君はアメジスト 婚約者
「い、いきなり何を言っておるのだ!」
「だから、お前は隣国の大貴族で王家の血も受け継いでいるし、妻を娶れと周りがうるさかったから、お前を婚約者にした」
「突然すぎるであろう!会って、まだ1日しか経っておらぬのだぞ!」
「俺の婚約者になるの、嫌か?」
一護が、真面目な表情でルキアの顔をぞのきこむ。
「アメジスト」
「なんだ?」
「お前の瞳の色、アメジストだな」
「それを言うなら、貴様の髪は太陽のようだ」
ルキアは思ったことをそのまま口にしたのだが、一護は嬉しそうだった。
「今日から、俺の婚約者で寵姫だ。他に寵姫を娶るつもりはない。お前を正妃として迎え、大切にする」
「近い!顔が、近い!!!」
ルキアは、真っ赤になって、一護から離れた。
「俺の正妃になるの、嫌か?」
「いや、願ってもないことだが・・・・奴隷として送られてきた時点で、後宮にいれられて慰み者にされて、捨てられると思っていた」
「大貴族朽木の姫を、そんな風に扱ったら、周囲がうるせーしな」
「姫を本気で娶るつもり?」
「姫を泣かせると、容赦しないからな」
京楽と浮竹は、いつでも一護に襲いかかれる位置にいた。
「浮竹、京楽、攻撃する必要はない。一護の命令にも従うようにしてくれ」
「姫が、それを望むなら」
「ボクも、姫がそれを望むなら、そうするよ」
そうして、4人は朝食の席につき、ルキアは数日ぶりのまともな食事で、浮竹も京楽も似たような境遇だったため、おかわりをしてしまった。
「よく食うなぁ」
「奴隷商人のやつ、食費をけちって干し肉と硬いパンしかよこさぬのだ。こんな暖かな食事、数日ぶりだ」
ルキアと浮竹と京楽はよく食べた。
「じゃあ、昼からは礼儀作法とこの国の文字と歴史の勉強だ」
「礼儀作法はいらぬ。朽木家に生まれて、幼い頃から叩き込まれておる」
「そうか。じゃあ、文字と歴史の勉強な。偉い学者さん雇ってるから、困らせないようにな」
「じゃあ、ボクと浮竹は姫の部屋でくつろいでいるよ」
「ああ、京楽と二人きりになりたい」
この浮竹と京楽は、獣人で男同士であるが、結婚していて番であった。
「その、声は控えるつもりだが、あまり部屋には近づかないでくれよ?」
「あんたら、そうか。できてるのか。獣人はけっこうそういうの多いって聞くしな」
浮竹は真っ赤になった。京楽と一緒に歩いてルキアに与えられた部屋に戻っていく。姫の護衛も担当するので、姫の部屋で一緒に寝起きするのが昔からの、これからも同じ習慣であった。
「で、貴様は何故ここにいる」
「え、俺も歴史のおさらいしようと思って」
「ただ単に、私といたいだけであろう!」
冗談のつもりで言ったのだが、一護は頬を赤くした。
「わりぃかよ。一目ぼれなんだ」
「へ?」
「だから、お前に一目ぼれしたんだっつーの!」
「貴様、私のようなちんちくりんは好みでないと言っていたであろう!巨乳の美女がいいと!」
「ああ、あれ嘘。俺、貧乳派。お前、すっげータイプ」
「誰が貧乳だああああ!!!」
ルキアのアッパーは華麗に決まり、歴史を教えている講師の学者はおろおろするばかり。
「いってえええ。何も殴ることないだろ」
「貧乳って言った!」
「だってそうだろ?おっぱいないじゃん」
「私がどれほど気にしていると思っておるのだ!」
「あ、それ以上身長は伸びてもいいけど、胸は大きくならねーようにな」
「もっかい殴られたいかああああ」
一護は、ルキアの頭をわしゃわしゃと撫でて、部屋の外に出てしまった。
「一護?」
「執務があるから、また後でな」
「ああ・・・・この国の王は、引退しているのであったな。一護が王になるまで、あと数週間もあるまい・・・・・・」
ルキアの言葉通り、3週間後には一護が王になる戴冠式が予定されていた。
その隣に、ルキアが並ぶのだ。
想像しただけで、真っ赤になる。
一護は、いやな奴ではない。好きだと言ってくれた。正妃にして、他に寵姫を娶ることはないと言ってくれた。
「兄様・・・・・・」
心に残るものは、隣国で離ればなれになってしまった、兄のこと。
他の貴族の奸計にはまり、ルキアを奴隷としてクロサキ王国に送り込むことで、大貴族であることを許された。
