魔王と勇者と21
浮竹は、エトナ神の子の天使として覚醒して、12枚の翼をもつようになった。
普段は一対の翼で、眠る時などは翼を消すことができた。
「今日も綺麗だね、浮竹」
「そうか?いつもと変わらないぞ」
「浮竹はもともと美人だったけど、エトナの子として覚醒してからさらに綺麗になったよ」
「エトナは美と愛の神でもあるかなら」
エトナの彫像などは、どれも美しい青年の姿をしていた。
今の浮竹と少し似ている。
「エトナ教が騒がしいね。予言されていたエトナの子が地上に降臨したって。浮竹、一人であまり町中なんかに行かないでね」
「過保護だな」
「君がエトナの子だってばれたら、エトナ教の信者がさらいにきそうだ」
「予言者のせいで、すでにエトナの子は俺だってばれてるぞ」
「ええ!警護を厳重にしないと!」
「落ち着け。エトナ教には必要時には力を貸すといってあるし、魔王であるお前を監視するために傍にいるといったら、あっさりひいていった」
浮竹は、おかしそうに笑った。
「でも、それは昔からあるエトナ教でしょ。聖女教から派生した新エトナ教は君を狙っているはず。教祖に据えたがっているだろうね」
「ああ、昨日町に出たら攫われそうになったのでボコボコにしておいた」
「浮竹ええ!?ちょっとは自分の身の安全を確保できるからって、さらっと攫われそうになったとか!絶対、今度からボクか元魔王のボクかフェンリルの浮竹と一緒に行動して」
浮竹は困った顔をする。
翼がゆらりと揺れる。
「お前はただでさえ仕事で忙しいのに」
「浮竹のためなら、仕事なんて放置するよ」
「まぁ、一人で行動しないようにする。どうしても心配なら、一応護衛つけるか?」
「うん。そうだ、同じ勇者の白哉くんに警護を頼もう。一護くんは今恋人ができたらしくて勇者稼業おやすみしてるし」
京楽は、旧知の仲の朽木白哉を魔王城に呼んだ。
「つまりは、新エトナ教に狙われているから、一人で行動しそうな時は、警護せよということだな?」
「うん」
「分かった。警護の件は引きうけよう。まぁ、エトナの子であれば、魔王さえ倒せそうだが」
白哉は、エトナの子の証である浮竹の輝く白銀の翼を見る。
「俺は京楽を倒したりしないぞ?」
「分かっている。今の魔王が、京楽、兄でいる限り平和が保たれている。兄が望むのであれば、伴侶の警護もしよう」
「助かるよ、白哉くん。浮竹、いいかい、白哉くんと一緒に行動するんだよ」
「分かった」
その日、浮竹はモンスター退治に出たが、白哉と一緒だった。
それが1週間は続き、町に出る時も白哉が一緒なので、京楽も安心していた。
『久しぶりに遊びにきたぞ。おや、勇者か』
フェンリルの浮竹が、白哉を見て尻尾を揺らす。
「兄らがきたということは、私の役目は一度休憩だな」
『ん?どういうことだ?』
フェンリルの浮竹は頭に?マークを浮かべる。
「ああ、俺が一人で行動してるときに新エトナ教徒にさらわれそうになったんで、警護として白哉がついてくれているんだ」
『勇者の俺をさらうだって!』
フェンリルの浮竹はしっぽをびーんとたてて、威嚇する。
「いや、俺も一応勇者だし、エトナの子の力があるから、ボコボコにした」
フェンリルの浮竹も、元魔王の京楽も安堵する。
『それにしても、美人になったねぇ。元から美人だったけど、拍車をかけたかんじだね』
「エトナは美の神でもあるからな。加護もちの俺はそう見えてしまうんだろう」
『エトナ教徒でなくても、手を出してきそうだな。そんな奴がいたら、俺がボコボコにしてやるからな』
「そこにいるぞ」
浮竹は、京楽を指さす。
「ボ、ボクは君の伴侶だよ!?」
「この前、いやだっていったのに手を出してきた」
