エンシェントエルフとダークエルフ29
浮竹と京楽は、またイアラ帝国の女帝卯ノ花に呼び出された。
前回のケルベロスと今回のヒュドラで、騎士団が壊滅的だというのだ。本来なら、聖騎士を派遣する内容に、浮竹と京楽を派遣したいのだという。
それはイアラ帝国のウララ高原にある、スキア帝国の遺跡での話だった。
重要なイアラ帝国の資金源でもあるミスリルが発掘できる遺跡で、変異キメラが出て、冒険者たちを食い殺していったのが今から2カ月ほど前の話だ。
その変異キメラを、京楽が禁忌の魔法ワールドエンドで葬った。
それまでの犠牲者の数は30人以上なのだという。地下のダークエルフのことも含めると、死者は50人以上になるだろう。
ダークエルフを使って変異キメラを作っていた男、藍染のことは女帝の耳にも入っていた。
「それで、お願いがあるのです。遺跡にでるリッチとレイスたちを何とかしてほしいのです。このままではあの遺跡でミスリルの鉱石がいつまで経っても掘り出せません。通常、聖騎士を派遣して駆除する予定だったのでが、モンスターの進撃で我が騎士団は聖騎士も含めてボロボロで。
リッチとレイスは聖属性と火属性が弱いとききます。
そこで帝都アスランの冒険者にどうかならないかと、ギルドマスターに聞いたら、あなたたちの名前があがったのです」
「はぁ・・・・・」
あのオカマのギルドマスターめ。
京楽心の中で罵っていた。
「しかし、それなら教会の人間が適任なのでは?」
「教会側にも要請したのですが、とてもリッチを浄化できる聖職者はいないとのことなので・・・・・」
「くくるー」
エンジェリングライムに進化した、ブルンを卯ノ花は見ていた。
「あなた方が連れているエンジェリングスライムは、浄化の魔法が得意なはず。レイス程度なら楽勝でしょう。リッチもどうにかなるはず。ですから、お願いします」
「まぁ僕ら自身の力でもどうにかなるけどね」
「陛下、今回の件はお引き受けいたします」
「ありがとございます。健闘をお祈り申してあげます」
謁見の間から去ると、京楽が文句を言った。
「そもそも、リッチを浄化できない教会ってどういうこと。上位アンデットくらい浄化できる神官もいないなんて、この国の教会腐ってない?」
「この国の教会は純粋にフレイア神を崇めるフレイア教だ。浄化の能力とか関係なく、一般信徒から上位の者が出て、教皇もフレイア神殿のTOPというだけで、浄化とかそういう能力は一切ない。教会の力は最初からあてにならない」
「教会はだめ、聖騎士もだめ、ついにお鉢がこっち回ってきたってわけかい」
「まぁ、ブルンもいるんだ。ささっと駆除してこよう」
「そうだね。お互い、兵士に武器を返してもらおう」
近衛騎士に預けていたミスリル銀の魔剣と、最近浮竹がミスリル銀の魔剣を買った時におまけでついてきた、闇属性の杖、通称アークデーモンスタッフを返してもらった。
「ふふふ・・・・リッチってことは闇属性だよね。禁忌使っても滅びないよね?」
「いや、普通に滅びると思うが・・・」
とりあえず、京楽にウララ高原にあるスキア帝国の遺跡の前まで転移魔法で運んでもらった。
「くるるーーー」
「お、さっそくいるようだね。ブルン、思いっきり浄化しちゃっていいよ!」
「くるるん!」
ブルンの体が光り、最初の部屋にいたレイスたちが穏やかな顔をして消えていく。
「これなら、楽勝だな」
「そうだね」
遺跡の全ての部屋を浄化していくが、リッチの姿がなかった。
念のため、地下にもぐるとそこにリッチがいた。しかもダークエルフだった。
「オノレ、ヨクモ私ヲ殺シテクレタナ」
リッチは浮竹のことを覚えているようで、いきなり攻撃してきた。
「マジックバリア!」
京楽が、結界を張ってくれた。
「アア憎イ。生キテイル者ガ憎イ」
「ブルン、なんとかなりそうか?」
「くくぅ」
僕じゃ無理かも。
「そうか。じゃあ、俺がなんとかしよう」
