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刹那だって、男だし(3期)

バスタイムを終わらせて、フェルトは部屋に出た。
着替えを置いておくのを忘れたのだ。
寝る時まで、制服姿なので、脱いだものとそうでないものの見分けをつけるのに、少し苦労する。ピンク色を基本としたフェルトの制服。
色は、ティエリアが決めてくれた。
髪もピンクだからと。
ちょっと大雑把すぎないかとも思ったけれど、ピンク色は好きなので別に不満はない。

「フェルト」

ノックもなしで、勝手に部屋の暗号キーを打ち込んで、やってきたのはロックオンのシャツ一枚で、肌も露なティエリア。

「どうしたの!何かあったの!?」

誰かに酷いことでもされたのか。まかさ、このトレミーにいる人に限ってそんなことはありえない。でもティエリアの美貌は美しすぎて。最近CBになった男性か誰かに、悪戯でもされたのか。そんな最悪な考えが浮かぶ。

「誰かに、何かされたの!?」

ふるふると、ティエリアは首を横に振った。
細いくびれのある腰。でも、胸はない。ロックオンのシャツはちょうど、ティエリアの太ももまで覆い隠していて、何の邪心もないフェルトでさえ、見ていてその色気と艶に頬を赤らめてしまいそうになる。

「僕が」

「うん」

「痛いと、鳩尾に蹴りをいれたつもりが、その、股間に……」

もごもご。ようは、そういう雰囲気になって、身体をつなげようとして、ティエリアは痛くてつい、ロックオンの股間を蹴り上げた。
涙を溜めて、頬にそれを流してフェルトに抱きつくティエリア。

「でも、痛いことなんて、ロックオンはしないんじゃ」

「歯が痛くて」

言葉を失う。虫歯かい!最初からそう言え。

「ロックオンのところに、いってくるね」

「一応服は着たままだったから」

「うん」

シュン。扉をあけて入ってきたのは刹那だった。

そして、まだ下着姿のフェルトと色っぽいティエリアの姿を見て、天を仰いでそれから俯いてしゃがみこんだ刹那。

「刹那!?あなたも何処か具合が悪いの!?」

「ふ、服を着てくれ、フェルト」

「きゃああああ!」

そこで、初めて自分が下着姿であるのに気づいた。ティエリアの格好もやばい。ちらちら、キスマークのついた胸やら太ももが見えている。肌が白すぎるだけに、少し吸い付いただけで簡単に痕を残すティエリアの肌は本当にシルクのように滑らかで。

「ティエリアも、ふ、服を」

刹那は屈んだままだ。

ティエリアが、首を傾げてしゃがみこんで、刹那を下から覗き込む。

「ぐ……」

昔は、ティエリアと比翼の鳥として生き、ティエリアを抱いたこともある刹那。扇情的な格好に、言葉を失う。いつもながらに大胆だ。
自分の格好も忘れて、同じようにフェルトもしゃがみこんだ。

「もうだめだ」

ばたり。刹那は、意地で鼻血を出すことなく、根性を燃やしつくした。
20代の青年の、僅かに褐色の肌をした精悍な刹那が、丹精な顔を手で覆ってから、倒れた。

もしも、床にインクがあったら。
フェルトの胸、と書いて倒れたことだろう。
トレミー陣の女性の胸はとにかく大きい。ミレイナは例外だが。
フェルトの胸に顔を埋めるのが、いつか刹那の密かなる野望。
だが、そんなことを口にしたり態度にする男ではない、刹那は。いつもフェルトをリードして、優しく接する。日に焼けた顔が、フェルトに愛を囁く姿を、よくトレミーで見る。

「これ、僕らが原因か。あいたた、歯が」

「歯医者いきね。決定だわ」

翌日、嫌だと喚くティエリアを横抱きにして、地上に降りるロックオンの姿があった。あの歯医者にある独特のにおい。そしてウィィィンと歯を削る音。ロックオンでさえ顔色が蒼くなる。やっぱり、嫌い、なのだ。歯医者が。

