オメガバース恋白読み切り短編10
白哉はオメガだった。
見合いの話が出た。相手は、同じ4大貴族の綱彌代の次男。綱彌代清明だった。
白哉は断るつもりだった。恋次と、恋仲になりかけていた。
だが、恋次はベータで、アルファでないので番にはなれない。
それでも、恋次がいいと白哉は思うようになっていた。けれど、綱彌代清明から見合いを受けなければ恋次の命はないことをちらつかされて、白哉は見合いをした。
綱彌代清明は、文武に秀でた、見目も麗しいアルファの青年だった。
白哉を朽木家の当主と認めながら、妻として迎え入れてくれると言ってくれた。
白哉は悩んだ。恋次がベータである限り、白哉はいずれアルファの番を作って朽木家の跡継ぎをもうけなければいけない。
接してみると、恋次の命がないとほのめかしていたのは、綱彌代家の両親で、清明自体は白哉を大切に扱ってくれた。
無理をして、オメガとして自分と結婚することはないとまで言ってくれた。
清明は、恋次に似ていたのが、余計に白哉を刺激した。
恋次は、自分がベータであるせいで、白哉に対して一線をひいた態度をとる。恋仲といっても、白哉が一方的に恋次のことが好きなだけで、恋次は白哉のことを好きなのかどうかも白哉には分からなかった。
「綱彌代家と見合いをした。結婚を考えている」
そう恋次に切り出すと、恋次は顔を真っ青にした。
「本気っすか」
「兄は、ベータだ。オメガである私の番になれぬ。何より、兄は私のことが好きではないのであろう?私が兄を一方的に愛しているだけで‥‥‥‥」
「隊長、俺はあんたが好きです」
「きっと、それは私がオメガでベータである兄もフェロモンにあてられているせいだ」
「そうじゃないと俺は思います。あんたを見ると、胸がぎゅっと苦しくなる」
「恋次。兄とは番になれぬのだ。私は、綱彌代清明と婚姻する」
恋次は、それ以上何も言わず、去ってしまった。
白哉は絶望した。
反対してくれたら、ベータであっても恋次をとろうと思っていたからだ。
結局、恋次の白哉の想いはそこまでのものなのだ。
白哉は、綱彌代家に嫁ぐことが決まった。
「兄様、無理をなさらずともいいのですよ?」
「私は朽木家の純血であり、その血を後世に残す必要がある」
「でも、兄様、恋次とは‥‥‥」
ルキアの言葉に、白哉は傷ついた顔をする。
「恋次のことは、もうよいのだ」
「でも、兄様はあれほど恋次のことを好いていたではありませんか」
「恋次にとって、私は一番ではないのだ。結婚話に反対もしなかった。もういいのだ。私は疲れた。綱彌代家に嫁いで、子をなして朽木家の跡継ぎをもうける」
白哉は、朽木家の当主であるというまま、綱彌代清明の元に嫁にいってしまった。
「隊長は?」
「愚か者!もう、婚姻を済ませ初夜も済ませた後だ」
ルキアが、遅れながらやってきた恋次をしかる。
「そんな‥‥俺、隊長が一番好きで愛しているって気づいたんだ」
「もう遅い」
「まだ、遅くない。隊長を取り戻す」
「何をする気だ!?下手をすれば処刑されるぞ!」
「かまわねぇ。隊長を攫う」
恋次は、綱彌代家に堂々と朝から訪れて、白哉と出会った。
白哉は、番にされたせいもあって、今まで見てきた白哉の中でも一番美しかった。
「隊長。好きです。愛してます。俺と、逃げてください」
「何を言っておるのだ、恋次。兄はベータ。私はオメガであり、清明という番がいる」
「番がいてもいい。あんたを攫います」
恋次は、本当に白哉を拉致してしまった。
「恋次!このような真似をして、ただで済むと思っているのか!」
「思ってません。でも、嫌なんです。あんたが、俺以外の男に抱かれるなんて」
