエリアが捧げただろう、白い薔薇の花が置いてあった。そして、さっき来ていた刹那がおいてあった白い百合の花も。
「花が重なっちまったみたいだが、ま、許してくれよな」
それじゃあな、と、ひらひら手を振って、ライルはスポーツカーに乗り込むとエンジンをかける。そのままディランディ家の墓前から消えていった。
それを待っていたのは、ティエリアだった。
ずっと、墓の近くにある休憩所で、アレルヤを先に宇宙に帰して日が暮れるのを待っていたのだ。
イノベイターであるティエリアの瞳が、黄金がまじった銀色に輝く。
「流石に命日は、皆来るな・・・・」
少しでも、彼の近くにいたかった。少なくとも、今日だけは。
「もう何度目だろうな。ここに来るのは」
季節が移り替わる前、雨が降っている中、刹那に運転を頼んでは墓参りにきた。その時捧げた花は深紅の薔薇だった。今回はアレルヤも一緒だったので、白い薔薇にした。
「今日で、宇宙に戻ります。また、来ます」
それだけ言い残して、深く頭(こうべ)を垂れた後、ティエリアは少しずつディランディ家の墓から離れていく。
首都圏までは遠いが、近くにバス亭がある。
行きはタクシーでアレルヤときて、アレルヤはタクシーで同じように戻って行った。
また、来年命日が来て、生きていたならガンダムマイスターたちは、この墓を訪れるだろう。ティエリアはもう5年以上、ほぼ季節が移ろうごとに墓参りにきている。
アロウズのこともあり、これから先はしばらく墓参りは無理だろう。
戦闘がどんどん重くなっていく。
世界は、歪んだままだ。
この世界をいつか、歪みのない世界にしたい。
ガンダムマイスターであれば、誰でも思うこと。
ティエリアは、もう泣かない。最初にこの墓を見つけた時は、号泣した。もう、涙も枯れ果てた。
5年間、たくさん泣いてきた。夢を見ては目覚めた。
もう、流す涙も乾いてしまったけれど、心は今でも泣いている。
それを押し殺して、ティエリアは空を見上げた。
夕暮れの藍色を帯びた紫の空が、純粋に綺麗だった。さわさわと緑を揺らす風に、紫紺の髪がもっていかれる。
一度後ろを振り返ったあと、目を一度閉じてから、前を向いて歩き出す。
刹那、アレルヤ、ロックオンとなったライルと、そしてトレミーの仲間と共に。
喪服(2期)
雨が降る中、嫌いな地上に降りる。目的地はアイルランド。
ディランディ家の墓の前まで、刹那が運転する車でやってきた。
手には、赤い薔薇の花。まるで、彼が流した血のような色で、鮮明すぎて目が痛くなる。彼は、きっとこんな色の血を流して宇宙に散ったのだろう。そう思うだけで、手が震えてきた。
雨が、降っていた。まるで、ティエリアの心みたいに。
しっかりしろ。
心の中で、自分自身を叱咤する。じっと見つめていた地面から、顔を上げるのもつかの間、また地面に視線を落とす。
ピチャピチャと、雨が水たまりを作る音だけが耳に響く。
天気の時にくるよりも、雨の時に来たほうが何故か心が少し落ちついた。天気の時は心がざわついて、叫びたくなる。
こんなことは、真実ではないと。
いくら否定しようが、真実は真実。
彼は、アリーアル・サーシェス、家族の仇を打つことを選んだ。ガンダムマイスターであることよりも。ティエリアも置いていった。何にも言わずにいなくなるなんて、卑怯者と罵ってやりたいけど、そんなこともできない。
「お久しぶりです。元気ですか?」
答えはないと分かっているのに、墓に声をかける。
そうすることで、彼ーーーロックオン・ストラトスがまだ身近にいるような気がして。ただの錯覚であるとは分かっている。
でも、いつも自分の近くにいるーーそんな気がした。
彼は、ティエリアの心の中でまだ生きている。鮮やかな記憶と共に。
「あなたの分までーーー」
生きて、生き抜いて。仲間と共に、世界を変革し、平和をもたらそう。
なんて傲慢で我儘な願いだろうか。それでも、ロックオンが庇ってまで守ってくれた命だ。いけるところまで、生きたいと思う。この5年間、どれほど辛かったか。
トレミーの生き残った仲間達がいなければ、きっと挫折していたに違いない。
いくらイオリアの計画を遂行するためのガンダムマイスターといえど、人間だ。ティエリアの場合イノベイターだが、人間になってしまった。それは彼のせいでもある。
人間と触れ合い、感情を覚え、喜怒哀楽を示す。それが、人間。
「またきます」
傘を片手に、墓前に薔薇の花を捧げると、一度だけ振り返る。そして顔を上げて、前を向く。未来へと歩み出すために。
刹那が運転している車に乗り込むと、刹那がピジョンブラッドのルビー色の瞳でこちらを見ていた。
