夏の空(1期)
夏の蒼い空がとても眩しかった。何処までも広がる空は、手を伸ばしても届かない。白い雲が広がり、太陽の光を少し遮っていた。
ザァン、ザァン。
海の波の音が聞こえた。
ここは王家のプライベートビーチである。そこで、短い休暇をマイスターズたちはとっていた。せっかくだからと、4人揃って同時に同じ場所で休暇に入るのはかなり、珍しいことだった。
ザァン、ザァン。
押しては引く波に音に、刹那は目を閉じる。その背後で、ロックオンが刹那の髪を器用に、鋏で切り落としていく。
残ったアレルヤとティエリアは、アレルヤはりんごの皮をむいていたし、ティエリアは計測器やらフラスコやらを利用して何かと睨めっこしている。
二人して、カレーとやらを作ることになったのだが、そんなものを作ったことのないティエリアにとっては未知との戦いであるし、料理の腕が壊滅的なので、ルーを選ぶだけの作業のはずが何故かフラスコやら試験管やらを用意して使っている。
「切りすぎるなよ」
刹那が、ロックオンに念を押す。ロックオンは承知したとばかりに、刹那の頭を撫でる。櫛を通して、くせ毛の長さを調節していた。
ボン!
ティエリアのほうでは、何かが爆発する音がして、彼がむせていた。
「何故だ!何故爆発する!カレーのルーだろうが!」
爆発した物体に悪態をついている。
アレルヤはため息をついて、じゃがいもやら人参の皮をむき、軽く炒めるとそれを鍋の中に放り込んでいった。とても慣れた手つきだった。
料理の腕はロックオンが一番かもしれないが、アレルヤもなかなかのものらしい。
「ティエリア、もういいから。あとは僕が作るから」
「いいや、ここは僕に任せてもらおうか」
ティエリアは、カレーのルーをぼちゃぼちゃと鍋にいれていく。全て激辛のルーを。
「ああ、そんなにいれちゃだめだよ!しかも辛いのばっかり!」
「カレーとはもともと辛い料理だ」
だからどうしたのだと、ティエリアは氷の美貌でアレルヤ何を言われても表情を変えることがない。ふんぞり返っている。
「あー。仕上げはお兄さんに任せろっとな」
刹那の髪を切り終えずに途中放棄して、ロックオンが、鍋の煮込み具合をみて、その辛さに対抗するために少しばかりの蜂蜜を加えたりしていた。
切りそろえられたりんごも少し入れられて、とろみが出るまで煮込んだ。
「いつまで俺はこのままなんだ」
椅子に座らされ、シートをかぶせられて刹那は動くこともできずにザァンザァンと波打つ海を見ていた。はるか地平線が見える。地球は丸いのだとぼーっと考える。
「ああわり、刹那。最後の仕上げすっか」
鍋をアレルヤに任せ、うなっているティエリアを慰め、それから刹那の髪を軽くすいていく。
それは夏のある日の光景。
夏の空は、どこまでも澄んで、そして遠く蒼かった。
ザァン、ザァン。
海の波の音が聞こえた。
ここは王家のプライベートビーチである。そこで、短い休暇をマイスターズたちはとっていた。せっかくだからと、4人揃って同時に同じ場所で休暇に入るのはかなり、珍しいことだった。
ザァン、ザァン。
押しては引く波に音に、刹那は目を閉じる。その背後で、ロックオンが刹那の髪を器用に、鋏で切り落としていく。
残ったアレルヤとティエリアは、アレルヤはりんごの皮をむいていたし、ティエリアは計測器やらフラスコやらを利用して何かと睨めっこしている。
二人して、カレーとやらを作ることになったのだが、そんなものを作ったことのないティエリアにとっては未知との戦いであるし、料理の腕が壊滅的なので、ルーを選ぶだけの作業のはずが何故かフラスコやら試験管やらを用意して使っている。
「切りすぎるなよ」
刹那が、ロックオンに念を押す。ロックオンは承知したとばかりに、刹那の頭を撫でる。櫛を通して、くせ毛の長さを調節していた。
ボン!
ティエリアのほうでは、何かが爆発する音がして、彼がむせていた。
「何故だ!何故爆発する!カレーのルーだろうが!」
爆発した物体に悪態をついている。
アレルヤはため息をついて、じゃがいもやら人参の皮をむき、軽く炒めるとそれを鍋の中に放り込んでいった。とても慣れた手つきだった。
料理の腕はロックオンが一番かもしれないが、アレルヤもなかなかのものらしい。
「ティエリア、もういいから。あとは僕が作るから」
「いいや、ここは僕に任せてもらおうか」
ティエリアは、カレーのルーをぼちゃぼちゃと鍋にいれていく。全て激辛のルーを。
「ああ、そんなにいれちゃだめだよ!しかも辛いのばっかり!」
「カレーとはもともと辛い料理だ」
だからどうしたのだと、ティエリアは氷の美貌でアレルヤ何を言われても表情を変えることがない。ふんぞり返っている。
「あー。仕上げはお兄さんに任せろっとな」
刹那の髪を切り終えずに途中放棄して、ロックオンが、鍋の煮込み具合をみて、その辛さに対抗するために少しばかりの蜂蜜を加えたりしていた。
切りそろえられたりんごも少し入れられて、とろみが出るまで煮込んだ。
「いつまで俺はこのままなんだ」
椅子に座らされ、シートをかぶせられて刹那は動くこともできずにザァンザァンと波打つ海を見ていた。はるか地平線が見える。地球は丸いのだとぼーっと考える。
「ああわり、刹那。最後の仕上げすっか」
鍋をアレルヤに任せ、うなっているティエリアを慰め、それから刹那の髪を軽くすいていく。
それは夏のある日の光景。
夏の空は、どこまでも澄んで、そして遠く蒼かった。
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