『京楽、この場合魔王の京楽をボコボコにするべきか?』
真剣に悩むフェンリルの浮竹は尻尾が揺れていた。
ボコボコにちょっとしたいらしい。
「簡便してよ!友達でしょ!」
『む、むう。そうだな、友達だな!』
フェンリルの浮竹は、しっぽをぶんぶん振っていた。
「フェンリルの俺、空を飛びたいと言っていただろう。重量の魔法で体重を0にして、空を一緒に飛んでみるか?」
『と、飛べるのか?一緒に!』
フェンリルの浮竹の尻尾は、ちぎれんばかりにぶんぶん振られていた。
『いいよ、いっておいで』
「ボクも地上で見とく」
浮竹は、重力の魔法でフェンリルの浮竹の体重を0にして、12枚の光り輝く翼を出すと、フェンリルの浮竹を抱えて大空を飛んでいく。
『わぁ、京楽があんなに小さく見える』
「もっと上に飛ぶぞ。しっかり掴まっていろ」
『わわわわ』
「怖いか?」
『ぜんぜん!こんな風に空を飛んだのははじめてだから興奮する!』
空中でも、フェンリルの浮竹の尻尾は素直でぶんぶんと振られていた。
『わぁ、鳥まで集まってきた』
「エトナ神は創造神で美と愛の神だからな。野生動物に好かれるようになった」
『すごいな、勇者の俺』
二人は、10分ほど空を飛んで帰ってきた。
『どうだった?』
『こう、ぶわっともあっとしてしゅーーだった』
『そう。それはよかったね』
『うん!』
「何いってるんだろう‥‥‥」
「俺は理解できるぞ?」
「え、理解できないのボクだけ!?」
京楽をのぞく3人は、笑い合う。
「なんか、のけものにされてる気分。くすん」
ちゅっと、浮竹が京楽の頬にキスをする。
「まぁ、そうむくれるな」
「も、もっかい!」
「だーめ。今夜までお預け」
浮竹は妖艶に微笑む。京楽は、がぜんやる気を出して、残っていた仕事を全て片付けて、元魔王の京楽とフェンリルの浮竹と浮竹の4人でお茶をするのであった。
普段は一対の翼で、眠る時などは翼を消すことができた。
「今日も綺麗だね、浮竹」
「そうか?いつもと変わらないぞ」
「浮竹はもともと美人だったけど、エトナの子として覚醒してからさらに綺麗になったよ」
「エトナは美と愛の神でもあるかなら」
エトナの彫像などは、どれも美しい青年の姿をしていた。
今の浮竹と少し似ている。
「エトナ教が騒がしいね。予言されていたエトナの子が地上に降臨したって。浮竹、一人であまり町中なんかに行かないでね」
「過保護だな」
「君がエトナの子だってばれたら、エトナ教の信者がさらいにきそうだ」
「予言者のせいで、すでにエトナの子は俺だってばれてるぞ」
「ええ!警護を厳重にしないと!」
「落ち着け。エトナ教には必要時には力を貸すといってあるし、魔王であるお前を監視するために傍にいるといったら、あっさりひいていった」
浮竹は、おかしそうに笑った。
「でも、それは昔からあるエトナ教でしょ。聖女教から派生した新エトナ教は君を狙っているはず。教祖に据えたがっているだろうね」
「ああ、昨日町に出たら攫われそうになったのでボコボコにしておいた」
「浮竹ええ!?ちょっとは自分の身の安全を確保できるからって、さらっと攫われそうになったとか!絶対、今度からボクか元魔王のボクかフェンリルの浮竹と一緒に行動して」
浮竹は困った顔をする。
翼がゆらりと揺れる。
「お前はただでさえ仕事で忙しいのに」
「浮竹のためなら、仕事なんて放置するよ」
「まぁ、一人で行動しないようにする。どうしても心配なら、一応護衛つけるか?」
「うん。そうだ、同じ勇者の白哉くんに警護を頼もう。一護くんは今恋人ができたらしくて勇者稼業おやすみしてるし」
京楽は、旧知の仲の朽木白哉を魔王城に呼んだ。
「つまりは、新エトナ教に狙われているから、一人で行動しそうな時は、警護せよということだな?」
