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小説掲載プログ
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翡翠に溶ける 交際のスタート

年が明けた。

ちらちら降る雪が、冷たかった。

傘をもっていなかった浮竹に、京楽が傘を差しだす。

二人並んで、一つの傘で学院に登校した。

入学した日に、自分の斬魄刀になる元の刀を渡される。それを在学中に始解させて、死神になった暁には自分の斬魄刀として授与される。

浮竹と京楽の斬魄刀は、二人ともすでに始解できた。

名を、それぞれ双魚理と花天狂骨といった。

山本総隊長が我が子のように可愛がるのも分かるような、成長ぶりだった。鬼道の腕もいい。

特に、竹刀を使った剣の腕は、二人は学院の中でもトップクラスだ。上級生でも、ここまで戦える者はいないだろう。

今ある真央霊術院なら、スキップ制度で3回生になっていそうだったが、当時の死神統学院にはスキップ制度がなかったため、二人は6回生まできちんと出席し、卒業する必要があった。

浮竹は、体が弱く肺病を患っているために、よく学院を休んだ。出席日数を確保するために、本来なら休みの土曜や夏季休暇、年末年始の休みに補習を受けた。

未来ある浮竹を、留年させまいと、教師たちも頑張っていた。

「どうじゃ、春水。十四郎は」

山じいが、ある日補習を受けに学院に残った浮竹の付き合うために、学院で待っていた京楽に声をかけた。

「んー。病弱で休むこともあるけど、補習受けたりして頑張ってるよ。補習を受けなくても、出席日数は足りると思うんだけど、同じことが習えなかったって必死さ」

「ふむ。春水、今後も十四郎を支えてやってくれ」

「分かってるよ」

その日は、夕暮れまで浮竹は補習を受けていた。

時間が時間なので、そのまま食堂で夕食をとる。

次の日、浮竹は呼び出された。相手は6回生の男で、護廷13隊入りが決まっていた。

浮竹の霊圧がすごく乱れていたのが気になって、呼び出されたという屋上までいくと、院生の服をぼろぼろにされて、組み敷かれて涙を零している浮竹を見つけた。

「京楽!」

「貴様ああああああ!」

京楽は、殴りかかった。でも、相手はは6回生。花天狂骨を抜くと、6回生の男も斬魄刀を抜いた。

「かわいい浮竹ちゃんは、俺がもらってやるよ」

一撃だった。

風が吹いたのかと思った。

京楽は、6回生の斬魄刀を折り、その体に峰内を食らわせていた。

「こんな・・・・1年坊主如きに・・・・・・」

どすんと、巨大が床に沈む。

「浮竹、大丈夫!?」

「あ、ああ・・・未遂、だったから・・・・・」

肌も露わな院生の服が毒だった。

医務室から毛布をかりてきて、一度寮に戻ると新しい院生の服に着替えさせた。

カタカタとずっと震えていた。

京楽が抱き締めると、震えは収まった。

「今日はもう無理だ。休みなさい」

「分かった・・・・」

「僕は、山じいのところに行ってくる」

山じいに、6回生の男が浮竹を強姦しようとしたことを話すと、山じいは凄く怒って、その生徒を停学2カ月と護廷13隊入りを取り消した。

山じいの処分に、京楽も納得する。

本当なら、退学処分にして欲しかったが、護廷13隊入りを白紙にされたのだ。十分であろう。

寮に帰ると、浮竹が泣いていた。

「どうしたの!」

「こんな自分が情けなくて・・・こんな見た目のせいで・・・・」

「浮竹は何も悪くないよ」

「でも!言い寄ってくる男が後を絶たない」

「それ、本当?」

京楽は怒っていた。浮竹にではなく、浮竹に言い寄る男の存在に。

「お前が一緒にいるときは大丈夫なんだ・・・でも、補習の時とかの休み時間に・・・」

「いっそ、僕たち付き合っていることにしない?」

「でも、それじゃあ京楽に迷惑が!」

「女遊びも、君の存在を忘れるためにしていたことだし、未練なんてないよ。好きだよ、浮竹」

面と向かって、真剣な表情で告白されたのは始めてかもしれない。

「俺は、そういう目でまだお前を見れない。でも、俺も好きだ、京楽。お前は優しい・・・・」

その日から、浮竹と京楽は正式に交際をスタートし、その件は山じいのも耳にも入り、呼び出された。

「何故、呼び出されたか分かっておるの?」

「はい、先生」

「分かってるよ、山じい」

「儂はお前たちに仲のよい友人でいてほしかったのじゃ」

「もう遅いよ」

「先生、すみません」

「謝るということは、噂は本当なのじゃな?春水、十四郎を幸せにできるか?」

「できるよ。僕に不可能はない」

「小童が・・・・まぁよい、十四郎ことを頼んだぞ、春水」

「山じい・・・・」

「先生・・・・ありがとうございました!」

学院内で、浮竹と京楽ができていると噂になっていた。けれど、友人たちは祝福してくれて、気味悪がる者はいなかった。それがせめてもの救いか。

それから、浮竹に言い寄ってくる男はいなくなった。京楽は相変わらずもてて、ラブレターをもらったりしていたが、前のようにいいよってくる女子に優しくすることがなくなったので、次第に言い寄ってくる女生徒もいなくなった。

付き合いはじめて1か月が経つ頃。

「ねぇ。僕らももう一歩歩み寄ってみようか」

「何をだ」

「体の関係」

「俺は・・・・・」

「こっちおいで?」

京楽のほうに行くと、抱き締められて、舌が絡まるキスをされた。

「ふあ・・・・・・んんんん!?」

京楽の手が、袴の中に入り、やんわりと浮竹の花茎を握りしめ、扱いだす。

「やあああああ」

「君の手は、俺のをお願い」

硬くなった京楽のものに、手が触れ。

与えられる刺激に夢中になりそうになりながら、京楽のものをしごいた。

「君、ほんとに始めて?上手いね・・・・」

「やああん、あああ!」

浮竹は、京楽の手の中に欲望を吐きだしていた。

ほぼ同時に、京楽も浮竹の手で射精した。

「あーあ。シーツと服が汚れちゃったね。一緒に湯浴みしようか。変なことはもうしないから」

「本当だな?」

浮竹は、いったばかりで呼吸が乱れていた。

潤んだ視線で見つめてくる。

「その、風呂の中で一人で処理するかもしれないけど。君があまりに色っぽくてかわいいから」

「俺のせいかのか?じゃあ、俺が責任をとる」

結局、湯浴みの途中で浮竹の手で2回抜いてもらった。たまっていたので、まだいけそうだったが。

お礼にと、少し嫌がる浮竹をいかせた。

性欲というものに淡泊な浮竹は、衝撃でぼーとなった。京楽が体と髪を洗ってあげた。

「あ・・・・」

まだいっている余韻の体をふいてあげると、浮竹はのろのろとパジャマを着た。

髪をふいて、かわかしてあげた。

「どう?気持ちよかった?誰かの手でいかされるなんてはじめてでしょ?」

「きもちよかった・・・・世界が真っ白になった」

「僕は女の子と付き合ったことあるから慣れてるけど、君はふだんどうしていたの?自分で抜いていたの?」

恥ずかしそうに、浮竹は言う。

「エロ本見て抜いてた・・・・」

浮竹もお年頃なのだ。

二人は、大人の階段を一歩昇ってしまった。


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