「俺は」

気がついた刹那は、ほとんどまる一日寝ていて。

「気がついた?はい、ポカリ。何も食べてないし飲んでないようだったから。まずはこれで水分補給してね」

頬に当てられる、ドリンクを受け取って、一気に飲み干して。刹那は、ルビーの瞳をさらに赤くさせた。

「フェルト?」

「え?」

その腕をひっぱり、唇を奪った。

「せせせせ、刹那?」

「我慢、していたんだ。あの姿は心臓に悪すぎる」

「ごめん、もう下着姿でしゃがむなんて、ティエリアみたいなことしないから」

「もうしてくれないのか?」

「ええっ。刹那はしてほしいの?」

「さあ、それはどうだろう」

はにかむ笑顔。何を考えているのか分からないけど、優しい微笑みがそこにあった。
一方地上では。


「私はもう死ぬのです、ジャボテンダーさん。墓を100こ建ててください」

歯医者のナースに手を、ひっこぬかれるくらいに引っ張られて、処置室にいく。泣きながらロックオンを見るけど、手をひらひらするだけで助けてくれない。ジャボテンダーさんは、ロックオンの腕の中。

嗚呼。

「いたあああああ!!」

処置室から、麻酔が効いているだろうに、ティエリアの悲鳴が大きく響いた。
ロックオンは、歯磨きは怠らないようにしようと、そう思った。ティエリアの二の舞になりたくない。トレミーに帰ると、アレルヤもライルもリジェネも、みんな歯医者は嫌いなそうで。

やっぱり、あの独特の匂いと歯を削る音が原因なんだろうなぁと、ジャボテンダーを抱いてロックオンにそっぽを向いて、リジェネと手を繋いでいく愛しい恋人を見て、ロックオンは溜息をつくのであった。

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ジャボテンダーの色

「ふーいいお湯だ」

備えつけの小さなバスルームに湯をはって入っていると、いつものようにティエリアが入ってきた。裸で。ロックオンは一人でも、腰にまでちゃんと布を巻いている。いつ出撃命令がくるか分からないし、こうしてティエリアが乱入してくるだろうからと。
それは当たっていた。
白皙の美貌をそのままに、眼鏡をとっているので少し鋭い印象があるが、いつもの子供みたいな仕草で、身体を洗ってロックオンの隣に浸かる。
湯は少し高めの温度だった。

どばばばばばば。

「つめてぇ!」

「熱すぎます」

もはや、適温を通り越して、水風呂に近くなったそれに、ティエリアは満足そうだった。
ポチャンと、雫がはねる。
ティエリアの顔が、湯の中でゆらゆら泳いでいる。
ティエリアはそれをジャボテンダーでかき消した。
やっぱり、ジャボテンダーと入るんだ。息子でロックオンが作ったジャボリー君なるミニサボテンダーは防水性にしてあるけど、ただのジャボテンダーは抱き枕。
無論、水分をとれば重くなっていく。

「大分太りましたね」

いや、水を吸って重くなっただけだから。
水の中でむくんでいくジャボテンダーを頭に乗せて(重くないのかな?)ティエリアは、透明な声で与作を歌いだした。
何故、このセンス。
嗚呼、綺麗なボーイソプラノを留めたその歌声は、もっと歌姫なんかの歌やアヴェ・マリア、賛美歌とかが似合っているのに。
湯の湯気が、ロックオンの視界をさえぎる。
すげぇ邪魔だし。
白い肌をほんのり桜色に染め上げたティエリアの裸体を、拝むことができるのは、そんな夜かこうした風呂くらいで。まぁ、ティエリアはほいほい着替える時も下着姿に、そこに人がいようと平気で着替えるし、トレミーの廊下をロックオンのカッターシャツ一枚とパンツだけで歩くような子だから、いろいろと気苦労が耐えない。
胸なんてない。
絶壁。
中性だし、仕方ないだろう。女の子でもない。男の子でもない。
不思議な存在だ。
なのに、貪欲にロックオンを飲み込んで……あ、鼻血でそう。
ロックオンは、鼻をおさえて天井を見上げた。
ゆらゆらと、漂う湯気が目にしみそうだ。

「は~~じゃぼてんだ~~~それ、ほい、ほい!」

ロックオンを、風呂用に座るやつに座らせて、変な歌を歌いながら、石鹸をこれでもかって泡立てたジャボテンダーで洗っていく。背中を問答無用で洗われて、ロックオンは腰の布をとられそうになってそれはなんとか阻止して、ティエリアの歌にかけ声をする。

