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黒猫と白猫の亜人外伝3

ある日、浮竹は起きると白猫の子猫になっていた。

「にゃあ!?(なぜだ!?)」

にゃあにゃあと叫んで、京楽を起こす。

「んー、見慣れない子だね。浮竹、知らない?」

「にゃああ(俺が浮竹だ)」

「あれ、この子何を言ってるのか分からない‥‥‥不思議だね。たまにいるんだよねぇ。子猫だと、心の声が聞こえない子」

「にゅあああ(京楽、俺が分からないのか。俺の言ってる言葉も分からないのか」

そうだと、浮竹は人の姿に戻ろうとするが、できなかった。

「にゃああああ(ずっとこのままだったらどうしよう)」

浮竹は、にゃあにゃあ鳴いて、京楽の服を引っ張る。

「遊んでほしいの?」

「にゃあ(違う。助けてほしい)」

「猫じゃらしあるよ?」

「にゃっ」

つい、条件反射で浮竹は猫じゃらしで遊んでしまい、体力を使ってしまい、ぜえぜえいいながら、猫の広場に行った。

京楽がああでは、話にならないからだ。

「にゃあああ」

「にゃおーん」

「みぎゃああ」

広間では、白哉のものである刻印の刻まれた純金の首輪をした、白哉の猫でいっぱいだった。

中には半分野良の子もいる。

「おや、新しい白猫の子供か。まだ兄様の証の首輪をつけていないのだな。今、兄様のところに連れていってやる」

ルキアがそう言って、子猫姿の浮竹を抱っこして、白哉の元に連れていく。

白哉は、昨日恋次と睦みあったのか、気だるげな表情で、乱れた衣服を整えながら、ルキアと会う。ルキアは、兄の色っぽすぎる姿に、浮竹をその場に置いて去ってしまった。

「ああ、兄様が色っぽ過ぎる‥‥‥‥いかん、鼻血が」

そんなことを言いながら去っていくルキア。

残された白哉と浮竹は、見つめ合う。

「‥‥‥‥浮竹、か?」

「にゃあ!」

「どうしたのだ、そんな姿で」

「にゃあ!」

「ほう。起きると、その姿になっていたと?猫の亜人がかかる、風邪のようなものであろう。猫の亜人がある風邪をひくと、子猫の姿になって、毛並みや瞳の色も変わるそうだ。兄は白猫だが、瞳がオッドアイだな」

浮竹の瞳は、いつもの翡翠の色ではなく、金と銀のオッドアイだった。

「にゃあああ」

「元に戻る方法か?数日たてば、自然に治るそうだ。京楽には知らせていないのであろう?私から、連絡をいれておく」

白哉は、子猫のになった浮竹をひょいと頭の上にのせて、京楽のところにいく。

「あ、白哉君、浮竹知らない?どこ行ったんだろう」

白哉は、京楽に真実を話す。

「ええ、この子猫が浮竹?」

京楽は、浮竹を抱き上げる。

「にゃあ!」

浮竹は、京楽に猫パンチをかます。

「兄が分からなかったので、怒っているようだ」

「人の姿にはなれないのかい‥‥‥キャットフード食べさすには、まだ幼いね。子猫用のミルクあげなきゃいけないかも」

「では、世話は京楽、兄に任せたぞ」

「浮竹、子猫になってもかわいいいい」

「ぎにゃああああああああああああ」

浮竹は、激しい頬ずりにすごい悲鳴をあげる。

「にゃああああ」

これはたまらんと、逃げ出した。

「あ、浮竹さんだ」

「うにゃあ?」

いたのは、恋次だった。

「特殊な猫風邪にかかったんすね。確か、俺の部屋に特効薬が‥‥‥‥ああでも、この前の大掃除で捨てちゃったか」

「うにゃあ!」

便りにならん!

そう言って、浮竹は恋次に猫パンチをかます。

「浮竹さん、かわいいですね。(*´Д`)ハァハァ」

「ぎにゃあああああああああああ」

恋次が怖くなって、浮竹は逃げ出し、結局白哉の部屋に入って、白哉に抱き上げられて、白哉の頭の上によじのぼる。

その光景に、ルキアも、京楽も、恋次もメロメロになった。

美人すぎる白哉の頭の上に、かわいすぎる子猫の浮竹。

「しゃ、写真だ!恋次、早くカメラをもってこぬか!」

「あ、ボクもとりたい!」

結局、浮竹は子猫のまま数日を過ごした。

面倒は京楽がみてくれたけれど、眠る時などは白哉と同じベッドで寝た。

恋次が盛りだしても、浮竹は傍にいた。

「うにゃああ」

「恋次がいつもああなのかと?その通りだ、浮竹。全く、恋次はどうやって教育をされたらあんな色魔になるのであろう」

「にゃああん」

それは、白哉が美人すぎるからだ。

そう言う浮竹の頭を撫でて、白哉は淡く微笑む。

「にゃあ」

「浮竹、兄はよいな」

「うにゃあ?」

「自由な兄が、時おり羨ましくなる」

「うにゃ」

そうかな?

浮竹は、定位置になりつつある白哉の頭の上で、首を傾げる。

ちなみに、元に戻ったのはそれからさらに3日後だった。

白哉は恋次に。浮竹は京楽に。

かまってもらえばなかった時間を取り戻すかのように、いちゃいちゃしてきて、白哉は切れて、浮竹は呆れるのだった。

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