黒猫の皇妃2
「陛下、ルキア様を寵愛するのはいいのですが、残念ながらルキア様は子を宿せません。織姫様をもっと寵愛されるべきです」
家臣の言葉に、一護が顔をしかめる。
「俺がルキアを寵愛するのは俺の自由だ。今後、二度とそんなことを言うな」
一護は、皇帝としてよくソウル帝国を守っているが、早く世継ぎをと求める声が高かった。
ルキアは黒猫の亜人で、黒い猫耳と尻尾をもっている。とても貴重な存在で、残念ながら黒猫の亜人は子を成せないので、生まれてくるのは偶然であった。
ルキアは、ソサエティ王国の4大貴族、朽木家の出身であるが、攫われて売られ、一護に買われて奴隷を解放されて、寵姫となった。
ルキアが一護に買われて、2カ月が経とうとしていた。
「一護、魚釣りに出かけぬか」
「ああ、いいぜ。今日の執務は全部終わらせたしな」
一護はよく、お忍びで外に出かけることが多かった。
目立つオレンジの髪を隠せば、一護が皇帝だと分かる者は民にはほとんどいない。
一応近衛騎士はいるのだが、一護自体剣の腕が相当なものなので、外に遊びに行く時は近衛騎士はつけなかった。
「どこに魚釣りにいくんだ?」
「ソウル湖まで」
「ソウル湖か。馬がいるな」
「この前の黒馬で行こう。あの馬はお気に入りなのだ」
「ああ、そうするか。釣り道具とえさはこっちで準備させる」
やがて、ソウル湖まで釣り道具をもって馬を走らせると、1時間ほどでソウル湖についた。
さっそく、ルキアは餌を釣り針につけて、竿をたらす。
「どうせなら、主を釣るぞ」
「この湖の主はでかいぞ。4メートルはある」
「でかいな!ますます釣りたくなった」
一護とルキアは、釣りを続けるが、夏なので日差しが暑くなってきた。
いっこうに釣れそうにないので、一護は釣りをやめて、ソウル湖にばしゃんと音をたてて入ってしまった。
「一護!?」
ルキアがびっくりして、黒い猫の尻尾をぴーんと立てる。
「はは、気持ちいいぞルキア。お前も入れよ」
「しかし、着替えをもってきておらぬ」
「この日差しだ。濡れても、すぐに乾くだろ」
一護は、湖から出て、まだ逡巡しているルキアを湖に突き落とした。
「き、貴様、何をする!」
ルキアはびしょ濡れになって怒る。
「ははは、気持ちいいだろ?」
「確かに涼しいが‥‥‥」
一護は、ルキアに向かって水をかける。
ルキアも、黙ってやられるのはしゃくなので、一護に水をかけた。
「はははは、気持ちいいな?」
「一護のアホ!」
散々水遊びをして、岸にあがると、体のラインが浮き彫りになっているので、ルキアは恥ずかしがったが、一護がまったくもって、性的な目で見てこないので、ルキアも堂々とふるまう。
2時間もせぬうちに服はかわき、結局釣りは中止になって、馬に乗って宮殿に帰った。
「大変です、陛下!」
「どうした」
「寵姫のオリビエ様が流産を!」
「オリビエを抱いた覚えはない。後宮から追放しろ」
「はっ」
ルキアは、その言葉を聞いて怖くなった。
子はできぬ体。友人となれたと思っているが、飽きられていつか自分も後宮から追放されるのではないだろうかと。
「ルキア、今日はお前と寝れない。井上と寝る」
「ああ、分かった」
ルキアは、最近一護と一緒に寝ていた。
本当にただ一緒に寝るだけで、抱きしめられるが性的なことは一切なかった。
「ルキア」
「なんだ」
「好きだぜ」
「な、何を言っておるのだ!さっさと井上のところに行け!」
「ははははははは」
一護は、ルキアの黒い猫耳をもふってから、ルキアを置いて去ってしまう。
ルキアは、後宮の自分の部屋に戻る。
お気に入りのクッションが、刃物でずたずたに切り裂かれていた。
「またか‥‥一護に言ったほうがいいのだろうか」
他の寵姫からの嫌がらせは、止まることを知らない。
さらに半月が経ち、ルキアは井上に呼ばれた。
「どうしたのだ、井上」
「あのね‥‥‥一護様の子供、身籠ったみたいなの」
「え」
それは、ルキアがどんなに望んでもできないこと。
井上は、とても幸せそうに微笑んでいる。
「よかったな」
「うん。ルキアちゃんならそう言うと思っていたの」
ルキアは、自分の胸が苦しくなるのを感じていた。
一護は、ルキアは抱かないが井上は抱くのだ。
そして、結果子供ができた。
生まれてくれば、男女関係なく未来の皇帝だ。
「私は‥‥‥‥‥」
一護が、好きになっていた。
だが、たとえ抱かれても子供はできない。お飾りで、皇妃にはなれない。
黒猫の皇妃。
後宮で、寵姫たちがいやな意味をこめてルキアをそう呼んでいた。
だが、どんなに望んでもきっと、皇妃にはなれない。
黒猫の亜人だから。
ルキアは、その日自分が黒猫の亜人であることを、はじめて呪った。