「あー、ほい、ほい、ほい!」

手拍子までついている。
なんだ、この光景。
ラブラブアマアマなムードになるならわかる。
何故、ジャボテンダーで身体を洗われてホイホイとかかけ声してるんだ俺とか考えながら、でも掛け声は止まらない。

「ジャボテンダーホイホイ!」

「ホイホイ!」

ばしっ。連呼したら、水を吸った重たいジャボテンダーではたかれた。

「失礼な。ジャボテンダーさんはジャボテンダーホイホイではない。あ~落葉の森にジャボテンダーがやってきた~。ある日~森の中~ジャボテンダーさんに出会った。ジャボテンダーさんは森の中で針万本針万本~いよぉ~~、針万本♪」

「針万本♪」

一緒に即興の歌を歌いだす。
ロックオンは、ティエリアの紫紺の髪を洗ってあげながら、バスルームで湯というか、ちょこっと暖かいだけの水風呂に沈むジャボテンダーを、後で干さないととか、そんなことを考えていた。

「ロックオン」

「ん?」

ティエリアは、自分でシャワーを浴びてシャンプーとリンスを流すと、ロックオンに抱きついて、少しだけ唇を重ねるキスをした。

「ん」

ティエリアの喉から、甘い声が出る。ロックオンが伸ばした手が、ティエリアのラインを辿っていた。

「続きは、また来週!ふふふふ」

そういって、爽快に去っていく彼。
一人残されたロックオンは、暖めなおした風呂に浸かって、あの緋色の目に囚われた瞬間に、身動きができなくなっている自分に苦笑した。
いつもは幼子のような部分を見せるのに、まるで獲物を狙う猛禽類のような鋭さと、そして美しさ。
絶世の美貌は、色あせること知らない。どんな時でも。

「は~。また来週か。ほんとに来週なんだろうなぁ」

きっと、それまではあおずけだ。キスくらいは許してくれるだろうが、ティエリアを抱けないと思うと少し悲しかったけど、欲の塊のような男ではない、ロックオンは。
互いに愛を確かめるためにティエリアを抱く。

「なぁ、ジャボテンダーちょっとむくみすぎ。染料おちてねぇ?」

ちょっと白くはげかかったジャボテンダーを、湯の中で持ち上げて、ロックオンはティエリアが即興で歌っていた歌を、脳内にプリントアウトされてしまって、それを音痴ともいえる音色で奏で出す。

「いよぉ~~ジャボテンダー森の中~~♪」

まるで歌舞伎のような。
変な仕草つきで。

今日もトレミーは、ジャボテンダーがはげるくらいに平和でしたとさ。

 

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全力で。

トイレに篭っているのは私のほうだよふはははは。

コナンよんでたりしてた。

生の野菜嫌いだからな。食物繊維がたりてないのかもしれない。

前は自家製バナナジュースをよく飲んでいたのだけど。

最近はあんまりなくなったなぁ。

OO小説うつの10日ぶりくらいじゃないだろうか。鬼のように、長編を完結させてから短編2本完結させてしまった。

「氷の華が咲くよ」と「さよなら」

ありきたりな内容すぎてどうにもならない。

ブックの余裕がなくなってきた。魔法のアイランドのもうひとあかとるかなぁ。

ブック50くらいにしてくれたらなぁ。

いろいろ書けて楽なのに!

KALさんちにいったよ!(HPね)

KALさんが、俺なんかのHPのBBSに書き込みしてくれたよ!

嬉しくて、返事するのがぶるぶるします。

ぶるぶるぶる・・・・・。

あ、またトイレいきてぇ。

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全力で。

全力でトイレにこもって2時間。
ロックオンは、でそうででない、そんなもやもやを抱えて、ついには雑誌を読み出した。
俺ってばおっさんくせえ。
でもトイレに雑誌を置いていたのはティエリアだ。