「もういいのか」
「ああ。もういい。帰りも頼む」
「了解した」
一度瓦解した心は、刹那が手をとってくれたことで再構築された。心の傷は疼くが、いつまでも過去を見ているわけにもいかない。
「さようなら」
遠くなっていくロックオンが眠っているわけでもない墓に、別れの言葉を告げる。戦闘が落ち着いて、季節が変わったらまた墓参りにいくだろう。
それが、ティエリアがロックオンに対して唯一できる贖罪のような気がして。
守ってもらった、お礼を言えなかった。そのことが心残りだった。ティエリアのせいで利き目を失い、そのせいで彼は死んだ。今でも、彼が怪我さえしていなければ、ロックオンの名をライルが名乗ることなく、生きていたかもしれない。だが、そんなことを考えても杞憂に終わる。
本当のあなたは、宇宙で眠っている。でも、宇宙は広すぎて。だから、墓などという場所にくる。きっと、魂はそこで眠っていると思うから。
刹那は私服だったが、ティエリアより先にディランディ家の墓参りをすませている。私服は黒を基調としているが、赤いターバンを、マフラーのように首に巻いていた。
出身のクルジスの出で立ちに似ている。
私服になるたびに、いつもターバンを首にマフラーのように巻いていた。5年前とそれは変わらない。ティエリアも、5年前と何も変わっていない。刹那は成長し、大人になったのに、ティエリアだけ時間を止めたままだ。それがイノベイターであるせいだとも分かっている。
この体が、いつまでもつのは分からない。50年生きるのか、それとも100年をこえても生きるのか。でもきっと、いつかあなたの元へいけるだろう。
いつか、きっと。
雨に濡れた深紅の薔薇は、透明な滴を流して、それはまるで泣くことがなくなったティエリアの涙そのものであるかのように見えた。
「随分濡れたな。傘をさしていたんじゃなかったのか」
「さしていた。でも、薔薇を墓に置くとき、雨に濡れたくなった」
「風邪はひくなよ。ホテルについたら着替えろ」
「ああ、分かっている。・・・・・分かって、いるさ」
雨に打たれたら、冷えていく彼の体のように冷たくなることができるかなどと、馬鹿なことを考えていたのだ。
ティエリアは、いつも喪服を身にまとっている。
体ではなく、心が。
ロックオンの安寧を祈り。
今は、ロックオンを失った痛みを引きずりつつ、刹那と共に歩みだした。比翼の鳥のように、お互いが欠けることができない。
ロックオン・ストラトスーーーニール・ディランディ。
どうか、あなたに静かなる眠りがあらんことを祈り。
ツイッター
なんか呟いてます。
きっとでもこっちで呟いてるのが多い気もしないでもない。
スキャナ入らないし。
ペンタブないし。
ペインター11のシリアルNOなくしたし。
絵を描きたいけど描けない現状。
とりあえずタブレットだけでも回収してみます。
過去ログ
まぁいいかあ・・・・・
過去ログTEXTに収納しました。
出会いは突然にも収録したんですけど、このサイト反映が遅くてまだ更新できていません。
ついにでログが飛んでいたりもしますけど、そのうち反映されるのでさっくり読みたい方はブログで読むことをお勧めします。
絵のほうはプログにしかUPしておりません。
このサイトはプログ中心に動いております。ご了承ください。
出会いは突然に⑩
「へ~、それでそれで?」
アレルヤはマリーという女性と結婚し、家を出て行った。その二人の間には子供ができて、その子供が遊びにきて、話を聞いていたのだ。
いつも遊びにくる刹那も、同級生のフェルトと結婚して自立していった。
久しぶりに、アレルヤと刹那、それにティエリアと、順調に回復して臨時ではなく、ちゃんとした教師になったニールの四人が、久しぶりに揃ったのだ。
「ママは、ティエリアちゃんみたいな恋はしなかったの?」
アレルヤとマリーの子供が、二人を交互に見て不思議そうにしている。
「いや、僕たちは大学のキャンパスで知り合ったから。そういうのはないなぁ。ごめんね」
「アレルヤとはもっと早くに知り合いたかったわ」
マリーが、太陽のような温かい笑みを零す。
「お父さんは?」
刹那とフェルトの子が、父である刹那に訪ねてみるが、期待していたような答えはなかった。
「でも凄いね。トラックにはねられて、一時は危篤状態に陥って、心肺停止状態にまでなったんでしょ?でもそれでも生きてるってすごいね!」
刹那とフェルトの子供が、きゃっきゃとはしゃいで走り回る。
「確かに、あの時は死ぬかと思った」
今では、思い出の一つ。
「あなたが生きていて本当によかった」