「え、でも浮竹は聖属性の魔法はエンチャントくらいしか・・・って、修行でレベルアップした後だしね」
「クリエイトアストラルエンジェル」
「おおおおおん」
人工的な天使が生み出された。
天使は、聖なる剣をもちレイスを串刺しにした。
「「テトラボックス」」
2重詠唱で、無属性の魔法の禁忌を使った。
レイスは、何も言う暇もなく滅びていった。
「な、楽勝だったろ?」
京楽は、ぽかんと口を開けていたが、すぐに正気に戻った。
「天使!?人工的に天使作ってるの!?これ、浮竹の魔法なの?」
「そうだぞ。何かおかしいか?」
「おかしいも何も・・・天使を人工的に作り出す魔法なんて聞いたことがないよ」
「それは、俺のオリジナルの魔法だからな。師匠には、創造は神の魔法だと言われた」
京楽は、天を仰いだ。
すっかり、自分だけが強くなった気でいたのだ。
それと同等か、場合によってはそれ以上の力を浮竹はもっていた。
「ブルン、この地下全体も、俺の人工天使と一緒に浄化してれるか」
「くるる!」
「あおおおん」
「はぁ!?作り出した天使が浄化の魔法使える・・・ああ、僕はもうつっこまないからね」
「ちなみに、人工悪魔を作りだせば闇魔法も使える。その時は人工悪魔を媒介に、俺も闇魔法の禁忌を使えるぞ」
「チートだ」
京楽は、そう言って嘆くのであった。
ブルンと人工天使と一緒に、地下の隅々まで浄化して結界を張ると、人工天使はすーっと消えていった。
「よし、依頼は達成だ。戻るか」
「はいはい。また女帝と謁見だね」
「報酬が楽しみだ。女帝からの依頼なら、白金貨が期待できる」
--------------------------------------------
「そうですか。無事、レイスとリッチを駆除してくれましたか」
「魔石あるんですが、一応鑑定してもらいますか?」
「いいえ、あなたたちの言葉を何より信じましょう。この近衛騎士団長から」
「はい」
「褒美を、ここへ」
近衛騎士は、報酬の金が入った袋を手にやってきた。
「報酬の白金貨10枚に値する、大金貨100万枚です」
「うわぁ、重そう」
「すみません、白金貨は流通量が少ないので大金貨での支払いとなってしまいます」
「いえ、問題ありません」
近衛騎士団長から大金貨の詰まった袋をもらい、それをアイテムポケットに収納していく。
大金貨100万枚なので、けっこうな袋の数になった。
「では、また何かあれば助力をこうかもしれませんが、その時はまたお願いします」
「はい、喜んで」
京楽は思った。金の力って怖いと。
浮竹と京楽がマイホームにつくと、プルンが一匹で遊びにきていた。
「プルププ」
「なんだ、プルン?進化したのか」
「プルプ」
エンペラースライムになった。
プルンにはひげがはえており、頭には小さな王冠があった。
「くくるーーー!!」
弟よ、すごいな!
「プルプウ!」
お兄ちゃん、こんな姿だけど俺はプルンだよ。
「プルン、お前俺たちとブルンの前では、態度が違わないか?」
「プルププ」
当たり前。俺はエンペラースライムだよ?
ブルンは、プルンの真上をばっさばっさと飛ぶと、ちょうど王冠のところ着地した。
「プルプウ」
「くくるーーー」
はまって出られない。
ブルンの声に、プルンが驚く。
その後浮竹と京楽に引っ張ってもらって、なんとかブルンはプルンの王冠の中から外にでられるのであった。
「そういえば、プルンは今林檎いくつ食べてるんだ?」
「プルプ」
「15個!?大食いなぁ」
京楽は、アイテムポケットからりんごを15個並べて、プルンにあげた。
「ブルンも負けてないぞ。近所中のゴミ消化してきらしい」
「くるっくー!」
りんご、おししいかい?
「ププウ」
おしいよ。お兄ちゃんもおいしかった?
「くるくる」
近所中のゴミを消化しといた。食いだめができる体で便利だ。
「プルプウウ」
食いだめできるんだ、すごいね!
