エンシェントエルフとダークエルフ35
Sランクになり、はじめて引きう受けた依頼の内容は、数十年前からずっと残っている、ファイアドラゴンの退治であった。
イアラ帝国の更に南にある、ウズール王国のアサーニャ火山にファイアドラゴンはいた。
アサーニャ火山が噴火する時は、ファイアドラゴンの怒りだとされていた。
浮竹と京楽とブルンは、アサーニャ火山に空間転移でやってきた。
ドラゴンの住まいに忍び込み、まずは眠っているファイアドラゴンにスリープの魔法をかけて更に眠らせる。
その間に金銀財宝をありったけアイテムポケットに詰め込んで、ファイアドラゴンが目覚める頃には、自慢の金銀財宝がなくなっていた。
「GURURURURU!」
「お、お目ざめのようだな」
ファイアドラゴンは怒っていた。
自慢の金銀財宝が奪われたのだ。怒らないほうがおかしい。
その日、アサーニャ火山は噴火した。
「クリエイトアークエンジェル、クリエエイトロードオブサタン、三重詠唱「エターナルアイシクルフィールド」」
氷の禁忌の魔法を、3重でかけた。
ファイアドラゴンは凍り付いた。
しかし、数百年も誰も倒せなかったファイアドラゴンなだけあって、強かった。
氷の禁忌の魔法を打ち破り、凍り付いた体を炎のブレスで溶かしていく。
「ああ、やっぱ強いねぇ、ファイアドラゴンは。ワールドエンド」
終末の魔法の禁忌に、ファイアドラゴンの纏っている炎が吸い込まれていく。
「GYAOOOOOOO」
ファイアドラゴンは咆哮し、炎のブレスを浮竹と京楽に向かって吐いた。
「マジックシールド!」
炎のブレスは、京楽のはった魔法の盾で防がれた。
「GURURURU!」
ファイアドラゴンに、氷の属性をエンチャントしたミスリル銀の魔剣で切りかかった。
さっくりと、ドラゴンの尾がきれた。
「わお、尻尾がきれたぞ!」
「浮竹、後ろ後ろ!!」
浮竹の背後では、ファイアドラゴンが怒りを募らせて、ファイアブレスを上回る神の吐息ゴッドブレスを吐いてきた。
「ゴッドシールド×3」
それを、同じ神の盾で防ぐ。
1枚には完全に貫通し、2枚目にも罅が入っていたが、浮竹は無事だった。
ファイアドラゴンの尾をぶった切ってから、今度はファイアドラゴンの弱点である逆鱗を狙うが、ぶんと振ってきたファイアドラゴンの爪で浮竹は壁に吹っ飛ばされていた。
「いたたたた、きっつー」
「くるるるーーー」
すぐにブルンがヒールを賭けてくれたおかげで、本当なら骨折していただろうダメージもすぐに回復した。
「何用だ、人間どもよ。我の金銀財宝を奪った挙句、我の命まで欲するのか」
ファイアドラゴンは、流暢に言葉を発してきた。
さすがにそれには浮竹も京楽も驚いた。
「ファイアドラゴン、お前を退治しにきた!」
「その程度の力で・・・・・方腹が痛いわ!これが真のワールドエンドの魔法だ」
ファイアドラゴンは、ワールドエンドの魔法を使った。
噴火していた火山が静かになり、溶岩を飲みこんでいく。
「こっちも・・・・・京楽、お前も一緒に」
「「ワールドエンド」」
2重のワールドエンドの魔法が、ファイアドラゴンのワールドエンドの魔法を食った。
「ぐ、人間風情がやるではないか。おや、エルフであったか」
浮竹と京楽は、ありったけの魔力を注ぎこみ、巨大な氷の槍を作り出した。
「「スパイラルアイシクルスピア!!」」
「ぐおおおおおおお!!!」
ファイアドラゴンは、氷に翼を貫かれた。
「おのれ、エルフが。灰となれ!ゴッドブレス!」
なんとか残りの魔力でシールドを張ると、二人とブルンは空間転移の魔法で逃げ出した。
「さすがは災害クラスのドラゴン。まだ僕たちの腕じゃあ、倒せないね」
「でも、尻尾をもらったぞ」
何気に、浮竹は切り取った尻尾をアイテムポケットにいれていた。
「おまけに財宝もくすねた。ってなんか僕ら、盗賊みたいだね」
「ドラゴンはまた金銀財宝をためこむ。ドラゴンに挑んで金銀財宝だけを手に帰るSランク冒険者はいくらでもいる。この方法を教えてくれたのも、Sランク冒険者だった」
