ドラゴン族の子とミミック8
「ぎしぎし」
「ああ!幻のエンシェントミミック!」
Aランクの上位ダンジョンに挑んだ浮竹と京楽は、3日かけて45階層までもぐっていた。
さすがに上位ダンジョンなだけあって、雑魚モンスターにワイバーンが出てきたりした。フロアボスはブラックワイバーンの群れだったりした。
「ぎしぎし」
浮竹の目の前にいるミミックは、古代魔法文明時代に生まれたとされるまさに幻のミミック。
エンシェントミミックだった。
大きくて、人食いミミックより大きい。
「ああああ」
浮竹は目がハートになっていた。
「ちょっと、浮竹危ないよ!」
「エンシェントミミック‥‥‥(*´Д`)ハァハァ」
浮竹は危ない人になっていた。
「そうれ!」
浮竹は、アイテムポックスからブラックワイバーンのステーキを取り出して、エンシェントミミックの前でちらつかせる。
「ぎしぎし」
「ほら、やるから触らせてくれ。(*´Д`)ハァハァ」
「浮竹、大丈夫?」
「俺は今もううれつに感動している」
「あ、そう。怪我しないようにね?」
エンシェントミミックは、浮竹の手からブラックワイバーンのステーキをもらい、浮竹に懐いた。
「ああああ、このままお持ち帰りしたい」
「だめだよ、浮竹。この子はこのダンジョンだから生き残ってこれたんだ。LVもボクたちより高そうだし」
「ぎししししし」
「あああああ」
浮竹は、ひとしきりエンシェントミミックを撫でで、エンシェントミミックに頭を甘噛みされて、幸せそうだった。
「ぎしい」
「え、もうお別れ?」
「ぎし」
エンシェントミミックは、オリハルコンの剣をドロップして去っていった。
「オリハルコン‥‥ミスリルより貴重な神の金属」
「すごいね。やったじゃない」
「まだ使いこなせそうにないから、家に飾っておこう」
「そうだね。オリハルコンは使う者が弱いと本当の威力を発揮しないからね」
「ぎしぎし」
「ぬおおおお!?またエンシェントミミック!」
浮竹は、そのエンシェントミミックに嚙まれながらもふりまくっていると、甘噛みに変わった。
「ぎしぎし?」
「怖くないのかって?ミミックマスターの俺にはお前は太陽だ!」
浮竹は京楽の存在を忘れていた。京楽はぐすんと悲しそうな顔をする。
「どうせボクはミミックの次だよ」
「なぁ、京楽。このダンジョン、どこかで古代魔法文明の遺跡と繋がっているんじゃないか?そうじゃないと、エンシェントミミックがいる説明がつかない」
「そういえば、このダンジョン、31階層付近で大規模に崩れたらしいよ。その奥に、古代魔法文明の遺跡があったんじゃないかな」
「戻って、遺跡を探検してみよう」
「分かったよ。でも、そのエンシェントミミックは連れていかないからね?」
「ぶーぶー」
エンシェントミミックは、浮竹を甘噛みして、古代の魔法書をドロップして去っていった。
「禁忌だな、この魔法書」
「まだ、知られていない魔法だね。アルティメットノヴァ‥‥使うには、LVもっとあげないとね」
「とりあえず、遺跡があるだろう31階層に戻るぞ」
「うん」
31階層をくまなく調べると、崩れた部分があって、その奥に古代魔法文明の遺跡があった。
「これは‥‥‥すごいな」
荘厳。
遺跡は何千年と経っているだろうが、綺麗なままだった。
「ピピピピ、侵入者を発見。これより、駆除システムを導入します」
現れたのは、エンシェントドラゴンだった。
「ドラゴン!」
「あ、浮竹これじゃあ戦えないよ」
「話しかけてみよう」
浮竹は、古代語でエンシェントドラゴンに話しかける。
するとエンシェントドラゴンは人の姿をとった。
「竜人族の子か。同胞か。今回は、同胞ということで目をつぶろう。これ以上遺跡を荒らすようであれば、竜人族の子といえ、排除する」
「もう、戻ります」
浮竹が古代語でそう言って、京楽のほうを向く。
京楽はまだ古代語を完全にマスターしていない。