今月で臨月を迎えるティエリアは、大きくなったお腹をさすって、ニールに微笑みかけた。
ティエリアはちゃんと大学も出て、それから正式にニールと結婚し、すでに一児の母である。今そのお腹には、女の子と分かった赤ちゃんが宿っている。
順調にいけば、来月に出産となる。
「あ、蹴った」
「お、ほんとか!?」
ニールが、嬉しそうにティエリアのお腹を手で触った。
「ほんとだ、蹴った!これはきっとじゃじゃ馬姫が生まれるな!」
「そうかもしれませんね」
「ママーだっこしてー」
ニールとティエリアの第一子である男の子が、だっこをせがんできたが、父親であるニールに抱き上げられた。
「やだーママがいいの!」
「ママはお腹が大きくて大変だから、俺で我慢しなさい」
「パパ、僕大きくなったらママと結婚するんだから!」
「ティエリアは俺のだからな!」
ぺっと、子供を放り出して、ティエリアのほうに近づくと、触れるだけのキスをした。
「あーもう、子供に目の毒だから。そういうのはいない時にしてください」
フェルトが苦笑した。マリーも同じように苦笑する。刹那とアレルヤは、ティエリアとニールのラブラブぶりに、溜息をついている。
「ほら、いちゃつくのはいつでもできるでしょ。もっとお話ししましょう」
そこは、ティエリアの家だった。
マリーがアッサムの紅茶を入れてくれて、みんなに配ってくれる。
カップを傾けて、中身を飲むと体全体が温まってくれる。
今、季節は冬だ。
そう、雪が降っている。
そんな季節に、ニールは事故にあい片目を失った。リハビリにもたくさんの時間を費やした。長かった病院暮らしも終わって、今はティエリアの家にニールは住んでいた。
自分の家は処分して、子供たちの教育費に充てるつもりである。
「愛しています。出会いは突然ですね、僕たちは」
「そうだな。ティエリアが線路から落ちなかったら、きっと出会えてなかったかもしれない。出会いは突然に、ってやつだ」
ニールが、紅茶の入ったティーカップを手にもって、中身を飲み乾した。
「おかわりはいかが?」
マリーの言葉に、皆がそれぞれの想いを胸に頷く。
出会いは、突然に。
リジェネのことを忘れたわけではない。だが、こうしてニールと共にいることが、亡くなったリジェネへの贖罪に感じられる。
今、幸せの絶頂期だ。もうすぐ女の子が生まれる。二人目の子供だ。
ニールは子供はたくさん欲しいと言っていた。多分、四人くらい産むかもしれない。出産の痛みは、男では耐え切れない気がすると、ふとティエリアは思う。
死ぬほど痛い思いをして、輝ける命を手に入れるのだ。女とは、そうできている。
「ニール、まだこの子の名前決めていませんね。なんてつけましょうか」
「そうだなぁ・・・・・・」
それはそれは、少し昔のお話。
ニールとティエリアの、愛を育む小さなお話であった。
出会いは突然に。
もしかしたら、あなたにも、こんな出会いが突然訪れるかもしれませんね。
出会いは突然に⑨
「エビフライもらい!」
ニールは子供のように屈託なく笑って、ティエリアのお弁当からいつものように、エビフライをかっさらっていく。
そこに、刹那が横から加わって、ニールのお弁当箱から、アジのフライをかっさらっていった。
「ティエリア、仇はとったぞ」
「別にとらなくても・・・・」
その日も、何も問題のない一日で終わるかに思われた。ニールが講師としてやってきて、もうすぐ2か月が経とうとしている。
学校で会えるのは、あと僅か。
名残を惜しむように、ニールとティエリアは、一緒に帰路につく。
突然だった。
歩道に、ボールを追って、公園から3歳くらいの幼児が飛び出してきた。すぐ側に、トラック。
プップーというクラクションの音。
「危ない!」
ニールの叫び声。
幼児を突き飛ばすニール。止まらないトラック。
血しぶきが、ティエリアの頬を濡らす。
「いやああああああああああああああ!!」
絶叫は、空高く吸い込まれていった。
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ニールは救急車で、病院に運び込まれた。心肺停止状態で運び込まれて、ティエリアは半狂乱で泣き叫び、取り乱した。
なんとか息を吹きかえした後、数時間にも渡る大手術の緊急手術がされ、今は面会謝絶状態だった。一緒に救急車に乗り込んだティエリアは、涙を零してニールが助かることを祈った。
何日も何日も、ニールのいる部屋の近くの椅子に座り、やっと面会許可が降りて出会ったニールは、包帯が痛々しく全体に巻かれていて、右目は失明した。
「また、僕は・・・・失うのか?」
