魔王と勇者と29
浮竹は、エトナ教徒の熱烈な訪問に、仕方なく月に二回エトナ教の神殿でエトナの力を使い病や怪我を癒すことにしていた。
「ああ、エトナの子浮竹様。なんと慈悲深い」
「さすがはエトナの落とし子。天使であられる証に翼がある」
「大神官様も、よく浮竹様を神殿に顔を出すように説得してくれたものだ。感謝せねば」
エトナ教は、衰えていく聖女教ととってかわり、今世界で一番信徒の多い宗教になっていた。
エトナの子である浮竹がいるせいが強い。
聖女教から分裂した新エトナ教も、エトナ教に吸収され、エトナ教は黄金期を迎えていた。
「おつかれでしょう、浮竹様。こちらに飲み物を用意してあります。どうぞ、ご休憩を」
「ああ、ありがとう」
浮竹は、エトナ教徒の信徒から冷たい水をもらって、飲んだ。
「ぐ‥‥‥」
すると、意識が混濁して、床に膝をつく。
「エトナの子よ、その力、藍染様のために使ってもらう!」
「聖女教か‥‥」
そのまま、浮竹は意識を失い、聖女教に拉致された、
「浮竹が拉致られただって!?」
「す、すみません魔王様。エトナ神殿なので、警備の者もいましたが、まさか神の子であられる浮竹様を堂々と拉致る者が現れるとは思わず‥‥‥」
「言い訳はいいよ。聖女教の仕業なんだね?」
「はい、おそらく」
「浮竹に手を出すとどうなるか、思い知らせる必要があるね」
京楽は、愛する者を拉致られて、かなり怒っていた。
「聖女教の神殿にいってくる」
「でも、もしも‥‥‥」
「行かないと浮竹はいつまで経っても帰ってこないよ。聖女を少し痛めつけてやろう」
京楽は、残忍に笑った。
「ここは‥‥‥‥」
「気づいたのね、浮竹十四郎。エトナの子よ」
「お前は16代目の聖女アナスタシア!」
浮竹は、豪華なベッドに寝かされていた。
「エトナの力、確かに分けてもらったわよ」
聖女の手には、浮竹の翼から抜いた羽と、採血した血液の入った大きなカプセルがあった。
「俺の肉体の一部で、エトナの力を得るつもりか」
「そうよ。それだけの価値があなたにはあるもの」
「アナスタシア。エトナの子は贄にする約束だろう」
藍染が現れて、お腹の膨らんでいる聖女を抱き寄せる。
「藍染、エトナの子を殺すとエトナ神を敵にまわすわ。神と敵対はしたくないわ」
「私が魔神となるための1万の贄に匹敵する贄なのだ。アナスタシア」
「だめよ。エトナの子は、ここで永遠と力を抜かれ続けるの」
聖女は、浮竹を殺すことをためらっている。
藍染は、気にせず浮竹を殺そうと、魔法でできた刃を向ける。
「エトナの名において命ずる。光よ!」
「きゃああああああああ!」
「ぐわあああ!!」
猛烈な過剰すぎる浄化の光に、二人は焼かれる。
「浮竹!」
そこへ、聖女教に侵入してきていた京楽が現れる。
「京楽、きてくれたのか」
「君を助けるためなら、たとえ地獄にでも行くよ」
「エトナの光で目を焼いてやった。しばらくまともにものを見ることができないだろう」
「今のうちに‥‥」
京楽は、藍染の心臓を剣で突き刺す。
「うおおおおおお」
藍染は悲鳴をあげて、灰になる。
「分身体か。こざかしいね‥‥」
「何が!何が起こっているの。ねぇ、藍染!」
「藍染はいないぞ。分身体だったようだ。お前、藍染に利用されているぞ」
「そんなこと知っているわ!魔神になった藍染の力で私は女神として神々しく‥‥‥」
浮竹は、奪われた血と羽を灰にかえて、聖女にエトナの力を注ぎ着込む。
「いやああああ!私は聖女であり女神なのよ!神でもあるこの私を‥‥」
「ただの人に変えた。お前はもう聖女でも女神でもない。ただの卑しい醜い老婆だ」
「いやあああああああああ」
浮竹は、京楽が怒りで聖女を老婆の姿に変えるのを黙って見ていたのだ。
「18代目の聖女でも作ることだね。その姿じゃあ、いくら洗脳されてるとはいえ信者も離れていくだろうさ」
「私は女神なのにいいいい」
泣き叫ぶアナスタシアを放置して、京楽は浮竹をお姫様抱きにすると、神殿のバルコニーに出る。
「帰ろうか」
「ああ」
結界のはられていないその場所で、魔王城まで転移する。
「君が拉致られたと聞いて、気が気でなかったよ」
「俺はエトナの子だ。害せばたとえ藍染でもただではすまない」
「うん。でも、心配したんだよ?」
「すまん。まさかエトナ神殿で拉致られるとは思わなかった。今後は警備の者をもっとつけてもらうし、俺も注意する」
「聖女教の神殿で、大規模に藍染の洗脳を信者から解いておいたから、今頃すごいことになってるんじゃないかな」
事実、藍染に洗脳されていた信者たちは、聖女教から抜け出してエトナ教へ流れていた。
「また、エトナの信徒が増えるな。エトナの力が増す。比例して、俺の力もだ」
「でも、ボクの浮竹だよ?」
浮竹は、くすっと小さく笑った。
「ああ、そうだな。俺はお前のもので、お前は俺のものだ」
妖しく美しい生き物に見えた。
「寝室、いこうか。君を抱きたくなった」
「ふふ。俺を抱いて、エトナの祝福を受けるか?」
「祝福は別にいらないけど、君がほしい」
「好きにすればいい。俺とお前は伴侶だからな」
浮竹は妖艶に微笑みながら、京楽に寝室へと連れていかれるのであった。
