浮竹が生きている世界線5
浮竹は神掛けをして一度は死んだ。
しかし、17歳くらいの肉体の若さで、院生時代の姿である日、京楽の寝ている隣で京楽が起きるとそんな浮竹が寝ていた。
一度は地獄にいったのだが、なぜか尸魂界に若い姿で生き返ってしまったのだ。
浮竹が生きていると分かるといろいろ問題が出てくるので、浮竹は浮竹家の弟ということされた。
一番似ていた弟が髪を白く染め、緑色に瞳を変えたのだと、京楽は世間に触れ回っていた。
京楽が浮竹とできているのは尸魂界でも有名で、京楽はついに浮竹の弟に手を出すまで恋しくなったのかと哀れみや同情の視線が向けられる。
「あ、浮竹さん、京楽隊長、おはぎ作ったので食べてください」
「ああ、ありがとう」
浮竹の弟ということになっているが、浮竹隊長であった時代の浮竹とあまりにも似ているので、ルキアなどはたまに顔を見にやってくる。
「ありがとね、ルキアちゃん」
「いえ、それでは浮竹隊長‥‥じゃなかった、浮竹さん」
「ああ」
浮竹は、ルキアに手を振る。
「ルキアちゃんね、恋次君と結婚して赤ちゃんがいるんだよ」
「なに、本当か!挨拶に行かねば!」
「だめでしょ。君は浮竹隊長ではない。隊長の弟ってことで通してるんだから」
「ああ、そうだったな。今度、遠目から見に行ってもいいか」
「うん。ボクと一緒に行こう」
浮竹は、京楽の仕事の補佐をしていた、
雨乾堂は取り壊されて、浮竹には行く当てがない。
京楽の屋敷や、1番隊の隊首室などで過ごしたりしていた。
若い浮竹は、京楽の旺盛な性欲についてこれた。生前の体の病弱さや肺の病は新しい体にはなく、京楽が満足するまで抱かれることもしばしばだった。
「京楽、かき氷が食いたい」
「ああ、残暑が厳しいからねぇ。仕事がもう少しで終わりそうだから、終わったら甘味屋にでもいくかい?」
「行く!」
浮竹と京楽は、その日の書類仕事をほぼ浮竹がやってしまったせいで早く終わらせられた。
甘味屋にいくと、まだかき氷をやっていた。
暦は9月の半ば。
まだ残暑が厳しい季節だ。
「俺はいちご味で。こいつにはメロン味を」
「ちょっと浮竹、ボクは宇治金時が」
「お前の分は半分俺が食うから、メロンにしろ」
「はいはい」
かき氷をもらい、店の外で食べた。
チリリンと、風鈴が鳴る。
「夏も、終わりだな」
「そうだね」
浮竹が生き返って、2カ月が経とうとしていた。
「俺は、いつまでこうやってこの世界にいれるんだろぅ」
「ずっとだよ。ボクが、君を手放さない」
京楽の独占欲は激しく、浮竹をしばりつける。
しかし、それは浮竹にとって苦ではなかった。
「かき氷、半分もらうぞ」
「食べさせてあげる」
「む。まぁいいか」
「はい、あーん」
「あーん」
京楽の手でメロンのかき氷を食べさせられて、浮竹は幸せそうだった。でも、京楽はその数倍は幸福をかみしめていた。
浮竹が生きている。
体は温かく、鼓動を打って、息をしている。
同じ空間にいれるだけで、幸せだった。
「浮竹、他のものは食べなくていいのかい?」
「今日はかき氷だけでいい。お前と甘味屋に行くのはいつでも行けるからな」
「うん」
京楽は微笑んだ。
その次の日、一緒の布団で眠ったのだが、朝起きると浮竹の姿がなく、霊圧を探しても見つからないので、京楽は叫びそうになっていた。
「どうしたんだ、京楽?」
浮竹は、井戸の傍にいた。暑いので、行水していたのだ。霊圧はいつも通りあやふやで、浮竹の近くにいたら隊長時代の浮竹に似た霊圧をかんじることもあるが、いつもは弱弱しい。
「何も言わないで、いなくならないで」
京楽は、目を覆った。