独白は恐怖を煽った。
彼は右目を失明してしまった。まだ危うい状況で、命を取り留めたとも言い難い。毎日毎日、ティエリアは看病のために病院に通った。
そして、やっとのことでニールの意識が戻った。
「ああ・・・・指輪、してくれてるんだ」
ニールから貰った、親の形見だという指輪をティエリアは右手にはめていた。
「死なないで、ニール。僕と結婚してくれるんでしょう?」
「ああ、死なないぜ、こんなところで。な、だからそんな顔しなさんな」
ニールが手を伸ばして、ティエリアの頬を撫でた。その手に手を重ねて、泣いた。ニールが穏やかな顔で眠りについたのを確認したが、まるで死んだように思えて心が冷えた。
「寒い・・・・もう、冬か」
ニールと出会ったのは秋だった。
外を見ると、木は葉を散らせて、そして白い雪が空から降っていた。帰路につく。吐く息が白かった。薄着だったせいで、風邪をひきそうだ。
次の日も、面会に来た。
「ニール。愛しています」
「奇遇だな。俺もだ」
眠っていたと思われたニールは、起き上がった。右目にされていた眼帯が痛々しかった。
「もう決めた。ティエリア、卒業したら結婚しよう。式は挙げなくてもいい。籍を入れて、落ち着いたら式を挙げよう」
優しく笑うニール。
ティエリアは、ただ涙を流して、その言葉に頷くだけだった。
「はい・・・ニール、愛しています」
「俺も愛してる」
お互いの体温を確認しあって、唇を重ねた。
何度目かのキスは、なんの味もしなかった。
出会いは突然に⑧
一軒家で、男やもめの一人暮らしだが、家の中は綺麗に整頓されていて、人が住んでいる匂いのする暖かい部屋ばかりだった。
「これ・・・・もってきたけど。口に合わなかったら食べなくてもいいから」
持っていたカバンの中から、ラップにくるんだちょっと歪んだ形のくっきーを取り出して、溜息と一緒に、それをリビングルームの机に置いた。
アレルヤに手伝ってもらったけど、焦げまくったり、形がゆがみまくりで失敗した。でも、失敗作でもニールなら貰ってくれると思った。その推測はあたりだった。
ニールは嬉しそうに、ラップを開けるとクッキーを口いっぱいにほうばった。そして、一言。
「芸術的な味だ」
「どうせ美味しくないですよだ。ふん」
「愛情だよ、愛情。味とかそういうの、関係ない」
「キザったらしい」
でも、その心遣いが嬉しくもあった。
「僕には・・・昔、婚約者がいたんです。5年前に、僕を庇って、交通事故にあって死んでしまいました。それからずっと考えていたんです。僕に幸せになる権利なんてあるだろうかと」
ニールは、無言でティエリアの髪をすいた。
「あるよ。死んでしまった婚約者の子も、きっとティエリアの、幸福を天国で祈ってるはずだぜ?」
「そうでしょうか?」
「そうに決まってる」
断言して、それから頬にキスされる。それがむず痒くて、ティエリアはいつの間にか長く伸びてしまった髪を揺らした。
「本当に、僕とちゃんと付き合ってくれますか。僕は、あなたのことが・・・・。多分、この感情は嘘じゃない。あなたといると、まるで陽だまりにいるみたいだ。ニール、あなたがいないと、寂しいと感じる。僕は、あなたのことが・・・」
だんだん小さくなっていく声。
「好き、なんです」
「俺も好きだ。愛してる。だから、婚約しよう。ちょっと待ってな」
ニールは立ち上がると、2Fにあがってがさごそと何かを探しているようだった。そして、降りてきた時には、その手には小さな金色の指輪があった。
「おふくろの形見で悪いけど。講師なんて発給だしな。これ、対になるやつないけど、婚約指輪のかわりにやるよ」
「形見?そんな大事なもの!」
「いいから。これは俺の気持ちなんだって。もらってくれ」
強く押されて、ティエリアは首を縦に振った。
「はい・・・・」
それから、その日は借りてきたDVDを二人でずっと見ていた。恋愛もので、ラブシーンがたくさんあった。
「あなたは・・・・その、僕にこういうことしたいと思ってます?」
「今のところ思ってない。そういうのは、大切だから。ティエリアのこと、大事にしたいんだ」
安堵まじりに、けれど少し落胆した。
魅力がないのだろうかと、不安にかられたが、今までのニールの行動を見る限り、誠実そうなので軽くSEXなどをするタイプではないと思われた。
「キス、していい?」
効かれて、真っ赤になった。
「・・・・・・・・・・うん」
頷くまで、時間がかかった。
「ん・・・」
振れるように唇に指を這わされて、それからニールの唇と重なった。
「んあ・・・・」
濡れた声が、艶やかにお互いの鼓膜を刺激する。
