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おせちの予感

ふんふんふーん。
鼻歌まじりで、年明け早々ティエリアはキッチンに立っていた。
ぐつぐつぐつぐつ。鼻にツーンとくる刺激臭がするが、ティエリアは平気そうである。

平気でないのは、ソファーに腰掛けてガタガタと小刻みに震えているロックオンであろうか。

今年もきた。
新しい年がきた。

それは喜ばしいことである。
新年あけましておめでとう。お年玉を年少組みにもアレルヤにもあげた。年長者としての接触はばっちりだった・・・・・・・はずだ。たぶん。

ティエリアがおせち料理を作ると言い出すまでは、ロックオンは上機嫌だった。

「そろそろできますよ。いっぱい食べてくださいね」
「お、おう」

がたがたがた。武者震いのような体の震えがとまらなくなる。これは恐怖からくる震えであった。

今まで、ティエリアの料理で何度地獄をみてきたことか。

つんとくる刺激臭からして、おせち終わってる・・・・。ティエリアの愛はうれしいけれど、手料理は簡便してほしい。

でも、ロックオンは優しいのでそういうこともできない。


「できました」

でろーん。

緑のボコボコとしふきあげる物体を、おせちの箱にいれられてもってこられた。

「ジャボテンダー粉末を入れてあるので、緑です、色は」

ジャボテンダー、いつの間に粉末なんてできたんだ。いれていいのかそれ?

いろいろつっこみを入れたいところではあるが。


「ロックオン、目標を狙い打つ!」

いざスプーンをとって、ロックオンは緑の物体を喉に流し込む。


バタ。ぴくぴく。

かろうじで痙攣してはいるが、生きてはいるようだ。

「ふむ。ジャボテンダー粉末をいれたら成功すると思ったが。失敗のようだ」

味見、してないからね。ティエリアって味見せずにロックオンに食わすからね。

救急車呼ぶかなぁ。一応。

いつものオチだからね。

胃洗浄受けて、入院だからね。

それでもこりないティエリアは、愛のためにまた手料理をして、ロックオンを卒倒させるのであった。今回はちょっと作品が強すぎて、救急車を手配する必要がありそうだった。

「う、うまれる」

「ロックオン元気なジャボテンダーを生んでくださいね!」

ロックオンは腹を抱えてもだえている。とりあえず救急車を手配して、ティエリアはジャボテンダーをもって一緒に病院までついていくのであった。

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