「うーん、金が増えて嬉しいけど、ファイアドラゴンにはちょっと悪いことをしたかなぁ。寝ているところを襲ったわけだし」
「ドラゴンに情けは無用だ!」
「そうだけど・・・・」
「まぁ、今回は火山も噴火させちゃったし、師匠にすごく怒られそうだ」
「ああ、剣士の僕なら怒りまくるだろうね。説教を、覚悟しておこう」
二人はいったん冒険者ギルドに立ち寄って、クエスト失敗と尻尾と金銀財宝をもってきたと話と、ギルドマスターのオカマのキャサリンがやってきた。
「いやん、うっきーちゃん、春ちゃん、Sランクになったからって、早速ファイアドラゴンの退治に行くだなんて、葬式の準備してたわ」
「ブス」
「ああん?」
キャサリンの額に血管が浮かぶ。
「ブ・・・・むーーー」
「ドラゴンの尻尾があるんだ。買いとってもらえるかな」
「ドラゴンの尻尾ですって!ちょっと先だけとかじゃないでしょうね?」
「けっこう尻尾の部分は尻に近い」
「すごいわ!これでドラゴンの鱗と骨と血と肉がとれるわ!ギルドで買いとりたいから、解体工房に出してちょうだい」
浮竹はまだ何かを言いたそうだったが、京楽が首を横に振る。
浮竹は気持ちを切り替えて、解体工房で5メートルはあるであろうドラゴンの尻尾をだした。
「わお、すごいね。ドラゴンの素材を扱うのは20年ぶりくらいだ」
解体工房の解体作業員の頭が、血と肉と鱗と骨に解体してくれた。
「合計白金貨5枚だ」
「すっご」
「うひゃあ、ドラゴン素材ってだけでそんなにいくんだねぇ」
「おまけで、金銀財宝をくすねてきたんだが」
「なんですって!出しなさい!」
金銀財宝も、冒険者ギルドのほうで買いとってもらった。
白金貨3枚になった。
イアラ帝国の冒険者ギルドでは、白金貨を流通させてあるので、支払いは白金貨であった。
「白金貨8枚か・・ファイアドラゴン討伐の報酬金が白金貨2千枚。それに比べたら少ないけど、はじめてのSランクの冒険にしては稼いだね」
「師匠のところに行こう。多分、火山を噴火させたことで怒ってそうだ」
「ああ、それはあるかも」
こうして、白金貨8枚を手に入れた二人とブルンは、空間転移で師匠である剣士の京楽の元へとやってきた。
にこにこにこ。
笑っている静かな剣士の京楽の笑みが、怖かった。
『君たちねぇ、ファイアドラゴンに挑むなんて早すぎだし、おまけに火山まで噴火させて!』
師匠は、大変お怒りであった。
「なんで、ファイアドラゴンが噴火までするほど怒ったの」
「それは、ファイアドラゴンが眠っている間に、金銀財宝を全てくすねたせいであります!」
エルフの京楽のキャラがちょっと変わっていた。
『ああ。そりゃ怒るよ。どこのドラゴンでも怒る。君たちは全くもう!』
正座させられて、3時間ほどお説教を延々とうらう羽目になり、エルフの二人はドラゴン討伐はしばらくの間引き受けないと心に誓うのであった。
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「あー疲れた」
「僕は足がしびれたよ」
『ホットミルクでも飲んで』
精霊の浮竹にホットミルクをもらい、エルフの二人は痺れた足をマッサージしていた。
『幸い今回の噴火は小規模で人的被害が出なかったからいいけど、最悪Sランク冒険者の資格剥奪もありえるから、注意してよ』
「はい、師匠」
「分かったよ」
『あと、寝ているドラゴンの巣に勝手に入ってきて、金銀財宝を盗まないこと!自分たちがSランク冒険者だというのを自覚して、お手本になるように行動すること!』
「はい、師匠」
「分かったよ」
師匠である剣士の京楽は、この二人、本当に分かっているのだろうかと、ちょっと心配になってくるのであった。
「くくるー」
ブルンが、お説教されている間中、プルンと遊んでいた。
「ププウ」
プルンの進化も近いようで、その日はお説教を受けて終わるのであった。
