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教師と式7

「にゃあにゃああ」

「大変だ、子猫が溺れてる!」

それは綺麗な川だったが、子猫が溺れていたのを発見した浮竹は、荷物を陸におくと川で溺れている子猫めかげて飛び込んだ。

びしょぬれになるのもかまわず。

「ねぇ、ちょっと浮竹!」

京楽が、呪符から現れて、浮竹を助けようとする。

「浮竹、大丈夫!?泳げる!?」

「自慢じゃないが泳げない‥‥」

「兄たちは何をしているのだ」

同じく呪符から現れた白哉は、空を飛べるので浮竹と溺れていた子猫と、ついでに川に入って助けようとしていた京楽を空に浮かせて、川から陸に戻した。

「この子猫‥‥‥ただの猫ではないな。猫又だ」

「え、あ、ほんとだ」

白哉が、真っ白な毛並みのオッドアイの子猫を見ると、尻尾が二つあった。

浮竹は、猫又であっても助けたことに後悔はないようだった。

「なぁ、京楽」

「だめ」

「いや、まだ何も言っていないんだが」

「その猫又を飼いたいとかいうんでしょ?浮竹はただでさえあやかしに弱いんだから。だめだよ。猫又は愛らしいけど立派なあやかしだよ」

「でも、家には座敷童や水虎もいるじゃないか」

「だめだよ。猫又は個体にもよるけど人を食う。だめったらだめ」

浮竹はしゅんとなるが、諦めない。

「人を食わないように教え込むから」

「だめだよ。浮竹を危険にさらせない」

「うーん。白哉」

救いを求めて白哉を見るが、白哉も京楽と同意見だった。

「主、こればかりは譲れぬ」

「じゃあ外で飼う。名前は猫吉だ。そうだ、怪異を扱う刑事の俺なら、飼ってくれるかも」

そうして、浮竹と京楽と白哉は、猫吉という変な名前をつけた猫又と一緒に、警察の浮竹の家を訪れる。

チャイムを鳴らすと、ちょうど非番の日であったので刑事の浮竹が出てきた。

「猫又飼わないか」

「いや、俺の家は見ての通りマンションだから、ペットはだめなんだ。それに猫又は怪異だろう。京楽が害してしまいそうだ‥‥‥」

「そうか‥‥‥」

浮竹はがっくりとなって、猫吉を抱きしめる。

「にゃあ?」

「猫吉、やっぱり俺の家においで」

刑事の浮竹の家を後にして、浮竹はそう言った。

「浮竹!あやかしは、これ以上は」

「京楽、飼うの許してくれたら今週一週間は俺を好きにしていいから!」

「ぐ、そうきたか‥‥」

浮竹と京楽は恋人同士であるが、肌を重ね合わせるのは本当にたまれだ。

1カ月に1,2回あるかないか。

欲に負けて、京楽はOKを出す。

「仕方ないね。ちゃんとしつけること。それと浮竹がちゃんと面倒を見ること。これが条件だよ」

「分かった!」

浮竹は、猫吉と名前のつけた猫又をとりあえず屋敷のルキアに任せて、ペットショップに京楽と白哉を連れて入る。

「エサはキャットフードでいいよな?」

「チュールも食べるんじゃない?」

「トイレと猫砂も買わないとな。あとはおもちゃとか‥‥‥」

「このキャットタワーというものはおもしろそうだ。これも買ってはどうだ?」

白哉も、もう猫又を飼うことに反対はしなかった。

飼うからには、きちんとしつけて居心地がいい場所にしたい。

「車できたが、荷物全部入るかな?」

「スペースがない時は京楽が呪符に戻ればいい」

「ちょっと、そこは白哉くんが呪符に戻るべきでしょ!」

「はいはい、ケンカしない」

「むう」

「ふん」

京楽と白哉は、仲はそれなりにいいが、たまにケンカする。

こうして、浮竹の住む屋敷には座敷童、水虎の他に猫又が加わった。


夜になって、眠っている浮竹のベッドに京楽が侵入してくる。

「ん、京楽?なんだ、こんな夜中に」

「1週間、君のこと好きにしていいんでしょ?抱かせてよ」

「え」

浮竹は固まる。

ただ適当に出した条件だったので、本当になるとは思ってなかったのだ。

「あれは、言葉のあやで」

「ボクのこと嫌い?最後に抱いたのは1カ月以上も前だよ。たまにはいいじゃない」

「んう」

口づけされて、浮竹は京楽を抱きしめた。

浮竹は人だ。あやかしでもある京楽より、欲がある。

「あ、春水‥‥」

浮竹は、とろんと濡れた瞳で京楽を見上げる。

ごくりと、京楽は唾を飲み込む。

前の浮竹とは体の関係はなかった。今の浮竹とはあった。

「あ、来い‥‥」

京楽は、浮竹の衣服を脱がしていく。念のため、結界をはる。

「ううん」

深く口づけられて、浮竹の欲にも火が灯る。

「お前の子種を俺の中で出せ」

「もちろん」

「あ!」

京楽はローションで濡れた指で浮竹の蕾を解していく。

「あっ、んあ」

前立腺をかすめる指に、浮竹は声を漏らす。

「もういい、から‥‥‥早く、来い」

「痛かったら言ってね?」

「ひあああああ!」

灼熱に引き裂かれて、浮竹はちょっと痛そうな顔をするが、すぐに情欲にとろんとなった目をする。

「ここ、いい?]

「あ、ひあ、いい、いいからもっとおお」

「十四郎は、エロいねぇ」

「やああ、春水」

最奥を突きあげてやると、浮竹は精液を放っていっていた。同時オーガズムで中いきもしている。

「ああ、奥、もっとお」

「奥、ぐりぐりしてあげるね?」

「ひあん」

奥をぐりぐりと抉り、前立腺も刺激するように動くと、浮竹が背を弓なりにしならせる。

「ああああ、いっちゃうううう」

「もっといっていいよ?十四郎、綺麗だよ?」

「ひああああ、あ、あ」

浮竹は、自分の最奥に京楽の子種がびゅるびゅると勢いよく吐き出されるのを感じながら、またオーガズムでいっていた。

「やああん、孕むう」

「孕んだら責任もつから」

男同士で子などできるわけがないのだが、そんなことを言い合って、交わる。

「ひあん、もっとおおお」

「十四郎は、欲深いねぇ。子種いっぱい注いであげたのに、まだ足りないの?」

「まだ、全然足りない。もっと」

「好きだよ、十四郎」

「俺も好きだ、春水」

次の日は日曜で休みなので、浮竹と京楽は互いの欲がなくなるまで交わり続け、浮竹は寝不足で昼まで寝るのであった。


「主、兄は京楽に甘すぎる」

「いや、まぁでも恋人同士だし?」

「式を恋人とするはどうかと思うが」

「白哉にも恋人はいるじゃないか。確か同じ椿の花鬼の恋次くん‥‥‥」

「私のことはどうでもよいのだ」

若干赤くなる白哉を、浮竹はかわいいなぁと見つめる。

浮竹にとって、京楽は恋人で白哉は弟のような存在であった。式であるが。

「今度、俺も恋次くんい会いにいくか」

「兄は、そんなことはしなくていい」

慌てる白哉が珍しくて、浮竹は笑う。京楽も何気にその場にいてニマニマしていた。

「兄は、何か文句でもあるのか!」

白哉が、京楽に雷を落とす。

「あちちちち、いや、白哉くんも青春してるねぇと思って」

「京楽、兄はそもそも主に‥‥‥」

延々と続く白哉のお説教を聞きながら、京楽は今夜も浮竹を抱こうなどと思っているのであった。


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