大人のキス。初めてのキスは、飲んでいた紅茶のダージリンの味がした。
「もっかいしてもいい?」
「はい」
もう一度、唇を互いに重ね合わせる。自然と口を開けたティエリアの歯茎を刺激するように、ニールの舌が動き、舌同士を絡み合わせていく。
銀の糸を引いて、ニールの舌が引き抜かれる。
とても恥ずかしかった。
これ以上は、とてもできそうにない。
「僕は、今日はこれで」
「ああ、送ってくよ」
ニールの車に乗って、ティエリアは自宅まで無事に送り届けられた。ニールは車をもっていた。少し年代もので、古そうだったけれど丁寧に使い込まれているせいか、どこにも不調はなかった。
車。
そのキーワードに、胸が冷えた。
婚約者だったリジェネは、ティエリアが車にはねられそうになったのを庇って死んだ。
ティエリアは、天国にいるだろうリジェネに懺悔する。
君以外を好きになってしまった。多分、愛しているんだろう。これは愛という気持ちなんだろう。ごめん、リジェネ・・・・・・。
無事に家まで送り届けられて、アレルヤが夕飯に誘ったのだけれど、用があると言って、ニールは帰ってしまった。また明日になれば、学校でニールに出会える。学校に通うのが、楽しくなっていた。
出会いは突然に⑦
気を失ったティエリアは、保健室で目を覚ました。
額にひんやりと水で冷えたタオルが置かれていた。
「僕は・・・・」
そうか、あの後眠るように意識を手放したのかと、反芻するようにゆっくりと起き上がる。涙が、ぽたぽたと、保健室のベッドのシーツに零れた。
「ごめん、なさい・・・・」
「どうした?」
ティエリアが起きたのに気づいたのか、横で椅子に座ってうたた寝をしていたニールの瞼が開いた。飛び込んでくる鮮やかなエメラルドグリーンの双眸。
「ごめん、なさい。好きになって、ごめんなさい」
「なんで謝るんだよ?」
「だって―――」
ティエリアは涙を零してシーツを掴むと、そのままうなだれた。
「だって・・・・・・僕には、人を愛する権利なんて、ないから・・・」
くしゃりと、頭を撫でられて、目を瞑る。零れる涙は止まらない。
「泣くなって」
「ごめんなさい・・・」
「謝るなよ。俺がお前を最初に好きになったんだから。それに、人を愛する権利がないとか、そんなことないさ」
「でも、僕はリジェネを殺した」
また、頭を撫でられた。
「・・・・・・・・」
しばらくの沈黙。その先を促そうかとニールは逡巡したが、やめておいた。
語りたいのなら、自分から話してくれるはずだ。無理にはやめておいたほうがいいと。
優しくティエリアの頭を撫でた後、頬に手をあてて、ニールはティエリアに触れるだけのキスをした。
「らしくないぜ。元気だせよ。もう放課後だ、一緒に帰ろうぜ?」
「うん・・・・」
すでにニールはティエリアの荷物も、刹那がまとめて持ってきてくれたのを受け取っていた。自分の荷物も担当授業が全て終わって、午後には1時間しか授業がなかったのに、帰ることなく荷物だけまとめて保健室で、ティエリアが目覚めるのを待っていたのだ。
同じように、刹那も待っていたのだけれど、先に帰宅してしまった。
彼なりに気を遣ったつもりらしい。
ニールには刹那に今度昼飯をおごるとかいって、ウィンクしたけど。
そのまま、しばらく二人は沈黙したまま動かないでいた。
優しいニール。まるで春の太陽のように。眩しくて、暖かくて。
心がふわりと浮かんでいるような心地にとらわれてしまう。
「一緒に帰ろうか。今日は、電車なんだ。もう落ち着いただろ?無理ならタクシー呼ぶぜ」
「あ・・・・大丈夫です。自分の足で歩けます」
ニールとティエリアは、一緒に保健室を出ると、そのまま学校の校庭に出て、歩き出す。空を見上げると、綺麗な茜色に染まっていた。同じ色に染まるニールの横顔を見て、それからまた空を見上げる。
学校の門をくぐり、建物の影を落とす道路をてくてくと静かに歩いていく。
ティエリアは、鞄をニールの頭に向かって放り投げた。
「ぶべ!」
それは目標を誤って、ニールの顔に直撃した。べしっといい音がして、落ちた鞄をニールが拾い上げる。
「ちょ、お前なんなんだよ!」
「付き合って下さい。僕と、真剣に。あなたが好きです」
夕焼け色に染まるティエリア。サラサラと風に流れる髪をかき上げて、ティエリアはニールを見つめていた。夕日と同じ色の瞳で。スカートが翻る。白い太ももに視線をやると、お日様模様のパンティがちょっとだけ見えた。
あ、ラッキー。
頭の端でそんなことを考えながらも、気づかれないように、真剣な表情を崩さないニール。
「マジ?本気?俺のプロポーズ受けてくれんの?」
