白猫と黒猫の亜人26
浮竹は甘いものが好きだ。
今日は、1年に1回の狐祭りだった。
いろいろな屋台が並んでいた。
「浮竹、一緒に行こうか」
「ああ」
屋台を見て歩いて、浮竹は立ち止まる。
チョコバナナ。看板にはそう書いてあった。
「食べたい?」
「え、あ」
「すみません、2本ください」
「毎度あり」
京楽は、チョコバナナを自分の分も購入して、一本を浮竹に渡す。
「ありがとう」
やや頬を染めて、浮竹はチョコバナナを食べていく。
「そういえば、君チョコレート好きだったね。まぁ、チョコに限らず甘いものが好きみたいだけど」
「りんご飴も、買っていいか?」
京楽は苦笑する。京楽が買ってあげた。
りんご飴にかじりつく浮竹の頬に、飴がついたので舌で舐めとると、浮竹は真っ赤になった。
「こ、こんな人がいっぱいいる場所では、やめろ」
「いいじゃない。減るものじゃなし」
「俺が、恥ずかしいんだ」
浮竹は、食べかけのりんご飴を京楽の口の中につっこむ。
「りんご飴、もういっこ買ってくる!」
「かわいい‥‥」
京楽は、しゃりっとりんご飴をかじりながら、浮竹が帰ってくるのを待った。
「ねえ、金魚すくいあるよ。やってみる?あれ、そのりんご飴は?」
袋にいれてもらっているりんご飴をみて、浮竹が答える。
「サタンへのお土産だ。金魚すくい、1回だけする」
「君がする?」
「いや、京楽がしてくれ。あの白い子がいい」
金魚にしては珍しい、白い金魚が泳いでいた。
「ふふふふ、ボクの腕にかかれば」
京楽は、白い金魚をすくってみせた。
他にもすくおうとしたが、ポイが破れてしまった。
「もう一度する?」
「いや、いい。あ、風船売ってる。あれ、買ってくれ」
浮竹は、白い金魚の入った小さな袋を手首にぶら下げて、次々と興味を祭りのものにうつしていく。
焼きそばやらたこ焼きやらを食べていると、花火があがりだした。
「丘に登ろう。もっと綺麗に見えるはずだ」
京楽と一緒に、けっこう高い位置にある丘に風の魔法で身を浮かせてたどり着くと、そこに座った。他に客はいなくて、よく晴れた夜空の下で花火が咲いて消えていくのを見る。
「綺麗だな」
「綺麗だね」
「京楽、お前花火見ないで俺の顔見ていってないか?」
「うん。君の緑の瞳に映る花火みてたの。綺麗だなと思って。君が」
「恥ずかしいやつ」
浮竹は、京楽と手を繋ぐ。
「本当に、恥ずかしいやつなのだ」
にゃあと、白銀の猫が背後にいた。
「サ、サタン!?」
「我に内緒でこのような。そのりんご飴を渡すがよい」
「ああ、これはお前のために買ったやつだ」
「うむ。苦しゅうない」
サタンにりんご飴をあげて、京楽はテレポートの魔法をサタンにかけて、白哉の屋敷に戻してしまう。
「京楽?」
「せっかくのデートなんだからさ。サタンの相手なんていつでもできるし。お祭りは、今日だけだからね」
「サタン、怒ってるだろうな。焼きトウモロコシでも、土産に買って帰るか」
二人は、手を繋ぎ合いながら、花火を見終えると、また屋台で射的をしたりヨーヨー釣りをしたりして遊ぶ。
ひとりしき遊んで、浮竹と京楽は家に戻る。
サタンのために、焼きトウモロコシとタコ焼きをお土産にした。
「うぬう、我を追いやるとは。やるな」
「お土産あるから、怒るなよ?」
「うむ、苦しゅうない」
京楽は、サタンを無視して、同じくお土産に買ったりんご飴とイカ焼きを、白哉に渡す。
「これは?」
「白哉君、仕事で忙しくてこれなかったでしょ?だから、お土産」
「ありがとう」
白哉は柔らかい表情になる。
