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俺はお前のラブドール5

平和に暮らしていたある日、零番隊の使者という者が訪れてきた。

「俺が、霊王の身代わり?」

「そうです。一度ミミハギ様、霊王の右手を宿したことのあるあなたが一番適任なのです。どうか、考慮してはいただけないでしょうか」

零番隊の使者は、浮竹に霊王になれと言っていた。

「そんなこと、急に言われてもな」

「ユーハバッハの躯だけでは‥‥‥‥」

「でも、そのままでも維持できるんだろう?」

「そうなのですが。しかし、浮竹様が霊王になっていただければ、比較的もっと安全に霊王として世界を存続させられます。どうか、どうか」

「お断りだね」

浮竹でなく、京楽が答えた。

「京楽総隊長、あなたに話しているのではありません」

「はっ、みすみすユーハバッハに霊王を殺されておきながら、今更どの口で浮竹を霊王にだなんていうの。浮竹はボクのものだ。霊王になんてさせないし、させたら霊王宮に行って攫ってでも連れて帰る」

京楽は本気だった。

「あなたは、世界の安全のためと思わないのですか!」

「思わないね。浮竹を無理にでも霊王にしないってことは、緊急用件でもないでしょ。さっさと帰ってよ」

「く、ここは一度引きます。浮竹様、どうかよい返事をお待ちしております」

京楽は、使者のいたところに塩をまく。

「京楽」

「浮竹、だめだからね?霊王になんてならないで」

ぎゅっと京楽に抱きしめられて、浮竹はその頭を撫でる。

「俺は、霊王になんてならない。俺はお前のラブドール。お前だけのラブドール。お前に愛し愛されて、魂をもって動くラブドール。霊王にはなれない。真実を知れば、零番隊の連中も俺のことを霊王にして失敗だったって思うさ。俺はお前だけの魂のあるラブドールでいたい」

「君はもう、ラブドールなんかじゃないよ。魂のある浮竹十四郎だ」

「うん」

浮竹は、散歩に出かけるといって、執務室を抜け出していった。

それから、夜になっても戻ってこなかった。

次の日になっても、次の日になっても。

ふと、地獄蝶が現われて、京楽の手に止まる。

「京楽、霊王にさせられる。助けてくれ」

地獄蝶はそれだけ言うと、ほろほろと崩れていく。

京楽は動いた。

12番隊を動かして、霊王のいる霊王宮へと繋ぐ穴をあけさせて門を作り、その中に入っていく。

「何者だ!」

「京楽春水」

「な、総隊長!?」

「浮竹を返して」

新しい零番隊の隊長が、京楽の道を阻もうとする。

「邪魔するなら、殺すよ?」

そのあまりの殺気に、隊長は動けなかった。

「浮竹様は、霊王となられるお方。あなたとは、相容れぬ存在」

「そんなことないよ。だって浮竹は元はボクだけのラブドールなんだもの」

「は?」

隊長は、首を傾げる。

「今の浮竹は、蘇ったけど元はただの浮竹の姿をしたラブドールで、愛がなければ生きていけない。ボクが愛をあげて、生きていられる。浮竹を霊王にして、ボクから離すと1か月ももたずに死ぬよ」

それは本当だった。

浮竹は、京楽だけのラブドール。京楽の愛がなければ死んでしまう。

元はただのラブドールなのだ。愛されるためだけに存在している。

「な、狂言を」

「本当だ」

「れ、霊王様!」

霊王の衣装を着せられた浮竹は、美しかった。

以前のような水晶に閉じ込められた霊王ではないので、十二単を着ていた。

しゅるりと衣服をはだける音をたてて、襦袢姿になると京楽に抱き寄せられて、口づけをする。

「それに、俺は欲をもつ。この男に愛されたいと。愛されないなら、死んだほうがましだ。俺は霊王にはならないんじゃなくて、なれないんだ。俺の存在はあまりにも歪(いびつ)だ。霊王にさせるには危険すぎる」

