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血と聖水と名において25

浮竹は、京楽を連れてハンターギルドにきていた。

出発する前は京楽は服を着ていたのだが、見送りにきたドラゴンサモナー浮竹に燃やされて、股間に葉っぱ一枚といういで立ちで平気で外を歩く。

認識阻害の魔法をかけておいたので、人々には京楽はかっこいい服を着たように見えていた。

「はぁ・・・・服を着ろ」

「燃やされるからやだ。着る服も少なくなってきたし、今度買いに行きたいから連れて行って」

「服くらい、一人で買えるだろう?」

「やだ!浮竹がいないとやだ!」

「仕方ないやつだなぁ」

京楽をそうやって甘やかすから、変態が治らないのだと、ドラゴンサモナーの浮竹がいたらそう言ったであろう。

「今度はロリコンのヴァンパイアの時のように、ショタコンの変態ヴァンパイアの男が、見目いい少年の純潔を奪って、血を吸うんだ。でも、花嫁にはしないし、殺しもしない。だが、もう犠牲者が5人も出ている。ほうっておけないので、この依頼引き受けてもらえないか」

ギルドマスターに言われて、浮竹はため息をつきつつも、その依頼を引き受けた。

ゾアンの町で、そのヴァンパイアは出没するらしい。

京楽に、ゾアンの町に行く前に服を買ってやって着せてから、フェンリルの背にのって、ジルフェでゾアンの町の近くに転移する。

「いいか、襲ってきたら禁欲半年の上に、口利いてやらないからな」

「うぐ・・・・どうせ、おとりになるんでしょ?」

「ああ。若返るりの薬を一時的に飲む。15歳くらいになる」

「15歳の浮竹・・・・・・じゅるっ」

よだれをぬぐいもせずに、15歳の少年の姿になった浮竹を見て、京楽は抱きつこうとしてやめる。半年の禁欲と、口を利いてやらないというのが大分こたえているようだった。

「さて、ゾアンの町に向かうぞ。どうせすぐに出てくるだろうし」

「う、うん。でも、気をつけてね?ボクは尾行するけど、おとりの君の傍にはいられないから」

ゾアンの町にいくと、少年の年頃の子供はいなくて、15歳の浮竹に住民が声をかける。

「そこの君、今このゾアンの町はショタコンの変態ヴァンパイアがいるんだ。君のように見目のいい少年を襲って、血を吸って穢すんだ」

「知っている。A級ヴァンパイアハンターだ。囮になっている」

「そ、そうか。どうか、ヴァンパイアを退治して平穏な町を取り戻してくれ」

「ああ」

浮竹は、京楽が離れて見守っているが、囮なので町を歩いた。

「ぐっふっふっふっふ。そこの美少年の君。このセニョールが君の血~をいただこ~う」

「変態って、よくもまぁこう出没しやすいんだろうな?」

「それは知らないよ!」

かけつけてきた京楽を見て、変態ショタコンヴァンパイアは京楽を見る。

「君、年はいっているがこのセニョールの愛しい兄に似ている。後で血を吸ってあげよう」

「ひいいいい、変態に獲物にされるううう」

「京楽、聖剣を抜け!」

「あ、ボク一応神父なんだった。忘れてた。神父の地位あるヴァンパイアハンターは聖銀の聖剣をもらえるんだよね」

「君たち、ハンターギルドの者か!セニョールが返り討ちにしてくれる。でもまず、そっちの君の血をもらう」

浮竹でなく、ヴァンパイアは京楽を選んだ。

「ひぎゃあああ」

牙をたてられて血を吸わて手、京楽が変な悲鳴をあげる。

「ぎょええええええええええ!なんてまずいんだ!こうなったら、美少年の血で口直しだ」

ヴァンパイアは、抵抗もろくにしない浮竹を、恐怖で動けないものだとみて、かみついて血をすする。

「ほげああああああああ!喉が焼ける!胃が!!」

「水銀の浮竹。それが俺の二つ名だ」

「血に水銀だと!?普通生きていられない。セニョールは逃げる!」