お土産を食べ終わったサタンを抱き上げる。
「ああ、サタン!そこは俺の特等席!」
恋次が、赤い猫になって、白哉にすり寄る。
白哉はため息をついて、サタンを地面に下ろすと、恋次を抱き上げた。
「ふふん」
得意げな顔になる恋次を無視して、サタンは他の猫たちに挨拶をされていた。
「うむうむ、よきにはからえ」
「サタン、なんかなじんじゃってるね」
「はじめはどうなることかと思ったんだが、みんなと仲良くやれているようでよかった」
「浮竹、京楽。兄らがいない時は少し寂しい顔をするのだ。ああ見えて、寂しがり屋かもしれぬ」
白哉は、お土産にと買ってもらったりんご飴とイカ焼きを食べるため、恋次を連れて自室に戻る。
「白哉さん、来年は俺たちも祭りに参加しましょうね」
「時間があったらな」
浮竹と京楽は、自分たちの一軒家に戻る。
小さな水槽を用意して、その中に白い金魚を入れた。金魚はすいすい泳ぎ、元気にしていた。
白哉のつてで金魚のえさをもらい、あげてみると、口をぱくぱくさせて餌を食べる。
「ふふ、かわいいな」
「かわいいね?」
「お前、今俺の顔見ていっただろう」
「うん」
「恥ずかしいやつ。今日で言うの二度目か」
「他の猫は、この白い金魚おいしいそうって顔で見てたね」
「サタンもな」
悪魔王サタンは、白銀の毛並みの猫に転生してしまい、今猫人生まっしぐらだった。
猫な人生も悪くないと、しばらく平和に暮らすようであった。
浮竹と京楽は、一つのベッドで互いを抱きしめあいながら眠る。
サタンの存在に、サタナシア・オルタナティブは大人しくしている。
「我は、この世界を‥‥‥‥」
サタンは、星空を見上げてから、二人で仲良く眠っている浮竹と京楽のベッドに忍び込み、一緒に眠るのであった。
今日は、1年に1回の狐祭りだった。
いろいろな屋台が並んでいた。
「浮竹、一緒に行こうか」
「ああ」
屋台を見て歩いて、浮竹は立ち止まる。
チョコバナナ。看板にはそう書いてあった。
「食べたい?」
「え、あ」
「すみません、2本ください」
「毎度あり」
京楽は、チョコバナナを自分の分も購入して、一本を浮竹に渡す。
「ありがとう」
やや頬を染めて、浮竹はチョコバナナを食べていく。
「そういえば、君チョコレート好きだったね。まぁ、チョコに限らず甘いものが好きみたいだけど」
「りんご飴も、買っていいか?」
京楽は苦笑する。京楽が買ってあげた。
りんご飴にかじりつく浮竹の頬に、飴がついたので舌で舐めとると、浮竹は真っ赤になった。
「こ、こんな人がいっぱいいる場所では、やめろ」
「いいじゃない。減るものじゃなし」
「俺が、恥ずかしいんだ」
浮竹は、食べかけのりんご飴を京楽の口の中につっこむ。
「りんご飴、もういっこ買ってくる!」
「かわいい‥‥」
京楽は、しゃりっとりんご飴をかじりながら、浮竹が帰ってくるのを待った。
「ねえ、金魚すくいあるよ。やってみる?あれ、そのりんご飴は?」
袋にいれてもらっているりんご飴をみて、浮竹が答える。
「サタンへのお土産だ。金魚すくい、1回だけする」
「君がする?」
「いや、京楽がしてくれ。あの白い子がいい」
金魚にしては珍しい、白い金魚が泳いでいた。
「ふふふふ、ボクの腕にかかれば」
京楽は、白い金魚をすくってみせた。
他にもすくおうとしたが、ポイが破れてしまった。
「もう一度する?」
「いや、いい。あ、風船売ってる。あれ、買ってくれ」
浮竹は、白い金魚の入った小さな袋を手首にぶら下げて、次々と興味を祭りのものにうつしていく。
焼きそばやらたこ焼きやらを食べていると、花火があがりだした。
