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それ行け一護君 温水プールにいこう

ルキアと二人で、温水プールに出かけるはずが、なぜか白哉までついてきた。

隊長クラス二人の現世の移動には、霊力を極端に抑える義骸に入り、限定封印を施してもらう。緊急時には限定解除が許されて、いつもの力を振るえた。

ルキアの水着姿に、目を奪われる。

フリルの深いビキニタイプのものだった。

「かわいいな、ルキアの水着」

「そ、そうか?」

胸のなさをカバーできる作りになっていたが、一護はルキアの胸がないことなどどうでもよかった。むしろ好ましい。何せルキアのせいで貧乳派なので。

「兄様、ウォータースライダーにいきましょう!」

水着姿の白哉を誘い、ルキアが手をひいていく。

「おのれ・・・・白哉め。本当なら、二人きりのはずなのに」

一護は、少し怨みのこもった視線で白哉を見ていた。

でも、白哉はこういうのは始めてで、小さくではあるが感情を表に出して、嬉しそうにしていた。それを見ていると、一護もまぁいいかという気分になった。

「俺もウォータースライダーいってこよ」

ルキアと行きたかったが、何度でも利用できるので、ルキアとは痕で一緒にいけばいい。

「きゃわああああああああ兄様、大丈夫ですかあああ!?」

ウォータースライダーを滑り落ちながらのルキアの悲鳴は、よく聞こえた。

流れ落ちて、プールに着地する。

「ふむ・・・なかなかに面白い」

「兄様、気に入ってくださいましたか」

「うむ。中々によいものだ。もう一度行ってくる」

「あ、兄様!」

ルキアを残して、白哉はまたウォータースライダーに行ってしまった。

「一護?どこだ?」

一護の姿を探すが、近くにはいなかった。

「のわあああああああああ」

一護がウォータースライダーから飛び出して、ルキアの近くに着地する。

「なんだ、貴様は一人でウォータースライダーに行っていたのか」

「お前といきたかったけど、兄様兄様って白哉といっちまったじゃねーか」

「それはそうだが・・・・・」

「まぁ、せっかくだしいろいろ遊ぼうぜ」

普通に温水プールを泳いだ。

白哉が戻ってきて、白哉はパラソルの下でベンチに座っていた。

「兄様、泳ぎましょう!」

そんな白哉の手をとって、ルキアは白哉を温水プールの中に誘った。

「あまり、泳ぎは得意ではない」

そう言いながらも、白哉は軽やかに泳いでいた。

「泳げないとかいって、めっちゃ泳いでるし」

一護の言葉に、ルキアが胸を張る。

「兄様は、なんでもできるのだ。兄様は素晴らしい」

「はいはい。もうお腹いっぱいだぜ」

白哉を自慢するルキアの言葉に、一護はそう言った。

「ルキア、俺とウォータースライダー行こうぜ」

「何故だ?」

「何故って・・・・お前、白哉と一緒に滑っただろ。じゃあ、俺とも一緒に滑ってくれよ」

「兄様は、始めてであるからお誘いしたのだ。貴様は始めてではないだろう」

「いーから、一緒に滑ろうぜ」

ルキアの手をとって、ウォータースライダーに行く。

「わきゃああああああ」

「のわああああああ」

二人して、ウォータースライダーを滑っていく。

純粋に楽しかった。

「楽しいな、一護」

「おう。誘って正解だったな」

温水プールなので、夏ではない今の時期でも遊べる。今は5月の始めだった。

「はじめ、プールと聞いて暑くはあるが、こんな季節にとは思ったが、温水プールとは。これなら、冬でも楽しめそうだな」

「そうだろ。また、機会あったらこようぜ」

白哉は、泳ぎ疲れたのか、またベンチに座っていた

「白哉もまたくるか?」

「そうだな。機会があれば」

多分、ルキアと現世でまた温水プールに行くというと、ついてくるだろう。

温水プールの中にある屋台で軽い昼食をとり、また午後は泳いだ。

朝からきていたので、3時頃になって現世の他の場所を回るために、温水プールを後にした。

繁華街へやってきた。

一護とルキアは手を繋いでいた。そこに、男が寄ってきて、声をかけてくる。

「ねぇ、君、僕と遊ばない?」

「いらぬ」

なんだと思えば、声をかけられているのは白哉のほうだった。

白哉は中性的な美貌で、人目を引く。ルキアと一護も容姿がいいため人目をひくが、それの3倍は軽く人目をひいていた。

女にも男にも声をかけられて、白哉は無視を決め込んだ。

「ねぇ、そこのあなた・・・ひいいい」

