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黒猫と白猫の亜人31

サタンが猫になって3カ月以上が経っていた。

「第56夫人のジョセフィーヌちゃんが産気づいた」

「ええっ」

京楽が驚いて、浮竹と白哉に知らせる。

「ジョセフィーヌちゃんは猫だけど、サタンの子供だけに悪魔が生まれるのであろうか」

白哉が、その場で誰もが思っていた疑問を口にする。

「我にも分からぬ。猫との子ははじめてゆえ」

産気づいたジョセフィーヌちゃんのお腹は、ぱんぱんだった。

「悪魔なら、母親の腹を食い破って出てくるはずだ」

浮竹が、念のために悪魔の子が生まれても暴れないように、聖水を用意してくれた。

「にゃあああん(あああ、うまれるううう)」

「ジョセフィーヌちゃん、しっかりするのだ!」

サタンが、ジョセフィーヌちゃんの猫の前足を前足で握って、励ます。

「にゃあああん(ああ、頭がでてきたわ)」

「おお、我の子‥‥‥‥」

生まれてきたのは、子猫だった。

でも、黒い小さな翼があったが、あとは普通の見た目の子猫だった。

「みぃみぃ」

「みぃみぃみぃ」

ジョセフィーヌちゃんは、サタンの子を4匹産んだ。

みんな背中に小さな黒い翼があったが、悪魔ではないようであった。

「うむ、ジョセフィーヌちゃん、我が子をよく産んでくれた。また今度の発情期にしっぽりして、子を作ろう」

「サタン、何気に次回もしっぽりするとか言ってるよ」

「まぁ、いいんじゃないか。人の姿で悪魔の子を作られるより。猫なら、魔法も使えないし、何よりかわいい」

「そうだね」

白哉は、生まれたばかりの子猫に純金の首輪はできないので、魔法で編み出した金色の紐をつけた。

「私の猫でもあるという証だ。サタン、それでもよいな?」

「うむ。我は今は白哉の猫だしな。子が迫害されるのが一番いやだ」

サタンは、ジョセフィーヌちゃん以外にも、リリムちゃんとバリーちゃんを第57夫人、第58夫人にしていた。

「むむむ、リリムちゃんとバリーちゃんも産気づいたらしい」

「サタン、君、しっぽりすぎでしょ!」

京楽の呆れ声に、サタンが文句を言う。

「それはお前もだろう」

浮竹が、毎夜のごとく盛る浮竹に言う。

「我は悪魔王サタンぞ。欲のままに生きる」

「とりあえず、タオルと毛布を」

浮竹が、てきぱきと用意してくれた。

白哉は、生まれてきた子猫たちに黒い小さな翼があるが、悪魔でないことを確かめてから、金色の紐を魔法でつける。

「合計15匹かい。一気に大所帯になったねぇ」

「サタン、次からはしっぽりするのはよいが、子を作らぬように避妊してくれぬか」

白哉が、このままのペースで増え続けたら、サタンの猫で白哉の家があふれかえってしまうので、そう提案すると、サタンもしかたなく頷いた。

「分かった。しっぽりはするが、避妊する」

「猫って、去勢以外でも避妊できるんだ」

「初めて知ったよ」

「何、人と同じでコンドームをだな」

サタンが説明をはじめる。

「猫用のってあるの?」

「白哉が猫用の、作ったらしいぞ」

「まぁ、サタンが私の猫になってから、このようなことが起きるのではないかと、準備しておいたのだ。魔法で作っているから、安全面は信用できるであろう」

「まぁ、サタンは猫でもしっぽりできるみたいだからねぇ」

「我だけでなく、京楽、そなたも前は雌猫としっぽりしてたと聞いたぞ」

「あ、うん。浮竹に浮気って言われて、やめたからね」

「まぁ、結婚したのなら、浮気はするべではないな。我は悪魔王なので、重婚が許されるのだ」

「すごい理屈だな」

サタンはにゃはははははと豪快に笑った。

生まれたばかりの子猫はあまりにもかわいくて、浮竹も京楽も白哉も、サタンの子供たちに夢中になる。

よちよち歩きができる頃はもうかわいすぎて、京楽なんて鼻血を出していた。

『賑やかになったな』

「む、魔王の浮竹か」

サタンが、魔王の浮竹に猫じゃらしをふられて、それに無我夢中になる。

「にゃんにゃん‥‥‥むうう、猫じゃらしとは卑怯なり」

『これがサタンの子供たちか。悪魔ではないんだな。‥‥‥かわいいな』

『かわいいね』

幽鬼の京楽は、サタンの子供の子猫たちを抱き上げて、もふる。魔王の浮竹は、子猫たちを撫でる。

「ああ、魔王の俺。悪魔の羽は小さく生えてるみたいだが、悪魔ではないらしい」

「悪魔が生まれるかもしれないって、心配したんだけど、サタンは魂のレベルまで猫になっていて、悪魔の子は生まれなかったみたいだよ」

『悪魔王サタンも、今やただの猫か』

「うるさい。我は転生先を間違えたのだ。本当なら、悪魔として転生してこの地上にサタン帝国を築くはずが‥‥‥‥」

『ほーらほら』

魔王の浮竹は、サタンを猫じゃらしで誘ってから、チュールをあげる。

「うむ、苦しゅうないぞ。チュールをもっとよこせ」

「あ、俺も」

「ボクも」

いつの間にか白猫と黒猫の姿になった浮竹と京楽は、魔王の浮竹の手からチュールをもらう。

「うまいな」

「うん。白哉君とこのチュールといい勝負だね」

魔王の浮竹は、浮竹と京楽が猫の姿になった時もご飯をあげれるように、キャットフードとチュールの新開発を人間のシェフにさせていた。

人が食べてもおいしいと感じれるものなので、味はいい。

『今日は、こっちに泊まる』

『浮竹は、いつも突然だから。ごめんね?』

「いや、白哉が大変なだけだから。白哉、魔王の俺と幽鬼の京楽の分のごはんも頼んでいいか。あと、俺と京楽の一軒屋で泊まってもらうから、客室はいらない」

「いた仕方あるまい」

白哉は、その日は魔王の浮竹と幽鬼の京楽の分の夕飯をシェフに頼んでおいた。魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、当たり前のように白哉の家に馴染み、1泊の予定が2泊になるのであった。

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