「このドラゴンは、どうやらこの遺跡の守護竜のようだ。俺たちがこれ以上ここにいると、荒らしたとみて排除するって。この件は冒険者ギルドに報告しよう。Aランクの俺たちでこれ以上この遺跡を探検するのは無理だ。Sランクじゃないと。それに俺たちではドラゴンを倒すには心構えがいる」
「そうだね。一度戻ろう」
遺跡の外に出ると、エンシェントミミックの赤ちゃんがいた。
「京楽‥‥」
「お持ち帰りはだめだよ」
「うう‥‥」
「とりあえず、45階層までもぐって、60階層のラスボスを倒して帰還しよう」
浮竹と京楽は、夜を52階層で明かして、60階層まで到着し、ラスボスと対峙する。
ラスボスは、炎の精霊王だった。
浮竹と京楽は、慎重に攻めて、炎の精霊王を氷の魔法で倒し、財宝の間が開く。
「ぎしぎしいいい」
そこにも、エンシェントミミックがいた。
財宝は、オリハルコンのインゴットや、魔法の武具と古代の魔法書の束、それに金銀財宝であった。
「ああ、このダンジョン俺気に入った。また明日ももぐろう」
「でも、ミミック牧場の子や家のミミックたちをあまり放置しすぎるのもどうかと思うよ?」
「う、それもそうだな。このダンジョンにもぐるのは、2日後にしよう」
「ほんと、浮竹はミミックが好きだねぇ」
エンシェントミミックに甘噛みされる浮竹を見ながら、京楽は笑うのであった。
「ああ、エンシェントミミック‥‥‥」
がじがじと甘噛みをこえて本気でかじられてちょっと血を出しているが、浮竹は痛みを感じないのか悦に浸っていた。
「浮竹、血が出てるよ」
「この子はサリーと名付けよう。サリー、血がでるくらいかんじゃいけないぞ。そんな風に噛んでいいのは京楽だけだ」
「なぜにボク!?」
「ぎいぎい」
サリーは、浮竹を解放して京楽に噛みついた。
「もぎゃああああああああああ」
ほぼ、半身がすっぽり入ってしまうエンシェントミミックに頭をかじられながら、京楽はとっておきのドラゴンステーキを取り出す。
「ずっと前にドラゴン化して暴れた時尻尾を切り落とされたんだよね。その時のボクの肉だよ。アイテムポケットに入れてる限り劣化しないからね。ステーキにして放置していたのがあってよかったよ」
向こうに投げると、サリーはぴゅーんと走ってドラゴンステーキをおいしそうに食べる。
「ぎいぎい」
「もっとくれだって」
「あいにく、それしかないんだよ」
「ぎいいい」
エンシェントミミックは残念そうな顔になる。
「サリー、お手」
「ぎい」
「お座り」
「ぎい」
京楽の言うことに、サリーは従う。
「これだけ聞き分けがいいとかわいいね。ボクを噛んじゃダメだよ。噛むのは浮竹だけにしてね」
「俺はいつでも齧られる準備ができているぞ!」
浮竹は目をハートマークにして、サリーがくるのを待っていた。
「ぎいぎいぎい」
サリーは、浮竹に噛みついた。
「ひゃっほうううう」
浮竹は喜んでいる。甘噛みなので、けがをすることはない。ちなみに最初に本気でかまれて血が出たところはヒールですでに治していた。
財宝や魔法の武具、古代の呪文書やオリハルコンのインゴットをアイテムポケットに入れて、一度アルカンシェルの王都まで戻ることにした。
「ああ、サリー、また一週間後くらいに。2日したらまたこのダンジョンに挑むから、最下層の60階層までたどり着くには4日くらいかかる。だから、大体一週間後に会おう」
「ぎいいいい」
サリーはぴょんぴょんはねて、浮竹と京楽との再会を誓った。
王都アルカンシェルの冒険者ギルドに、遺跡のことを報告すると、Sランク冒険者と学者が派遣されれることになった。
Sランクのパーティー2つが、国でも偉いさんの学者の護衛をしながら、遺跡を調べるらしい。
「いつか、あんな風に頼りにされるといいな」
「そうだね」
浮竹と京楽は家に帰り、ポチ、タマ、タロウ、ジロウ、8匹の子ミミックと食事をとり、浮竹派ミミック牧場にいって新鮮な水と餌を与えた。
「きしきし」
「ん?ポチ、俺から変わったミミックの匂いがするって?実はな、幻のエンシェントミミックと会ったんだ!」
「きしい!」
すごい!
