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夏がやってきた。

尸魂界にも夏がやってくる。今年も猛暑らしく、恋次は非番の日、扇風機をかけて暑さにだれて伸びていた。

「恋次、おらぬのか恋次」

「暑い~~~~~。うおおお、隊長の幻聴が聞こえる」

「恋次」

ひやりとした冷たい手が、頬にあたる。

「た、隊長!?」

恋次の家は、席官に与えられる一角に建っていた。

わざわざ白哉が訪れてくれるなんて思わず、暑さで脱ぎ散らかしていた服をぱぱっと着て、白哉の前に正座する。

「隊長、なんでしょうか!今日は隊長も非番の日のはずですよね」

「ルキアがクーラーが欲しいというので家にとりつけたのだ。暑い中だれているであろう兄を心配していた。かき氷も作るし冷えたスイカも切る故、兄も誘おうと思って」

恋次と白哉は付き合っている。

仲はルキアと一護くらいしかしらないが。

「それで、わざわざ俺を誘いに?」

「想い人に会うのに、理由が必要ではないと思うが、念のため理由をつけてみた」

「いや、誘ってくれるだけでありがたいっす。一緒に行きましょう」

「私は家に帰るだけなのだがな。こう暑いと長距離を歩くのはかなわぬ。瞬歩でいくぞ」

「はい、隊長!」

恋次は尻尾を振る大型犬のように白哉のあとを瞬歩でついていく。

「ついたぞ」

「ぬおおお、これがクーラーの威力‥‥‥涼しい」

現世に何度も訪れている恋次には、クーラーはさして珍しいものではないように見えるが、尸魂界にあるクーラーを見るのは初めてだった。

「さすが朽木家‥‥‥」

「浦原の手で、扇風機はもう普及したが、クーラーはまだ貴族の家くらいしかない。あと執務室くらいだな」

「え、執務室クーラーついたんすか」

「ああ、そうだ」

「やったあ!暑くて書類仕事するのも億劫だったんすよね」

白哉は、一度消えると恋次の元にかき氷をもってきた。

「苺シロップでよかろう。兄の髪と同じ色だ」

「俺はなんでもいいっすよ。隊長も食べないんすか?」

白哉は、恋次が食べようとするかき氷を一口食べてしまう。

「た、隊長!」

綺麗な白い顔(かんばせ)が近くなり、恋次は思わずかき氷の入った器を落としそうになった。

「危ない」

「危ないのは隊長の行動です。俺は隊長に惚れてるんすよ。そんなことされたら、誘っているのかと思ってしまいます」

「そうだとしたら?」

唇を苺のシロップがついたので舐める白哉の行動が、艶めかしいものに見えて恋次は喉を鳴らす。

「その、今夜いいですか」

「よいであろう。逢瀬に使う別邸にもクーラーを用意しておいた。暑い中、汗だくにはなりたくないからな」

かき氷を食べ終えると、ルキアがやってきて冷えたスイカをもってきてくれた。

「兄様の邪魔はしておらぬだろうな、恋次」

「ルキア、俺は今幸福なんだ」

「? よくわからぬが、兄様に失礼のないようにな。こら一護、勝手にかき氷のシロップをあけるな。今日は苺の日なのだ!」

「いいだろ、別に。俺はメロンがいい」

「一護!」

遠くから聞こえてくるルキアと一護の声を聴きながら、恋次は白哉と逢瀬をできると知って、すでに昇天しかけていた。

「恋次、恋次」

「はっ!」

「仕方なのないやつだ」

白哉は、触れるだけのキスを恋次に与える、

恋次は、大型犬だったら尻尾を振りすぎていただろう。

「隊長、続きは?」

「夜になってからだ」

「ううう、生殺しだああ」

恋次はなんとか夜まで我慢して、別邸で白哉を抱くのであった。


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