イアラ帝国の更に南にある、ウズール王国のアサーニャ火山にファイアドラゴンはいた。
アサーニャ火山が噴火する時は、ファイアドラゴンの怒りだとされていた。
浮竹と京楽とブルンは、アサーニャ火山に空間転移でやってきた。
ドラゴンの住まいに忍び込み、まずは眠っているファイアドラゴンにスリープの魔法をかけて更に眠らせる。
その間に金銀財宝をありったけアイテムポケットに詰め込んで、ファイアドラゴンが目覚める頃には、自慢の金銀財宝がなくなっていた。
「GURURURURU!」
「お、お目ざめのようだな」
ファイアドラゴンは怒っていた。
自慢の金銀財宝が奪われたのだ。怒らないほうがおかしい。
その日、アサーニャ火山は噴火した。
「クリエイトアークエンジェル、クリエエイトロードオブサタン、三重詠唱「エターナルアイシクルフィールド」」
氷の禁忌の魔法を、3重でかけた。
ファイアドラゴンは凍り付いた。
しかし、数百年も誰も倒せなかったファイアドラゴンなだけあって、強かった。
氷の禁忌の魔法を打ち破り、凍り付いた体を炎のブレスで溶かしていく。
「ああ、やっぱ強いねぇ、ファイアドラゴンは。ワールドエンド」
終末の魔法の禁忌に、ファイアドラゴンの纏っている炎が吸い込まれていく。
「GYAOOOOOOO」
ファイアドラゴンは咆哮し、炎のブレスを浮竹と京楽に向かって吐いた。
「マジックシールド!」
炎のブレスは、京楽のはった魔法の盾で防がれた。
「GURURURU!」
ファイアドラゴンに、氷の属性をエンチャントしたミスリル銀の魔剣で切りかかった。
さっくりと、ドラゴンの尾がきれた。
「わお、尻尾がきれたぞ!」
「浮竹、後ろ後ろ!!」
浮竹の背後では、ファイアドラゴンが怒りを募らせて、ファイアブレスを上回る神の吐息ゴッドブレスを吐いてきた。
「ゴッドシールド×3」
それを、同じ神の盾で防ぐ。
1枚には完全に貫通し、2枚目にも罅が入っていたが、浮竹は無事だった。
ファイアドラゴンの尾をぶった切ってから、今度はファイアドラゴンの弱点である逆鱗を狙うが、ぶんと振ってきたファイアドラゴンの爪で浮竹は壁に吹っ飛ばされていた。
「いたたたた、きっつー」
「くるるるーーー」
すぐにブルンがヒールを賭けてくれたおかげで、本当なら骨折していただろうダメージもすぐに回復した。
「何用だ、人間どもよ。我の金銀財宝を奪った挙句、我の命まで欲するのか」
ファイアドラゴンは、流暢に言葉を発してきた。
さすがにそれには浮竹も京楽も驚いた。
「ファイアドラゴン、お前を退治しにきた!」
「その程度の力で・・・・・方腹が痛いわ!これが真のワールドエンドの魔法だ」
ファイアドラゴンは、ワールドエンドの魔法を使った。
噴火していた火山が静かになり、溶岩を飲みこんでいく。
「こっちも・・・・・京楽、お前も一緒に」
「「ワールドエンド」」
2重のワールドエンドの魔法が、ファイアドラゴンのワールドエンドの魔法を食った。
「ぐ、人間風情がやるではないか。おや、エルフであったか」
浮竹と京楽は、ありったけの魔力を注ぎこみ、巨大な氷の槍を作り出した。
「「スパイラルアイシクルスピア!!」」
「ぐおおおおおおお!!!」
ファイアドラゴンは、氷に翼を貫かれた。
「おのれ、エルフが。灰となれ!ゴッドブレス!」
なんとか残りの魔力でシールドを張ると、二人とブルンは空間転移の魔法で逃げ出した。
「さすがは災害クラスのドラゴン。まだ僕たちの腕じゃあ、倒せないね」
「でも、尻尾をもらったぞ」
何気に、浮竹は切り取った尻尾をアイテムポケットにいれていた。
「おまけに財宝もくすねた。ってなんか僕ら、盗賊みたいだね」
「ドラゴンはまた金銀財宝をためこむ。ドラゴンに挑んで金銀財宝だけを手に帰るSランク冒険者はいくらでもいる。この方法を教えてくれたのも、Sランク冒険者だった」
