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黒猫と白猫の亜人19

浮竹と京楽が白哉のところにきて、1年が経とうとしいた。

今日は、浮竹が白哉の猫になって一周年で、本当の誕生日を知らぬ浮竹の誕生日ということになった。

バースデーケーキを焼いてもらい、半分は京楽が作ってくれた。皆に祝福される。

京楽からのプレゼントは、YESかNOの枕だった。とりあえず、京楽の頭を殴っておく。

「プレゼントあげたのに殴られるなんて」

「このプレゼント、することしか意味がないじゃないか」

「でも、あったほうが便利でしょ?」

確かにそうなので、浮竹は頬が赤くなる。

「浮竹、私からプレゼントだ」

白哉からのプレゼントは、高いお風呂のセットと高級な石鹸だった。

「わぁ。花の香りがする。ありがとう、白哉」

「喜んでもらえたようで、何よりだ」

「浮竹殿、私からも」

ルキアからのプレゼントは、バスローブだった。

兄妹そろって、お風呂にこだわったらしい。

「俺からも」

「恋次君のはいらない」

「酷い!」

泣き真似をする恋次に、浮竹は。

「冗談だ。何をくれるんだ?」

「これです」

エロ本だった。サブのマッチョのホモの。

浮竹は、魔法で燃やしてしまった。

「あ、やっぱりそうくるだろうと思ってもう一つ用意しておいたんすよ」

風呂に浮かべるアヒルちゃんだった。

「恋次君、どんな顔でこれ買ったんだ。恥ずかしかっただろう」

「恋次君だから、案外平気な顔で買ったかもよ?」

「いや、息子用に買うって誤魔化しました」

「恋次君は若いけど、子がいてもおかしくない年齢だからね」

恋次の年齢は若いが、子がいてもおかしくはない。

「子というと、白哉は再婚しないのか?」

「する気はない。跡継ぎは、朽木家の血筋の中から優秀な子を選び、養子にするつもりだ」

「俺が白哉さんの婿です」

断言する恋次の頬を、白哉が引っ張る。

「いたた、痛いです白哉さん」

「いらぬことを言うなと、毎回言っているであろうが」

「でも京楽さんと浮竹さんは俺と白哉さんの仲知ってるし」

こほんと咳払いして、白哉はやや赤い頬のまま、浮竹の誕生日を祝ってくれた。

「浮竹、兄が私の猫になってもう1年だ。これからも、共に仲良く過ごそう」

「ああ、白哉もみんなもありがとう」

浮竹は幸せそうだった。

こんなに幸せそうな浮竹の顔を見るのも、久しぶりだった。



「で。俺は誕生日なのに、なんでマンドラゴラの収穫の手伝いをやらされているんだ?」

いぎゃああああ。

引っこ抜く度に死の絶叫をあげるマンドラゴラを無視して、ひっこぬいていく。

「白哉君もルキアちゃんにもさせれないでしょ?恋次君は耐性なさそうだし。他の使用人を使うと、死の絶叫でほんとに死んでしまうから」

「はぁ。お前は、マンドラゴラを植えた時から収穫も、俺に手伝わせるるつもりだったんだな?」

「あははは、ばれちゃってる」

「そういえば、もうすぐ1月だな。ルキアちゃんが14日で、白哉が31日だったか。誕生日」

「ああ、去年はいろいろとありすぎて祝えなかったから、今年はぱーっと祝おうか」

「シェフに、バースデーケーキの作り方教えてもらう」

「本格的だねぇ」

京楽が、浮竹の頭を撫でる。

「白哉の猫になって、お前と出会えて俺はすごく幸せになったんだ。この幸せを少しでも分けてやりたい」

「浮竹はいい子だねぇ。でも、白哉君なら傍にいてくれるだけでいいって言うんじゃないかな?」

「それでも、恩を少しでも返したい。京楽、お前もバースデーケーキ作り、手伝えよ」

「ええ、ボクも?料理とか、あんまり得意じゃないんだけど」

「生クリームでデコレーションするところくらいはできるだろ?」

「まぁ、そのくらいなら」

浮竹の誕生日はけっこうあっけなく終わり、その次の日から白哉のためのバースデーケーキ作りの修行をはじめる。

教えるのは、朽木家が抱える、もと3つ星レストランのコック長であった。

「スポンジが硬い!」

「ひええええ」

「もっと早くかき混ぜなさい。砂糖を入れすぎだ!」

