君はアメジスト 京楽と浮竹
浮竹と京楽は、犬の獣人族である。
元々、冒険者だった。
だが、あらぬ嫌疑をかけられて、処刑されそうだったところを、ルキアの兄である朽木白哉に救われた。
その恩義から、朽木家に忠誠を誓い、朽木家の護衛騎士として働くようになった。
二人とも、剣の腕だけでなく、魔法の才能もあったので、白哉はよく二人を護衛につけて自分の領地の視察しにいったりしていた。
大貴族だというだけあって、白哉は命を狙われたことが何度かある。
白哉自身も、千本桜という魔剣を持った凄腕の剣士であるが、さすがに眠っている時や食事している時にまでは身を守れない。
浮竹と京楽は、白哉の護衛騎士であった。
白哉は、他の貴族からの罠でルキアをクロサキ王国への奴隷として献上しなければ、貴族の位を剥奪されるという窮地に立たされて、それでも愛する妹を奴隷として送るようなことはできなくて、ルキアが勝手に奴隷として出立してしまったのだ。
その後を追って、護衛騎士になってくれと白哉に懇願されて、浮竹と京楽はルキアの護衛騎士となった。
「ほーら、とってこい」
「わん!」
「わんわん!!!」
元が犬なので、時折犬姿になって、フリスビーを投げてもらい、それをキャッチしてルキアの元に戻ってくる。
「わん!」
「ん、もっとか?」
「わんわん!!」
浮竹は白い長毛種の犬で、京楽は黒い大型犬だった。
浮竹と京楽は、ルキアのほっぺを舐める。
「あははは、くすぐったい」
「わんわん!」
「わん!」
犬の姿をしている間は、人語はしゃべれなかった。
「くう~ん」
「兄様が恋しいのか?」
「く~ん」
「そうだな。兄様に会いたいなぁ・・・元気にしておられるだろうか」
「中庭で何してるんだ、ルキア?」
「こ、これは!」
浮竹と京楽は人化して、犬の姿で遊んでいたのを恥ずかしそうに赤面していた。
「浮竹と京楽の娯楽に付き合っていた」
「そうか。そんなに照れなくても、犬の獣人って理解してるから、平気だぜ?」
「それでも恥ずかしい・・・・・」
「ボクも・・・・」
浮竹と京楽は、ルキアの傍で手で顔を隠していた。
「ルキア、王都に出てみないか。城にばっかりいたから、息がつまるだろ。浮竹さんと京楽さんももちろん一緒に・・・・・」
「行く!絶対行く!クロサキ王国の城下町には興味があったのだ!」
ルキアは、るんるん気分で着替えた。
なるべく地味な服を着たが、見た目の可憐さを隠すことはできなくて、念のために黒いフードを被った。
一護も、王太子とばれないために、黒いフードをかぶった。
浮竹と京楽も、獣人は珍しいので黒いフードを被った。
「あれはなんだ?あの店は、何を売っているのだ?」
城下町に出て、質問攻めの一護は、ルキアに一つずつ教えていった。
「あれは、騎士の剣を作る工房だ。あっちで売ってるのは、鳥の串焼きだな」
「腹が減ったぞ。あの鳥の串焼きというの、買っていいか?」
「ああ、いいぜ」
「すみません、これ4本ください」
「はいよ、毎度」
ルキアは、持たされたお金で、自分の分だけでなく、一護、浮竹、京楽の分も買った。
「姫、ありがとう」
「姫、ありがとね」
「サンキュー、ルキア」
「うむ・・・うまい。城では味わえない、下町独特の味だな。安いが味はいい」
ルキアは、途中でペットショップをじーっと見つめていた。
「ん?なんか欲しいものでもあんのか?」
「あの青い鳥が綺麗だと思って・・・・・・・」
「買ってやるよ。鳥くらいなら、世話できるだろ?」
「いいのか!?」
きらきらと、ルキアの顔が輝いた。
青い小鳥は、大金貨40枚もした。