コンコン。
トイレをノックされる。

「ごめん、まだむり。自分の部屋のトイレ使ってくれないかな」
「ここが私の部屋です」

ティエリアは断言した。
いや、ここ俺の部屋だし。

コンコン。

「まだ無理!」

コンコン。

「分かった、出るよ!」

出ると、ティエリアはジャボテンダーを抱えて、10秒で出てきた。

「ふう。ジャボテンダーさんが水分をとりすぎたものでして」

ガクッ。

いつものオチだけどさ。

まぁいいか。

そして、ロックオンはまたトイレにこもる。
雑誌を見ていると、時間を忘れてトイレに篭りきりになっていた。

トイレから出ると、ティエリアの書置きがあった。

「下剤もらいにいってきます。ドクター・モレノのところへ」

「だあああ!もういいんだって!」

急いでドクター・モレノのところに行くと、ドクター・モレノに聴診器を頭に当てられながら、会話をしている二人がいた。

「だから、ジャボテンダーさんは水分をとりすぎると、やはりトイレに行きたがるようで」

「それお前さんの間違いじゃないか」

「いいえ、これは愛しいジャボテンダーさんの話だ。ジャボテンダーさんはジャボボ星が故郷で、普通のジャボテンダー星から来たのではないのだ。ジャボテンダー星とジャボボ星は3万光年離れていて」

ドクター・モレノはこっくりこっくり居眠りを始めた。

そこへ、緊急のシグナルとアラーム。

「前方に敵と思われる影発見!マイスターたちは急いでガンダムを発進させるべし!」


ふっと。
ジャボテンダーを放り出して、ティエリアは眼鏡を外した。ロックオンとすれ違いそうになる。

「何処へ行くのですか。行きますよ」

真紅の瞳が、とても綺麗で。

「ティエリア・アーデとしての責務を全うします」

走っていく。

いつものお茶らけた可愛い仕草も言葉も消えていた。触ると、切れそうな刃物のような雰囲気。纏う空気が全く違う。

「アレルヤ、遅い、何をしていた!」

すでにノーマルスーツに一番に着替えて、最後にやってきたアレルヤを一喝して、皆それぞれガンダムに乗り込んで、祈る。

この戦場を乗り越えて、生き残り、再び邂逅できるようにと。
ジャボテンダーが、宇宙に華を散らしていく敵を、ゆっくり見つめていた。

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読みやすいと。

多分かなり読みやすいと思います。

誤字脱字修正終わりました。

シャナの欠片 悲劇のメシア
http://ip.tosp.co.jp/BK/TosBK100.asp?I=arialira&BookId=18

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OOが

OOの更新してないあああ

携帯の小説ばっかうってました

シャナの欠片完結

文庫本で280P前後の長編です。

まだ加筆う誤字脱字修正残ってます。

でも一応完結で。

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なんか。

シャナの欠片あまりにも打ちやすくて完結させてしまいましたが、終わりから4章くらい保存して削除。んで改稿っていうより加筆いっぱいして長編にして完結しようかと思います。

シャナの夢のほうがゼンゼンすすまないよ~~


菫咲く~のほう、3イイネもらいました。

ありがとう。

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かきまくった。

ほぼノンフィクション

「菫咲く庭はもうないのだから」

異世界トリップコメディ中編

「シャナの欠片」

どちらも完結です。シャナの欠片は今日100P近くうって終わらせてしまったのですが、いろいろ改稿するだろうと思います。内間違いもまだみてないや


どっちも携帯別館から読めます
めんどいからリンクはらない

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ん?

なんか上のPCの色と下のPCの色が激しく違うきが。
上でまぁまぁこんなもんだろって下で見ると色こいよ・・・、
フォトショエレメンツで色ちょっとかえた。

まぁなんとかこすぎるのからちょっとこいってくらいになった。

ローゼンメイデンばっかり下絵が5枚くらいたまってる。
オリジナル最近かいてないなぁ。



ペインター11にもなれてきた。
しかし銀様はいつでも麗しい。
俺がかくとなんともいえない。

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ついに

絵のストックが1枚に。
昔の絵のかく環境もどしたいなぁ。しかしウィンドウズ7では昔のふぉとしょはインストールされない。
新しいの高すぎるし。
ペインター11も使いにくい。
昔のがよかった・・・。

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ごめんというまえに

ねてばかり。

更新してないよあはん。

とりあえず日記だけ

おきたらいっつも夜

明日はお寺さんがくるので昼におきなければいけないのでもうねる

1時間もおきてないもうだめだあはん
 

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真っ赤な。

ウィンドウショッピングをしていた。ショーケースに飾られた、真っ赤な真っ赤なピアス。
どうしようか考えあぐねてもう1時間。
刹那との待ち合わせにはまだ時間がある。
財布の中の紙幣を確かめて、その真っ赤なピアスの値段を見て溜息をついた。