「うん」
「分かった。警護の件は引きうけよう。まぁ、エトナの子であれば、魔王さえ倒せそうだが」
白哉は、エトナの子の証である浮竹の輝く白銀の翼を見る。
「俺は京楽を倒したりしないぞ?」
「分かっている。今の魔王が、京楽、兄でいる限り平和が保たれている。兄が望むのであれば、伴侶の警護もしよう」
「助かるよ、白哉くん。浮竹、いいかい、白哉くんと一緒に行動するんだよ」
「分かった」
その日、浮竹はモンスター退治に出たが、白哉と一緒だった。
それが1週間は続き、町に出る時も白哉が一緒なので、京楽も安心していた。
『久しぶりに遊びにきたぞ。おや、勇者か』
フェンリルの浮竹が、白哉を見て尻尾を揺らす。
「兄らがきたということは、私の役目は一度休憩だな」
『ん?どういうことだ?』
フェンリルの浮竹は頭に?マークを浮かべる。
「ああ、俺が一人で行動してるときに新エトナ教徒にさらわれそうになったんで、警護として白哉がついてくれているんだ」
『勇者の俺をさらうだって!』
フェンリルの浮竹はしっぽをびーんとたてて、威嚇する。
「いや、俺も一応勇者だし、エトナの子の力があるから、ボコボコにした」
フェンリルの浮竹も、元魔王の京楽も安堵する。
『それにしても、美人になったねぇ。元から美人だったけど、拍車をかけたかんじだね』
「エトナは美の神でもあるからな。加護もちの俺はそう見えてしまうんだろう」
『エトナ教徒でなくても、手を出してきそうだな。そんな奴がいたら、俺がボコボコにしてやるからな』
「そこにいるぞ」
浮竹は、京楽を指さす。
「ボ、ボクは君の伴侶だよ!?」
「この前、いやだっていったのに手を出してきた」
『京楽、この場合魔王の京楽をボコボコにするべきか?』
真剣に悩むフェンリルの浮竹は尻尾が揺れていた。
ボコボコにちょっとしたいらしい。
「簡便してよ!友達でしょ!」
『む、むう。そうだな、友達だな!』
フェンリルの浮竹は、しっぽをぶんぶん振っていた。
「フェンリルの俺、空を飛びたいと言っていただろう。重量の魔法で体重を0にして、空を一緒に飛んでみるか?」
『と、飛べるのか?一緒に!』
フェンリルの浮竹の尻尾は、ちぎれんばかりにぶんぶん振られていた。
『いいよ、いっておいで』
「ボクも地上で見とく」
浮竹は、重力の魔法でフェンリルの浮竹の体重を0にして、12枚の光り輝く翼を出すと、フェンリルの浮竹を抱えて大空を飛んでいく。
『わぁ、京楽があんなに小さく見える』
「もっと上に飛ぶぞ。しっかり掴まっていろ」
『わわわわ』
「怖いか?」
『ぜんぜん!こんな風に空を飛んだのははじめてだから興奮する!』
空中でも、フェンリルの浮竹の尻尾は素直でぶんぶんと振られていた。
『わぁ、鳥まで集まってきた』
「エトナ神は創造神で美と愛の神だからな。野生動物に好かれるようになった」
『すごいな、勇者の俺』
二人は、10分ほど空を飛んで帰ってきた。
『どうだった?』
『こう、ぶわっともあっとしてしゅーーだった』
『そう。それはよかったね』
『うん!』
「何いってるんだろう‥‥‥」
「俺は理解できるぞ?」
「え、理解できないのボクだけ!?」
京楽をのぞく3人は、笑い合う。
「なんか、のけものにされてる気分。くすん」
ちゅっと、浮竹が京楽の頬にキスをする。
「まぁ、そうむくれるな」
「も、もっかい!」
「だーめ。今夜までお預け」
浮竹は妖艶に微笑む。京楽は、がぜんやる気を出して、残っていた仕事を全て片付けて、元魔王の京楽とフェンリルの浮竹と浮竹の4人でお茶をするのであった。
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