黒猫と白猫の亜人54
浮竹が失踪した。
どこを探してもいないので、拉致されたのかと京楽は心配する。
白哉に探知魔法で探してもらうと、魔王城の中庭に反応があった。
京楽は、魔王城にいき、魔王の浮竹と話す。
「浮竹が来ているはずなんだけど」
『え、見てないぞ?』
魔王の浮竹は、首を傾げる。
「でも、この城の中庭で反応があったよ?」
『ボクも一緒に見てくるよ。浮竹は仕事続けてて』
『あ、ずるい。俺も行きたいのに』
『その仕事、今日中に終わらせないといけないやつでしょ?』
幽鬼の京楽の言葉に、魔王の京楽は仕方なく仕事を続けることにした。
「おーい、浮竹ー」
『白猫の浮竹ー』
返事はなかった。
よくよく探してみると、ネモフィラの花畑に埋もれて、白い物体がすーすー音をたてている。
「浮竹、こんなところにいたの」
『そっとしておこう。そのうち、目を覚ますだろうから』
幽鬼の京楽は、浮竹をそのままにして、薄い毛布だけをかぶせてやった。
最近は昼でも冷えてくる。
まだぽかぽかする太陽があるが、雲に隠れてしまうと肌寒くなる。
魔王の浮竹に、京楽たちは浮竹を見つけたと報告した。
魔王の浮竹は仕事も終盤にさしかかり、早く白猫の自分と遊びたいので、マッハで仕事をしていく。
『終わったああああ!!!』
『お疲れ様』
「ふにゃああああああああ。よく寝た~~~~。あれ、魔王城だ」
浮竹は目覚めた。
毛布が落ちる。
「む、誰か毛布をかけてくれたのか。それにしても、いつの間に魔王城へ」
そんなことを聞いていた京楽は、猫の姿の浮竹を抱き上げる。
「もう、心配したんだよ。いきなり行方不明になるから。魔王城に行くなら行くって言ってくれなきゃ」
「それが、魔王城に行った記憶がないんだ」
「寝ぼけてたの?」
魔王の浮竹からもらった魔王城にテレポートできるお札が、浮竹の体から落ちる。
「あ、それで遊んでて、眠ってしまったんだった」
「もう。気をつけてね?無防備に寝れるのは、この魔王城か白哉君の家くらいなんだから」
京楽もだが、浮竹は白猫の亜人だ。京楽の黒猫の亜人より貴重とされている。その涙は時に結晶となり、大国を潤すほどの値段になる、白涙石を生み出す。
そのせいで白猫の亜人は奴隷として見目もいいので、娼婦や男娼にされて、涙を流すことを強制される。
もう、白猫の亜人は、浮竹と浮竹の母親以外、近隣諸国には存在しない。
大陸全土を探しても、10人もいないだろう。
「寝て起きたら、お腹すいた。魔王の俺に、チュールもらいにいこっと」
「じゃあ、ボクも」
京楽も猫の姿になって、魔王の浮竹のところに押しかける。
二人は、魔王の浮竹が気がすむまでもふられた後、いっぱいチュールをもらって、浮竹はまたあくびをしていた。
「そんなに眠いの?また、なまけ病じゃないだろうね?」
京楽が心配する。
浮竹は、過去に普通の猫から感染するなまけ病という、眠り続けてそのまま衰弱死する病気にかかったことがある。
最近浮竹は眠っていることが多いので、京楽は心配だった。
「ん、大丈夫だぞ?最近まだ寒いけど、お日様がぽかぽかするときはあったかくて眠くなるんだ。そんな日にお日様の下で眠るときもちいいから、つい寝すぎる」
浮竹は、京楽と一緒に猫じゃらしで魔王の浮竹に遊んでもらってから、昼寝ならぬ夕寝をすると、また中庭のネモフィラの花畑の下で丸くなって眠り出す。
「もう、浮竹。日が沈んで、寒くなるよ?ボクも一緒に寝てあげるか」
京楽も丸くなって、二人で眠る。
魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、そんな二人がかわいくて、夕飯を中庭のテラスで食べることにした。
いい匂いがしてくると、ぴくりと浮竹の耳が動く。
「いい匂い。おいしそう」
『白猫の俺も食べるか?カルガモの肉のソテーだ』
「食べる!」
猫の姿のまま、テーブルに乗って、魔王の浮竹のフォークにささったソテーの肉をはむはむとかじる。
「あ、ずるい。ボクも!」
京楽も起きて、猫の姿でテーブルの上に乗ると、幽鬼の京楽の食べかけのソテーを勝手に食べてしまった。
『ふふ、おかわりほしい?』
幽鬼の京楽が、二人に聞くと、二人はにゃんと鳴いて、それから欲しいと言った。
魔王の浮竹は、使用人を呼んで、カルガモのソテーを二人前追加するように命令する。
ほどなしくてカルガモのソテーがやってきて、熱々なので、二人とも火傷しないように気をつけてはぐはぐと食べる。
人の姿に戻って食べればいいのにとも思うが、猫の姿ではぐはぐと食べる姿がかわいいので、余計なことは言わない。
「お腹いっぱいだ」
「ボクも」
「お腹いっぱいいなったら、眠くなってきた」
「ボクも」
二人は丸くなって、魔王の浮竹の足元で眠ってしまう。
魔王の浮竹は、浮竹をそっと抱き上げて、ベッドの上に運ぶ。
幽鬼の京楽は、京楽を抱き上げて、同じようにベッドの上で寝かせた。
『今日はボクたちも早めに寝ようか?』
『ああ、そうだな』
幽鬼の京楽は、魔王の浮竹にキスをする。、
魔王の浮竹は、目尻を赤く染めつつ、浮竹と京楽を寝かせたベッドの隣のベッドで眠ることにした。もちろん、幽鬼の京楽も一緒だ。
ちなみに、キスをしているシーンを、ふと起きた浮竹は見ていた。
次の日に、キスはもうしないのかとか言い出して、魔王の浮竹を真っ赤にさせるのであった。
どこを探してもいないので、拉致されたのかと京楽は心配する。
白哉に探知魔法で探してもらうと、魔王城の中庭に反応があった。
京楽は、魔王城にいき、魔王の浮竹と話す。
「浮竹が来ているはずなんだけど」
『え、見てないぞ?』
魔王の浮竹は、首を傾げる。
「でも、この城の中庭で反応があったよ?」
『ボクも一緒に見てくるよ。浮竹は仕事続けてて』
『あ、ずるい。俺も行きたいのに』
『その仕事、今日中に終わらせないといけないやつでしょ?』
幽鬼の京楽の言葉に、魔王の京楽は仕方なく仕事を続けることにした。
「おーい、浮竹ー」
『白猫の浮竹ー』
返事はなかった。
よくよく探してみると、ネモフィラの花畑に埋もれて、白い物体がすーすー音をたてている。
「浮竹、こんなところにいたの」
『そっとしておこう。そのうち、目を覚ますだろうから』
幽鬼の京楽は、浮竹をそのままにして、薄い毛布だけをかぶせてやった。
最近は昼でも冷えてくる。
まだぽかぽかする太陽があるが、雲に隠れてしまうと肌寒くなる。
魔王の浮竹に、京楽たちは浮竹を見つけたと報告した。
魔王の浮竹は仕事も終盤にさしかかり、早く白猫の自分と遊びたいので、マッハで仕事をしていく。
『終わったああああ!!!』
『お疲れ様』
「ふにゃああああああああ。よく寝た~~~~。あれ、魔王城だ」
浮竹は目覚めた。
毛布が落ちる。
「む、誰か毛布をかけてくれたのか。それにしても、いつの間に魔王城へ」
そんなことを聞いていた京楽は、猫の姿の浮竹を抱き上げる。
「もう、心配したんだよ。いきなり行方不明になるから。魔王城に行くなら行くって言ってくれなきゃ」
「それが、魔王城に行った記憶がないんだ」
「寝ぼけてたの?」
魔王の浮竹からもらった魔王城にテレポートできるお札が、浮竹の体から落ちる。