車が排気ガスを撒き散らしてクラクションを鳴らす音が、耳障りだった。
「婚約しよう」
「ぶっ」
ティエリアは、右手を口にあてて吹き出した。
てっきり「いいぜ」とかそんなありきたりの台詞が返ってくるのだと思っていた。ニールはすでにティエリアにプロポーズしているし、好きだとも言っている。
ティエリアとはデートしたり、一緒に刹那もまじってだが、昼食をとったりするし、家に遊びにくることまであるニール。
家庭教師としてとか口先だけで、あれだけ固いアレルヤが許すのも、元々ニールはアレルヤの先輩にあたる、同じ大学の出身で友人でもあるからだ。
だから、アレルヤは安心してアレルヤとティエリアが住む家に、遊びにくるニールを心から歓迎して迎え入れる。大抵、アレルヤも刹那も一緒の部屋で雑談したり、DVDを見たり、ゲームしたり、ほんとに家庭教師のように勉強を教わったりと、ニールが下心からティエリアの家にくることはない。
アレルヤも、安心して、デート相手が7つも年上のニールだと知っても、止めない。彼なら、ティエリアを幸せにしてくれると信じているのだ。
ニールは一見、見かけのせいでチャラついたように見えるが、女性との交際は真剣なもので、今まで何度か好きになった女性に交際を申し込んだが、断られたり、ふられたりしてきた。
まさか、未成年を本気で好きになるとは、彼自身も想像もしていなかった。交際する限りは、遊びでなく真剣に。高校を卒業するまでは、肉体関係は持たないつもりだった。
「じゃ、婚約成立でいい?」
「どうして、そこまで話が飛んでいくんですか!」
ティエリアは頭に手を当てている。
「結婚しようぜ」
「話が飛びすぎです・・・・いいですよ。結婚しましょう。ただし、僕が高校を卒業してから。それから、僕は大学にも進みますので」
「OKOK。卒業と一緒に結婚式な!」
冗談で、言っているのだと思った。付き合うのはOKだろうが、まさか結婚とか。先のことすぎて、ティエリアも考えていなかった。
「あなたは、口が軽いですね」
「本気だぜ?」
沈んでいく太陽が逆行になって、ニールの表情は見えなかったけど、抱き寄せられて、そのまま唇を重ねられた。
「ん・・・・」
大人のキス。まだされたことのないその感触に、背筋が泡立った。
それから、額にキスをされて、手を繋ぎあって歩きだす。
帰ったら、アレルヤと刹那になんて言おう?ニールと婚約したなんて、いえるだろうか。ニールは本気なのかな?
ちらりとニールの横顔を見ると、彼はニカリと笑って、ティエリアの指に指を絡めてきた。それがなぜか酷く恥ずかしくて、ティエリアは頬を赤らめる。
茜色に染まっているから、どうか彼に気づかれていませんように。
二人は、そのまま電車に乗り、それぞれの駅で別れて帰宅した。
出会いは突然に⑥
「よ、ティエリア、おはよう。昨日のデート楽しかったぜ。今日もかわいいな」
ぽんと肩を叩かれて、ティエリアは赤面した後、微笑み返す。聞こえてきた声の持ち主、ニールに向かって。
「おはようございます。かわいいとか、そんなこと、ありませんから・・・」
「あれ、髪のリボン曲がってるぞ?」
「え?」
「かしてみろ。俺が直してやる」
ニールはティエリアの頭を撫でてから、曲がっていた髪のリボンを直してやった。
「あ、ありがとう・・・」
「ほい、できた。うん。今日もまた後でな!」
いつもは万死としか返さないティエリアが、笑顔であいさつを返してくれた。これもデートとかお昼を一緒に食べたり、放課後話をしたりしている成果だろうか。
隣にいた刹那は、驚いて言葉も出ない様子だった。
かの堅物ティエリアが、あろうことか男性、しかも年上の教師に、いきなり肩を叩かれて挨拶されて微笑を浮かべて挨拶を返している。
2時間目が終わったあとの、10分間だけの小休憩の時間だった、今は。ティエリアと刹那は、二人で視聴覚室に向かって移動していたのだが、ニールがすれ違ってこちらに気づいてやってきたのだ。
ティエリアは気づいていなかったようで、肩を叩かれた時少し吃驚した様子であったが、頬を染めて少し俯いてから、長い睫を伏せていたのをやめて、笑顔で挨拶を返した。
「大王だ。アンゴルモアの大王が降ってくる・・・世界の破滅だ!!!俺がガンダムだ!!」
刹那は頭を抱えて蹲った。最後はいつもの台詞になっていたが。
「ちょ、なんだそれは!!」
「ティエリアが、異性に、異性に笑顔で挨拶を返した・・・・しかも、口説いていたあのニールに・・・ああ、アレルヤが知ったら、きっと卒倒する」
「何だそれは」
そこまでおかしいものか?
