料理(3期)
らんらんらん。
そんな陽気な歌声が聞こえてきそうな、キッチン。
ここは、ロックオン・ストラトスことニール・ディランディのアイルランドにある生家である。
そこで、ティエリアと一緒に暮らし始めて、もう一年以上になる。
時には武力介入のためにトレミーに帰還し、ガンダムに乗るが、今は平和そのもので、ちょっとしたテロ行為をしている武装組織を潰したり、アロウズの残り部隊を駆除したりとそんな程度の武力介入であった。
らんらんらん。
つけ加えていおう。
あくまで、そういう雰囲気なのだ。
決して、歌を歌っているわけではない。ティエリアの歌声は、天使の歌声と評判で、真面目に歌えば歌姫になれるかもしれない。
「ロックオン、もうすぐできますからね」
「あ、ああ・・・・」
胃薬を、棚からどっさり取り出してどれを飲もうと、今から思案する。
いや、この際全部飲んだほうがいいかな。
いつも家事のうち、料理を担当しているのはロックオンだ。絶望的な腕前のティエリアに料理をさせないように気を配っている毎日だ。
それでも、時折ティエリアの機嫌がいい時とか、ティエリアが自分で料理するといって聞かないときいがある。そう、今日みたいに。
キッチンを覗けば、背中にジャボテンダー抱き枕を背負い、見るからにアホに見えるティエリアが(頭はいいんだけど)、キッチンに立っていた。
「えい!そりゃ!」
掛け声と一緒に、鍋の中に、エビをぶちこみ、そして刻んだりんごをぶちこみ、蜂蜜をたっぷりいれて、その中にチョコレートをぶちこんで、七味唐辛子をあるだけいれていた。
ドロドロドロ。
液体がドロドロしている。
紫の液体だ。
キッチンには試験管が置かれており、それで何かの液体を作ってそれをベースに調理している模様だった。
ぐつぐつぐつ。
匂いだけで、もうお腹いっぱいです。
悪臭ではないが、鼻を刺激する匂いがした。甘ったるいようで、からそうなキムチの匂いもする。
「てい!」
あけたばかりのキムチの瓶を、全部鍋に入れるティエリア。
何を作っているのか、ロックオンには分からない。たとえ愛があっても、理解できないものは理解できない。理解できていることといえば、ティエリアの料理の腕は壊滅的であるということぐらいだろうか。
「できました。カレーです」
「カレー?」
ポコッ、ボコッっと煮えた液体を、ライスの上にぶちまけて、それを自分の分はなしに、ロックオンの分だけ盛る。
「さぁ、いざ食べてください」
食べる前に、救急車を手配しておいた。
ぱく。
一口食べただけで、ロックオンは昏倒しそうになる。それでも愛だ。全部食べた。その後胃薬を大量に飲んだけど、やっぱりだめだった。
「おかしいなぁ。カレーのルーは紫色のをちゃんといれたんだが」
ティエリアが、首を傾げている。
いや、紫色のルーなんてありえないから。きっとそれ、カレーじゃないから。未知の物体Xに違いない。
鍋に残った液体は、温度がさめたにも関わらずまだボコッ、ボコッと音を立てている。
胃薬が効いたのか、腹痛があったが少しおさまる。
「う、うまれる・・・・・!」
ロックオンは、ティエリアの手料理を食べた後の定番の台詞を放っていた。
そこへ救急車が到着して、ロックオンが運ばれていく。ティエリアも一緒に乗って、こう言うのだ。
「今度こそ、ちゃんと生んでくださいね!僕とロックオンの子供を!」
いや、無理だから。
ロックオン、男だから。
突っ込みを入れたいロックオンは、意識が混濁してそのまま病院に運ばれるのであった。ティエリアは、少し悲しそうにしていた。
「また失敗した」
どう頑張っても、料理の腕が上がらない。どうすればいいんだろうと、思いながらもロックオンのために、またいつか手料理するだろう。それが、ロックオンにとって試練になるとは知らずに。
そんな陽気な歌声が聞こえてきそうな、キッチン。
