色とりどり(3期)
殺風景だと思って、ブリーフィングルームに観葉植物を少し多めに置いてみた。
いつの日にか咲いていた忘れな草の花は、花を散らしてまだ置いてある。私を忘れないで。まるで彼そのもののように咲く花は、可憐な淡い水色だった。
如雨露で数少ない植物に水をやるのが、ティエリアの日課になっていた。
私を忘れないで。
彼はそう言葉もなく、ロックオンに対して思っているのだろう。
一度別たれた道は、今は一つの線となって融合した。
死したはずのロックオンはリジェネの再生により生き返り、ティエリアはヴェーダの中で意識体として存在していたものを、再び新しい肉体に意識を宿らせて産声をあげた。
「なんだ、植物の世話でもしてたのか?」
「はい」
如雨露を片手に、ティエリアは微笑む。優しい笑みを浮かべるようになったと思う。数年前はそれこそ冷たい氷のような存在だったのに。ロックオンと邂逅することで、ティエリアはイノベイターから人間になり、イノベイドとなった。それはよいことなのか悪いことなのか、イオリア・シュヘンベルグの計画の中にはなく、人間であろうとするティエリアを仲間は受け入れている。
「ここもえらい緑が増えたもんだ」
「何もないよりはましだ」
花を咲かせた蘭が空調の風で少し揺れた。
「忘れな草、まだ生きてるんだなあ」
「あなたがくれたものだから」
かつて、ロックオンが死する前にくれた、水色の鉢植えは、ティエリアが大切に大切に世話をして、枯れることなくもう何年も花を咲かせている。
忘れな草は、ロックオンの生家にも咲いていた。
忘れな草をあしらった髪飾りなんかも、昔は買ってもらった。ティエリアが、多分一番好きな花だろう。ロックオンも一番好きな花なのかもしれない。
私を忘れないで
それはお互いの想いになる。
どちらが欠けても、忘れないでいれば、心の中に生きている。
今はもう、武力介入することがほとんどなくなり、平和そのもののトレミー。
それでも忘れな草は、また咲く。二人の想いを受けて、互いに忘れないでと。
いつの日にか咲いていた忘れな草の花は、花を散らしてまだ置いてある。私を忘れないで。まるで彼そのもののように咲く花は、可憐な淡い水色だった。
如雨露で数少ない植物に水をやるのが、ティエリアの日課になっていた。
私を忘れないで。
彼はそう言葉もなく、ロックオンに対して思っているのだろう。
一度別たれた道は、今は一つの線となって融合した。
死したはずのロックオンはリジェネの再生により生き返り、ティエリアはヴェーダの中で意識体として存在していたものを、再び新しい肉体に意識を宿らせて産声をあげた。
「なんだ、植物の世話でもしてたのか?」
「はい」
如雨露を片手に、ティエリアは微笑む。優しい笑みを浮かべるようになったと思う。数年前はそれこそ冷たい氷のような存在だったのに。ロックオンと邂逅することで、ティエリアはイノベイターから人間になり、イノベイドとなった。それはよいことなのか悪いことなのか、イオリア・シュヘンベルグの計画の中にはなく、人間であろうとするティエリアを仲間は受け入れている。
「ここもえらい緑が増えたもんだ」
「何もないよりはましだ」
花を咲かせた蘭が空調の風で少し揺れた。
「忘れな草、まだ生きてるんだなあ」
「あなたがくれたものだから」
かつて、ロックオンが死する前にくれた、水色の鉢植えは、ティエリアが大切に大切に世話をして、枯れることなくもう何年も花を咲かせている。
忘れな草は、ロックオンの生家にも咲いていた。
忘れな草をあしらった髪飾りなんかも、昔は買ってもらった。ティエリアが、多分一番好きな花だろう。ロックオンも一番好きな花なのかもしれない。
私を忘れないで
それはお互いの想いになる。
どちらが欠けても、忘れないでいれば、心の中に生きている。
今はもう、武力介入することがほとんどなくなり、平和そのもののトレミー。
それでも忘れな草は、また咲く。二人の想いを受けて、互いに忘れないでと。
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