ポチはそう言った。
ポチにエンシェントミミックのことを熱く語っていると、夕方になっていた。
「続きは家でな?」
「きしい」
「浮竹、夕ご飯食べるよね?」
「ああ」
「ステーキだよ」
「まさかドラゴンステーキとかいうんじゃないだろうな」
「まさか。ブラックワイバーンの肉のステーキだよ。あと、ミノタウロスの」
この世界では、モンスターの肉も普通に食用になる。
牛や豚、鶏や羊といった家畜もいるが、モンスターの肉の方が安く手に入れられたり、冒険者なら自分で狩った獲物を肉を素材として売らずに、自分たち用に残しておくこともある。
ブラックワイバーンもミノタウロスも、Aランクダンジョンで倒したモンスターの肉だった。
ミノタウロスは10階層のボスだった。
ダンジョンは、10階層ごとにフロアボスがいて、財宝の間がある。
ラスボスまでいくと、手強いが倒せばそれまでのフロアボスの財宝とは比較できない財宝が手に入った。
「サリー、元気にしてるかなぁ」
「元気にしてるでしょ。きっとSランクのパーティーに驚かれて、それから宝をドロップしているさ」
浮竹と京楽がダンジョンを踏破したことで、あのAランク上位ダンジョンは、ダンジョンマスターの手により、一度リセットされ、宝の配置、雑魚モンスターの配置、財宝の間の財宝、ボスなどを新しくされていることだろう。
「浮竹」
「ん?」
「抱きしめて寝ていい?」
「甘えんぼうだな。いいぞ」
「もしも手を出しちゃったら、ごめんね」
結局、浮竹は京楽に抱かれて、Sランク上位ダンジョンへの出発は1日のびるのであった。
「ああ!幻のエンシェントミミック!」
Aランクの上位ダンジョンに挑んだ浮竹と京楽は、3日かけて45階層までもぐっていた。
さすがに上位ダンジョンなだけあって、雑魚モンスターにワイバーンが出てきたりした。フロアボスはブラックワイバーンの群れだったりした。
「ぎしぎし」
浮竹の目の前にいるミミックは、古代魔法文明時代に生まれたとされるまさに幻のミミック。
エンシェントミミックだった。
大きくて、人食いミミックより大きい。
「ああああ」
浮竹は目がハートになっていた。
「ちょっと、浮竹危ないよ!」
「エンシェントミミック‥‥‥(*´Д`)ハァハァ」
浮竹は危ない人になっていた。
「そうれ!」
浮竹は、アイテムポックスからブラックワイバーンのステーキを取り出して、エンシェントミミックの前でちらつかせる。
「ぎしぎし」
「ほら、やるから触らせてくれ。(*´Д`)ハァハァ」
「浮竹、大丈夫?」
「俺は今もううれつに感動している」
「あ、そう。怪我しないようにね?」
エンシェントミミックは、浮竹の手からブラックワイバーンのステーキをもらい、浮竹に懐いた。
「ああああ、このままお持ち帰りしたい」
「だめだよ、浮竹。この子はこのダンジョンだから生き残ってこれたんだ。LVもボクたちより高そうだし」
「ぎししししし」
「あああああ」
浮竹は、ひとしきりエンシェントミミックを撫でで、エンシェントミミックに頭を甘噛みされて、幸せそうだった。
「ぎしい」
「え、もうお別れ?」
「ぎし」
エンシェントミミックは、オリハルコンの剣をドロップして去っていった。
「オリハルコン‥‥ミスリルより貴重な神の金属」
「すごいね。やったじゃない」
「まだ使いこなせそうにないから、家に飾っておこう」
「そうだね。オリハルコンは使う者が弱いと本当の威力を発揮しないからね」
「ぎしぎし」
「ぬおおおお!?またエンシェントミミック!」
浮竹は、そのエンシェントミミックに嚙まれながらもふりまくっていると、甘噛みに変わった。
「ぎしぎし?」
「怖くないのかって?ミミックマスターの俺にはお前は太陽だ!」