多分、ルビーの中でも最高級品。ピジョンブラッド、鳩の血の色といわれる真紅。
隣には、スタールビーのピアス。ゼロが一桁おおい。
財布の中身をみて、その薄っぺらさに苦笑が零れた。
カードもあるけれど、CBのお金でこんなもの買ったら絶対怒られるよなぁ。
そんなことをフェルトは考える。
ピアス、変えたい。
ルビーのやつに。

もう少し安いのはないかと、店内に入るけど、どうやら高級品店だったようで、ゼロが一桁も二桁もおおい。
どうしようか。
ギリギリ、買えなくはないけど、そうするとしばらく新しい服も買えなくなる。
でも、一度欲しいと思い出したものは、きりがなく、視界に入る。

「いらっしゃいませ」
赤いターバンを首に巻いた、背の高い中東出身らしい顔立ちの青年。窓硝子ごしにフェルトを見つけて、店の中まで入ってきた。
「どうした?」
「ううん、なんでもないの」
「あのピアスを、購入する」
店員に、フェルトが欲しいと思っていたピアスを買うと伝えて、梱包してもらう。
どうして分かったんだろう。
刹那には言っていないのに。
刹那は、フェルトのくるくるはねた髪を撫でると、付け加えた。
「CBから生活費は出てるだろう。別にカードで買ってもいいだろうに」
「でも」
「俺はまぁいろいろ裏稼業してるから、金はそれなりにある」
梱包された真っ赤な真っ赤な、刹那と同じ瞳の色のルビーを、刹那はフェルトに渡した。

「どうして、分かったの!?」
「ショーケースにずっとはりついてたじゃないか」
ぼんと、顔が噴火しそうに赤くなる。見られていたのだ。
「苺とおんなじなの。刹那の色だから、欲しくなるんだ」
店を出た大通りで、腕を引き寄せられてフェルトは顔をあげる。
「ん」
触れるか触れないか程度のキス。
それにまた真っ赤になって、二人は歩き出す。
刹那の、東京の家へと。帰宅するために。

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阿呆が阿呆

「よお、ティエリア。プレゼント」
ロックオンは、別に何の記念日でもないけど、やっぱり恋人の喜ぶ顔がみたいと大きなラッピングされた紙袋に入ったものをとりだす。
「なんでしょう?」
ティエリアのことだから、未だにアナログめいた本とかそういうのが好きそうだけど。装飾品とかは見るのは好きだけど、必要以上に欲しがらない。
まぁ、宝石さえ色あせる美貌だからとか、ロックオンは勝手に思っている。
感動できるストーリーとか銘打って売り出されていた絵本やらを買ってあげたら、涙の洪水となってロックオンのシャツで鼻水をかむくらいだ。
涙脆いのは知っている。映画のDVDとか、ホラーものも好きだが、恋愛ものも好きらしい。ロックオンはホラーだけは遠慮願いたいタイプ。テロで失った家族を思い出す。猟奇的なシーンにはいつも死体とか血とか、偽者だってわかってるけど、受け入れられない。
ばりばりと、ティエリアが梱包の紙をはがしていく。

刹那がもってるジャボ美だかジャボ子さんだが、それによく挨拶をジャボテンダーをもってするくらいだから、もう一体くらい増えていいんじゃね?とかロックオンは思った。
ジャボ美さんだったか、ティエリアのもっているジャボテンダーにはミニサボテンダーがついていて、ジャボテンダーが出産したことになっている。
ほんと、頭の中にコスモが渦巻いています。

現れた新たなるジャボテンダーの抱き枕を、ティエリアは神妙な面持ちで眺めていた。
「気に入らなかったか?」
「うーん。僕にはこのジャボテンダーさんがいますから。浮気はちょっと…」
浮気になるんかい!
俺はどうなるの!
ロックオンは笑い出すのを我慢して、新しいジャボテンダーをティエリアに近づける。

華麗なるアッパーが、ジャボテンダーもろともロックオンの顔に決まった。
「ティ、ティエリアああああ!?」
「そのジャボテンダーさんはジャボテンダー星からの間諜です」
ぶんと、いつものジャボテンダーをうならせて、ロックオンの顔面にめきっと決まらせる。
「スパイです。スパイスではありません。スッパイわけでもありません」
「はぁ。気に入らなかったんだな。何が欲しいんだよ、お前さん」
「ジャボテンダー星」
きっぱりと言い切られて、ロックオンは逃げ出した。だって、ティエリアがジャボテンダーを持って追いかけてくるから。