朽木家の姫君であるルキアにも、その値段の高さが分かり、買うのをやめようと言い出そうとして、一護に止められた。
「これは、俺からの贈り物だ。受け取ってほしい」
「でも、こんな高価な・・・・・」
「俺はこの国の次期王だぜ?これくらい、余裕だっつの」
「あ、ありがとう」
城に戻ると、青い小鳥にアオという名をつけて、王族特製らしい金の鳥かごにいれて、バルコニー側に鳥かごを置いた。
「ふふ・・・・綺麗だな」
「チチチチチ」
小鳥は、綺麗な声で鳴いた。
「一護の正妃か・・・・悪くない、かもな・・・・・・」
一護は、戴冠式を1カ月延ばした。
一護の戴冠式まで、あと半月を切っていた。
ある日、一護に手紙を出したいと申し出ると、許可された。
早速、兄である白哉に現況と変わりはないかと手紙を出した。3日後には返事が届いて、ルキアが幸せであるならそれでいいと書かれていて、白哉自身はなんとか貴族の地位を保ち領地を守れて、穏やかな日常を過ごしているとのことだった。
「兄様・・・・・」
ルキアは、ぽたぽたと涙を流した。
「会いたい。兄様・・・・・・」
ルキアは、一人になりたいと京楽と浮竹に外に出てもらい、ベッドの枕を抱きしめて、泣いた。
「兄様・・・会いたい」
「ルキア、入るぞ」
「一護、今は入ってくるな!」
「朽木白哉に会いたくて泣いてるんだろう?戴冠式の日に招待しておいた。クロサキ王国の客人として。ちゃんと二人きりで会える時間ももうけてやるから」
「一護・・・・貴様は、何故そうまでして私に優しいのだ」
「ルキアのことが、好きだから」
「一護、私は一護の正妃になる。誰よりも偉くなって、二度と兄様の地位が脅かされないようにする」
「じゃあ、明日結婚式な?」
「「「は?」」」
傍に来ていた浮竹と京楽も一緒に、間抜けな声を出すのであった。
元々、冒険者だった。
だが、あらぬ嫌疑をかけられて、処刑されそうだったところを、ルキアの兄である朽木白哉に救われた。
その恩義から、朽木家に忠誠を誓い、朽木家の護衛騎士として働くようになった。
二人とも、剣の腕だけでなく、魔法の才能もあったので、白哉はよく二人を護衛につけて自分の領地の視察しにいったりしていた。
大貴族だというだけあって、白哉は命を狙われたことが何度かある。
白哉自身も、千本桜という魔剣を持った凄腕の剣士であるが、さすがに眠っている時や食事している時にまでは身を守れない。
浮竹と京楽は、白哉の護衛騎士であった。
白哉は、他の貴族からの罠でルキアをクロサキ王国への奴隷として献上しなければ、貴族の位を剥奪されるという窮地に立たされて、それでも愛する妹を奴隷として送るようなことはできなくて、ルキアが勝手に奴隷として出立してしまったのだ。
その後を追って、護衛騎士になってくれと白哉に懇願されて、浮竹と京楽はルキアの護衛騎士となった。
「ほーら、とってこい」
「わん!」
「わんわん!!!」
元が犬なので、時折犬姿になって、フリスビーを投げてもらい、それをキャッチしてルキアの元に戻ってくる。
「わん!」
「ん、もっとか?」
「わんわん!!」
浮竹は白い長毛種の犬で、京楽は黒い大型犬だった。
浮竹と京楽は、ルキアのほっぺを舐める。
「あははは、くすぐったい」
「わんわん!」
「わん!」
犬の姿をしている間は、人語はしゃべれなかった。
「くう~ん」
「兄様が恋しいのか?」
「く~ん」
「そうだな。兄様に会いたいなぁ・・・元気にしておられるだろうか」
「中庭で何してるんだ、ルキア?」
「こ、これは!」
浮竹と京楽は人化して、犬の姿で遊んでいたのを恥ずかしそうに赤面していた。
「浮竹と京楽の娯楽に付き合っていた」
