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温泉旅行

「一緒に温泉旅行に行かぬか」

そう誘われて、恋次はあたりをきょろきょろみた。

「恋次に言っているのだ」

「え、俺っすか!?」

てっきり、近くにルキアがいてルキアに声をかけているものと思った。

「最近忙しくて、お互い疲れているであろう。1週間の休暇をもぎとった。恋次、お前の分もだ」

「え、俺の分まで?でも、隊長副隊長も不在だなんて」

「席官たちがなんとかすると言っていた。一緒に温泉旅行にいってこいと、宿を紹介されたのだ」

白哉は、静かに言った。

「ルキアとじゃなくって、俺と二人でいくんすか?」

「そうだ。ルキアとはいつでも一緒に行ける。だが恋次、お前とはなかなか一緒に行けぬであろう。上官副官関係なく、旅行にいかぬか。それとも私と二人きりではいやか?」

「そ、そんなわけないっす!俺隊長のこと好きなんすよ!知ってて、誘ってますよね?」

「お前が私のことを好いているのは知っている」

「俺が狼になるかもしれないと思わないんすか」

「恋次は、嫌がる私には何もしない」

白哉はきっぱりと断言した。

「そりゃそうっすけど‥‥‥そんな俺と一緒にだなんて」

「私も恋次、お前を好いておる。たまにはよかろう」

「え、今なんて?」

「二度は言わぬ」

恋次は飛び上がって喜んだ。

「隊長と、相思相愛なんすね!」

白哉に抱きつくと、恋次は地面に転がされた。

「好いてはいるが、まだ何かをしたいというわけではない」

「うー、蛇の生殺し‥‥‥‥」

恋次は、白哉を再び抱きしめる。

今度は、白哉は大人しく腕の中で抱かれた。

「隊長華奢っすね。すごいい匂いがする」

唇を重ねようとすると、拒否された。

「隊長、キスくらいいいじゃないっすか」

「‥‥‥‥なら。温泉旅行でなら、考えてやってもよい」

「まじっすか!」

それから数日が経ち、温泉旅行の日がやってきた。

恋次はその前の晩興奮で一睡もできなくて、宿につくなり爆睡してしまった。

白哉は恋次を放置して、一人で貸し切りにした温泉に入った。

そこへ、目が覚めたばかりの恋次が入ってくる。

「すんません!もう入ってるとは思わなくて!」

「よい。温泉は公共の場だ。貸し切りとはいえ。恋次も入れ」

「はい‥‥‥」

白哉は腰にタオルを巻いていたが、白い肌がほぼ露わになっていて、恋次は目のやり場に困る。

「いい湯ですね」

「なぜ、目を閉じている?」

「あんたの裸が目の毒だからですよ!」

「そうか。では私は先にあがる」

「あ、背中の流し合いとかはしないんすか!?」

「子供ではあるまいに。せぬ。私は先に部屋に戻る」

残された恋次は、もっと白哉の裸を見ておけばよかったと後悔する。


豪華な夕食をとり、消灯時間になる。

「隊長、起きてますか?」

返事はなかった。

恋次は、一緒の部屋で眠る白哉に薄暗い明りの中近づいて、触れるだけのキスをした。

「あんたが好きです‥‥‥おやすみなさい」

実は、白哉はまだ起きていた。

ドキドキと心臓が早鐘を打つ。

眠ってしまった恋次を置いて、キスされたせいでなかなか寝付けないので、夜の散歩に出かける。

「私に、お前の思いを全て受け入れられるであろうか」

月を見上げていた。

それから部屋に戻り、白哉も眠った。


次の日も温泉宿に泊まった。

「恋次、目を閉じろ」

「へ?あ、はい」

白哉は、自分から恋次にキスをする。

「えあ、隊長!?」

「ここからどう先に進むのかが分からぬ」

「あ、俺に任せてください!」

恋次は白哉を押し倒して、肌を弄っていく。

「あ‥‥‥‥」

白夜が漏らす小さな声に、自身が昂る。

「最後までしていいですか」

「だめだ。私たちは付き合いもまだしていないのだぞ。そこまでだ。どくがよい」

「ううう、我慢我慢‥‥‥‥」

白哉は、白く美しい顔(かんばせ)で、恋次に囁く。衣服の乱れは直されていた。

「私を手に入れたいのであれば、正式に付き合え」

「付き合います!隊長、好きです!」

「恋次、好きだ」

温泉旅行で互いの意思を確認しあい、正式に付き合いはじめた。

ちなみに、それを聞いたルキアは「兄様が狼に奪われた‥‥‥」と言って、卒倒するのであった。






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