「丘に登ろう。もっと綺麗に見えるはずだ」
京楽と一緒に、けっこう高い位置にある丘に風の魔法で身を浮かせてたどり着くと、そこに座った。他に客はいなくて、よく晴れた夜空の下で花火が咲いて消えていくのを見る。
「綺麗だな」
「綺麗だね」
「京楽、お前花火見ないで俺の顔見ていってないか?」
「うん。君の緑の瞳に映る花火みてたの。綺麗だなと思って。君が」
「恥ずかしいやつ」
浮竹は、京楽と手を繋ぐ。
「本当に、恥ずかしいやつなのだ」
にゃあと、白銀の猫が背後にいた。
「サ、サタン!?」
「我に内緒でこのような。そのりんご飴を渡すがよい」
「ああ、これはお前のために買ったやつだ」
「うむ。苦しゅうない」
サタンにりんご飴をあげて、京楽はテレポートの魔法をサタンにかけて、白哉の屋敷に戻してしまう。
「京楽?」
「せっかくのデートなんだからさ。サタンの相手なんていつでもできるし。お祭りは、今日だけだからね」
「サタン、怒ってるだろうな。焼きトウモロコシでも、土産に買って帰るか」
二人は、手を繋ぎ合いながら、花火を見終えると、また屋台で射的をしたりヨーヨー釣りをしたりして遊ぶ。
ひとりしき遊んで、浮竹と京楽は家に戻る。
サタンのために、焼きトウモロコシとタコ焼きをお土産にした。
「うぬう、我を追いやるとは。やるな」
「お土産あるから、怒るなよ?」
「うむ、苦しゅうない」
京楽は、サタンを無視して、同じくお土産に買ったりんご飴とイカ焼きを、白哉に渡す。
「これは?」
「白哉君、仕事で忙しくてこれなかったでしょ?だから、お土産」
「ありがとう」
白哉は柔らかい表情になる。
お土産を食べ終わったサタンを抱き上げる。
「ああ、サタン!そこは俺の特等席!」
恋次が、赤い猫になって、白哉にすり寄る。
白哉はため息をついて、サタンを地面に下ろすと、恋次を抱き上げた。
「ふふん」
得意げな顔になる恋次を無視して、サタンは他の猫たちに挨拶をされていた。
「うむうむ、よきにはからえ」
「サタン、なんかなじんじゃってるね」
「はじめはどうなることかと思ったんだが、みんなと仲良くやれているようでよかった」
「浮竹、京楽。兄らがいない時は少し寂しい顔をするのだ。ああ見えて、寂しがり屋かもしれぬ」
白哉は、お土産にと買ってもらったりんご飴とイカ焼きを食べるため、恋次を連れて自室に戻る。
「白哉さん、来年は俺たちも祭りに参加しましょうね」
「時間があったらな」
浮竹と京楽は、自分たちの一軒家に戻る。
小さな水槽を用意して、その中に白い金魚を入れた。金魚はすいすい泳ぎ、元気にしていた。
白哉のつてで金魚のえさをもらい、あげてみると、口をぱくぱくさせて餌を食べる。
「ふふ、かわいいな」
「かわいいね?」
「お前、今俺の顔見ていっただろう」
「うん」
「恥ずかしいやつ。今日で言うの二度目か」
「他の猫は、この白い金魚おいしいそうって顔で見てたね」
「サタンもな」
悪魔王サタンは、白銀の毛並みの猫に転生してしまい、今猫人生まっしぐらだった。
猫な人生も悪くないと、しばらく平和に暮らすようであった。
浮竹と京楽は、一つのベッドで互いを抱きしめあいながら眠る。
サタンの存在に、サタナシア・オルタナティブは大人しくしている。
「我は、この世界を‥‥‥‥」
サタンは、星空を見上げてから、二人で仲良く眠っている浮竹と京楽のベッドに忍び込み、一緒に眠るのであった。
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