血と聖水の名において32
浮竹の知り合いの、魔女がやってきた。
名前は松本乱菊。豊満なナイスバディの魔女だが、実はヴァンパイアで、実年齢は300歳を超えていた。
「はぁい、浮竹さん。頼まれていた薬、もってきたわよ?」
「きぃぃぃぃ、それ以上浮竹に近づくなああああ」
京楽は、魔女の乱菊が浮竹と仲良さげに会話しているのを見て、嫉妬でメラメラ燃えていた。
「京楽さんだっけ?」
乱菊は豊満な胸に、京楽の顔を押し付ける。
普通の男なら喜ぶところであるが、京楽は鳥肌をたてていた。
「痴女だ!浮竹、助けて!」
「うーむ。京楽は女性に反応なしか。ふむ」
「浮竹、こんな痴女魔女はほっといて、ボクとしっぽりしよう!」
朝から襲いかかってきた京楽を、浮竹はハリセンで床に沈める。
「これが約束の薬よ。どんな変態でも、ころりと真面目になる薬よ」
乱菊から薬を受け取って、浮竹は京楽に無理やり飲ませた。
「ぐおおおおおおおおおお」
京楽が苦しむ。
「あら変ね、苦しむようには作っていないのだけれど」
「ぬおおおおおおおおおお。ボクは京楽春水。浮竹の花嫁で、変態紳士だよ!」
「‥‥‥なぁ、乱菊、悪化してないか?」
「ほほほほほ。あたしはしーらないっと。一応、解毒薬あげる。言っとくけど、本当jに飲めばころりと真面目になる薬を作ったのよ。実験したけど、成功だったし。ただ、薬でも変われないほどの変態には効かないのかもしれないわね」
乱菊はそれだけ言うと、去って行ってしまった。
「ふふふ、浮竹。昼食を作ったんだよ」
皿の上には、豪華そうな料理が並べられていたが、手をふく布が浮竹のパンツだった。
「変態紳士‥‥‥」
浮竹は、残念そうに京楽を見る。
その日、京楽は紳士だった。ただ、変態紳士であった。
変に紳士で変態なので、いつものほうがまだましなので解毒薬を飲ませた。
「酷い!浮竹、ボクを真面目にする薬って何さ!」
「お前が変態すぎるからだ!」
「ボクはこんなにも浮竹を愛しているのに!」
「俺のパンツの匂いをかぎながら言うな!」
「はぁはぁ。スーハースーハー」
「フェニックス!」
「きゅおおおおんん」
フェニックスで燃やされても、京楽は浮竹の焦げたパンツを手にスーハースーハーしていた。
「変態紳士とド変態。どっちもどっちだな」
浮竹は、頭を抱え込む。
「ボクはいつだって紳士だよ!」
「焦げたまま俺のパンツを手にしていう言葉か!」
「これは緊急用の浮竹のパンツ。浮竹のパンツが摂取できない状態に陥ったら、空間魔法で浮竹のパンツを出すの」
「くだらんことで制御の難しい魔法を使うな」
浮竹は、ハリセンをかまえる。
京楽は、はたかれるのを嬉しそうに待っている。
「やめだやめだ。俺は寝る」
「えーーーー。どうせ寝るならしっぽりしようよ」
「お前はそこらの俺のパンツとでもしっぽりしとけ」
「うん、そうするよ」
いそいそと、浮竹のぱんつをもってズボンを脱ぐので、浮竹は叫んだ。
「フェンリル!」
「うわぁ、京楽がポロリなのにゃ!アイスブレス!」
「あガガガが。冷たい。しっぽりできないじゃない!」
「ほんとにパンツとしっぽりしようとするな!」
「だってそう言ったのは浮竹だよ!?」
「言っただけだ。まさか実行に移すとは」
「うえーん。ボクのマグナムがこおってるうううう」
「フェニックス!」
「もぎゃああああああああああああああああ」
浮竹は、フェニックスの炎でぽろりしたままの浮竹をこんがりと焼くのであった。
ちなみに、変態紳士の時はパンツをはいていたが、ネクタイと靴下だけはいて、後は裸だった。
普通の変態の時は、服は一応着ていた。
すぐ脱ぎだすが。
その後、町の不良に乱菊の作った真面目になる薬を試しに飲ませたら、真人間になった。その不良は変態ではなかったが。
乱菊の薬の効果は本物だった。
ただ、京楽が変態すぎて、効かなかったのだ。
「はぁ‥‥‥‥京楽の変態をなんとかできる薬はないか」
「浮竹がしっぽりしてくれたら、変態じゃなくなるかも?」
「ただ、しっぽりしたいだけだろ!」
「げふふふふふふ」
浮竹は、浮竹のパンツに頬ずりする京楽を見てから、大きなため息をつく。
「はぁ。これでも、伴侶なんだよなぁ」
ド変態であるが。
浮竹の、花嫁なのであった。
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