ルキアの兄は、静かで冷静だが、実は妹思いだ。
浮竹と京楽という護衛の獣人をつけてくれたのも、兄の白哉だった。
「兄様は、元気にしておられるだろうか」
その日の歴史の授業は、祖国を思う気持ちに翻弄されて、あまり頭に入らなかった。
3時になり、お茶の時間になる。
睦みあったらしい浮竹と京楽が、情事の痕を匂わせている以外は、普通だった。
茶菓子にはシフォンケーキとチョコレートクッキー。
紅茶はアッサムの高級品。
流石に王族なだけあって、いい茶器を使っていたし、出された朝食もだが、お菓子もおいしかった。一流のシェフを雇っているのだろう。
「ルキア、はいあーん」
「自分で食べれるわ、痴れ者が!」
「えー。つまんねーじゃん。じゃあ、浮竹さんあーん」
浮竹は、突然のことに驚きながらも、口を開けた。
その口に、チョコレートクッキーを放り込む。
「ん、うまい」
「浮竹さんってかわいいなぁ」
「ちょっと一護君、浮竹はボクのものだよ。あんまり、ちょっかいかけないでくれるかな」
威嚇してくる京楽が面白くて、一護は浮竹を甘やかす。
「貴様、正妃になる寵姫の前だぞ!浮気か!」
「ふふ、ルキア、嫉妬してくれたのか?」
「な、誰が嫉妬などするか!」
ルキアは真っ赤になって、叫ぶ。
「私は、まだ貴様の正妃ではない。婚約者の寵姫であって、他の気に入った寵姫ができたのなら、私のことなど気にせず、側室として迎えるといい」
「お前は、本当にそれでいいのか?」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアの声が小さくなり、涙を零した。
「不安なのだ。いきなり奴隷にされて、王族の慰み者になると思っていた。だが、違った。でも、目の前にある未来が本当のものか分からなくて、不安なのだ」
一護は、ルキアを抱きしめた。
「幸せにする。だから、俺と結婚してくれ」
「だああああああああ!!!」
リミットブレイク。
ルキアは、一護を見事に背負い投げするのであった。
「だから、お前は隣国の大貴族で王家の血も受け継いでいるし、妻を娶れと周りがうるさかったから、お前を婚約者にした」
「突然すぎるであろう!会って、まだ1日しか経っておらぬのだぞ!」
「俺の婚約者になるの、嫌か?」
一護が、真面目な表情でルキアの顔をぞのきこむ。
「アメジスト」
「なんだ?」
「お前の瞳の色、アメジストだな」
「それを言うなら、貴様の髪は太陽のようだ」
ルキアは思ったことをそのまま口にしたのだが、一護は嬉しそうだった。
「今日から、俺の婚約者で寵姫だ。他に寵姫を娶るつもりはない。お前を正妃として迎え、大切にする」
「近い!顔が、近い!!!」
ルキアは、真っ赤になって、一護から離れた。
「俺の正妃になるの、嫌か?」
「いや、願ってもないことだが・・・・奴隷として送られてきた時点で、後宮にいれられて慰み者にされて、捨てられると思っていた」
「大貴族朽木の姫を、そんな風に扱ったら、周囲がうるせーしな」
「姫を本気で娶るつもり?」
「姫を泣かせると、容赦しないからな」
京楽と浮竹は、いつでも一護に襲いかかれる位置にいた。
「浮竹、京楽、攻撃する必要はない。一護の命令にも従うようにしてくれ」
「姫が、それを望むなら」
「ボクも、姫がそれを望むなら、そうするよ」
そうして、4人は朝食の席につき、ルキアは数日ぶりのまともな食事で、浮竹も京楽も似たような境遇だったため、おかわりをしてしまった。
「よく食うなぁ」
「奴隷商人のやつ、食費をけちって干し肉と硬いパンしかよこさぬのだ。こんな暖かな食事、数日ぶりだ」
ルキアと浮竹と京楽はよく食べた。
「じゃあ、昼からは礼儀作法とこの国の文字と歴史の勉強だ」
「礼儀作法はいらぬ。朽木家に生まれて、幼い頃から叩き込まれておる」
「そうか。じゃあ、文字と歴史の勉強な。偉い学者さん雇ってるから、困らせないようにな」
「じゃあ、ボクと浮竹は姫の部屋でくつろいでいるよ」
「ああ、京楽と二人きりになりたい」
この浮竹と京楽は、獣人で男同士であるが、結婚していて番であった。
「その、声は控えるつもりだが、あまり部屋には近づかないでくれよ?」