周囲を見ると、みんな固まっていた。
あの、堅物の美少女ティエリアが、ニールに笑顔で答えた。事務的なものでなく。しかも頬を染めて、潤んだ瞳でまるで恋をしているように。
「うおおおお、恋だ!!」
「恋ね!!」
「恋だわ!!」
みんな叫びだす。なんなんだ、このみんなのテンションは。そんなに可笑しかっただろうか。ただ、挨拶を返しただけなのに。
刹那は変わらず不明な言葉を叫んでいる。
とりあえず、刹那を引き摺って、その場から逃げるようにティエリアは視聴覚室に入る。
昼になって、屋上で昼食をとっていると、いつものようにニールが混ざってきた。
ドクドクと、早鐘の如くティエリアの心臓は脈打っている。
なんだろう、この感情は。気恥ずかしくて、ニールのほうをまともに見れない。
「お、エビフライげーっと」
ティエリアのお弁当箱から勝手にエビフライを拝借していったニールに、ティエリアは文句も言わない。
「あなたのせいだ!!」
急に立ち上がると、弁当箱を床において、びしっと指をつきつけるティエリア。
「へ?」
「あなたのせいで僕は病気になった!どうしてくれる!!」
「病気って・・・どんな?」
「あなたの声を聞くと、ドキドキする。顔を見ると頬が、体中が火照るように熱くなる。笑顔を見ると胸が苦しい!これは・・・・うう、病院に行かないと」
ニールはにんまりと笑って、ティエリアの手を握る。
「バーカ。それは恋だよ」
「鯉か!?錦鯉か!?」
「違うって。恋したことないのか。じゃあ初恋か?お前さんは、俺に恋しちまったんだよ」
「錦鯉してしまったのか!!」
「ま、まぁなんか違うけど似たようなものだ」
「責任をとれ!!」
びしい!
指をつきつけたティエリア。刹那は腹を抱えて声もなく笑っている。
「いいぜ。付き合おう。本気で、な」
「え?」
ふわりと、ティエリアの体が宙に浮いた。ニールはティエリアを横抱きにすると、あろうことか屋上でティエリアにキスをした。
「万死・・・・」
いつもなら、威勢のいい声とビンタが飛んでくるはずだった。でも、ティエリアは顔を手で覆って動かなくなった。
「あれ?」
「死ぬほど恥ずかしい」
ぽつりと漏れたティエリアの声に、ニールは苦笑するのだった。
脳裏に、幼い頃のリジェネの顔が過ぎる。リジェネがずっと好きだった。でも、一緒にいてドキドキとか体が熱くなったりとか、そんなことを経験したことはない。
リジェネを愛している。今でも。
でも、こんな激しい感情は今まで抱いたことがない。
幼馴染のように育ったリジェネに抱いた感情は、そう、例えるなら半身が側にいるような。
「リジェネ・・・」
「何か言ったか?」
「ううん、なんでもない」
交通事故にあいそうになったティエリアを庇って、ティエリアを突き飛ばしてそしてトラックにはねられて、他界してしまったリジェネの最期の言葉を思い出す。
「君だけでも、幸せに――」
僕だけ幸せになる権利なんてない。リジェネの人生を奪っておきながら。でも、葛藤する。誰も愛する権利などないと思っていた自分の心に切り込んでくるように、浸入してくる柔らかな暖かさをもった、ニール。
「僕は誰かを愛しても、いいですか?僕は、あなたを愛しても、いいですか?」
ティエリアは、涙を流しながらニールの翠の目をのぞきこんで、そのまま気を失った。
出会いは突然に⑤
約束の時計台の前で二人は落ち合う。ちょうど12時を知らせる鐘が鳴った。
「べ、別に」
ふんとあらぬ方向を向くティエリア。だがいつになくかわいいワンピース系の服装に、髪を結い上げてリボンで綺麗にアクセントをつけている。
すれ違う人が、ティエリアの姿を見ては振り返る。どこぞのアイドルか?などという言葉まで聞こえたきた。
「は、早くいきましょう。さっきからじろじろ人が見てきて、不快だ」
それは、ティエリアがもつ容姿ゆえのものなのだろうが。
適当な格好をしていても一目を引くのに、少女らしいティーンズファッションでまとめあげて、少しお洒落をすればアイドルのように見えなくもなく。