結局買われたジャボテンダーは、何故かアレルヤいきとなった。
ほんと、阿呆は阿呆。
生態も謎。
「ジャボテンダー星はここから遥か30万光年離れたジャボテテン銀河に」
語りだすと止まらない。しかもジャボテンダーふりあげて、ロックオンにびしばし投げつけることが最大の、ジャボテンダー流の愛らしい。
痛いのでロックオンは逃げ出す。ティエリアは追いかける。

阿呆は阿呆。
頭にはコスモが渦巻いている。どっかで、脳みそ落っことしてきたんだろう、多分。

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新章

オオオオオ。
大気が震えるような咆哮。
赤い竜は、尾をくねらせて、岩盤に叩きつけてガラガラと岩が落ちてくる。
「荒れているのね」
ふわり。
まるで風の精霊シルフのように、透けた少女が崖の上からその真紅の竜を見下ろした。
「キシヤアアアア!!」
もはや、人の言葉すら忘れたドラゴンは、少女が何を言ってるのかも理解できないように見えた。
ふっと、その金色に光る双眸が、爬虫類独特に、縦に凝縮されてふわふわ漂う、金色に発光する少女を見上げた。

「言葉をもう忘れそうだ。ああ、せめて故郷に戻ることができるのなら――ー」
渇望に似た想いは、叶わないのだとドラゴン自身がよく理解していたのだけど、煽るように金色の少女は、ふわりと金色の翼を広げて指を差す。
「もう少し、待って御覧なさい。金の天使に羽化する少女がくるわ」
「本当か?」

どんどん濁っていく金色の瞳。
キシャアアア。
また、ドラゴンが雄叫びをあげた。それは深く悲しくそして絶望めいた。
それでも、人であった頃の心は忘れないようしてもう5千年。
渦巻く瘴気にどんどん汚染されていった竜の体は、取り返しがつかないように、彼女の精神を蝕み、そして人の心さえも失わせた。
ロゼッタレッドと異名をとっていた人間時代。まるで姫君のように扱われ、有頂天になっていたのかもしれない。
金の天使になったあと、そのあとに待ち受けているものを知らなかったから。
だから、こうしけ化け物となり果て、この世界を彷徨っている。
彼女は確かに金の天使であった。だが、夢を見続けるシャナを目覚めさせることはできなかったし、元の地球に戻ることもできなかった。
ロゼッタレッドの隣には、けれどかつては黒き獣と呼ばれていた黒豹が、いつも彼女を守るように侍っていた。

人の町や村を襲い、家畜や人間を食い殺したロゼッタレッドは、いまや無用の長物。かつては権威ある炎の竜を崇められ、恐れられてはいたが、殺されるような真似はなかった。
ここ数日、ここにやってきたモンスターハンターの数は10人をこえている。
国が莫大な懸賞金をロゼッタレッドの首にかけたのだ。
 
「御機嫌よう、ロゼッタレッド」
かつて、赤い髪が美しいともてはやされた金の一族の、天使に羽化することができ、人々を導いた、ロゼッタ・リリーという名の聖女は、今や人の形を崩し、ドラゴンとなった。

ロゼッタレッド―――。
今でも、鼓膜にこびり付いて離れない、その名前。燃えるような赤い髪が美しいと、賞賛されたその美貌。麗しき日々は、今は過去の産物。
今は吼えたけ、そして炎のブレスを吐き、身に真っ赤な髪の変わりのように真紅の鱗と鬣、それに角。二本ある角のうち一本には、金色のペンダントが巻きついていた。
まだ人であった頃、黒き獣、黒豹が人型をとった時に買ってくれた、大切な大切な思い出の品。
名前は、ランジュ。
そう、あの黒き獣はいつもランジュと名乗る。
人の赤子の魂と姿かたちと声を食らい、この世界に人として降臨し、その肉体が限界にくれば、金の一族がいる限り、新しい人の子を食らい、また人の形を留める。金の一族がシャナからいなくなれば、太陽神殿に奉納されてある神像となって眠りにつく。
眠っては目覚め、眠っては目覚め。
ロゼッタレッドは、運よくランジュを手に入れた。もっとも、それはこの生きてきた5千年の歴史を振り返ると、一瞬の出来事のようであったけれど。

