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ドラゴン族の子とミミック16

Sランクの浮竹は、神に愛という名の呪いを受けた不死者だった。そして、彼がもつ霊刀はかつてドラゴンスレイヤーと呼ばれていた。

「先生、もう一度お願いします!」

浮竹は、Sランクの浮竹から剣術の指南を受けていた。

ちなみに、京楽は精霊の姿をとった霊刀の京楽と魔法のぶつかりあいをしている。無論、霊刀の京楽は手加減をしている。彼が本気を出すと、禁忌の魔法で京楽は跡形もなく吹き飛んでしまうであろう。

「ファイアサークル!」

『アイシクルランス!』

「アシッドレイン!」

『カラミティフレア!』

京楽が魔法を放つと、それを打ち消すような魔法を霊刀の京楽は唱える。

『さぁ、まだまだ魔力残ってるでしょ!もっと思い切りぶっぱしてみなよ!』

「アルティメットノヴァ!」

『お、見たことのない魔法だね。しかも禁忌ときたね?』

地面が抉れて巨大なクレーターが残るが、霊刀の京楽は結界魔法で凌いでしまった。

『あーあー。禁忌を撃つには魔力がまだまだ足りてないね。もう一度、基礎の瞑想からやり直しだね?』

「ああ、くそ、浮竹が使った時はもっと威力あったのに」

京楽は、最近アルティメットノヴァという誰も知らなかった禁忌の魔法を、使えるようになっていた。

ちなみにミミックがドロップした古代の魔法書に記された魔法であった。

使えるのははじめ浮竹だけであったが、最近やっと京楽も習得したのだ。

『魔法の才能は、君より竜人の浮竹のほうが得意そうだね』

「そうだよ。だから、あえて苦手な方を修行してる」

『ふ~ん』

一方浮竹は。

Sランクの浮竹の剣技に翻弄されていた。

「ここだ!」

『甘い!』

「く、ドラゴニックオーラ!」

浮竹は、竜人族だけが使える身体強化魔法を使うが、それでもSランクの浮竹にはかなわない。

剣を剣でからみとられて、Sランクの浮竹は浮竹の喉元に剣の切っ先をつきつける。

『また、俺の勝ちだな。まぁ、攻撃魔法を使ってはいけないという決まりだったから、攻撃魔法を練り合わせてこられたら、ちょっとだけやばかったかもしれない』

「はぁ‥‥‥‥ちょっとかぁ」

「きしきしきし」

ポチが、応援にきてくれていた。

『それにしても、あのポチってミミック、ミミックの王様だったんだな』

「きしききし」

『びゃあびゃあ』

Sランクの浮竹たちの家にいるミミックのサチと、ポチは仲良さげに跳ねまわっていた。

「ああ、俺も驚いた。脱皮して、純金の体のミミックになったんだ」

『純金‥‥‥‥』

Sランクの浮竹は、ちょっとだけいいなと思った。

「ちなきに、食べるものが金貨になった。まぁ、金貨を与え続けていると、金塊をドロップしてくれるので、黒字だがな」

『金塊‥‥‥』

『ちょっと、浮竹?』

そこへ、京楽との稽古を終わらせたというか、京楽は基礎の瞑想をやらされていて、霊刀の京楽がSランクの浮竹を、窘めるように声をかける。

『べ、別にほしいなんて思ってないんだからな!』

「ポチは、いくら先生でもあげない。ポチは俺と同じ墓に入るんだ」

『でも、ミミックって寿命が5年くらいなんでしょ?』

「黄金ミミックは数百年生きる」

『へぇ』

「長く一緒に居られるので、他のミミックのように看取ることがないから、安心して飼えるんだ」

ぐうううう。

そこで、瞑想をしている京楽の腹のむしがなって、いったん休憩ということになった。

午後は浮竹も京楽も瞑想をして、魔力を高める修行した後、魔力がからっぽになるまで魔法を撃ち続けて、そうすることで魔力がより高まるのだ。

『さぁ、今日はここまでだ。今日は泊まっていくんだろう?』

「先生と同じ風呂‥‥‥」

『ちょっといっちゃった目をしてる子がいるけど、浮竹はボクと一緒にお風呂に入るからね?』

「ちっ」

『今、舌打ちしたね!?』

「きしきしきしきし」

『あいたたた、ミミックをけしかけないでよ!』

「浮竹にはボクがいるでしょ?」

京楽は、浮竹の頭を撫でる。

浮竹はむぎゅーーっと京楽に抱きついた後、自分の師匠であるSランクの浮竹に抱きついた。

「やっぱり、京楽は抱き心地が悪い。先生のほうがいい」

「ええ!?」

『まぁ、夕飯にしよう』

「あ、作るの手伝います」

『じゃあ、サラダにする野菜切って洗ってくれるかな』

京楽は、浮竹に抱き心地が悪くてとSランクの浮竹の方がいいと言われたのがショックで呆けている。

「京楽。京楽?」

「え、あ、へ?」

「夕ご飯いらないのか?」

「いるよ!」

「じゃあ、早く席につけ」

わりと豪華な食事を振る舞われた。

風呂は京楽と浮竹で入った。お泊りなので、浮竹と京楽は客室のベッドを借りて寝た。

ベッドは1つだったので、やや窮屈だったが仕方ない。

朝起きると、真っ暗だった。

「ああ、暗い!?」

「ポチがお前の頭をかじってる」

「ほぎゃあああああああああ」

かじかじとかじられて、浮竹は楽し気に京楽を見ていた。

「お前とポチは、仲がいいなぁ」

「いや、なんか食われてるんだけど!?」

「ポチはもう金貨か黄金細工のものしかくわんぞ」

「なんて贅沢なミミックだ‥‥‥‥って、暗いよ狭いよ息苦しいよおおお」

「仕方のないやつだ」

ポチを撫でて、浮竹は京楽から離れるように命令すると、ポチは従順に従った。

「はぁ‥‥‥‥食われるかと思ったよ」

「ポチがお前を食ったら、黄金の京楽をドロップか」

「縁起でもないこと言わないでえええ」

朝食を食べて、ポチには金貨を5枚あげた。

「きしきしいいいい」

ポチが、金塊をドロップする。

「あ、この金塊もらってください」

『いいのか?』

「はい。泊まらせてもらってるのと、稽古つけてもらってるお礼に。少ないですけど」

『じゃあ、ありがたくもらっておく』

断ることは、浮竹を傷つける気がしたので、Sランクの浮竹は金塊をもらっておいた。

「じゃあ、昨日の続きお願いします!」

「ボクも!」

Sランクの浮竹と霊刀の京楽は、しごきがいがありそうな二人を見て、笑みを浮かべるのだった。

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