片目となってしまった鳶色の瞳から、涙があふれてくる。
「なんなんだ。俺は、お前の傍にずっといるぞ?」
「ほんとに?」
「ああ、本当だ」
ちゅっと音をたてて、浮竹は屈んで濡れることも構わず浮竹の体を抱きしめる京楽の額にキスをした。
「ああ、京楽お前までびしょびしょじゃないか。まぁいいか。一緒に行水しよう」
井戸の水は冷たく、心地よかった。
浮竹は、着物を脱いでタオルで体をふく。そして新しい着物を着た。
「ああ、待ってろ。お前の分の着替えももってきてやる」
もう2カ月は滞在しているので、京楽の家のどの部屋に何があるのか分かるようになっていた。
「待たせたな」
浮竹は、タオルと京楽の着物をもってきた。
着物といっても、浴衣に近く、浮竹も同じようなものを着ていた。
「まだ、朝早いし、今日は非番だからもう一度寝よう」
「うん」
浮竹に手を握られて、京楽は寝室に歩き出す。
「へ、変なことはするなよ?」
「しないよ。でも、抱きしめさせて?」
「まぁ、それくらいなら」
布団の中で、京楽は腕の中に浮竹を抱き込んで離さない。
浮竹は、すぐに眠りに落ちてしまった。
浮竹の体が、すーっと透けていく。
「浮竹?」
「ん‥‥」
魂魄が、ここにいるべきではないと囁いていた。
京楽は、それを己の霊圧で捻じ曲げて、浮竹の魂魄をがんじがらめにする。
「君が、この世界からもう一度消えるなんて、ボクは許さない」
京楽は、浮竹を強く抱きしめて口づける。
「んっ」
浮竹がぼんやりと目を開けるが、すぐに閉じて覚醒しかけたのにまた眠りに入る。
「浮竹。君はボクのものだ。もう、二度と手放さない。勝手に死ぬのもいなくなるのも許さない」
京楽は、狂気めいた鳶色の左目で、腕の中で眠る浮竹を見つめ続けるのであった。
しかし、17歳くらいの肉体の若さで、院生時代の姿である日、京楽の寝ている隣で京楽が起きるとそんな浮竹が寝ていた。
一度は地獄にいったのだが、なぜか尸魂界に若い姿で生き返ってしまったのだ。
浮竹が生きていると分かるといろいろ問題が出てくるので、浮竹は浮竹家の弟ということされた。
一番似ていた弟が髪を白く染め、緑色に瞳を変えたのだと、京楽は世間に触れ回っていた。
京楽が浮竹とできているのは尸魂界でも有名で、京楽はついに浮竹の弟に手を出すまで恋しくなったのかと哀れみや同情の視線が向けられる。
「あ、浮竹さん、京楽隊長、おはぎ作ったので食べてください」
「ああ、ありがとう」
浮竹の弟ということになっているが、浮竹隊長であった時代の浮竹とあまりにも似ているので、ルキアなどはたまに顔を見にやってくる。
「ありがとね、ルキアちゃん」
「いえ、それでは浮竹隊長‥‥じゃなかった、浮竹さん」
「ああ」
浮竹は、ルキアに手を振る。
「ルキアちゃんね、恋次君と結婚して赤ちゃんがいるんだよ」
「なに、本当か!挨拶に行かねば!」
「だめでしょ。君は浮竹隊長ではない。隊長の弟ってことで通してるんだから」
「ああ、そうだったな。今度、遠目から見に行ってもいいか」
「うん。ボクと一緒に行こう」
浮竹は、京楽の仕事の補佐をしていた、
雨乾堂は取り壊されて、浮竹には行く当てがない。
京楽の屋敷や、1番隊の隊首室などで過ごしたりしていた。
若い浮竹は、京楽の旺盛な性欲についてこれた。生前の体の病弱さや肺の病は新しい体にはなく、京楽が満足するまで抱かれることもしばしばだった。
「京楽、かき氷が食いたい」
「ああ、残暑が厳しいからねぇ。仕事がもう少しで終わりそうだから、終わったら甘味屋にでもいくかい?」
「行く!」
