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魔王と勇者と4

浮竹のもっていた、聖剣エクスカリバーが、京楽の仲間になったことで使えなくなった。

浮竹は大変困った。アリーナ王国の国宝で、勇者のみが使えるとされていた聖剣であったのだが、勇者の行いによって使えなくなることもあるそうで。

浮竹は、京楽を殺さず仲間になったことに後悔はない。

「京楽、話があるんだが」

「どうしたんだい」

「俺の聖剣エクスカリバーがポンコツになった。何か、他の代わりになる剣はないか」

「そうだねぇ、宝物庫にいってみようか」

浮竹は京楽と共に宝物庫に入った。

ありえない量の金銀財宝に、浮竹はぽかんとしていた。

「藍染が民草から搾取したものがほとんどだからね」

「そ、そうか」

「あ、これなんてどう?聖剣リヴァイアサン。海のドラゴンリヴァイアサンを呼べるよ」

「いや、陸地で使うから海のドラゴンなんて呼んでも‥‥‥」

京楽は、残念そうな顔をして、次の剣を紹介する。

「魔剣ソウルイーター。切った者の魂を食らう」

「いや、俺一応勇者だし、モンスター以外もきるときあるから、魂もっていかれるのはちょっと‥‥‥。あ、この剣はなんていうんだ?」

浮竹が、漆黒の禍々しいくも美しくもある魔剣を手に取る。

「魔王剣ディアブロ。ボクが昔、愛用していた剣だね。使う者の魔力を吸い取って、力に変える」

「これがいい。俺は、この剣にする」

「でも、魔力もっていかれるんだよ?」

京楽は、浮竹を心配そうに見る。

「ああ、大丈夫だ。俺は魔力は高いがろくに魔法が使えないんだ。魔力の高さで剣の切れ味が変わるなら、これがいい」

「魔剣の類になるけどいいの?」

「勇者が魔剣を手にしてはいけないとかないからな」

浮竹は、魔王剣ディアブロを抜いた。

刃も漆黒で、美しく輝いていた。さっそく魔力を吸われたが、浮竹にとっては微々たるもので、問題はなさそうだった。

「あと、これ気になったので、もらっていっていいか?」

浮竹が選んだのは、ハリセンだった。

「それは、はたいた者の魔力を生命力にかえるハリセンだね」

「うん、なんか使えそうだ。京楽につっこみを入れる時とかに使おう」

「えー、ボクにつっこみ?」

「ああ。たまにつっこみたくなる」

「まぁいいや。他に欲しいものはない?」

「この魔銀のブレスレットももらっていいか?」

浮竹は、魔力を帯びた品が分かる。

「ああ、それは装着者の命を一度だけ守ってくれる貴重な品だけど、あげる。宝物庫の中のものの所有権はボクにあるからね」

「すまない、恩にきる」

「それなら第三夫人に」

「ならない!」

浮竹は、早速ハリセンで京楽の頭をはたく。

浮竹は元気になった。京楽は魔力を吸われて、ちょっと元気じゃなくなった。

「これ、モンスター退治でも使えそうだな」

「モンスターに、ハリセンで立ち向かう勇者‥‥‥ぷくくく」

「笑うな!」

浮竹は、またハリセンを炸裂させる。

京楽は一度で慣れたようで、はたかれる時魔力を小さくした。

「や、やるな」

「ふふん、伊達に魔王じゃないよ」

宝物庫をあとにして、浮竹は日課のモンスター退治に出かけようとする。

「ボクもついていくよ」

「魔王の執務は?」

「今日はお休みの日だから」

「そうか。南の森の魔獣を、最近退治しているんだ」

「ああ、南の森はモンスターがわんさかいるからね。一人では大変でしょ?」

「まぁな」

浮竹は、勇者とはいえソロだ。倒せるモンスターの数にも限りがある。何より、魔法がうまく使えないので、広範囲に及ぶ攻撃手段が少なかった。

「じゃあ、南の森にいこうか。お昼用にサンドイッチ作ってもらおう」

「おい、遊びに行くんんじゃないんだぞ?」

「南の森は、モンスターを無限に生み出す魔法陣があってね。どうしても壊せないんだ。でも、勇者の力なら、壊せるかもね?」



南の森にきた。

人里から離れているし、魔獣の跋扈する森にくるアホはいない。

さて、そんま場所にピクニック気分できたアホが二人いた。

魔王京楽と勇者浮竹だった。

襲い掛かってくるモンスターを浮竹は魔王剣でばったばったと切っていく。

「フレアサークル!」

京楽は、広範囲の魔法でモンスターをやっつける。

浮竹も真似したくなって、同じ魔法を使ってみた。

「フレアサークル」

うねうね。

炎が踊っていた。

「浮竹の意外な弱点発見。魔法がへぼい」

「へぼいいうな!」

ハリセンではたく。ついにで魔獣の頭もはたいた。

「ぎえええええ」

魔獣は、ハリセンではたかれると死んでしまった。

「どうなってるんだ、このハリセンは」

「モンスターの一部は魔力でできているからね。この森の魔獣どもは、魔力でできている。魔法陣から召喚されるから」

「その魔法陣のところに行ってみよう」

「うん。敵がわんさかいるから、ボクの魔法で片付けるね」

やがて、魔法陣のある場所にやってきた。

その間も、モンスターが召喚されていた。

「この魔法陣、どこかで見たことがある。確か、勇者の血を注げば消えるはず」

浮竹は、手を剣で切ると、魔法陣に滴らせた。

すると、魔法陣が赤くなり、消滅してしまった。

「どこで見たの。この魔法陣を」

「アリーナ王国の地下で」

「ふむ‥‥今度、そこに行こうか。それよりも、傷見せて!」

「大したことないぞ」

「だめ!君はボクの未来の第三夫人なんだから。傷の一つでも残しちゃだめ」

「大げさだな。あと、第三夫人にはならないからな」

京楽に魔法でけがを癒してもらい、京楽の転移魔法で魔王城まで戻ってくる。

「ちょっと、待っててね。強制労働させてる元アリーナ国王に魔法陣のこと聞いてくる」

京楽は、まさかとは思いつつも、元国王の働く鉱山に行く。

「単刀直入に聞く。モンスターが発生する魔法陣を地下に作ったね?」

「ははははは、私をバカにする者どもに天罰をを与えるために作っただけだ」

「放置していたら、厄介なことになると知っていて?」

「あの魔法陣は、私の血でできている。消せる方法など」

「勇者の血を滴らせたら消えるらしいよ」

「なんだと!あの寝返ったいまいましい勇者の血で消えるだと!」

アリーナの元国王は、アリーナ王国で出没するモンスターを召喚し続ける、禁忌の魔法陣を作っていた咎で、処刑が決まった。

「浮竹、アリーナ王国の魔法陣消したいんだけど、血をもらえるかな」

「いいぞ」

浮竹は迷いもなく自分の手をきり、空き瓶に自分の血を滴らせた。

「ほら、もっていけ」

「ありがとう。アリーナ王国の地下の魔法陣、消してくるね」

「ああ」

京楽と浮竹は、魔王城で一度別れた。浮竹は自分を召喚した国を裏切っていることになっているので、今回は同行しなかった。



「あった。魔法陣だ。隣の魔法陣は、異世界から人を召喚する魔法陣か。どっちも壊しておこう」

勇者浮竹の血を使い、魔法陣を消し去ると、京楽は魔王城に帰還した。夜になっていて、浮竹は眠ってしまっていた。

「浮竹。おやすみ」

浮竹の寝室で、額に口づけてから、京楽も眠るのであった。

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