『プルン、やっぱりここにきてたのか、探したんだぞ』
『音沙汰もなくいなくならないでね。浮竹がすごく心配してたんだから』
「プルプル」
現れた精霊の浮竹と剣士の京楽に、プルンは堂々と遊びいくとメモを書いたという。
でもそのメモは字がぐちゃぐちゃで読めなかった。
「師匠、少しだけお久しぶりです!」
『やあ、といっても、2週間くらい前に会ったばかりだけどね』
「浮竹の魔法が・・・・・・」
浮竹のオリジナルの魔法でショックを受けている京楽に一言。
『あれは神の魔法だよ。悪用されないように、君が気をつけてあげて』
そう言って、プルンを回収していく。
「プルプププ」
あ、りんごまだ全部食べてない。
「残りは家で帰ってお食べ」
エルフの京楽から、残っていたりんご3つを渡されて、それを体内に保存する。
『じゃあ、俺たちはこれで帰る。プルンを回収にきただけだから』
「師匠、また遊びにきてください」
『うん、またねぇ』
プルンの魔法で、精霊の浮竹と剣士の京楽は空間転移の魔法で帰っていくのであった。
前回のケルベロスと今回のヒュドラで、騎士団が壊滅的だというのだ。本来なら、聖騎士を派遣する内容に、浮竹と京楽を派遣したいのだという。
それはイアラ帝国のウララ高原にある、スキア帝国の遺跡での話だった。
重要なイアラ帝国の資金源でもあるミスリルが発掘できる遺跡で、変異キメラが出て、冒険者たちを食い殺していったのが今から2カ月ほど前の話だ。
その変異キメラを、京楽が禁忌の魔法ワールドエンドで葬った。
それまでの犠牲者の数は30人以上なのだという。地下のダークエルフのことも含めると、死者は50人以上になるだろう。
ダークエルフを使って変異キメラを作っていた男、藍染のことは女帝の耳にも入っていた。
「それで、お願いがあるのです。遺跡にでるリッチとレイスたちを何とかしてほしいのです。このままではあの遺跡でミスリルの鉱石がいつまで経っても掘り出せません。通常、聖騎士を派遣して駆除する予定だったのでが、モンスターの進撃で我が騎士団は聖騎士も含めてボロボロで。
リッチとレイスは聖属性と火属性が弱いとききます。
そこで帝都アスランの冒険者にどうかならないかと、ギルドマスターに聞いたら、あなたたちの名前があがったのです」
「はぁ・・・・・」
あのオカマのギルドマスターめ。
京楽心の中で罵っていた。
「しかし、それなら教会の人間が適任なのでは?」
「教会側にも要請したのですが、とてもリッチを浄化できる聖職者はいないとのことなので・・・・・」
「くくるー」
エンジェリングライムに進化した、ブルンを卯ノ花は見ていた。
「あなた方が連れているエンジェリングスライムは、浄化の魔法が得意なはず。レイス程度なら楽勝でしょう。リッチもどうにかなるはず。ですから、お願いします」
「まぁ僕ら自身の力でもどうにかなるけどね」
「陛下、今回の件はお引き受けいたします」
「ありがとございます。健闘をお祈り申してあげます」
謁見の間から去ると、京楽が文句を言った。
「そもそも、リッチを浄化できない教会ってどういうこと。上位アンデットくらい浄化できる神官もいないなんて、この国の教会腐ってない?」
「この国の教会は純粋にフレイア神を崇めるフレイア教だ。浄化の能力とか関係なく、一般信徒から上位の者が出て、教皇もフレイア神殿のTOPというだけで、浄化とかそういう能力は一切ない。教会の力は最初からあてにならない」
「教会はだめ、聖騎士もだめ、ついにお鉢がこっち回ってきたってわけかい」
「まぁ、ブルンもいるんだ。ささっと駆除してこよう」
「そうだね。お互い、兵士に武器を返してもらおう」
近衛騎士に預けていたミスリル銀の魔剣と、最近浮竹がミスリル銀の魔剣を買った時におまけでついてきた、闇属性の杖、通称アークデーモンスタッフを返してもらった。
「ふふふ・・・・リッチってことは闇属性だよね。禁忌使っても滅びないよね?」
「いや、普通に滅びると思うが・・・」
とりあえず、京楽にウララ高原にあるスキア帝国の遺跡の前まで転移魔法で運んでもらった。
「くるるーーー」
「お、さっそくいるようだね。ブルン、思いっきり浄化しちゃっていいよ!」
「くるるん!」
ブルンの体が光り、最初の部屋にいたレイスたちが穏やかな顔をして消えていく。
「これなら、楽勝だな」
「そうだね」
遺跡の全ての部屋を浄化していくが、リッチの姿がなかった。
念のため、地下にもぐるとそこにリッチがいた。しかもダークエルフだった。
「オノレ、ヨクモ私ヲ殺シテクレタナ」
リッチは浮竹のことを覚えているようで、いきなり攻撃してきた。
「マジックバリア!」
京楽が、結界を張ってくれた。
「アア憎イ。生キテイル者ガ憎イ」
「ブルン、なんとかなりそうか?」
「くくぅ」
僕じゃ無理かも。
「そうか。じゃあ、俺がなんとかしよう」
「え、でも浮竹は聖属性の魔法はエンチャントくらいしか・・・って、修行でレベルアップした後だしね」