人を威圧する視線で、圧倒していく。

「白哉、はぐれるなよ」

「兄は、誰に向かっていっておるのだ」

繁華街で少し買い物をして、レストランに入った。

「ご注文は・・・・ひいいい」

「おい、白哉、給仕係まで威圧しなくていいから」

「ふむ・・・・・」

「兄様は、かっこよすぎるのです!だからくだない人間が近寄ってきてしまう・・・盲点でした。兄様、不快な思いをさせてしまってすみません」

「よい。ルキアのせいではない」

白哉は、周囲を威圧するのをやめて、ベルを鳴らした。

給仕係がやってくる。

辛い料理を中心に、注文した。

ルキアと一護はスパゲッティを注文し、ルキアはパフェも注文した。

「この店、昔よくきたんだけど、味はいいぜ」

「ふむ」

しばらくして持ってこられた料理を口にして、白哉が一言。

「確かに、美味いな」

と言った。

一護もルキアも安心して、やってきたメニューを食べていく。

ちょうど食べ終わった頃に、パフェがやってきた。

「ルキア、俺にもくれ」

「仕方ないな・・・・」

アイスの部分をすくったスプーンを、一護の口元にもっていく。それを、一護は何の迷いもなく食べた。

それを、じーっと白哉が見ていた。

「な、なんだよ文句でもあるのか」

「別に」

つーんと、白哉はそっぽを向いてしまった。

「兄様も食べますか?」

「甘いのは好まぬ」

「そうですね。辛いパフェはないですから」

ルキアのしょんぼりとした声に、白哉は手を伸ばしてルキアの頭を撫でた。

「その思いだけで、十分だ」

「兄様!」

うるうるとなるルキア。

白哉にまたルキアをとられた一護は、一人ルキアのパフェをかってに食べていた。

「ああ、私のパフェが!もうほとんど残っておらぬではないか!」

「また注文すればいいだろ」

「たわけ、貴様というやつは!」

結局、ルキアはもう1つパフェを注文した。

白哉は、酒を注文して、飲んだ。

酔うほどではないが、一護も酒を飲みたかったが、外見年齢が未成年なために、無理だった。

「今日は、なかなかに面白かった。現世とはよい場所だな」

「そうでしょう、兄様!また、遊びにきましょう!」

「うむ」

ルキアとのデートのはずが、白哉までついてくる。でも、白哉も楽しそうだし、ルキアも嬉しそうなので、これはこれでいいかと、一護は思った。

穿界門を開けてもらい、尸魂界に戻る。

「ルキア、今日は一緒の布団で眠ろうぜ」

「む」

白哉が何かいいたそうだが、ルキアと一護は結婚しているのだ。仲を裂くことはできない。

「甘えん坊だな、貴様は」

「いや、ただ単に嫌がらせをしてるだけだ」

「誰にだ?私にか?」

「さぁ、誰だろうな」

白哉はぷいっとあっちの方向を向くと、朽木邸に入って去ってしまった。

「とりあえず、風呂入るか。たまにはルキアも一緒に入ろうぜ」

「まぁよいが・・・・」

二人で風呂に入った。幸いなことに、湯は抜かれていなかった。

夜になり、一組の布団で寝た。

そして次の日朝起きて、食堂に向かうと、朝食がにぼしになっていた。

「またか・・・・」

厨房にいき、普通のメニューをもらってくる。

にぼしは、飼っているオッドアイの白猫にあげた。

「にゃあ」

猫は嬉し気に鳴いた。

ちゃんとキャットフードもあげているので、おやつみたいなものだ。

飼い猫を一番かわいがっているのは、意外にも白哉だった。

「白哉も、お前くらいかわいげがあったらいいのになぁ」

「にゃああ」

「なんの話だ」

白猫は、白哉を見るとすり寄っていった。

「な、なんでもねぇよ。気のせいだ」

「子供はまだか?」

ぶばーーーーー!

ルキアも一護も、飲みかけだった茶を吹き出した。

「そ、それは運を天に任せるしかねーだろ」

「早く姪か甥を見たい。家族が増えるのはよいことだ」

白哉はまだ若い。その気になれば後添いを迎えることもできるだろうが、緋真だけを想い、後添えをという周囲の言葉を無視している。

はじめは、分家あたりから養子をもらい、それを次の当主に時がくればすると言っていたが、今の白哉はルキアの子に朽木家を継がせるつもりだった。

「子は多くてもよい。子作りに励むがよい」

ルキアは真っ赤だった。一護も赤くなる。

恥ずかし気のない白哉の言葉は、二人を真っ赤にさせてぎくしゃくさせるのであった。



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