浮竹と京楽は、その日の書類仕事をほぼ浮竹がやってしまったせいで早く終わらせられた。
甘味屋にいくと、まだかき氷をやっていた。
暦は9月の半ば。
まだ残暑が厳しい季節だ。
「俺はいちご味で。こいつにはメロン味を」
「ちょっと浮竹、ボクは宇治金時が」
「お前の分は半分俺が食うから、メロンにしろ」
「はいはい」
かき氷をもらい、店の外で食べた。
チリリンと、風鈴が鳴る。
「夏も、終わりだな」
「そうだね」
浮竹が生き返って、2カ月が経とうとしていた。
「俺は、いつまでこうやってこの世界にいれるんだろぅ」
「ずっとだよ。ボクが、君を手放さない」
京楽の独占欲は激しく、浮竹をしばりつける。
しかし、それは浮竹にとって苦ではなかった。
「かき氷、半分もらうぞ」
「食べさせてあげる」
「む。まぁいいか」
「はい、あーん」
「あーん」
京楽の手でメロンのかき氷を食べさせられて、浮竹は幸せそうだった。でも、京楽はその数倍は幸福をかみしめていた。
浮竹が生きている。
体は温かく、鼓動を打って、息をしている。
同じ空間にいれるだけで、幸せだった。
「浮竹、他のものは食べなくていいのかい?」
「今日はかき氷だけでいい。お前と甘味屋に行くのはいつでも行けるからな」
「うん」
京楽は微笑んだ。
その次の日、一緒の布団で眠ったのだが、朝起きると浮竹の姿がなく、霊圧を探しても見つからないので、京楽は叫びそうになっていた。
「どうしたんだ、京楽?」
浮竹は、井戸の傍にいた。暑いので、行水していたのだ。霊圧はいつも通りあやふやで、浮竹の近くにいたら隊長時代の浮竹に似た霊圧をかんじることもあるが、いつもは弱弱しい。
「何も言わないで、いなくならないで」
京楽は、目を覆った。
片目となってしまった鳶色の瞳から、涙があふれてくる。
「なんなんだ。俺は、お前の傍にずっといるぞ?」
「ほんとに?」
「ああ、本当だ」
ちゅっと音をたてて、浮竹は屈んで濡れることも構わず浮竹の体を抱きしめる京楽の額にキスをした。
「ああ、京楽お前までびしょびしょじゃないか。まぁいいか。一緒に行水しよう」
井戸の水は冷たく、心地よかった。
浮竹は、着物を脱いでタオルで体をふく。そして新しい着物を着た。
「ああ、待ってろ。お前の分の着替えももってきてやる」
もう2カ月は滞在しているので、京楽の家のどの部屋に何があるのか分かるようになっていた。
「待たせたな」
浮竹は、タオルと京楽の着物をもってきた。
着物といっても、浴衣に近く、浮竹も同じようなものを着ていた。
「まだ、朝早いし、今日は非番だからもう一度寝よう」
「うん」
浮竹に手を握られて、京楽は寝室に歩き出す。
「へ、変なことはするなよ?」
「しないよ。でも、抱きしめさせて?」
「まぁ、それくらいなら」
布団の中で、京楽は腕の中に浮竹を抱き込んで離さない。
浮竹は、すぐに眠りに落ちてしまった。
浮竹の体が、すーっと透けていく。
「浮竹?」
「ん‥‥」
魂魄が、ここにいるべきではないと囁いていた。
京楽は、それを己の霊圧で捻じ曲げて、浮竹の魂魄をがんじがらめにする。
「君が、この世界からもう一度消えるなんて、ボクは許さない」
京楽は、浮竹を強く抱きしめて口づける。
「んっ」
浮竹がぼんやりと目を開けるが、すぐに閉じて覚醒しかけたのにまた眠りに入る。
「浮竹。君はボクのものだ。もう、二度と手放さない。勝手に死ぬのもいなくなるのも許さない」
京楽は、狂気めいた鳶色の左目で、腕の中で眠る浮竹を見つめ続けるのであった。
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