魔王と勇者と28
「その尻尾本物か?」
浮竹は、魔神の京楽のドラゴンの尻尾を見る。
フェンリルの浮竹のふさふさの尻尾と違って、ごつごつしていたが、ゆらりと揺れる。
『本物だよ。ドラゴンの尻尾さ』
「とかげのように見える」
『切ってみる?再生すぐにしちゃうけど』
「おもしろい」
『あわわわわ、勇者の俺!』
「ちょっと、浮竹?」
フェンリルの浮竹と京楽に止められそうになる前に、浮竹は魔王剣ディアブロで魔神の京楽の尻尾を本当に切ってしまった。
『わぁあああ、京楽!』
『いや、大丈夫だよ?もう再生したから』
「はや‥‥‥」
切った浮竹本人も驚くほどの再生力だった。
剣を抜いて、切って、鞘におさめる間に再生していた。
「あ、切られたしっぽはとかげみたいに動くのか」
『うん。かわいいでしょ』
「不気味だ‥‥‥‥」
「不気味だね‥‥」
『お、俺は京楽の味方だぞ?かわいくみえなくもないというかなんというか』
フェンリルの浮竹は、ビタンビタンと動く切れた尻尾を見て、尻尾をへにゃりとさせる。
『まぁ、一応魔神の体の一部だから悪用されないために消し炭にしとくね』
魔神の京楽は、切れた動く自分の尻尾を灰にする。
「見なかったことにして、お茶にしよう。フェンリルの俺、一緒に茶菓子を作ろう」
『うん。何をつくるんだ?』
「木苺のタルトでいいか」
『分かった。昨日つんだ木苺があるから、それを使おう』
浮竹は不器用なりに料理ができるようになっていた。まだ補助は必要だが、ダークマターは生み出さない。
最初の頃はダークマターをうんで、京楽の胃に穴をあけさせたものだ。
『勇者の俺、料理する手つきがさまになってきたな』
「べ、別にほめられてうれしいとかそんなんじゃないからな」
浮竹は顔を赤くする。
フェンリルの浮竹はしっぽをばっさばっさ振っていた。
『今日も触るか?』
「べ、別に‥‥‥‥いや、触る」
浮竹は、木苺のタルトをフェンリルの浮竹を中心に一緒に作ってから、フェンリルの浮竹の尻尾をもふる。
「毛皮にしたい」
ピーンと、フェンリルの浮竹の尻尾が立つ。
『お、俺の尻尾は京楽のものと違ってはえてこないからだめだぞ!』
「言ってみただけだ。実行は絶対にしない」
『ならよかった』
魔神の京楽と京楽は、テーブルと椅子をセッティングして、ダージリンの紅茶を4人分入れて、せきにつく。
「またせたな。木苺のタルトだ」
『俺と勇者の俺の手作りだぞ!』
「浮竹‥‥‥昔はあれほどダークマターを生み出していたのに、成長したね」
ホロリと、京楽が涙を零す。
『ダークマター?なんのことだ?』
浮竹の過去の料理を知らないフェンリルの浮竹は、きょとんとしていた。
『なんとなく察しはついたよ。成長したんだね』
魔神の京楽がそう言う。
「べ、別に嬉しくなんてないんだからな!」
『ツンデレな勇者の俺かわいい!』
フェンリルの浮竹は、浮竹に抱きつく。
「茶が冷めてしまう前に、食べよう」
『む、それもそうだな』
4人で、午後のティータイムを楽しむ。
ちなみにこの後は京楽は魔王の仕事が残っているので、浮竹と一緒に帰る予定だった。
それを伝えると。
『むう。もっと一緒にいたい』
『浮竹、わがままを言ってこまらせてはだめだよ』
魔神の京楽に諭されるが、フェンリルの浮竹は今回会うのが1週間ぶりだったために、我儘を言い出す。
「じゃあ、また魔王城にくるか?仕事をさっさと片付けるから」
『うん!行く!』
『ごめんねぇ、何度もおじゃまして』
「フェンリルの浮竹がいたほうが、浮竹の仕事のスピードがさらに倍になるんだよね。早く構いたいから。そうすると、ボクの仕事も全部早く片付くってわけ」