「た、確かに‥‥‥‥」

零番隊の隊長は、他の零番隊の者を集めて緊急会議を開いた。

結果、浮竹の存在は不安定すぎて、とても霊王の代わりなど務まらないと分かり、霊王宮から出されて京楽と一緒に地上に戻った。

「君がいなくなって、きっと霊王にさせられたんだろうと思って、涅隊長に無理いって霊王宮までくる道を作ってもらったんだよ」

「お陰で俺は助かった。あのまま霊王としてお前と引き離されたら、きっとまたただのラブドールに戻っていた」

「ただのラブドールには戻らない約束だよ?」

「ああ。ちゃんと、覚えている」

浮竹と京楽は、いつもの住んでいる屋敷に戻ると、まずは休息をとった。

京楽は仕事もほったらかして浮竹を探し、浮竹は突然拉致されて霊王にさせられたものだから、安心して眠ることも食べることもできなかった。

まず、仮眠をたっぷりとってから、風呂にはいり食事をした。

京楽はいつも当り前のように酒を飲むが、浮竹はあまり飲まない。

なのに、今日は果実酒であるが、けっこう酔うくらいまで飲んだ。

「京楽、お前が欲しい」

「うん。ボクも、君が欲しい」

「ああ、酒に酔ったせいかな。ふわふわしてる」

浮竹は足元もおぼつかなく、京楽に抱っこされて寝室へ行く。

浮竹に与えられた30畳の広い部屋に大きな布団をしいて、浮竹をそっと寝かす。

「愛してるよ、十四郎」

「俺も愛してる、春水」

二人は服を脱がせ合って、もつれたまま布団の上をごろごろと転がる。

「ふふ、まるで悪戯してる気分」

「お前のは、悪戯じゃなくてしつこいセックスだからな」

「そう言うけど、嫌じゃないくせに。もっともっとって、せがむのはどこの誰かな?」

「抱かせてやらんぞ?」

「わあああ、ごめんなさい」

京楽は、浮竹にはかなわない。

浮竹を敵にまわすと、きっと死ぬまで手を出さないだろう。

霊王になれない歪な存在である浮竹は、今日も京楽に抱かれる。

「んっ」

深い口づけを受けて、舌を絡めあいながら、京楽は浮竹の肌を愛撫していく。

胸の先端をかりかりとかいてみたり、つまんだりした。

「んあ、そこばっかりは、やぁ」

しつこく胸の先端ばかりいじられるものだから、浮竹は勃った自分のものに京楽の手をもっていく。

「ふふ、ぬるぬるして濡れてる。えっち」

「そうさせたのは、お前だろうが。そういうお前のものも、ギンギンになってるぞ」

お互いの性器を指でいじりあい、二人は高みにのぼる。

「あ、出ちゃいそう」

「俺も、もう限界‥‥‥あああ!」

お互いの精液を、お互いにかけあう羽目になった。

とりあえずティッシュでぬぐって、そこらへんに捨てておく。

「今日は、ローション用意してあるんだ。甘い味のやつ。摂取しても栄養になって無害だから」

そのローションを、京楽は自分のものに塗りたくり、自分では何もしない。

じれた浮竹が、ローションごと京楽のものを口でくわえる。

「うわぁ、いい眺め」

「んんん」

じゅぷじゅぷと音を立てて、京楽のものを舐めあげ、口で奉仕すると、数分ももたずに京楽は浮竹の口の中に精液を吐き出した。

「んん、濃い」

「ふふ、ボクのはいつでも濃いよ?普通の人より性欲強いしね」

「じゃあ、その相手をできる俺も相当性欲が強いんだな」

「そうなるかな」

くちゅりと、浮竹は自分の指で自分の後ろをローションを使ってならしていく。

「あ、いい」

くちゅくちゅと指でいい場所をぐっと押すと、オーガズムでいく。

「君だけなんてずるいよ?」

京楽は、浮竹の中に侵入した。

「んああああ、いくううう♡」