ここは、ロックオン・ストラトスことニール・ディランディのアイルランドにある生家である。
そこで、ティエリアと一緒に暮らし始めて、もう一年以上になる。
時には武力介入のためにトレミーに帰還し、ガンダムに乗るが、今は平和そのもので、ちょっとしたテロ行為をしている武装組織を潰したり、アロウズの残り部隊を駆除したりとそんな程度の武力介入であった。
らんらんらん。
つけ加えていおう。
あくまで、そういう雰囲気なのだ。
決して、歌を歌っているわけではない。ティエリアの歌声は、天使の歌声と評判で、真面目に歌えば歌姫になれるかもしれない。
「ロックオン、もうすぐできますからね」
「あ、ああ・・・・」
胃薬を、棚からどっさり取り出してどれを飲もうと、今から思案する。
いや、この際全部飲んだほうがいいかな。
いつも家事のうち、料理を担当しているのはロックオンだ。絶望的な腕前のティエリアに料理をさせないように気を配っている毎日だ。
それでも、時折ティエリアの機嫌がいい時とか、ティエリアが自分で料理するといって聞かないときいがある。そう、今日みたいに。
キッチンを覗けば、背中にジャボテンダー抱き枕を背負い、見るからにアホに見えるティエリアが(頭はいいんだけど)、キッチンに立っていた。
「えい!そりゃ!」
掛け声と一緒に、鍋の中に、エビをぶちこみ、そして刻んだりんごをぶちこみ、蜂蜜をたっぷりいれて、その中にチョコレートをぶちこんで、七味唐辛子をあるだけいれていた。
ドロドロドロ。
液体がドロドロしている。
紫の液体だ。
キッチンには試験管が置かれており、それで何かの液体を作ってそれをベースに調理している模様だった。
ぐつぐつぐつ。
匂いだけで、もうお腹いっぱいです。
悪臭ではないが、鼻を刺激する匂いがした。甘ったるいようで、からそうなキムチの匂いもする。
「てい!」
あけたばかりのキムチの瓶を、全部鍋に入れるティエリア。
何を作っているのか、ロックオンには分からない。たとえ愛があっても、理解できないものは理解できない。理解できていることといえば、ティエリアの料理の腕は壊滅的であるということぐらいだろうか。
「できました。カレーです」
「カレー?」
ポコッ、ボコッっと煮えた液体を、ライスの上にぶちまけて、それを自分の分はなしに、ロックオンの分だけ盛る。
「さぁ、いざ食べてください」
食べる前に、救急車を手配しておいた。
ぱく。
一口食べただけで、ロックオンは昏倒しそうになる。それでも愛だ。全部食べた。その後胃薬を大量に飲んだけど、やっぱりだめだった。
「おかしいなぁ。カレーのルーは紫色のをちゃんといれたんだが」
ティエリアが、首を傾げている。
いや、紫色のルーなんてありえないから。きっとそれ、カレーじゃないから。未知の物体Xに違いない。
鍋に残った液体は、温度がさめたにも関わらずまだボコッ、ボコッと音を立てている。
胃薬が効いたのか、腹痛があったが少しおさまる。
「う、うまれる・・・・・!」
ロックオンは、ティエリアの手料理を食べた後の定番の台詞を放っていた。
そこへ救急車が到着して、ロックオンが運ばれていく。ティエリアも一緒に乗って、こう言うのだ。
「今度こそ、ちゃんと生んでくださいね!僕とロックオンの子供を!」
いや、無理だから。
ロックオン、男だから。
突っ込みを入れたいロックオンは、意識が混濁してそのまま病院に運ばれるのであった。ティエリアは、少し悲しそうにしていた。
「また失敗した」
どう頑張っても、料理の腕が上がらない。どうすればいいんだろうと、思いながらもロックオンのために、またいつか手料理するだろう。それが、ロックオンにとって試練になるとは知らずに。
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