京楽は助かるとばかりに、フェンリルの浮竹を見る。
フェンリルの浮竹も、暇なので仕事を手伝ってくれる。魔神の京楽は手伝はない。
『勇者の俺と遊ぶために、今日も俺も仕事手伝うぞ!』
「フェンリルの俺、助かる。その姿を見ているだけでも、俺も仕事が片付くのが早くなる」
6時間はかかりそうな仕事を1時間半で終わらせて、遊ぶと言った通り、浮竹とフェンリルの浮竹は、近くのコラッドの森にきのこと薬草採取に出かけてしまった。
無論、魔神の京楽は一緒だ。
京楽はというと、聖女教の信徒の脱退に金を出していた。
「ボクの魔王領に新しい領地を作ったから、よければそこに住んで?」
「ああ、魔王様!今の魔王様がこんなにお優しいなんて‥‥‥」
「聖女教は間違っている。魔王様を弾圧するなんて」
「そうだそうだ」
元聖女教の者たちは、藍染の洗脳を京楽がといてまわっているので、聖女教から離脱していた。
「ただでさえ、魔神となるのに贄が1万必要なんだ。邪魔をしないでくれるかな」
「お前は、藍染!」
「魔王京楽、死んでもらう」
藍染は目にもとまらぬ速さで、京楽を切り捨てて、去ってしまう。
「切られて‥‥でも無事?あ、浮竹からもらった守護の飾り羽が身代わりになってくれたのか‥‥‥‥」
京楽は、聖女教の厨房に転移して、藍染用の夕食にモレ草をまぜた。
モレ草はすごいききめの下剤になる薬草だ。効果がきついので、毒草ともいわれている。
「ぬおおおおおおおおおおおおお」
その日の晩、藍染はモレ草のせいで1週間トイレの住人になるのであった。
ちなみに、きのこを採って帰ってきた浮竹たちがとってきたきのこは毒を含んだものが少しあって、それも今度こっそり藍染の夕食に混ぜてやろうと思う京楽であった。
浮竹は、魔神の京楽のドラゴンの尻尾を見る。
フェンリルの浮竹のふさふさの尻尾と違って、ごつごつしていたが、ゆらりと揺れる。
『本物だよ。ドラゴンの尻尾さ』
「とかげのように見える」
『切ってみる?再生すぐにしちゃうけど』
「おもしろい」
『あわわわわ、勇者の俺!』
「ちょっと、浮竹?」
フェンリルの浮竹と京楽に止められそうになる前に、浮竹は魔王剣ディアブロで魔神の京楽の尻尾を本当に切ってしまった。
『わぁあああ、京楽!』
『いや、大丈夫だよ?もう再生したから』
「はや‥‥‥」
切った浮竹本人も驚くほどの再生力だった。
剣を抜いて、切って、鞘におさめる間に再生していた。
「あ、切られたしっぽはとかげみたいに動くのか」
『うん。かわいいでしょ』
「不気味だ‥‥‥‥」
「不気味だね‥‥」
『お、俺は京楽の味方だぞ?かわいくみえなくもないというかなんというか』
フェンリルの浮竹は、ビタンビタンと動く切れた尻尾を見て、尻尾をへにゃりとさせる。
『まぁ、一応魔神の体の一部だから悪用されないために消し炭にしとくね』
魔神の京楽は、切れた動く自分の尻尾を灰にする。
「見なかったことにして、お茶にしよう。フェンリルの俺、一緒に茶菓子を作ろう」
『うん。何をつくるんだ?』
「木苺のタルトでいいか」
『分かった。昨日つんだ木苺があるから、それを使おう』
浮竹は不器用なりに料理ができるようになっていた。まだ補助は必要だが、ダークマターは生み出さない。
最初の頃はダークマターをうんで、京楽の胃に穴をあけさせたものだ。
『勇者の俺、料理する手つきがさまになってきたな』
「べ、別にほめられてうれしいとかそんなんじゃないからな」
浮竹は顔を赤くする。
フェンリルの浮竹はしっぽをばっさばっさ振っていた。
『今日も触るか?』
「べ、別に‥‥‥‥いや、触る」
