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君はアメジスト 寵姫

ルキアが、クロサキ王国にきて1週間が経った。

ルキアは、解放奴隷となった。

一護との結婚のために、大貴族朽木家の姫君として宮殿で迎えいれられていた。

ルキアを護衛する浮竹と京楽は、そのまま近衛騎士としてとりたてられた。

「はぁ・・・・・ここにきて、何もかもがうまくいきすぎて怖い」

「姫、そう溜息をつかなくても」

「そうだぞ、姫。幸せが逃げていくぞ」

「お前たちはいいな。お互いいて幸せで」

浮竹と京楽はお互いがパートナーで恋人同士であった。

ルキアの護衛を白哉に任されていたが、ルキアが自害しそうになるとは思わなくて、結局は一護が止めてくれたので、そのことに関しては一護に感謝していた。

「一護君なら、きっと姫を幸せにしてくれるよ」

京楽が、ルキアの頭を撫でる。

「むう、子供扱いするな」

「姫はまだ15歳だろう。まだまだ子供だ」

浮竹も、ルキアの頭を撫でる。

「でも、浮竹も京楽も、私についてきてくれてありがとう。一人なら、きっと自害していたし、助かったとしても逃げ出そうとしてきっと牢屋に入れられてた」

「一護君は、そんなことするような子じゃないと思うよ」

「俺も、京楽と同意見だ。姫は気に入られているのだから、城でも堂々としていればいい」

ルキアは、意を決して一護に言ってみた。

「後宮を見学したい?いいけど、なんでだ?」

「後宮にいれられて、寵姫にもされずに、故郷にも戻れない少女たちの心を少しでも軽くしてやりたい」

「いいけど、護衛の浮竹さんと京楽さんは入れないぞ?一応、俺の後宮だから男子禁制だ」

「それくらい、分かっておるわ」

ルキアは、お菓子をたくさん作ってもらって、それをもって後宮に入っていく。

そこにあったのは、嫉妬。

一護の寵愛を一身に受けているルキアに対しての嫉妬だった。

「そんなお菓子いりませんわ」

「いらない。消えてちょうだい」

「何よ!一護様の婚約者になったって、私の方が美しいわ!」

後宮にいる少女たちは、どれもは目を見張るほどの美少女だった。

そんな中、一護は自分のような者を本当に正妃にしてくれるのか不安になってきた。

お菓子をとりあえず、後宮の少女たちの部屋に置いて、城に戻ろうとした時だった。

「お前さえいなければ!!!」

後宮の、故郷にも帰れない少女の一人が、果物ナイフでルキアに切りかかった。

ルキアは油断していて、腹部を刺された。

「ぐっ・・・・」

「このまま死んでおしまい!ほほほほほ!」

「く、浮竹、京楽・・・・・」

ルキアは、緊急用のボタンを押す。

「姫!」

「姫ええええ!!!」

後宮は男子禁制というのを破って、浮竹と京楽はかけつけた。止めようとした兵士を昏倒させて。

「酷い出血だ。浮竹、ヒールを」

「ああ。ヒール」

腹部の傷に魔法をかけると、出血が止まったが、傷が深くてまだ安心できなかった。

「一護君を呼ぼう。刺したのは君だね?厳罰を、覚悟しておくことだね。仮に、厳罰にならなかったら、ボクと浮竹が君の顔を焼くことにしよう」

「ひいいい。汚らわしい獣人風情が!」

「獣人だと差別するのは、アスラ王国だね。アスラ王国出身の奴隷か。姫以外は、みんな貴族でも王族でもない。ただの奴隷が、姫と対等であれると思ったか!」

京楽は、ルキアを抱き上げた。

そして、騒ぎにかけつけた一護が、血まみれでいるルキアを抱えた京楽を見て、名を呼んだ。

「ルキア!」

「ヒールをかけて、出血は止まっているけど、傷が深すぎて危険な状態だよ」

「ヒール!」

また血が滲みでてきたので、浮竹がヒールの魔法をかける。

「早く正式な治癒術師に診てもらわないと」

「今、王宮治癒術師を呼ぶ!ルキア、それまえ持ちこたえてくれ!」

ルキアはクロサキ王国でも3本の指に入る王宮治癒術師の井上織姫に傷を癒してもらい、なんとか一命を取り留めた。

「ううう・・・」

刺されたショックで熱を出して寝込んだルキアの傍に、一護は付き添っていた。

「一護君、ボクと浮竹が様子見とくから、ご飯食べて仮眠しておいで。もうこの2日ほとんど何も食べずにあまり眠っていないでしょ」

「すまねぇ。京楽さんの言葉に甘える・・・ルキア、早く目を覚ましてくれ・・・・」

一護は、軽い食事をして仮眠にいった。

「姫を刺した少女だけど、鉱山での強制労働10年の刑だそうだよ」

「そうか。いっそ死刑にしてほしいが、鉱山の強制労働はきついからな。そっちの方が辛いだろうから、まぁ顔を焼くのはやめにしてやろう」

「見た目がいい子だったからね。きっと鉱山で男の慰み者にされるはずさ。姫を刺した代価としていいほうかな」

ルキアは、3日間眠り続けた。

点滴をされて、4日目に目を覚ました。

「ん・・・」

「ルキア!」

「一護?」

ルキアは起き上がり、腹部に痛みを覚えた。

「まだ寝てろ!お前は、後宮の奴隷の少女に腹部を深く刺されたんだ。傷は一応塞がってはいるが、まだ痛みはしばらく続くはずだ」

「わ、私を刺した者はどうなったのだ!」

「鉱山で10年の強制労働の刑に処した」

「そうか・・・死刑ではなかったのだな。良かった・・・・・」

ルキアは、自分を刺した者のことを心配していた。

「ルキア、言っとくが罪を軽くしろとか言っても無駄だからな。俺の、正式な婚約者であるお前を刺したんだ。普通なら、王家反逆罪で家族もとろもに死刑だ」

「一護、たのむからそのような真似は・・・・」

「ああ。お前がそう言うと思って、鉱山での強制労働10年にしておいた」

「そうか・・・・・・」

一護は、ルキアに触れるだけのキスをした。

「な!」

真っ赤になって一護の頭を殴るルキアのところに、浮竹と京楽が入ってきた。


「姫、目が覚めたのか!」

「姫、良かった」

「・・・・・・って、この状況はなに?」

京楽が、頭をおさえてしゃがみこんでいる一護を見る。

「ななななな、なんでもないのだ!きききき、キスなどされてないないからな!」

「そう。姫はキスはじめてだもんね」

「一護君、姫の初めてを奪った責任として、姫の大好きな白玉餡蜜を作るべし」

浮竹が、そう言って笑う。

「俺の王になる戴冠式が近づいてきたけど、延期にした。ルキアと一緒に戴冠式に出たいからな」

「一護・・・・・・」

「ルキア、好きだぜ」

「わ、私は・・・・・・」

ルキアは、献身的に尽くしてくれる一護のことを、好きになっていた。






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