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黒猫の皇妃1

「兄様‥‥‥誰か、助けて」

手枷に首輪と鎖で繋げられていた少女の名は朽木ルキア。

ソサエティ王国の4大貴族朽木家の人間だった。朽木家は亜人の家系で、ルキアには黒い猫耳と猫の尻尾があった。

人攫いに掴まり、闇ルートでソウル帝国の闇市でオークションにかけられていた。

「7千万」

「1億」

「1億2千万」

「5億」

ざわりと、周囲が騒がしくなったかと思うと、5億という言葉をオレンジ色の髪の少年が出して、沈黙が訪れる。

「皇帝だ!皇帝の黒崎一護様だ!」

わぁわぁと、場がうるさくなる。

「そいつ、気に入った」

「運がいいな、女!皇帝がお買い上げだ!贅沢な暮らしができるぞ!」

「うるさい!私は、奴隷などではない!」

「ばーか、売られているお前は奴隷なんだよ!」

ジャラリと鎖を引っ張られて、ルキアが前のめりに倒れそうになる。

それを、ルキアを5億で競り落とした一護が止めた。

「そいつは、もう俺のものだ」

「あ、はい、すいません皇帝陛下!」

「皇帝‥‥‥」

ルキアは黒い猫耳をぴくぴくさせながらも、一護を威嚇する。

「今すぐに、何もしやしねーよ。お前は俺のもんだ。おとなしくしていれば、俺の目の届く範囲でだが自由も与えるし衣食住は保証する」

「私は、生まれ故郷に帰るのだ!兄様がきっと心配しておいでだ!」

「ばーか。お前は俺に買われた奴隷だ。故郷になんて帰らせねぇ。どうしても帰りたきゃ、5億
を今現金で支払え」

「そんな大金、もっているはずがなかろう!」

「じゃあ、お前はやっぱ今日から俺の奴隷だ」

「兄様ぁああ」

一護に連れられようとして、ルキアはめちゃくちゃに暴れた。見かねた奴隷商人が、ルキアの鳩尾に拳を入れて気絶させる。

「すみません。皇帝陛下。しつけのなっていない奴隷で」

「かまわねぇよ。生意気なところが気に入った」

一護は、近衛騎士にルキアを担がせて、闇市からぬけだして宮殿に戻る。

「陛下、また勝手に宮殿を抜け出して!なんですか、その汚い少女は!」

「俺が競り落とし奴隷だ。どうやら、貴族の生まれらしい。生意気で面白そうだから、しばらく傍にいさせる」

「はぁ‥‥」

一護の気まぐれは、今に始まったことではない。

後宮には百人をこえる美女や美少女たちが入れられていて、大半が元奴隷であった。ルキアも、その中に入ることになる。

「しかし、まだ幼い。世継ぎを産ませるには向かないとみられますが」

「別にいいだろ。それに妹たちもいる。皇族はちゃんといるんだし、子を早急にもうける必要はない」

「陛下‥‥‥‥」

近衛騎士が、ルキアが気づいたのを一護に知らせる。

「とりあえず、手枷と首輪と鎖を外して、風呂にいれて新しい服を着せて身ぎれいにさせろ。それから食事は‥‥‥俺と一緒にとらせる」

「離せ!私を誰だと思っている!」

「おい、お前、名前は?」

一護が、暴れるルキアを抱き寄せる。

「貴様‥‥‥」

「怖かっただろ。もう、暴力を振るう人間はいねぇ。俺が守るから、安心しろ」

「あ‥‥‥‥」

ルキアは、涙をぽろぽろ流し始めた。

「名は、朽木ルキア‥‥‥」

「ソサエティ王国の四大貴族か。人攫いに捕まったんだな」

「故郷に、帰りたい‥‥‥‥」

「とりあえず、風呂はいってこい。おい、誰か」

「はい、陛下」

「ああ、井上か。すまねぇが、ルキアを風呂にいれて着替えさせてやってくれ」

ルキアも、自分の運命を受け入れたのか、手枷と首輪と鎖を外されると、おとなしくなった。

「さあ、ルキアちゃん。お風呂に入ろ。ご飯は、一護様ととることになるだろうけど」

ルキアは、後宮出身の寵姫である井上織姫に連れられて、侍女と一緒になってルキアを風呂にいれて、絹のドレスを着せた。

そして、一護と会わせる。

「お、可愛いじゃねぇか」

「う、うるさい!」

「口の利き方がなってねーけど、まぁいいか。ろくなもの食べさせてもらってないだろ。細すぎだ」

「生まれつきだ!腹など減っておらぬ!」

ルキアは、並んだ豪華な食事を見てそう言い張るが、ぐうううと、腹がなった。

「腹減ってるんだろ。毒なんて入ってないから、安心しろ」

「私をどうするつもりだ」

「後宮に入れて寵姫にする」

「‥‥‥‥後悔するぞ」

「何か問題でもあんのか?」

「私は、生まれつき子が産めぬ」

嘘ではなかった。亜人で黒猫の耳と尻尾をもつ個体は、子を作れない。

ごくまれに生まれてきて、億をこえる値段で売買された。

それが、朽木家に生まれてきた。身分の高い貴族であるお陰で、奴隷になることは今まで防がれていたが、人攫いに捕まりこうして奴隷として売られてしまった。

子を産めないので、性玩具として生きるか、労働を強いられるかしかない。

「別に、子供なんて産めなくていいぜ。俺はルキア、お前を気に入った。嫌なら手は出さないし、ただ傍にいてくれればいい」

「本当に、それでよいのか?」

ルキアが、聞き返す。

「ああ、それでいい」

こうして、ルキアは102人目の寵姫として、黒崎一護の後宮に入れられるのであった。



そうして、1カ月が経った。

「ルキア」

「なんだ、一護」

ルキアは一護から特別扱いされて、名を言い捨てにしても許可されていた。

「いい黒馬が手に入ったんだ。外に、遠出に出かけないか」

「ああ、いいぞ」

ルキアも、最初は故郷に帰ろうと足掻いていたが、一護の寵愛を受けて、いつか里帰りを許されるのを待っている。

一護の一番の寵姫でいることは、苦痛ではなかった。

ただ、他の寵姫から嫌がらせをされるが。

「そういえば、聞きたいことがあった」

「なんだ?」

「貴様は、巨乳好きではないのか。後宮の者は皆巨乳の娘ばかりだ。私のような貧乳も好みなのか?」

「あー。後宮の寵姫のほとんどが、親父や家臣が集めた女だ。俺が自分の意思で後宮に入れたのは、ルキアと井上くらいだ。別に巨乳が好きなわけでもないし、貧乳とかも関係ねーな。俺が気に入るだろうと、あえて巨乳の女が集められてるだけだ」

「そうか」

ルキアは安堵する。

出会って1か月。

一護はルキアを気に入っていたし、ルキアも一護を好きになっていた。

「おし、遠出にいくぞ。馬は乗れるか?無理なら同じ馬に乗せるけど」

「ばかにするな。乗馬くらい、できる」

「へぇ」

「これでも、ある程度の訓練は受けている」

身を守る術はいまいちのせいで人攫いに捕まったが、ルキアが危惧するような、閨への誘いは一切なかった。

一護はルキアを寵姫としたが、関係はとても仲のよい友人のようであった。




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