「そうか。そんなに照れなくても、犬の獣人って理解してるから、平気だぜ?」
「それでも恥ずかしい・・・・・」
「ボクも・・・・」
浮竹と京楽は、ルキアの傍で手で顔を隠していた。
「ルキア、王都に出てみないか。城にばっかりいたから、息がつまるだろ。浮竹さんと京楽さんももちろん一緒に・・・・・」
「行く!絶対行く!クロサキ王国の城下町には興味があったのだ!」
ルキアは、るんるん気分で着替えた。
なるべく地味な服を着たが、見た目の可憐さを隠すことはできなくて、念のために黒いフードを被った。
一護も、王太子とばれないために、黒いフードをかぶった。
浮竹と京楽も、獣人は珍しいので黒いフードを被った。
「あれはなんだ?あの店は、何を売っているのだ?」
城下町に出て、質問攻めの一護は、ルキアに一つずつ教えていった。
「あれは、騎士の剣を作る工房だ。あっちで売ってるのは、鳥の串焼きだな」
「腹が減ったぞ。あの鳥の串焼きというの、買っていいか?」
「ああ、いいぜ」
「すみません、これ4本ください」
「はいよ、毎度」
ルキアは、持たされたお金で、自分の分だけでなく、一護、浮竹、京楽の分も買った。
「姫、ありがとう」
「姫、ありがとね」
「サンキュー、ルキア」
「うむ・・・うまい。城では味わえない、下町独特の味だな。安いが味はいい」
ルキアは、途中でペットショップをじーっと見つめていた。
「ん?なんか欲しいものでもあんのか?」
「あの青い鳥が綺麗だと思って・・・・・・・」
「買ってやるよ。鳥くらいなら、世話できるだろ?」
「いいのか!?」
きらきらと、ルキアの顔が輝いた。
青い小鳥は、大金貨40枚もした。
朽木家の姫君であるルキアにも、その値段の高さが分かり、買うのをやめようと言い出そうとして、一護に止められた。
「これは、俺からの贈り物だ。受け取ってほしい」
「でも、こんな高価な・・・・・」
「俺はこの国の次期王だぜ?これくらい、余裕だっつの」
「あ、ありがとう」
城に戻ると、青い小鳥にアオという名をつけて、王族特製らしい金の鳥かごにいれて、バルコニー側に鳥かごを置いた。
「ふふ・・・・綺麗だな」
「チチチチチ」
小鳥は、綺麗な声で鳴いた。
「一護の正妃か・・・・悪くない、かもな・・・・・・」
一護は、戴冠式を1カ月延ばした。
一護の戴冠式まで、あと半月を切っていた。
ある日、一護に手紙を出したいと申し出ると、許可された。
早速、兄である白哉に現況と変わりはないかと手紙を出した。3日後には返事が届いて、ルキアが幸せであるならそれでいいと書かれていて、白哉自身はなんとか貴族の地位を保ち領地を守れて、穏やかな日常を過ごしているとのことだった。
「兄様・・・・・」
ルキアは、ぽたぽたと涙を流した。
「会いたい。兄様・・・・・・」
ルキアは、一人になりたいと京楽と浮竹に外に出てもらい、ベッドの枕を抱きしめて、泣いた。
「兄様・・・会いたい」
「ルキア、入るぞ」
「一護、今は入ってくるな!」
「朽木白哉に会いたくて泣いてるんだろう?戴冠式の日に招待しておいた。クロサキ王国の客人として。ちゃんと二人きりで会える時間ももうけてやるから」
「一護・・・・貴様は、何故そうまでして私に優しいのだ」
「ルキアのことが、好きだから」
「一護、私は一護の正妃になる。誰よりも偉くなって、二度と兄様の地位が脅かされないようにする」
「じゃあ、明日結婚式な?」
「「「は?」」」
傍に来ていた浮竹と京楽も一緒に、間抜けな声を出すのであった。
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