「あ、それで遊んでて、眠ってしまったんだった」
「もう。気をつけてね?無防備に寝れるのは、この魔王城か白哉君の家くらいなんだから」
京楽もだが、浮竹は白猫の亜人だ。京楽の黒猫の亜人より貴重とされている。その涙は時に結晶となり、大国を潤すほどの値段になる、白涙石を生み出す。
そのせいで白猫の亜人は奴隷として見目もいいので、娼婦や男娼にされて、涙を流すことを強制される。
もう、白猫の亜人は、浮竹と浮竹の母親以外、近隣諸国には存在しない。
大陸全土を探しても、10人もいないだろう。
「寝て起きたら、お腹すいた。魔王の俺に、チュールもらいにいこっと」
「じゃあ、ボクも」
京楽も猫の姿になって、魔王の浮竹のところに押しかける。
二人は、魔王の浮竹が気がすむまでもふられた後、いっぱいチュールをもらって、浮竹はまたあくびをしていた。
「そんなに眠いの?また、なまけ病じゃないだろうね?」
京楽が心配する。
浮竹は、過去に普通の猫から感染するなまけ病という、眠り続けてそのまま衰弱死する病気にかかったことがある。
最近浮竹は眠っていることが多いので、京楽は心配だった。
「ん、大丈夫だぞ?最近まだ寒いけど、お日様がぽかぽかするときはあったかくて眠くなるんだ。そんな日にお日様の下で眠るときもちいいから、つい寝すぎる」
浮竹は、京楽と一緒に猫じゃらしで魔王の浮竹に遊んでもらってから、昼寝ならぬ夕寝をすると、また中庭のネモフィラの花畑の下で丸くなって眠り出す。
「もう、浮竹。日が沈んで、寒くなるよ?ボクも一緒に寝てあげるか」
京楽も丸くなって、二人で眠る。
魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、そんな二人がかわいくて、夕飯を中庭のテラスで食べることにした。
いい匂いがしてくると、ぴくりと浮竹の耳が動く。
「いい匂い。おいしそう」
『白猫の俺も食べるか?カルガモの肉のソテーだ』
「食べる!」
猫の姿のまま、テーブルに乗って、魔王の浮竹のフォークにささったソテーの肉をはむはむとかじる。
「あ、ずるい。ボクも!」
京楽も起きて、猫の姿でテーブルの上に乗ると、幽鬼の京楽の食べかけのソテーを勝手に食べてしまった。
『ふふ、おかわりほしい?』
幽鬼の京楽が、二人に聞くと、二人はにゃんと鳴いて、それから欲しいと言った。
魔王の浮竹は、使用人を呼んで、カルガモのソテーを二人前追加するように命令する。
ほどなしくてカルガモのソテーがやってきて、熱々なので、二人とも火傷しないように気をつけてはぐはぐと食べる。
人の姿に戻って食べればいいのにとも思うが、猫の姿ではぐはぐと食べる姿がかわいいので、余計なことは言わない。
「お腹いっぱいだ」
「ボクも」
「お腹いっぱいいなったら、眠くなってきた」
「ボクも」
二人は丸くなって、魔王の浮竹の足元で眠ってしまう。
魔王の浮竹は、浮竹をそっと抱き上げて、ベッドの上に運ぶ。
幽鬼の京楽は、京楽を抱き上げて、同じようにベッドの上で寝かせた。
『今日はボクたちも早めに寝ようか?』
『ああ、そうだな』
幽鬼の京楽は、魔王の浮竹にキスをする。、
魔王の浮竹は、目尻を赤く染めつつ、浮竹と京楽を寝かせたベッドの隣のベッドで眠ることにした。もちろん、幽鬼の京楽も一緒だ。
ちなみに、キスをしているシーンを、ふと起きた浮竹は見ていた。
次の日に、キスはもうしないのかとか言い出して、魔王の浮竹を真っ赤にさせるのであった。
PR
- トラックバックURLはこちら