「では、何故最初に結婚に反対しれくれなかったのだ」
ぽつりぽつりと、白哉は涙を流した。
「俺はベータだ。それでも、あんたを幸せにしてみせる」
白哉は、もてる限りの権力を使って、恋次を守った。
結果、綱彌代家の子を身籠っていたので、その子を綱彌代に預け、しかる後に朽木家の跡取りとすることに賛成した。
白哉は清明との番を解消せず、恋次と過ごしだした。
恋次は白哉を抱く。
「んああああ!!!」
恋次に突き上げられて、白哉は背をしならせてオーガズムでいっていた。
番ではないので、満足感があまり得られない。
ベータでもあるので、抱かれても子は孕む可能性はあるが、アルファの子は産まれてこないだろう。
「愛してます、隊長」
「んあっ」
最奥を抉られて、白哉は精液を出して恋次の手の中に射精する。
「あ、あ、あ」
「あんたは、俺のものだ」
「ひあっ」
ぐりっと奥を穿たれて、白哉は目を閉じた。
結合部からぐちゅぐちゅと音がする。
「あああ」
恋次は、白哉の子宮に子種をありったけ注ぎ込んだ。
「ん‥‥‥」
白哉が、意識を飛ばすまで激しく抱いた。
恋次のいない時、白哉は番でないベータである恋次に抱かれることで寿命が縮まってしまうので、定期的に綱彌代清明にも抱かれた。
恋次は気づいていなかった。
「私は、恋次だけでなく、兄も愛している」
白哉は、清明のことも好きになっていた。子は綱彌代家で帝王切開で産んだ。男児であった。
「私は罪深いな。二人とも欲しいと思ってしまうなど」
「あなたが望むなら、この関係を続けましょう。私もあなたを愛している」
「すまぬ」
恋次は、白哉を手に入れたと思っていた。
けれど、裏切りに近いことをされているとは、ついぞ気づかないのであった。
見合いの話が出た。相手は、同じ4大貴族の綱彌代の次男。綱彌代清明だった。
白哉は断るつもりだった。恋次と、恋仲になりかけていた。
だが、恋次はベータで、アルファでないので番にはなれない。
それでも、恋次がいいと白哉は思うようになっていた。けれど、綱彌代清明から見合いを受けなければ恋次の命はないことをちらつかされて、白哉は見合いをした。
綱彌代清明は、文武に秀でた、見目も麗しいアルファの青年だった。
白哉を朽木家の当主と認めながら、妻として迎え入れてくれると言ってくれた。
白哉は悩んだ。恋次がベータである限り、白哉はいずれアルファの番を作って朽木家の跡継ぎをもうけなければいけない。
接してみると、恋次の命がないとほのめかしていたのは、綱彌代家の両親で、清明自体は白哉を大切に扱ってくれた。
無理をして、オメガとして自分と結婚することはないとまで言ってくれた。
清明は、恋次に似ていたのが、余計に白哉を刺激した。
恋次は、自分がベータであるせいで、白哉に対して一線をひいた態度をとる。恋仲といっても、白哉が一方的に恋次のことが好きなだけで、恋次は白哉のことを好きなのかどうかも白哉には分からなかった。
「綱彌代家と見合いをした。結婚を考えている」
そう恋次に切り出すと、恋次は顔を真っ青にした。
「本気っすか」
「兄は、ベータだ。オメガである私の番になれぬ。何より、兄は私のことが好きではないのであろう?私が兄を一方的に愛しているだけで‥‥‥‥」
「隊長、俺はあんたが好きです」
「きっと、それは私がオメガでベータである兄もフェロモンにあてられているせいだ」
「そうじゃないと俺は思います。あんたを見ると、胸がぎゅっと苦しくなる」
「恋次。兄とは番になれぬのだ。私は、綱彌代清明と婚姻する」
恋次は、それ以上何も言わず、去ってしまった。