浮竹は、木苺のタルトをフェンリルの浮竹を中心に一緒に作ってから、フェンリルの浮竹の尻尾をもふる。
「毛皮にしたい」
ピーンと、フェンリルの浮竹の尻尾が立つ。
『お、俺の尻尾は京楽のものと違ってはえてこないからだめだぞ!』
「言ってみただけだ。実行は絶対にしない」
『ならよかった』
魔神の京楽と京楽は、テーブルと椅子をセッティングして、ダージリンの紅茶を4人分入れて、せきにつく。
「またせたな。木苺のタルトだ」
『俺と勇者の俺の手作りだぞ!』
「浮竹‥‥‥昔はあれほどダークマターを生み出していたのに、成長したね」
ホロリと、京楽が涙を零す。
『ダークマター?なんのことだ?』
浮竹の過去の料理を知らないフェンリルの浮竹は、きょとんとしていた。
『なんとなく察しはついたよ。成長したんだね』
魔神の京楽がそう言う。
「べ、別に嬉しくなんてないんだからな!」
『ツンデレな勇者の俺かわいい!』
フェンリルの浮竹は、浮竹に抱きつく。
「茶が冷めてしまう前に、食べよう」
『む、それもそうだな』
4人で、午後のティータイムを楽しむ。
ちなみにこの後は京楽は魔王の仕事が残っているので、浮竹と一緒に帰る予定だった。
それを伝えると。
『むう。もっと一緒にいたい』
『浮竹、わがままを言ってこまらせてはだめだよ』
魔神の京楽に諭されるが、フェンリルの浮竹は今回会うのが1週間ぶりだったために、我儘を言い出す。
「じゃあ、また魔王城にくるか?仕事をさっさと片付けるから」
『うん!行く!』
『ごめんねぇ、何度もおじゃまして』
「フェンリルの浮竹がいたほうが、浮竹の仕事のスピードがさらに倍になるんだよね。早く構いたいから。そうすると、ボクの仕事も全部早く片付くってわけ」
京楽は助かるとばかりに、フェンリルの浮竹を見る。
フェンリルの浮竹も、暇なので仕事を手伝ってくれる。魔神の京楽は手伝はない。
『勇者の俺と遊ぶために、今日も俺も仕事手伝うぞ!』
「フェンリルの俺、助かる。その姿を見ているだけでも、俺も仕事が片付くのが早くなる」
6時間はかかりそうな仕事を1時間半で終わらせて、遊ぶと言った通り、浮竹とフェンリルの浮竹は、近くのコラッドの森にきのこと薬草採取に出かけてしまった。
無論、魔神の京楽は一緒だ。
京楽はというと、聖女教の信徒の脱退に金を出していた。
「ボクの魔王領に新しい領地を作ったから、よければそこに住んで?」
「ああ、魔王様!今の魔王様がこんなにお優しいなんて‥‥‥」
「聖女教は間違っている。魔王様を弾圧するなんて」
「そうだそうだ」
元聖女教の者たちは、藍染の洗脳を京楽がといてまわっているので、聖女教から離脱していた。
「ただでさえ、魔神となるのに贄が1万必要なんだ。邪魔をしないでくれるかな」
「お前は、藍染!」
「魔王京楽、死んでもらう」
藍染は目にもとまらぬ速さで、京楽を切り捨てて、去ってしまう。
「切られて‥‥でも無事?あ、浮竹からもらった守護の飾り羽が身代わりになってくれたのか‥‥‥‥」
京楽は、聖女教の厨房に転移して、藍染用の夕食にモレ草をまぜた。
モレ草はすごいききめの下剤になる薬草だ。効果がきついので、毒草ともいわれている。
「ぬおおおおおおおおおおおおお」
その日の晩、藍染はモレ草のせいで1週間トイレの住人になるのであった。
ちなみに、きのこを採って帰ってきた浮竹たちがとってきたきのこは毒を含んだものが少しあって、それも今度こっそり藍染の夕食に混ぜてやろうと思う京楽であった。
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