硬くて熱くて太いものが入ってくる。その高揚感に、浮竹は震える。

「んあ、いくのとまらな”い”」

京楽が挿入れただけでこれだ。

ぱちゅんぱちゅんと音がなるくらうい腰と腰をぶつけあうと、京楽は飲み込み切れなかった唾液を顎から滴らせながら啼く。

「んあああ、ああ”あ”あ”」

「もっと奥に欲しい?」

「あ、欲しい。もっと奥に、浮竹の硬くて熱くて太いのちょうだい?♡」

京楽は浮竹と舌を絡めあいながら、最奥をこじあけてねじ入る。

「あーあーーーーー♡」

びゅるびゅると精子を注がれて、浮竹は恍惚とした表情になった。

「もっと、春水のザーメンいっぱいちょうだい?♡」

「うん、たくさんあげるからね」

何気に、睦みあう前に涅隊長に作ってもらった強精剤を、京楽は飲んでいた。浮竹の茶にもそれを入れて飲ませておいた。

「あ、いっちゃうう」

浮竹も、精液を出す。

「んああ、なんでええ。たくさんザーメン出していってるのに、まだ出るうう。止まらないいいいぃぃ♡」

「さぁ、もっと気持ちよくなろうか」

「やあ、春水」

浮竹を、京楽は背後から突き上げる。

「ひあん!」

どちゅんと奥まで犯されて、浮竹が喜悦の声をあげる。

「んああ、今の、もっとおおお♡」

「ふふ、いっぱいあげるからね?」

京楽は浮竹のものを手で握りこみながら、背後から浮竹を貫く。

「んあああ、中も外もいくううう♡」

京楽は、握りこんでいた浮竹のものを離して、精液を出すようにしごく。

「いぐう”う”う”」

どぴゅっと精液をシーツに落として、でもまだ浮竹のものは硬かった。

いつもならそろそろ玉切れで、オーガズムでいくばかりなのだが。

「んああ、なんでぇ?しおれない」

「ふふ、ひ・み・つ」

「んあ、春水のばかぁ。何か、盛ったな?」

「ひみつ」

京楽は浮竹を正常位から抱く。

「んああああ」

浮竹はもう何度目かも分からない精液を吐き出す。それでもまだ硬い己のものに、一抹の不安を覚えて、泣き出す。

「ひっく、いくの、止まらない」

「十四郎、泣かないで。もう終わりにするから」

京楽も数えきれないくらい浮竹の中に出していた。そのせいで、浮竹のお腹は精子でぽっこりと膨らんでいる。

外からみても、浮竹の体内に京楽がいるのが分かった。

「い”あ”、いぐうううう♡」

京楽が最奥を抉り揺すぶると、浮竹は潮をぷしゃあああと吹き出す。

「十四郎、エロい。ボクも出すよ。最後だから、味わってね?」

「ひあん、もういいぃ。もうやあああ」

「十四郎、愛してるよ」

「あ、春水、俺も愛してる」

二人は互いにいきあいながら、息を乱す。

京楽は浮竹の中からぬけると、ごぽりと大量の精子が逆流してきた。

いそいで用意してあったタオルで受け止める。

浮竹の膨らんでいたお腹を押すと、面白いように精液が逆流してきて太ももを伝い落ちる。

「流石に出しすぎちゃったね」

「ひあぐ、もう、だめぇ」

指でかき出されて、その刺激でさえもオーガズムでいく敏感な体になっていた。

「今日は終わりにしよう。お休み、十四郎」

「んあ‥‥‥おやすみ」

浮竹は、京楽から眠剤をもらって飲んで、寝てしまう。

最近、浮竹は不眠を訴えていたので、4番隊の虎徹隊長に、薬を処方してもらったのだ。

「どうか、いい夢を見てね」

すーすーと、静かに寝息をたてる浮竹に衣服を着させて布団を変えて、京楽も眠る。

今日は、いい夢が見れそうな気がした。






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