確かに愛し、愛されていた。
ランジュ――。
愛しているわ。

そう囁くように喉をならすと、漏れるのは空気が四散していくような音と、グルルルという鳴き声だけ。

金の一族の、金の天使に羽化する少女がくるというのなら、絶対にその傍にランジュはいると、ロゼッタレッドは確信する。
金の天使に羽化する者だけを守り、見つめるのだから、ランジュは。
いつも愛らしい少年の姿をしていて、食らった人の子の容姿を、無理やり自分のものとして変えて、茶色の髪に深い紺色にも似た蒼の瞳をしていた。
彼は、ロゼッタレッドの傍にあった頃、一度肉体を変えた。肉体に限界がきたのだといって、数週間姿を消して、人の赤子の存在を食らい、そして急激に成長して、元のランジュと同じくらいの少年の姿で戻ってきた。本来なら、その両親の子としてゆっくり成長していうのだが、ロゼッタレッドを守るために、無理に成長を加速させ、そして結果、ロゼッタレッドが金の天使に羽化した頃、その肉体にも限界が訪れ、獣の姿に戻った。

時折、黒豹を意識したかのような、黒い肌に黒髪、黒目の少年の姿をとることはあったが、このシャナの世界で黒髪と黒目は珍しすぎる色。一目につくからと、黒豹の姿で金の双眸を輝かして、ロゼッタレッドがシャナの世界で歩む道を守っていた。
そう、まるで運命のように、必然的に金の天使として羽化した後に待つ、その宿命を。

ランジュは教えてくれなかった。
金の天使として羽化した後、待ち受けているものがなんであるのか。
人に尊ばれ、聖女とまで祭り上げられて、ロゼッタレッドの心はまるでこの世界の王のように尊大になっていた。その彼女を追い落とすよりも酷い仕打ちに。

何故、教えてくれなかったのだろうか。
今でも思う。
教えてくれていたら、金の天使になど、絶対に羽化しなかったのに。かろうじてドラゴンの姿をとることができたのは奇跡ともいえるか。
金の天使としての溢れる神力が多かったせいで、まだこの世界の命ある存在の姿になれた。

「ああ、口惜しい。愛しているのに憎い―――ランジュ」

キシャアアア。
また、甲高い咆哮が世界を揺るがした。
金色に濁った瞳で、ロゼッタレッドは空に浮かぶ地球を見る。エデンと、このシャナの世界の人が呼ぶ星。そして、ロゼッタレッドだけでなく、金の一族全ての生まれ故郷たる、緑と水の惑星。

「本当に、綺麗な赤」
百合子は、また勝手に「彼」と彼の母であるシャナの夢をみる少女が住まう館を抜け出して、ロゼッタレッドが住まう渓谷に来ていた。
うっとりと、太陽の光に色をかえる、真紅の鱗を見下ろす。
まるで揺らめく炎のような、鱗。
さぞ、竜素材にすれば一財産築けるだろうに。
ドラゴンの鱗、瞳、角、鬣、血。どれもが、魔力を帯びた強力な道具や武器防具の元になる。特に血は、一時的ではあるが、人の老いを止めてくれる秘法薬として、金持ちの貴族や王族皇族の間で愛用されている品。
そのせいで、ドラゴンの密漁は後を絶たない。今では、数も少なく、国家単位で保護を呼びかけて、無意味にドラゴンを狩る真似は禁止されている。
元々、ドラゴンはこのシャナの世界とは違うドラゴンだけが住まう、竜界という場所に住んでいる。そこからシャナの世界にまで生息地を伸ばして、昔はシャナに住むドラゴンの数も多かったが、シャナの世界は、ドラゴンにとって毒でしかない瘴気が渦巻いていて、長い間いれば気が狂うので、竜界に戻ろうとするドラゴンも多かった。
もっとも、狂うほどの人と同じかそれ以上の知恵を持つドラゴンは、なかなか元の竜界に戻ることができなかった。同じドラゴンと呼ばれているが、モンスターに分類されているドラゴンもシャナの世界には存在する。
ドラゴン、と呼ばれているが、人語も話さぬただのモンスターは、竜界からきたドラゴンとは格が違う。竜界からきたドラゴンたちを総称してドラゴンロードと呼ぶ。シャナの世界のモンスターのドラゴンは、ただのドラゴンだ。
時折、モンスターのドラゴンでも人語を理解し、魔法を使うような知識高いドラゴンも生まれるが、やはり竜界のドラゴンには適わないだろう。