服装一つで、こうまで人の雰囲気は変わるものなのかと、ニールは楽しそうに心の中で感嘆した。
「似合ってるよ。その服」
「あ、ありがとう・・・」
もじもじした様子で、小さな声が返ってくる。
ニールはティエリアの手をとって歩きだした。
「ちょ!」
「映画見に行こうぜ。チケットとってあるんだ。もうすぐ始まる」
「な、いきなりか!」
ティエリアの言葉も聞かないで、ニールが誘導していく。
ニールの手をはたいてから、ティエリアはとことこと、ニールの横に並び映画館に向かって歩いていった。そして2時間ばかりのラブストーリーを見終わってカフェに入った。
「うう、グス・・・・」
「なんであなたが泣くんですか」
「だって、パトラッシュが!!」
一体どんな映画を見たんだお前ら。そうつっこみたくなる。
「ううう。パトラッシュ、いい子だったのに!!」
涙をハンカチでふくアイリッシュ系の男性に、店内の視線が集まる。あまりの恥ずかしさに、ティエリアは耳まで真っ赤になっていた。
初めて異性とデートしたのはいいが、なぜ連れの男がデートで、映画を鑑賞してそのストーリーで泣くのだ。普通立場が逆じゃないのか?
「も、もう泣き止んでください。チョコレートパフェおごってあげるから」
「おう・・・チョコレートパフェ2つくださーい」
泣き止んだニールは、アルバイトであろうメイドの人にチョコレートパフェを2つ頼んだ。
「何故2つ・・・」
「無論、ティエリアの分。お金は全部俺が出すって。無理すんなよ」
「う。まぁそういうことなら」
バイトはしていないので、小遣いはあるが無駄遣いできるほどはもっていないティエリア。洋服は別途でお金をもらっている。だから、小遣いは純粋に娯楽費用に費やしていた。チョコレートパフェって意外と高いな・・・・そんなことをティエリアは思う。
それからチョコレートパフェを食べて、適当に会話しながら公園を散歩して、ティエリアが新作のゲームが見たいとゲーム店に入って出る頃には、もう日が傾きかけていた。
「今日は楽しかった。思ったより」
ティエリアは、地面をじっと睨んでいた。
「それは何よりだ。またデートしようぜ」
「ふん」
あらぬ方角をむいたティエリアの顎に、ニールの長い指が絡まった。
「ん?」
触れるだけの優しいキス。
「な、ななななな!!!」
「ごちそーさん。また明日学校でな。それから俺と付き合うの、真剣に考えといて。俺本気だから」
「な、なななな!ば、万死ーーー!!!」
はははと走り去っていくニールの後を睨みつけて、ティエリアは顔を真っ赤にして震えていた。
ニールに振り回されている自分が、嫌でないのに違和感を覚えつつも、彼と付き合うのもありかと頭のどこかで冷静に考える。
教師と生徒というタブーはあるが、2ヶ月もすればニールは教師ではなくなる。そのあたりはあまり問題はないと思う。
「万死・・・なんだから」
キスされた唇を指でなぞって、夕焼けの紫に染まりゆく空を見上げた。
出会いは本当に突然に。そしてデートまでしてしまった。学校でも毎日のように会話して、一緒にお昼までとっているし、休日には家にまで遊びにくるニール。
「人を好きになれるのかな?」
夕焼け雲を見ながら、ティエリアは寂しそうに呟く。かつて、ティエリアには好きな人がいた。従兄弟で、自分とよく似た容姿をしていた少年だった。幼い頃は将来結婚するんだとまで約束しあった。
「ねぇ、リジェネ。どう思う?」
リジェネは、ティエリアを庇って死んでしまった。交通事故だった。好きになってしまったばかりに、彼を、愛した人を殺してしまった。
今から5年前のことだ。それほど昔のことではない。
もう、誰も愛する資格などないのだとずっと決め込んでいた。
刹那やアレルヤのことは好きだけど、友人として家族としてだ。
異性としての恋愛など、もうすることもないだろうと思っていた。
「リジェネ、君は笑うかい。あんな人に、心惹かれていく僕を」
リジェネが優しく微笑み返している気が、した。