こうもりになって逃げようとするヴァンパイアを、京楽が網の魔法で捕まえる。

「しまった!」

ヴァンパイアの姿に戻ったところで、京楽が聖剣で首を切り落とした。

「ふふふ、この程度でこのセニョールを殺したと・・・・・」

「フェンリル、アイシクル!」

浮竹は2体の氷の精霊を呼び、ヴァンパイアを氷漬けにする。

「さ、さむいのだよ。セニョールは寒くても生きていられるがなぁ!」

ヴァンパイアは、血の刃で浮竹に切りかかる。

あたるはずももないと思っていたら、頬をざっくりと切られた。

「よくも、ボクの浮竹を・・・・・」

いつもの京楽は変態だが、やる時はやる。

ヴァンパイアの首を細切れにして、心臓を貫き、炎の魔法をかける。

「浮竹、大丈夫!?」

「かすり傷だ」

「だめだよ、ちゃんと消毒して止血しないと。ライフの精霊は?」

「ライフを呼ぶほどの傷じゃない」

「ふっふっふ、セニョールの正体が水だとは分かるまい。セニョールは復活してまたショタコンになり、美少年の血と純潔をもら・・・・・ぎああああああああ」

水蒸気になって、まだ生きていたヴァンパイアをフェニックスと精霊王イフリールの炎で燃やすと、ヴァンパイアは灰となって完全に活動を休止した。

灰をカプセルにつめて、犠牲者たちの家のをまわり、襲われたことの記憶を消していった。

ロリコンのヴァンパイアの時も同じことをした。

「浮竹、手を繋いでもいい?」

まだ15歳の姿のままの浮竹に承諾をもらい、手を握るとそこから魔力を流し込んで、傷を治そうとするができなかった。

「呪詛だね。まぁ、数日すれば傷ごと癒えるけど、神殿に行くかい?」

「ヴァンピールなんて、診てくれないだろう」

「そうだね」

京楽が悲しそうな顔をする。

そのまま灰をギルドに提出して、報酬の金貨1500枚をもらって、館に帰宅する。

『ヴァンピールの俺!頬にケガしてる!」

「ああ。呪詛もかかっていて、しばらく治らないそうだ」

『春水、頼む』

『はいはい』

パートナードラゴンの京楽は、あっという間に呪詛を消し去り、浮竹の傷を癒した。

「お、痛くない。ありがとう」

『綺麗なヴァンピールの俺の顔に傷をつけるなんて』

「もう退治して、灰をギルドに提出した」

『それでも許せないから、神父の京楽を燃やす!』

「なんでええええええ!もぎゃああああああああああ」

京楽は燃やされたが、燃える前に浮竹に買ってもらった服をバリアで燃えないようにして、アフロの黒焦げにはなったが、衣服はそのままだった。

「ああ、その服俺が買ってやったものだから。死守したのか」

「そうだよおおお。あちちちちち」

『あ、そうだったのか。じゃあ、燃やすのやめて凍らせる』

「ボク、何もしてないんですけどおおおお」

『日頃の行いじゃああああ』

『あーあ。だめだこりゃ』

パートナードラゴンの京楽は、止めることもなく落ち着くのを待った。

京楽の氷像を作り上げて、ドラゴンサモナーの浮竹が、浮竹を抱きしめる。

「ああ、浮気いいい」

氷像になっても、京楽にはまだ意識があった。

『ショタコンヴァンパイアの退治のために、囮になったそうだな』

「ああ」

『危ない真似は、あまりするなよ?心配になる』

『変態でも、花嫁の神父のボクがついているから・・・・余計に危なそう』

「ボクがいる限り、浮竹は危なくないよおおおお」

『お前がいるから、危ないんだ』

『同意見』

京楽はしくしくと泣き出す。氷も解けていく。

「ほら、タオル。風邪をひかれたら困るなんて思っていないんだからな!」

たまに見せる浮竹のツンデレに、みんなかわいいなぁと和むのであった。

京楽は、再び凍らされていたが。

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