「ああ、エトナの子浮竹様。なんと慈悲深い」
「さすがはエトナの落とし子。天使であられる証に翼がある」
「大神官様も、よく浮竹様を神殿に顔を出すように説得してくれたものだ。感謝せねば」
エトナ教は、衰えていく聖女教ととってかわり、今世界で一番信徒の多い宗教になっていた。
エトナの子である浮竹がいるせいが強い。
聖女教から分裂した新エトナ教も、エトナ教に吸収され、エトナ教は黄金期を迎えていた。
「おつかれでしょう、浮竹様。こちらに飲み物を用意してあります。どうぞ、ご休憩を」
「ああ、ありがとう」
浮竹は、エトナ教徒の信徒から冷たい水をもらって、飲んだ。
「ぐ‥‥‥」
すると、意識が混濁して、床に膝をつく。
「エトナの子よ、その力、藍染様のために使ってもらう!」
「聖女教か‥‥」
そのまま、浮竹は意識を失い、聖女教に拉致された、
「浮竹が拉致られただって!?」
「す、すみません魔王様。エトナ神殿なので、警備の者もいましたが、まさか神の子であられる浮竹様を堂々と拉致る者が現れるとは思わず‥‥‥」
「言い訳はいいよ。聖女教の仕業なんだね?」
「はい、おそらく」
「浮竹に手を出すとどうなるか、思い知らせる必要があるね」
京楽は、愛する者を拉致られて、かなり怒っていた。
「聖女教の神殿にいってくる」
「でも、もしも‥‥‥」
「行かないと浮竹はいつまで経っても帰ってこないよ。聖女を少し痛めつけてやろう」
京楽は、残忍に笑った。
「ここは‥‥‥‥」
「気づいたのね、浮竹十四郎。エトナの子よ」
「お前は16代目の聖女アナスタシア!」
浮竹は、豪華なベッドに寝かされていた。
「エトナの力、確かに分けてもらったわよ」
聖女の手には、浮竹の翼から抜いた羽と、採血した血液の入った大きなカプセルがあった。
「俺の肉体の一部で、エトナの力を得るつもりか」
「そうよ。それだけの価値があなたにはあるもの」
「アナスタシア。エトナの子は贄にする約束だろう」
藍染が現れて、お腹の膨らんでいる聖女を抱き寄せる。
「藍染、エトナの子を殺すとエトナ神を敵にまわすわ。神と敵対はしたくないわ」
「私が魔神となるための1万の贄に匹敵する贄なのだ。アナスタシア」
「だめよ。エトナの子は、ここで永遠と力を抜かれ続けるの」
聖女は、浮竹を殺すことをためらっている。
藍染は、気にせず浮竹を殺そうと、魔法でできた刃を向ける。
「エトナの名において命ずる。光よ!」
「きゃああああああああ!」
「ぐわあああ!!」
猛烈な過剰すぎる浄化の光に、二人は焼かれる。
「浮竹!」
そこへ、聖女教に侵入してきていた京楽が現れる。
「京楽、きてくれたのか」
「君を助けるためなら、たとえ地獄にでも行くよ」
「エトナの光で目を焼いてやった。しばらくまともにものを見ることができないだろう」
「今のうちに‥‥」
京楽は、藍染の心臓を剣で突き刺す。
「うおおおおおお」
藍染は悲鳴をあげて、灰になる。
「分身体か。こざかしいね‥‥」
「何が!何が起こっているの。ねぇ、藍染!」
「藍染はいないぞ。分身体だったようだ。お前、藍染に利用されているぞ」
「そんなこと知っているわ!魔神になった藍染の力で私は女神として神々しく‥‥‥」
浮竹は、奪われた血と羽を灰にかえて、聖女にエトナの力を注ぎ着込む。
「いやああああ!私は聖女であり女神なのよ!神でもあるこの私を‥‥」
「ただの人に変えた。お前はもう聖女でも女神でもない。ただの卑しい醜い老婆だ」
「いやあああああああああ」
浮竹は、京楽が怒りで聖女を老婆の姿に変えるのを黙って見ていたのだ。
「18代目の聖女でも作ることだね。その姿じゃあ、いくら洗脳されてるとはいえ信者も離れていくだろうさ」
「私は女神なのにいいいい」
泣き叫ぶアナスタシアを放置して、京楽は浮竹をお姫様抱きにすると、神殿のバルコニーに出る。
「帰ろうか」
「ああ」
結界のはられていないその場所で、魔王城まで転移する。
「君が拉致られたと聞いて、気が気でなかったよ」
「俺はエトナの子だ。害せばたとえ藍染でもただではすまない」
「うん。でも、心配したんだよ?」
「すまん。まさかエトナ神殿で拉致られるとは思わなかった。今後は警備の者をもっとつけてもらうし、俺も注意する」
「聖女教の神殿で、大規模に藍染の洗脳を信者から解いておいたから、今頃すごいことになってるんじゃないかな」
事実、藍染に洗脳されていた信者たちは、聖女教から抜け出してエトナ教へ流れていた。
「また、エトナの信徒が増えるな。エトナの力が増す。比例して、俺の力もだ」
「でも、ボクの浮竹だよ?」
浮竹は、くすっと小さく笑った。
「ああ、そうだな。俺はお前のもので、お前は俺のものだ」
妖しく美しい生き物に見えた。
「寝室、いこうか。君を抱きたくなった」
「ふふ。俺を抱いて、エトナの祝福を受けるか?」
「祝福は別にいらないけど、君がほしい」
「好きにすればいい。俺とお前は伴侶だからな」
浮竹は妖艶に微笑みながら、京楽に寝室へと連れていかれるのであった。
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