浮竹は京楽の存在を忘れていた。京楽はぐすんと悲しそうな顔をする。
「どうせボクはミミックの次だよ」
「なぁ、京楽。このダンジョン、どこかで古代魔法文明の遺跡と繋がっているんじゃないか?そうじゃないと、エンシェントミミックがいる説明がつかない」
「そういえば、このダンジョン、31階層付近で大規模に崩れたらしいよ。その奥に、古代魔法文明の遺跡があったんじゃないかな」
「戻って、遺跡を探検してみよう」
「分かったよ。でも、そのエンシェントミミックは連れていかないからね?」
「ぶーぶー」
エンシェントミミックは、浮竹を甘噛みして、古代の魔法書をドロップして去っていった。
「禁忌だな、この魔法書」
「まだ、知られていない魔法だね。アルティメットノヴァ‥‥使うには、LVもっとあげないとね」
「とりあえず、遺跡があるだろう31階層に戻るぞ」
「うん」
31階層をくまなく調べると、崩れた部分があって、その奥に古代魔法文明の遺跡があった。
「これは‥‥‥すごいな」
荘厳。
遺跡は何千年と経っているだろうが、綺麗なままだった。
「ピピピピ、侵入者を発見。これより、駆除システムを導入します」
現れたのは、エンシェントドラゴンだった。
「ドラゴン!」
「あ、浮竹これじゃあ戦えないよ」
「話しかけてみよう」
浮竹は、古代語でエンシェントドラゴンに話しかける。
するとエンシェントドラゴンは人の姿をとった。
「竜人族の子か。同胞か。今回は、同胞ということで目をつぶろう。これ以上遺跡を荒らすようであれば、竜人族の子といえ、排除する」
「もう、戻ります」
浮竹が古代語でそう言って、京楽のほうを向く。
京楽はまだ古代語を完全にマスターしていない。
「このドラゴンは、どうやらこの遺跡の守護竜のようだ。俺たちがこれ以上ここにいると、荒らしたとみて排除するって。この件は冒険者ギルドに報告しよう。Aランクの俺たちでこれ以上この遺跡を探検するのは無理だ。Sランクじゃないと。それに俺たちではドラゴンを倒すには心構えがいる」
「そうだね。一度戻ろう」
遺跡の外に出ると、エンシェントミミックの赤ちゃんがいた。
「京楽‥‥」
「お持ち帰りはだめだよ」
「うう‥‥」
「とりあえず、45階層までもぐって、60階層のラスボスを倒して帰還しよう」
浮竹と京楽は、夜を52階層で明かして、60階層まで到着し、ラスボスと対峙する。
ラスボスは、炎の精霊王だった。
浮竹と京楽は、慎重に攻めて、炎の精霊王を氷の魔法で倒し、財宝の間が開く。
「ぎしぎしいいい」
そこにも、エンシェントミミックがいた。
財宝は、オリハルコンのインゴットや、魔法の武具と古代の魔法書の束、それに金銀財宝であった。
「ああ、このダンジョン俺気に入った。また明日ももぐろう」
「でも、ミミック牧場の子や家のミミックたちをあまり放置しすぎるのもどうかと思うよ?」
「う、それもそうだな。このダンジョンにもぐるのは、2日後にしよう」
「ほんと、浮竹はミミックが好きだねぇ」
エンシェントミミックに甘噛みされる浮竹を見ながら、京楽は笑うのであった。
「ああ、エンシェントミミック‥‥‥」
がじがじと甘噛みをこえて本気でかじられてちょっと血を出しているが、浮竹は痛みを感じないのか悦に浸っていた。
「浮竹、血が出てるよ」
「この子はサリーと名付けよう。サリー、血がでるくらいかんじゃいけないぞ。そんな風に噛んでいいのは京楽だけだ」
「なぜにボク!?」
「ぎいぎい」
サリーは、浮竹を解放して京楽に噛みついた。
「もぎゃああああああああああ」
ほぼ、半身がすっぽり入ってしまうエンシェントミミックに頭をかじられながら、京楽はとっておきのドラゴンステーキを取り出す。