「あんたら、そうか。できてるのか。獣人はけっこうそういうの多いって聞くしな」
浮竹は真っ赤になった。京楽と一緒に歩いてルキアに与えられた部屋に戻っていく。姫の護衛も担当するので、姫の部屋で一緒に寝起きするのが昔からの、これからも同じ習慣であった。
「で、貴様は何故ここにいる」
「え、俺も歴史のおさらいしようと思って」
「ただ単に、私といたいだけであろう!」
冗談のつもりで言ったのだが、一護は頬を赤くした。
「わりぃかよ。一目ぼれなんだ」
「へ?」
「だから、お前に一目ぼれしたんだっつーの!」
「貴様、私のようなちんちくりんは好みでないと言っていたであろう!巨乳の美女がいいと!」
「ああ、あれ嘘。俺、貧乳派。お前、すっげータイプ」
「誰が貧乳だああああ!!!」
ルキアのアッパーは華麗に決まり、歴史を教えている講師の学者はおろおろするばかり。
「いってえええ。何も殴ることないだろ」
「貧乳って言った!」
「だってそうだろ?おっぱいないじゃん」
「私がどれほど気にしていると思っておるのだ!」
「あ、それ以上身長は伸びてもいいけど、胸は大きくならねーようにな」
「もっかい殴られたいかああああ」
一護は、ルキアの頭をわしゃわしゃと撫でて、部屋の外に出てしまった。
「一護?」
「執務があるから、また後でな」
「ああ・・・・この国の王は、引退しているのであったな。一護が王になるまで、あと数週間もあるまい・・・・・・」
ルキアの言葉通り、3週間後には一護が王になる戴冠式が予定されていた。
その隣に、ルキアが並ぶのだ。
想像しただけで、真っ赤になる。
一護は、いやな奴ではない。好きだと言ってくれた。正妃にして、他に寵姫を娶ることはないと言ってくれた。
「兄様・・・・・・」
心に残るものは、隣国で離ればなれになってしまった、兄のこと。
他の貴族の奸計にはまり、ルキアを奴隷としてクロサキ王国に送り込むことで、大貴族であることを許された。
ルキアの兄は、静かで冷静だが、実は妹思いだ。
浮竹と京楽という護衛の獣人をつけてくれたのも、兄の白哉だった。
「兄様は、元気にしておられるだろうか」
その日の歴史の授業は、祖国を思う気持ちに翻弄されて、あまり頭に入らなかった。
3時になり、お茶の時間になる。
睦みあったらしい浮竹と京楽が、情事の痕を匂わせている以外は、普通だった。
茶菓子にはシフォンケーキとチョコレートクッキー。
紅茶はアッサムの高級品。
流石に王族なだけあって、いい茶器を使っていたし、出された朝食もだが、お菓子もおいしかった。一流のシェフを雇っているのだろう。
「ルキア、はいあーん」
「自分で食べれるわ、痴れ者が!」
「えー。つまんねーじゃん。じゃあ、浮竹さんあーん」
浮竹は、突然のことに驚きながらも、口を開けた。
その口に、チョコレートクッキーを放り込む。
「ん、うまい」
「浮竹さんってかわいいなぁ」
「ちょっと一護君、浮竹はボクのものだよ。あんまり、ちょっかいかけないでくれるかな」
威嚇してくる京楽が面白くて、一護は浮竹を甘やかす。
「貴様、正妃になる寵姫の前だぞ!浮気か!」
「ふふ、ルキア、嫉妬してくれたのか?」
「な、誰が嫉妬などするか!」
ルキアは真っ赤になって、叫ぶ。
「私は、まだ貴様の正妃ではない。婚約者の寵姫であって、他の気に入った寵姫ができたのなら、私のことなど気にせず、側室として迎えるといい」
「お前は、本当にそれでいいのか?」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアの声が小さくなり、涙を零した。
「不安なのだ。いきなり奴隷にされて、王族の慰み者になると思っていた。だが、違った。でも、目の前にある未来が本当のものか分からなくて、不安なのだ」
一護は、ルキアを抱きしめた。
「幸せにする。だから、俺と結婚してくれ」
「だああああああああ!!!」
リミットブレイク。
ルキアは、一護を見事に背負い投げするのであった。
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