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記憶

恋次が遠征で虚にやられ、傷を負った。

その言葉を聞いた白哉は、居ても立っても居られず、恋次を迎えにいった。

「恋次」

「誰っすか。隊長羽織着てるから、隊長みたいだけど‥‥ああ、6番隊の隊長さんですか。すんません、俺、虚にやられて今記憶がすっぽぬけてるんす。学院時代の記憶までしかないんです」

「‥‥‥‥恋次。真か?」

「嘘ついてどうなるんすか」

周囲の隊士から、自分たちの上官で、ルキアの義兄と聞いて、恋次は驚く。

「ルキアのこと、幸せにしてやってください。ルキアとのことは覚えてるんすよね」

白哉は、恋次を連れて4番隊に行った。

記憶喪失は一時的なもので、しばらくすれば治るとのことだった。

「兄は、私のことを忘れるとは、いい度胸だ」

「す、すんません。俺と隊長は、その、仲がよかったんすか?」

「仲がよいもなにも、恋仲だ」

「はぁ!?」

恋次は驚く。

「いやいやいや。あんた綺麗だし、男にしておくのはもったいないけど、だからって俺が上司を好きになるなんて‥‥‥‥」

「これは、兄からもらったものだ」

白哉は、銀細工のブレスレットを見せる。

恋次の右手首にも、同じブレスレットがあった。

「俺‥‥‥まじで、あんたのこと好きなんすか」

「確かめるか?」

白哉は、別邸に恋次を連れて行き、キスをする。

「あ‥‥隊長、おぼろげだけど思い出しはじめました。もっとしてください」

「仕方あるあい」

白哉は恋次を押し倒し、口づける。

恋次は白哉の隊長羽織と死覇装を脱がしていく。

「恋次、記憶が戻らぬのにするつもりか」

「いや、もうほとんど戻ってるっす。ただ、隊長が積極的だから俺も止まらない」

恋次の手は、白哉の肌を愛撫する。

「あっ」

「隊長、かわいい。もっと乱れてください」

「恋次、恋次」

「はい、ここにいます」

「私を忘れるな」

「もう思い出してます。二度と忘れません」

その日、恋次は白哉を抱いた。

次の日になると、恋次はまた記憶を失っていた。

「恋次」

「隊長さんですか?」

「なぜだ、恋次。なぜ、私のことを忘れる」

白哉はとても悲しそうな顔をする。

「4番隊で検査してもらったんすけど、しばらくの間記憶を突然失ったりするかもしれないって」

「昨日のことも忘れたのか、恋次」

「え、あ、すんません。俺と隊長は、その、恋仲ってやつだって聞きました。覚えてなくてすんません」

「兄が何度忘れようとも、私は兄を愛している」

「隊長‥‥‥」

恋次は、上官と恋仲だと知って驚きはしたが、自分が白哉に恋しているのは納得がいった。

「また、忘れてしまうかもしれませんが‥‥好きです、隊長」

「忘れるなら、何度でも思い出させてやろう」

白哉は恋次口づける。

その日も、恋次は白哉を抱いた。

「隊長!記憶が元に戻りました!今までのこと、全部思い出しました!」

「兄が、私のことを忘れないと言って抱いて、また記憶を失っていたこともか?」

「う、それについてはすんません。何分、俺も忘れたくて忘れたんじゃないので」

「虚などにやられる兄に問題があるのだ」

白夜の言葉に、恋次がうなる。

「うぐぐぐ」

「何はともあれ、愛している、恋次。記憶が戻ってよかった」

「隊長‥‥‥‥」

「抱かせてはやらぬぞ。2日連続で抱かれたのだ。しばらくお預けだ」

「ええええ、そんなぁ」

恋次は大型犬のようにしゅんとなる。

「キスとハグまでなら、許す」

恋次は、尻尾をぶんぶん振っているように見えた。

「大好きです、隊長!」

思い切り抱きしめられてキスをされて、白哉は淡く微笑む。

「兄は、私のものだ」

「はい、隊長のものです」

記憶の消失はなくなり、恋次は元に戻った。白哉はそれを喜んだ。

「恋次、もう記憶を失うような無様な真似をするな」

「すんません」

「兄が記憶を失って、私のことを忘れたと聞いて気が気ではなかった」

「すんません。返す言葉もないっす」

「兄は私ものだ。今後、虚ごときにやられたら、抱かせてやらぬからな」

「ぬおお、もう虚になんてやられません!」

恋次は、白哉にキスをして、抱きしめる。

華奢な白哉は、美しい顔(かんばせ)で微笑む。

「約束だぞ、恋次」

「はい。約束します」

それから、恋次が遠征で虚にやられることはなかった。白哉を抱けないということを忘れずに、弱い虚でも全力で立ち向かった。



「隊長、愛してます」

「私も兄を愛している、恋次」

上官と副官という仲をこえて、愛しあう二人は、静かに寄り添い合うのだった。

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