白哉は絶望した。
反対してくれたら、ベータであっても恋次をとろうと思っていたからだ。
結局、恋次の白哉の想いはそこまでのものなのだ。
白哉は、綱彌代家に嫁ぐことが決まった。
「兄様、無理をなさらずともいいのですよ?」
「私は朽木家の純血であり、その血を後世に残す必要がある」
「でも、兄様、恋次とは‥‥‥」
ルキアの言葉に、白哉は傷ついた顔をする。
「恋次のことは、もうよいのだ」
「でも、兄様はあれほど恋次のことを好いていたではありませんか」
「恋次にとって、私は一番ではないのだ。結婚話に反対もしなかった。もういいのだ。私は疲れた。綱彌代家に嫁いで、子をなして朽木家の跡継ぎをもうける」
白哉は、朽木家の当主であるというまま、綱彌代清明の元に嫁にいってしまった。
「隊長は?」
「愚か者!もう、婚姻を済ませ初夜も済ませた後だ」
ルキアが、遅れながらやってきた恋次をしかる。
「そんな‥‥俺、隊長が一番好きで愛しているって気づいたんだ」
「もう遅い」
「まだ、遅くない。隊長を取り戻す」
「何をする気だ!?下手をすれば処刑されるぞ!」
「かまわねぇ。隊長を攫う」
恋次は、綱彌代家に堂々と朝から訪れて、白哉と出会った。
白哉は、番にされたせいもあって、今まで見てきた白哉の中でも一番美しかった。
「隊長。好きです。愛してます。俺と、逃げてください」
「何を言っておるのだ、恋次。兄はベータ。私はオメガであり、清明という番がいる」
「番がいてもいい。あんたを攫います」
恋次は、本当に白哉を拉致してしまった。
「恋次!このような真似をして、ただで済むと思っているのか!」
「思ってません。でも、嫌なんです。あんたが、俺以外の男に抱かれるなんて」
「では、何故最初に結婚に反対しれくれなかったのだ」
ぽつりぽつりと、白哉は涙を流した。
「俺はベータだ。それでも、あんたを幸せにしてみせる」
白哉は、もてる限りの権力を使って、恋次を守った。
結果、綱彌代家の子を身籠っていたので、その子を綱彌代に預け、しかる後に朽木家の跡取りとすることに賛成した。
白哉は清明との番を解消せず、恋次と過ごしだした。
恋次は白哉を抱く。
「んああああ!!!」
恋次に突き上げられて、白哉は背をしならせてオーガズムでいっていた。
番ではないので、満足感があまり得られない。
ベータでもあるので、抱かれても子は孕む可能性はあるが、アルファの子は産まれてこないだろう。
「愛してます、隊長」
「んあっ」
最奥を抉られて、白哉は精液を出して恋次の手の中に射精する。
「あ、あ、あ」
「あんたは、俺のものだ」
「ひあっ」
ぐりっと奥を穿たれて、白哉は目を閉じた。
結合部からぐちゅぐちゅと音がする。
「あああ」
恋次は、白哉の子宮に子種をありったけ注ぎ込んだ。
「ん‥‥‥」
白哉が、意識を飛ばすまで激しく抱いた。
恋次のいない時、白哉は番でないベータである恋次に抱かれることで寿命が縮まってしまうので、定期的に綱彌代清明にも抱かれた。
恋次は気づいていなかった。
「私は、恋次だけでなく、兄も愛している」
白哉は、清明のことも好きになっていた。子は綱彌代家で帝王切開で産んだ。男児であった。
「私は罪深いな。二人とも欲しいと思ってしまうなど」
「あなたが望むなら、この関係を続けましょう。私もあなたを愛している」
「すまぬ」
恋次は、白哉を手に入れたと思っていた。
けれど、裏切りに近いことをされているとは、ついぞ気づかないのであった。
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