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魔王と勇者と6

浮竹が京楽の元にきて3か月が経とうとしていた。

変わらず京楽は第三夫人にとプロポーズをして、浮竹が断る毎日だった。

「はぁ。ボクってそんなに魅力ないかな」

「か、かっこいいとは思うぞ。ただ、第三夫人になるってことは、京楽のものになるってことだろう?まだ、その気にはなれない」

「まだってことは、少しは考えてくれてるんだね?」

「す、少しだけだからな!」

ツンデレな浮竹をかわいく思い、京楽は抱きしめて口づけた。

「今の関係、親友以上恋人未満だね」

「そ、そうだな」

「少し脈ありと分かって元気でてきた」

「お前はいつでも元気だろう」

「それが、今日は朝から頭が痛くて。せきもでるし」

浮竹は、京楽のおでこにおでこをひっつけた。

「熱がある。多分風邪だな。おとつい、ずぶ濡れで帰ってきただろう」

「ああ、やっぱそのせいか。風邪だと思ったら悪寒がしてきた」

浮竹は、京楽の手をひっぱって寝室に連れてくる。

「今日は執務は放置して寝ていろ」

「でも」

「いいから、寝てろ。おかゆを作ってくるから、薬を持ってくるから飲むんだぞ」

「え、浮竹が作ってくれるの?」

「ああ。厨房を借りるぞ」

「君の手料理なんてはじめてだ」

「一人の頃は自炊してたからな。家事にはそれなりに自信がある。ただ、魔王城では人が雇われていて仕事を奪うわけにもいかないからな」

浮竹は、厨房をかりて卵粥を作った。

「ほら、作ってきたぞ」

「食べさせて?」

「一人で食べれるだろう?」

「ボクは病人なんだよ。優しくしてよ」

「仕方ないやつだなぁ」

浮竹は、卵粥をスプーンですくうと、ふうふうと冷まして、京楽の口元に持っていく。

「うん、思っていた以上においしい」

「そうか。口にあっているならよかった」

京楽は全部浮竹に食べさせてもらって、薬を飲んで横になる。

「眠気がこない」

「スリープの魔法をかけてやろう。魔法はだめだめだが、スリープの魔法くらいなら使える」

「うん、お願い」

浮竹は、京楽にスリープの魔法をかける。京楽の髪がアフロになった。

「あ、あれ?」

「浮竹‥‥‥魔法の構築激しく間違ってる。自分でスリープの魔法かけて寝るよ」

京楽は、アフロを癒しの魔法で治すと、自分にスリープの魔法をかけて眠ってしまった。

「はぁ。なんで俺の魔法の腕はこうなんだ」

一人、浮竹はため息をつくのであった。



そんなある日、魔王城に訪問客というか刺客がやってきた。

「私は聖女教の大神官イブラヒムである。この世界に巣くう悪の権化である魔王を倒しに来た。さぁ、魔王勝負だ!」

「まためんどくさい‥‥‥」

「魔王が出てこないなら、兵士から駆除してやる」

幾人かの兵士を殺して、イブラヒムは怒った京楽を相手にすることになる。

「アルティメットジャッジメント」

「ダークシールド」

聖なる魔法攻撃を、京楽は闇の盾で防ぐ。

「ホーリーライト」

「死んでしまえ。ヘルズゲート」

「うわああああああ」

地獄の扉が開く。

イブラヒムは吸い込まれていき、後には何も残らなかった。

「リザレクション」

復活の魔法を使い、イブラヒムにやられた兵士たちを蘇生させる。

浮竹は、見ているだけだった。

これは聖女教と魔王京楽の問題である。勇者である浮竹が出ていく場面ではない。

「聖女教、いよいよ本格的に動き出したみたいだね」

「そうだな」

「今の聖女は17代目のアナスタスシア。いずれ、決着をつける日がくるだろうね」

「聖女を殺すのか?」

『女神でもあるから、殺すことはできないよ。ただ、手を出してこないように痛めつける必要があるけどね」

「そうか‥‥‥」

浮竹は、聖女教は嫌いではなかった。

ただ魔王排斥を掲げているので、そこはどうかと思っていた。

京楽は税を安くとりたて、自分から民草の意見を聞き、月に一度無料でけがや病気を治癒する。魔王というより、聖者だ。

「京楽は、いい魔王なのにな」

「仕方ないよ。魔王は魔王。聖女教の敵だから」

「人と魔族も仲良く住んでいるんだ。聖女教も変わればいいのに」

「ボクの代だけだからね。世界征服しようとしない魔王は」

「そうだな。今ままでの魔王は残忍だったから」

「いつか、聖女アナスタシアに分かってもらいたいね。今の魔王は排斥するほど酷くないって」

浮竹派頷いた。

「いつか、分かりあえるいいな?」

「そうだね」




「あら。イブラヒムは死んでしまったの。やっぱり、大神官程度では物足りないようね。どう思うの、藍染」

「君の好きなように動いていい。この賢者の石と、魔王京楽のもつ世界樹の雫を手に入れれば、私は魔神となれる」

「魔王京楽は、本当に世界樹の雫をもっているの?世界樹は枯れて400年は経つのよ?」

「あの魔王は600年は生きている。世界樹の雫を必ずもっているはずだ」

「まぁいいわ。もう少し、様子を見ましょう。魔王京楽が世界にとって脅威である限り、排除はし続けなければ」

「愛しているよ、女神であり聖女であるアナスタシア」

「私も愛しているわ、藍染。お腹の子は無事生まれてきそうよ」

「それは何よりだ」

聖女アナスタシアが、藍染が元魔王だと知っていた。その上で交わり、子を妊娠したのであった。

聖女アナスタシアの子は、聖人と認定されるであろう。

たとえ、父親が魔族でも。




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