「ずっと前にドラゴン化して暴れた時尻尾を切り落とされたんだよね。その時のボクの肉だよ。アイテムポケットに入れてる限り劣化しないからね。ステーキにして放置していたのがあってよかったよ」
向こうに投げると、サリーはぴゅーんと走ってドラゴンステーキをおいしそうに食べる。
「ぎいぎい」
「もっとくれだって」
「あいにく、それしかないんだよ」
「ぎいいい」
エンシェントミミックは残念そうな顔になる。
「サリー、お手」
「ぎい」
「お座り」
「ぎい」
京楽の言うことに、サリーは従う。
「これだけ聞き分けがいいとかわいいね。ボクを噛んじゃダメだよ。噛むのは浮竹だけにしてね」
「俺はいつでも齧られる準備ができているぞ!」
浮竹は目をハートマークにして、サリーがくるのを待っていた。
「ぎいぎいぎい」
サリーは、浮竹に噛みついた。
「ひゃっほうううう」
浮竹は喜んでいる。甘噛みなので、けがをすることはない。ちなみに最初に本気でかまれて血が出たところはヒールですでに治していた。
財宝や魔法の武具、古代の呪文書やオリハルコンのインゴットをアイテムポケットに入れて、一度アルカンシェルの王都まで戻ることにした。
「ああ、サリー、また一週間後くらいに。2日したらまたこのダンジョンに挑むから、最下層の60階層までたどり着くには4日くらいかかる。だから、大体一週間後に会おう」
「ぎいいいい」
サリーはぴょんぴょんはねて、浮竹と京楽との再会を誓った。
王都アルカンシェルの冒険者ギルドに、遺跡のことを報告すると、Sランク冒険者と学者が派遣されれることになった。
Sランクのパーティー2つが、国でも偉いさんの学者の護衛をしながら、遺跡を調べるらしい。
「いつか、あんな風に頼りにされるといいな」
「そうだね」
浮竹と京楽は家に帰り、ポチ、タマ、タロウ、ジロウ、8匹の子ミミックと食事をとり、浮竹派ミミック牧場にいって新鮮な水と餌を与えた。
「きしきし」
「ん?ポチ、俺から変わったミミックの匂いがするって?実はな、幻のエンシェントミミックと会ったんだ!」
「きしい!」
すごい!
ポチはそう言った。
ポチにエンシェントミミックのことを熱く語っていると、夕方になっていた。
「続きは家でな?」
「きしい」
「浮竹、夕ご飯食べるよね?」
「ああ」
「ステーキだよ」
「まさかドラゴンステーキとかいうんじゃないだろうな」
「まさか。ブラックワイバーンの肉のステーキだよ。あと、ミノタウロスの」
この世界では、モンスターの肉も普通に食用になる。
牛や豚、鶏や羊といった家畜もいるが、モンスターの肉の方が安く手に入れられたり、冒険者なら自分で狩った獲物を肉を素材として売らずに、自分たち用に残しておくこともある。
ブラックワイバーンもミノタウロスも、Aランクダンジョンで倒したモンスターの肉だった。
ミノタウロスは10階層のボスだった。
ダンジョンは、10階層ごとにフロアボスがいて、財宝の間がある。
ラスボスまでいくと、手強いが倒せばそれまでのフロアボスの財宝とは比較できない財宝が手に入った。
「サリー、元気にしてるかなぁ」
「元気にしてるでしょ。きっとSランクのパーティーに驚かれて、それから宝をドロップしているさ」
浮竹と京楽がダンジョンを踏破したことで、あのAランク上位ダンジョンは、ダンジョンマスターの手により、一度リセットされ、宝の配置、雑魚モンスターの配置、財宝の間の財宝、ボスなどを新しくされていることだろう。
「浮竹」
「ん?」
「抱きしめて寝ていい?」
「甘えんぼうだな。いいぞ」
「もしも手を出しちゃったら、ごめんね」
結局、浮竹は京楽に抱かれて、Sランク上位ダンジョンへの出発は1日のびるのであった。
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