「クリエイトアストラルエンジェル」
「おおおおおん」
人工的な天使が生み出された。
天使は、聖なる剣をもちレイスを串刺しにした。
「「テトラボックス」」
2重詠唱で、無属性の魔法の禁忌を使った。
レイスは、何も言う暇もなく滅びていった。
「な、楽勝だったろ?」
京楽は、ぽかんと口を開けていたが、すぐに正気に戻った。
「天使!?人工的に天使作ってるの!?これ、浮竹の魔法なの?」
「そうだぞ。何かおかしいか?」
「おかしいも何も・・・天使を人工的に作り出す魔法なんて聞いたことがないよ」
「それは、俺のオリジナルの魔法だからな。師匠には、創造は神の魔法だと言われた」
京楽は、天を仰いだ。
すっかり、自分だけが強くなった気でいたのだ。
それと同等か、場合によってはそれ以上の力を浮竹はもっていた。
「ブルン、この地下全体も、俺の人工天使と一緒に浄化してれるか」
「くるる!」
「あおおおん」
「はぁ!?作り出した天使が浄化の魔法使える・・・ああ、僕はもうつっこまないからね」
「ちなみに、人工悪魔を作りだせば闇魔法も使える。その時は人工悪魔を媒介に、俺も闇魔法の禁忌を使えるぞ」
「チートだ」
京楽は、そう言って嘆くのであった。
ブルンと人工天使と一緒に、地下の隅々まで浄化して結界を張ると、人工天使はすーっと消えていった。
「よし、依頼は達成だ。戻るか」
「はいはい。また女帝と謁見だね」
「報酬が楽しみだ。女帝からの依頼なら、白金貨が期待できる」
--------------------------------------------
「そうですか。無事、レイスとリッチを駆除してくれましたか」
「魔石あるんですが、一応鑑定してもらいますか?」
「いいえ、あなたたちの言葉を何より信じましょう。この近衛騎士団長から」
「はい」
「褒美を、ここへ」
近衛騎士は、報酬の金が入った袋を手にやってきた。
「報酬の白金貨10枚に値する、大金貨100万枚です」
「うわぁ、重そう」
「すみません、白金貨は流通量が少ないので大金貨での支払いとなってしまいます」
「いえ、問題ありません」
近衛騎士団長から大金貨の詰まった袋をもらい、それをアイテムポケットに収納していく。
大金貨100万枚なので、けっこうな袋の数になった。
「では、また何かあれば助力をこうかもしれませんが、その時はまたお願いします」
「はい、喜んで」
京楽は思った。金の力って怖いと。
浮竹と京楽がマイホームにつくと、プルンが一匹で遊びにきていた。
「プルププ」
「なんだ、プルン?進化したのか」
「プルプ」
エンペラースライムになった。
プルンにはひげがはえており、頭には小さな王冠があった。
「くくるーーー!!」
弟よ、すごいな!
「プルプウ!」
お兄ちゃん、こんな姿だけど俺はプルンだよ。
「プルン、お前俺たちとブルンの前では、態度が違わないか?」
「プルププ」
当たり前。俺はエンペラースライムだよ?
ブルンは、プルンの真上をばっさばっさと飛ぶと、ちょうど王冠のところ着地した。
「プルプウ」
「くくるーーー」
はまって出られない。
ブルンの声に、プルンが驚く。
その後浮竹と京楽に引っ張ってもらって、なんとかブルンはプルンの王冠の中から外にでられるのであった。
「そういえば、プルンは今林檎いくつ食べてるんだ?」
「プルプ」
「15個!?大食いなぁ」
京楽は、アイテムポケットからりんごを15個並べて、プルンにあげた。
「ブルンも負けてないぞ。近所中のゴミ消化してきらしい」
「くるっくー!」
りんご、おししいかい?
「ププウ」
おしいよ。お兄ちゃんもおいしかった?
「くるくる」
近所中のゴミを消化しといた。食いだめができる体で便利だ。
「プルプウウ」
食いだめできるんだ、すごいね!
『プルン、やっぱりここにきてたのか、探したんだぞ』
『音沙汰もなくいなくならないでね。浮竹がすごく心配してたんだから』
「プルプル」
現れた精霊の浮竹と剣士の京楽に、プルンは堂々と遊びいくとメモを書いたという。
でもそのメモは字がぐちゃぐちゃで読めなかった。
「師匠、少しだけお久しぶりです!」
『やあ、といっても、2週間くらい前に会ったばかりだけどね』
「浮竹の魔法が・・・・・・」
浮竹のオリジナルの魔法でショックを受けている京楽に一言。
『あれは神の魔法だよ。悪用されないように、君が気をつけてあげて』
そう言って、プルンを回収していく。
「プルプププ」
あ、りんごまだ全部食べてない。
「残りは家で帰ってお食べ」
エルフの京楽から、残っていたりんご3つを渡されて、それを体内に保存する。
『じゃあ、俺たちはこれで帰る。プルンを回収にきただけだから』
「師匠、また遊びにきてください」
『うん、またねぇ』
プルンの魔法で、精霊の浮竹と剣士の京楽は空間転移の魔法で帰っていくのであった。
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