昔は神と尊ばれた、竜界のドラゴンたち。
残っている固体は少ない。
その一匹に、ロゼッタレッドは入っていた。人の言葉を操り、真紅の炎纏うドラゴンとして。
この渓谷に住み続けて5千年ほど。

「お嬢様の元へ、いってくだしまし!」
百合子は、人としての思考が濁り、ただのモンスターに堕ちそうなロゼッタレッドに向かって、真空の刃を上空からいくつも放った。

ギャオオオオオ!!
鼓膜が破れそうな、痛みを訴えるロゼッタレッドの悲鳴に、百合子はゆっくりと礼をした。
「お嬢様をよろしくお願いいたします」
ふっと、現れたのと同じくらい唐突に、百合子は館に繋がるゲートの扉をくぐって消えてしまった。
その場に残されたのは、真紅の鱗を傷つけられ、血を流しながらのたうちまわる巨体。
「死んで、しまえ。みな―――」
まるで怨嗟のような、人の言葉として聞き取れるその台詞は、すぐにシャアアアアと、荒れ狂うロゼッタレッドの咆哮と、ガラガラと崩れ落ちる岩の音にかき消された。


カラカラカラ。
街道を走り続ける馬車は、レトという人口の少ない村に到着した。それより先、街道が封鎖されていた。仕方なしに、村で宿をとって、村長にあって、理由を聞くと帰ってきた応えに、ランジュが凍りついた。
「ロゼッタレッドというな、炎竜が暴れまわっていて。ここより先の町や村をいくつも滅ぼした。人も家畜もみなロゼッタレッドに食われるか殺された。派遣されてやってきたモンスターハンターもやられたんだろう。帰ってこないんだよ」
「ロゼッタレッド――」
その名前が、ただの偶然であればいいと、ランジュは息苦しくなった。
「ロゼッタレッドは―――ドラゴンなんだろう?」
「ああ、そうじゃ。ここらを守る守り神としてかつては崇められていたんじゃがなぁ。瘴気にでもやられたのか、狂ってしまいよった」
「そのロゼッタレッドを退治しないことには、街道の封鎖は解けないと?」
ティアゼイドが、村長に質問すると、村長は髭を片手で撫でながら、ゆっくりと頷いた。
「莫大な懸賞金がかけられておってなぁ。だが、ドラゴンスレイヤーの異名をもつモンスターハンターたちが殺されたと聞いて、なかなか新しいモンスターハンターが動いてくれんのじゃ。王に、書簡を出して始末を願い出たが、このままモンスターハンターたちに任せると。それで無理なら、兵を動かすらしいわ」
兵を動かせば、莫大な資金がいる。それに、戦死者は千を余裕で越えるだろう。兵士は国の民でできているのだから。王にしても、できるだけ兵、軍隊を動かしたくないというところか。だが、退治せねばロゼッタレッドはまた見境なく町や村を襲って人を殺す。王が守るべき民が。殺されていくのを、黙認しているわけにもいかぬだろう。だからこそ、莫大な懸賞金をかけて、できるだけ被害が小さくロゼッタレッドを仕留めたいところなのだろう。

「その竜退治、乗った」
「ティアゼイド?」
ルリが、本当に大丈夫なのかと、その銀の髪を見るが、彼の紫の瞳にはそれしかないといった色が浮かんでいた。
「街道の閉鎖を解くしかないだろう。退治せねば、いつまでたってもここで足止めをくらう。違う道を進もうにも、どの方面もロゼッタレッドのせいで封鎖ばかりだ」
「でも、ドラゴンなんて。本当に倒せるのかな?」
「何、皆で力あわせれば倒せなくはないだろう」
ティアゼイドは、ルリの頭を撫でる。
アフレイは欠伸をしていた。
ただ1人、ランジュだけが蒼白い顔で、何も言えず、苦しげに眉を顰めるのだった。


携帯サイト「シャナの夢」より

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ストックないなー

新しくCGかかなきゃストックないわあ

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