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黒猫と白猫の亜人33

浮竹が発情期になり、1週間が経過したが、まだ終わらなかった。

京楽と毎日のようにセックスをしていたが、あまりに頻度が高いので京楽が音をあげた。

なんとかならないかと文献を漁ると、白猫の発情期は稀で、医者に診せたほうがいいとのことで、放置すると1カ月以上続くと書いてあった。

「浮竹、お医者さんに診てもらおう」

「なんでだ?俺は健康だぞ。お前の子種が欲しい」

「ああもう、毎日注いであげてるじゃない。それでも満足しきれないから、ボクの身がもたないんだよ」

「医者に診せれば、この体の熱は消えるのか?」

「うん、多分ね」

白哉に頼んで、獣人専用の医者を用意してもらった。

「白猫の亜人は、発情期が長いですからね。珍しいので、子を必ず作るために、あえてそうなってるんです。このポーションを毎日飲んでください。発情期の熱も収まるでしょう」

「俺の発情期、京楽に迷惑をかけていたんだな。すまない」

「うーん、極楽だったけど、ちょっと求めすぎかな」

しょんぼりと浮竹の尻尾と耳が垂れる。

その頭を、京楽が撫でる。

「もらったポーション、飲んでごらん」

ポーションを飲むと、浮竹の中の発情期による熱が下がっていく。

「うわ、すごい。体が凄く楽になった。これなら、普通に過ごせるかも」

「浮竹が求めてくれないのは寂しいけど、やり過ぎも問題だしね」

獣人専用の医者は、ポーションを1カ月分用意してくれた。

診察代とかは白哉が出してくれた。

「眠くなってきた‥‥‥白哉と一緒に寝たい。いいか?」

「え、浮竹ぇ?」

「私はかまわぬが」

「じゃあ、寝る」

そう言って、浮竹は白猫になると白哉の腕の中で眠りだした。

「睡眠のほうだったか‥‥」

「京楽、兄は浮竹の発情期にかまいすぎているのであろう。浮竹の身は、しばしの間私が預かろうと思う」

京楽も休憩を少ししたかったし、白哉の屋敷と自分たちの一軒家は近いので、いつでも浮竹に会おうと思えば会えるので、京楽はそれを了承した。

それが、いけなかった。

白哉の傍にいるとき、白哉は他の貴族とも会う。その時も、浮竹は白哉の傍にいた。

「あれは幻の白猫の亜人‥‥飼いたいわぁ。わたくしのコレクションにしてあげましょう」

レオノーラという貴族の令嬢が、浮竹に目をつけた。

浮竹はポーションの効果のせいか、眠っている時が多かった。

そんな浮竹を、白哉は傍に置いていたのだが、貴族たちが白哉の家に集まり白哉の当主となって6年目になる式典があった。

レオノーラは、その式典に紛れ込み、寝ている浮竹を拉致した。

「ん‥‥‥‥白哉?」

「ふふ、おはよう。あなたは、今日から私のものよ」

「お前は誰だ」

浮竹は、警戒して毛を逆立てる。

「亜人だから、人の姿になれるのでしょう?さぁ、そんな純金の首輪ではなく、このオリハルコンの首輪をあげる。私のものになりなさい」

「俺は、白哉と京楽のものだ」

「私の名はレオノーラ・フォン・パルカル。パルカル侯爵家の人間よ?さぁ私のものになり、私に服従しなさい!」

「いやだ!」

浮竹は、猫の姿のまま逃げ出そうとしたが、結界がはられていて逃げられなかった。

「白哉、京楽!」

「ふふ、助けを求めても無駄よ?」

浮竹は、力ずくで人の姿にされて、純金の首輪を外されてオリハルコンの首輪をされた。

「こんなことをして、白哉が黙っていないぞ」

「ほほほほ。朽木白哉は四大貴族。とはいえ、私は王族の血をもつ侯爵家の人間。私のほうが、身分は上でしてよ?」

浮竹は、レオノーラに噛みついた。

「ぎゃっ!このっ!おとなしく服従なさい!」

鞭で、浮竹を打つ。浮竹は傷口から血を流すが、レオノーラは浮竹の美貌さえあればいいみたいで、浮竹を傷つけた。

浮竹がいる部屋は、扉しか入口がなかった。

「京楽、白哉!」

「ボクはここにいるよぉ?」

ゆらりと、浮竹の影から京楽が出てくる。

「何かあった時のために、保険に君の影から出れる魔法をかけておいたんだよね。さぁ、浮竹をさらった女。覚悟はできているかい?」

「ひいいい」

「ああ、浮竹、鞭で打たれたんだね。まずは怪我を治そう」

京楽は、浮竹の怪我を治癒魔法で治す。

「京楽?本物か?」

「ボクの偽物がいるとでも?」

京楽は、鞭でレオノーラを数回叩いた後、風の魔法でその顔をずたずたにする。

「ひいいい、私の美貌がああああ」

そんなレオノーラを放置して、浮竹が京楽を見る。

「白哉は?」

「今、向かってるよ。この女の父親がこの国の王の弟で、ちょっとてこずってるけど、必ずくるよ」

「私は王家の人間でもあるのよ!四大貴族ごときが!」

「白哉君は、世界の中の四大貴族だからね?君ごときの身分でどうこうできる相手じゃないよ?」

「ひっ、世界の四大貴族!?」

「ああ、知らなかったの。まぁ、この国の人間のほとんどが知らないことだから仕方ないだろうけど」

「京楽、もう大丈夫だ」

ケガを治してもらい、浮竹が京楽に抱きつく。

「浮竹、無事か?」

そこへ、騎士団を連れた白哉がやってくる。

「レオノーラ嬢。浮竹を誘拐した罪で、兄を捕縛する」

「わ、私は王家の人間でもあるのよ!?それに、この黒猫の亜人は、私を傷つけたのよ!?」

レオノーラの傷は、彼女が分からないうちに京楽が治しておいた。

王族の血を引いている人間を傷つけたとなると、白哉が不利になりそうだからだった。

「傷は、どこにもないようだが?」

「え、あ、あら!?」

「さぁ、兄を捕縛する。国王も王弟も、承知の上だそうだ。希少なる白猫の亜人を、私欲のためにさらった兄には、100回の鞭打ちの後、少なくとも3年は実刑を受けてもらう」

「いやあああああ!」

泣き叫ぶレオノーラを、騎士団が縄で縛りあげて連れていく。

「浮竹、無事でよかった。京楽までいなくなるので、魔法探知に時間がかかった。許せ」

「白哉は必ずきてくれると思っていた」

「純金の首輪は、魔法探知ができるようになっているからね。外されても、効果は残るから」

「そうなのか。白哉、このオリハルコンの首輪を、いつもの純金の首輪にはめ直してくれ」

白哉は、言われた通りにした。

「さぁ、帰ろう」

「うん、帰ろうか」

「分かった。でも、白哉は俺が思っていた以上に偉かったんだな。世界の四大貴族ってことは、世界でも4つしか存在しないんだろう?」

「ああ。私の父と母は、もういないが王家の出身だ」

「そんな白哉君の猫である浮竹を攫うなんて、バカな女もいたもんだね」

「身分が高い故、鞭打ちと3年の実刑しか無理そうであるが。すまぬ」

「十分だ、白哉」

浮竹は、猫の姿になって白哉にすり寄る。京楽も、真似して黒猫になって、白哉は猫の姿になった浮竹と京楽を抱き上げて、朽木家に戻るのであった。

ちなみに、レオノーラ嬢は、事情を聞いた魔王の浮竹の怒りを買い、処刑されるのであった。

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