コック長にばしばししごかれながら、なんとか合格ラインのバースデーケーキを作ることに成功した。

「ボクらで食べるには量があるし、ボクたちがバースデーケーキ作ってるの秘密にしたいから、これ魔王の浮竹と幽鬼の京楽に食べてもらおっか」

「ああ、そうだな」

仕上がったバースデーケーキを箱にいれて、浮竹と京楽はお札を掲げる。

すると、光が瞬いて、二人は魔王城にきていた。

門番に無言で通される。

浮竹と京楽が遊びにきてくれたことに気づいた、魔王の浮竹がやってくる。

『なんか、いい匂いがするな』

「ま、まさか嗅覚犬なみとか?」

『失礼な。魔族は、鼻がみんないいのだ。それ、ケーキだな?』

「うん。ある人に贈るためのバースデーケーキの試作品。よければ、魔王の君と幽鬼のボクとでボクらと一緒にお茶にして、食べよう」

『京楽』

魔王の浮竹が名を呼ぶと、魔王の浮竹の影に隠れていた幽鬼の京楽が現れる。

『了解したよ。中庭で食べよう。お茶、いれてくるね?』

「幽鬼の京楽って、いつもお前の影にいるのか?」

『いや、たまにだ。誰にも会いたくない時とか移動が面倒くさい時によく俺の影に潜んでいるな』

「便利だなぁ」

『魔族にしか使えない魔法だからな。伝授はできん』

『お茶の用意、できたよ?』

「じゃあ、いこっか」

「うん」

中庭では、相変わらず花が見事に咲きほこっていたが、魔王の浮竹のいる部分だけ枯れていた。

『うん、うまいなこのケーキ。この城のシェフが作ったもの以上にうまいかもしれない』

『ほんと、おいしいね?誰のためのものなの?』

「俺たちの飼い主というか、主である人のためのものだ」

『ああ、朽木白哉か。お前たちのところに泊まる時、世話になっているから、俺からも何か渡そう』

『ボクも』

幽鬼の京楽はいつもの紅茶のクッキーを。

魔王の浮竹は、マジックアイテムのマントを差し出してきた。

「このマントは?」

『最近見つかった、古代遺跡のものだ。夏は涼しく、冬は暖かい。そんな魔法がかかっている』

「え、遺跡のもの?いいの、そんな大切なの」

『遺跡から発掘されたものはごまんとあるんだ。このマントなら、魔力を使わなくても快適でいられる』

「白哉に、渡しておくな?」

『ああ、頼む』

浮竹と京楽は、魔王の浮竹と幽鬼の京楽と一緒にケーキを食べて、魔王の浮竹VS京楽。幽鬼の京楽VS浮竹でチェスをして遊ぶ。

「あー負けたああ」

『ふふ、ボクの勝ちだね?』

『ま、負けた‥‥‥』

自身満々だった魔王の浮竹は、京楽の強さの前でなすすべもなく負けた。

『もう一勝負だ』

「いいよ。何度やっても、ボクが勝つだろうけど」

夕暮れ時になり、二人はテレポートの魔法で帰っていった。



「白哉君、君の誕生日のことなんだけど」

「ああ、京楽兄か。今年の誕生日は、ルキアも近いし一緒に祝うことになった」

「え、そうなのか?」

浮竹がびっくりしていた。

「バースデーケーキはボクらが作るから。楽しみにしててね。あと、これ魔王の浮竹から。暑い時は涼しくて、寒い時には温かい古代の遺跡から出てきたマジックアイテムのマント。こっちの紅茶クッキーは幽鬼の京楽から」

白哉が目を見開く。

「魔王とはそれほど親しくないのだが」

「ボクらの主だって言ったら、世話になってるからだってさ」

「まぁ、泊まる時に食事を提供はしているが」

「そいうことをこめたお礼じゃないかな。誕生日はまだ先だけど、今受け取ってくれる?」

白哉は紅茶クッキーを一口食べて、おいしいと呟く。

それから、マジックアイテムのマントを羽織った。

「温かい‥‥‥」

「白哉、すごい似合ってる」

「うん。デザインも優雅だし、これなら正装の時とかもにも使えるかも」

「浮竹、京楽。今度魔王に会ったら、礼を言っておいてくれ」

「お礼なら、何か甘いお菓子用意するといいかも。今度泊りにくる時に出したいから」

「分かった。いろんな甘いお菓子を用意させよう」

そのお菓子を、浮竹がちょっとだけつまみ食いしてしまうのは、ご愛敬であった。


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