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血と聖水と名において24

ハンターギルドに行くと、ギルドマスターに呼び出された。

依頼かと思えば、今居候しているドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽の話だった。

「いやぁ、すごく強くてねぇ。ローブを着てフードを被っていて、誰かまでは分からなかったけど、二人組でハンターでもないのに、ヴァンパイアを退治していたそうだ」

「はぁ。それがなにか」

「いやねぇ、会ったら教えてほしいんだ。ヴァンパイアハンターとしてスカウトしたい」

「はぁ」

まさか、ドラゴンサモナーとパートナードラゴンだとは思ってもいないのだろう。

ちなみに、居候中であることを京楽が話しそうになったので、思い切り足を踏んづけてやった。

「じゃあ、この依頼引き受ける」

「ああ、処女の少女だけを狙うヴァンパイアだね。ロリコンでねえ。被害者は花嫁にされるわけでもないけれど、血を吸われて純潔を奪われて、酷いものさ」

「まだ、年端もいかぬ少女だけを狙うなんて、変態ヴァンパイアだね」

「変態の意味ではお前と勝負できそう・・・・にないな。確実にお前のほうが変態だ」

「えええええ」

「自覚がないのか」

「あるけど」

「あるんかい!」

漫才のようなことをしながら、巨大化したフェンリルの背に乗って、風の上位精霊ジルフェに、被害が集中しているモアナ村まで転移してもらった。

「おとりがいるからな。特殊に調合した薬を飲む。頼むから、変態になってくれるなよ」

持続時間が決まっている、10歳くらいの少女になる薬を浮竹は飲み、おとりになることにした。

「はぁはぁ・・・・今すぐ、持ち帰りたい」

「頼むから、やめてくれ」

「すりすりしたい」

京楽に念のためあとをつけてもらって、モアナ村を歩く。

「はぁはぁ・・・見たことのない少女だな。この俺様が、その純潔をもらってあげよう」

でてきたのは、モヒカン頭の男だった。30代前半というところだろうか。

「きゃあああああ」

浮竹は、おとりらしく悲鳴をあげる。

「その血をもらうぞ。ぐあああああああああ!?」

「ふふ、かかったな。俺の血には水銀が混じっている。喉を焼かれてせいぜい苦しめ」

浮竹は、10歳の少女のまま、銀の短剣でヴァンパイアの心臓を刺す。

「ぐぎゃあああああああああ」

悲鳴をあげるが、どこかに心臓を隠しているのか死なない。

「浮竹の純潔を奪うのはボクだよ!」

「あほか!心臓を探せ。そう遠くにはないはずだ。こいつの匂い、わかるな?」

「うん。鼻がひんまがりそうなロリコンのおっさんの匂いがする!あの時計塔の上あたりに、あるよ!」

「行ってこい!」

「うん、分かったよ」

「おのれえええ、純潔だけでも奪ってやる!」

ロリコンのヴァンパイアに押し倒されて、浮竹はすぐに解毒剤を飲んで、元の姿に戻る。

「な、ヴァンピールの男だと!?これではまるで俺様が変態ではないか!」

「ロリコンの時点で、十分に変態だ!」

銃で、銀の弾丸でロリコンヴァンパイアの頭を打ちぬくが、しぶとくまだ生きていた。

「さあ、お待ちかねの時間だよ」

京楽が、ニィと笑って、ロリコンヴァンパイアの心臓を片手に時計塔から降りてくる。

「ああ、俺様の心臓!返せ!」

「未遂とはいえ、浮竹を押し倒した罰、受けてもらわないとね?」

京楽は、心臓を数ミリ単位で聖剣で切り刻んでいく。

「うがあああああ!!!!」

ロリコンヴァンパイアは、苦しみぬいて死んだ。

「ねぇ、浮竹、もっかいさっきの姿になって。はぁはぁ」

「この変態が!予備はあるが飲まない。お前に純潔をまた奪われたくないからな」

「はぁはぁ。10歳の浮竹の女の子姿かわいかったなぁ。でも、今の浮竹が一番いいかな。ボクのものってかんじがして」

「誰がお前のものだ!」

ハリセンで京楽を沈めて、浮竹はロリコンヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

少し遠くで、こちらを見ている12歳くらいの少女がいた。

浮竹は、優しく笑って、少女に近づくと頭を撫でた。

「君を酷い目にあわせたヴァンパイアは死んだからな?」

「ほんとに?もう襲ってこない?」

「ああ」

「浮竹、はぁはぁ」

京楽は、離れた場所で浮竹のパンツの匂いをかぎながら、舐めていた。

「あっちのヴァンパイアが怖いわ」

「京楽、変態を隠せ!」

「え、浮竹のパンツ食えって?さすがに食べれないかなぁ」

「死ね」

「もぎゃあああああああああ」

フェニックスを呼び出し、京楽を真っ黒こげのアフロにすると、少女は小さく笑った。

「うふふふ、変なお兄ちゃんたち」

「よし、戻るぞ京楽」

「アフロのままなんだけど」

「そのうち治るだろう。衣服は燃やさなかった」

「フェニックス、器用だね」

「毎度フルチンにするわけにもいかないからな」

浮竹は、フェンリルを呼び出し巨大化させると、その背に未だにはぁはぁいっている京楽と一緒に背中に乗って、ウィキティへとジルフェの転移魔法で帰還する。

「灰を提出してくる。お前はきもいから、ついてくるな」

「ああん、放置プレイ。浮竹の残り香・・・・スンスン」

「にゃああああ、京楽がきもち悪いんだにゃん」

フェンリルは猫サイズに戻る。

京楽は、フェンリルをすんすんと匂いをかぐ。

「コールドブレス!」

「もぎゃあ!」

「何してるんだ、お前たち」

「マスター、京楽がボクを手籠めにしようとしたにゃん」

「なんだと!この変態があああ!!」

「あらぬ嘘だよおおお”!!!」

浮竹は、京楽を燃やしたり凍らせたり水攻めしてみたりするのだが、京楽は気持ちよさそうにしていた。

「ふふふふ、ボクもヴァンパイアだからね。ちょうどいい温度にできる」

「くそ、変態のくせに!」

「うん、変態だよ!京楽のパンツ、予備で持ってるからね!」

「燃やしてくれる」

「ぎゃあああああああ、ボクの宝物があああああ」



ウィキティにある自分の館に帰った浮竹と京楽は、居候していたドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に迎えられた。

「そうだ、ドラゴンサモナーの俺!ハンターギルドのマスターが、お前たちをハンターにしたいって騒いでたぞ!」

自分のことのように喜ぶ浮竹を見て、ドラゴンサモナーの浮竹は。

『かわいい。ヴァンピールの俺は、かわいいな?なぁ、春水?』

『うん、そうだね』

浮竹をドラゴンサモナーの浮竹が抱きしめるものだから、京楽はその仲をさこうと必死だった。

「ボクの浮竹だよ!」

『お前だけのものじゃない』

「俺は誰のものでもないぞ」

『ふふ、十四郎はヴァンピールの浮竹が好きだねぇ』

『ああ、大好きだ。その花嫁はいらんが』:

「酷い!」

「俺も、たまに京楽がいらないと思う時がある」

「浮竹まで!?酷いいいいい」

しくしくと泣き出す京楽に、浮竹はハンカチを差し出す。

「べ、別に泣いてるお前が少しかわいそうだなんて、思ってないんだからな!」

『ツンデレだ!かわいい!』

『ツンデレだね』

「浮竹は、ボクのものなんだからああああ」

「俺は誰のものでもないいいい」

そんな叫びが、館中に聞こえるのだった。

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