「うーん、金が増えて嬉しいけど、ファイアドラゴンにはちょっと悪いことをしたかなぁ。寝ているところを襲ったわけだし」
「ドラゴンに情けは無用だ!」
「そうだけど・・・・」
「まぁ、今回は火山も噴火させちゃったし、師匠にすごく怒られそうだ」
「ああ、剣士の僕なら怒りまくるだろうね。説教を、覚悟しておこう」
二人はいったん冒険者ギルドに立ち寄って、クエスト失敗と尻尾と金銀財宝をもってきたと話と、ギルドマスターのオカマのキャサリンがやってきた。
「いやん、うっきーちゃん、春ちゃん、Sランクになったからって、早速ファイアドラゴンの退治に行くだなんて、葬式の準備してたわ」
「ブス」
「ああん?」
キャサリンの額に血管が浮かぶ。
「ブ・・・・むーーー」
「ドラゴンの尻尾があるんだ。買いとってもらえるかな」
「ドラゴンの尻尾ですって!ちょっと先だけとかじゃないでしょうね?」
「けっこう尻尾の部分は尻に近い」
「すごいわ!これでドラゴンの鱗と骨と血と肉がとれるわ!ギルドで買いとりたいから、解体工房に出してちょうだい」
浮竹はまだ何かを言いたそうだったが、京楽が首を横に振る。
浮竹は気持ちを切り替えて、解体工房で5メートルはあるであろうドラゴンの尻尾をだした。
「わお、すごいね。ドラゴンの素材を扱うのは20年ぶりくらいだ」
解体工房の解体作業員の頭が、血と肉と鱗と骨に解体してくれた。
「合計白金貨5枚だ」
「すっご」
「うひゃあ、ドラゴン素材ってだけでそんなにいくんだねぇ」
「おまけで、金銀財宝をくすねてきたんだが」
「なんですって!出しなさい!」
金銀財宝も、冒険者ギルドのほうで買いとってもらった。
白金貨3枚になった。
イアラ帝国の冒険者ギルドでは、白金貨を流通させてあるので、支払いは白金貨であった。
「白金貨8枚か・・ファイアドラゴン討伐の報酬金が白金貨2千枚。それに比べたら少ないけど、はじめてのSランクの冒険にしては稼いだね」
「師匠のところに行こう。多分、火山を噴火させたことで怒ってそうだ」
「ああ、それはあるかも」
こうして、白金貨8枚を手に入れた二人とブルンは、空間転移で師匠である剣士の京楽の元へとやってきた。
にこにこにこ。
笑っている静かな剣士の京楽の笑みが、怖かった。
『君たちねぇ、ファイアドラゴンに挑むなんて早すぎだし、おまけに火山まで噴火させて!』
師匠は、大変お怒りであった。
「なんで、ファイアドラゴンが噴火までするほど怒ったの」
「それは、ファイアドラゴンが眠っている間に、金銀財宝を全てくすねたせいであります!」
エルフの京楽のキャラがちょっと変わっていた。
『ああ。そりゃ怒るよ。どこのドラゴンでも怒る。君たちは全くもう!』
正座させられて、3時間ほどお説教を延々とうらう羽目になり、エルフの二人はドラゴン討伐はしばらくの間引き受けないと心に誓うのであった。
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「あー疲れた」
「僕は足がしびれたよ」
『ホットミルクでも飲んで』
精霊の浮竹にホットミルクをもらい、エルフの二人は痺れた足をマッサージしていた。
『幸い今回の噴火は小規模で人的被害が出なかったからいいけど、最悪Sランク冒険者の資格剥奪もありえるから、注意してよ』
「はい、師匠」
「分かったよ」
『あと、寝ているドラゴンの巣に勝手に入ってきて、金銀財宝を盗まないこと!自分たちがSランク冒険者だというのを自覚して、お手本になるように行動すること!』
「はい、師匠」
「分かったよ」
師匠である剣士の京楽は、この二人、本当に分かっているのだろうかと、ちょっと心配になってくるのであった。
「くくるー」
ブルンが、お説教されている間中、プルンと遊んでいた。
「ププウ」
プルンの進化も近いようで、その日はお説教を受けて終わるのであった。
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