家臣の言葉に、一護が顔をしかめる。
「俺がルキアを寵愛するのは俺の自由だ。今後、二度とそんなことを言うな」
一護は、皇帝としてよくソウル帝国を守っているが、早く世継ぎをと求める声が高かった。
ルキアは黒猫の亜人で、黒い猫耳と尻尾をもっている。とても貴重な存在で、残念ながら黒猫の亜人は子を成せないので、生まれてくるのは偶然であった。
ルキアは、ソサエティ王国の4大貴族、朽木家の出身であるが、攫われて売られ、一護に買われて奴隷を解放されて、寵姫となった。
ルキアが一護に買われて、2カ月が経とうとしていた。
「一護、魚釣りに出かけぬか」
「ああ、いいぜ。今日の執務は全部終わらせたしな」
一護はよく、お忍びで外に出かけることが多かった。
目立つオレンジの髪を隠せば、一護が皇帝だと分かる者は民にはほとんどいない。
一応近衛騎士はいるのだが、一護自体剣の腕が相当なものなので、外に遊びに行く時は近衛騎士はつけなかった。
「どこに魚釣りにいくんだ?」
「ソウル湖まで」
「ソウル湖か。馬がいるな」
「この前の黒馬で行こう。あの馬はお気に入りなのだ」
「ああ、そうするか。釣り道具とえさはこっちで準備させる」
やがて、ソウル湖まで釣り道具をもって馬を走らせると、1時間ほどでソウル湖についた。
さっそく、ルキアは餌を釣り針につけて、竿をたらす。
「どうせなら、主を釣るぞ」
「この湖の主はでかいぞ。4メートルはある」
「でかいな!ますます釣りたくなった」
一護とルキアは、釣りを続けるが、夏なので日差しが暑くなってきた。
いっこうに釣れそうにないので、一護は釣りをやめて、ソウル湖にばしゃんと音をたてて入ってしまった。
「一護!?」
ルキアがびっくりして、黒い猫の尻尾をぴーんと立てる。
「はは、気持ちいいぞルキア。お前も入れよ」
「しかし、着替えをもってきておらぬ」
「この日差しだ。濡れても、すぐに乾くだろ」
一護は、湖から出て、まだ逡巡しているルキアを湖に突き落とした。
「き、貴様、何をする!」
ルキアはびしょ濡れになって怒る。
「ははは、気持ちいいだろ?」
「確かに涼しいが‥‥‥」
一護は、ルキアに向かって水をかける。
ルキアも、黙ってやられるのはしゃくなので、一護に水をかけた。
「はははは、気持ちいいな?」
「一護のアホ!」
散々水遊びをして、岸にあがると、体のラインが浮き彫りになっているので、ルキアは恥ずかしがったが、一護がまったくもって、性的な目で見てこないので、ルキアも堂々とふるまう。
2時間もせぬうちに服はかわき、結局釣りは中止になって、馬に乗って宮殿に帰った。
「大変です、陛下!」
「どうした」
「寵姫のオリビエ様が流産を!」
「オリビエを抱いた覚えはない。後宮から追放しろ」
「はっ」
ルキアは、その言葉を聞いて怖くなった。
子はできぬ体。友人となれたと思っているが、飽きられていつか自分も後宮から追放されるのではないだろうかと。
「ルキア、今日はお前と寝れない。井上と寝る」
「ああ、分かった」
ルキアは、最近一護と一緒に寝ていた。
本当にただ一緒に寝るだけで、抱きしめられるが性的なことは一切なかった。
「ルキア」
「なんだ」
「好きだぜ」
「な、何を言っておるのだ!さっさと井上のところに行け!」
「ははははははは」
一護は、ルキアの黒い猫耳をもふってから、ルキアを置いて去ってしまう。
ルキアは、後宮の自分の部屋に戻る。
お気に入りのクッションが、刃物でずたずたに切り裂かれていた。
「またか‥‥一護に言ったほうがいいのだろうか」
他の寵姫からの嫌がらせは、止まることを知らない。
さらに半月が経ち、ルキアは井上に呼ばれた。
「どうしたのだ、井上」
「あのね‥‥‥一護様の子供、身籠ったみたいなの」
「え」
それは、ルキアがどんなに望んでもできないこと。
井上は、とても幸せそうに微笑んでいる。
「よかったな」
「うん。ルキアちゃんならそう言うと思っていたの」
ルキアは、自分の胸が苦しくなるのを感じていた。
一護は、ルキアは抱かないが井上は抱くのだ。
そして、結果子供ができた。
生まれてくれば、男女関係なく未来の皇帝だ。
「私は‥‥‥‥‥」
一護が、好きになっていた。
だが、たとえ抱かれても子供はできない。お飾りで、皇妃にはなれない。
黒猫の皇妃。
後宮で、寵姫たちがいやな意味をこめてルキアをそう呼んでいた。
だが、どんなに望んでもきっと、皇妃にはなれない。
黒猫の亜人だから。
ルキアは、その日自分が黒猫の亜人であることを、はじめて呪った。
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