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黒猫と白猫の亜人27

「ルキア、この生意気な猫なんだ?」

「あ、それはサタン殿」

「サタン?あの悪魔王の?」

一護が人の姿で、ぶらーんと白銀の毛並みの猫を鷲掴んでいた。

「離せ、氷の精霊風情が。我はサタンぞ」

「まじでサタンなのか?」

「そうらしいぞ」

ルキアも、まだ半信半疑であった。

「おのれ、黒崎一護といったな。その臓物食らってやる‥‥‥ゴロゴロ」

一護はサタンを抱いて、喉の下をくすぐってやると、サタンは喉を鳴らす。

「ゴロゴロ‥‥‥ええい、いつまでしておるのだ。我はサタンなのだぞ!恐怖せよ!」

「ほーれほれ」

一護が、サタンの前で猫じゃらしをふると、サタンがうにゃっとかいって、じゃれついていた。

「ちょろいな」

「確かに、ちょろい」

一護はサタンを気に入ったみたいで、サタンもまんざらではなさそうで。一護の頭の上に乗った。

「やあ、一護君」

「久しぶりだね、一護君」

「浮竹さんに京楽さん。どうも」

浮竹と京楽が、フェンリルの一護が来ているというので、顔を見せにきた。

「あ、サタン、いなくなったと思ったらこんなところに」

一応サタンなので、白哉がつけた純金の首輪には、魔法探知用の魔石がつけられていた。

「浮竹と京楽、苦しゅうないぞ。チュールをよこせ」

「はいはい」

「仕方ないねぇ」

サタンは一護の頭の上から降りると、浮竹がチュールをあげようとすると、ルキアがあげたそうな顔をしていたので、ルキアにチュールを渡す。

「やってみるか?」

「浮竹殿、いいのですか?」

「俺はいつでもやれるし、チュールの匂いかぐと俺も食べたくなっちゃうからな」

浮竹は猫にもなれるので、時折白哉の手からチュールをもらったりしていた。

「サタン殿、チュールだぞ」

「うむ、うまい。ルキアといったか。第56夫人にしてやってもよいぞ」

「ばーか。ルキアは俺のだ」

一護が、ルキアを抱き寄せるので、ルキアは真っ赤になった。サタンは気にせず、チュールの続きをくれとせがむ。

「だいいち、第56夫人ってなんだよ。55人も妻がいるのか?」

「そうだが?最近の最新の妻は、猫のシャルロッテちゃんだ」

猫に適応するのが早いなぁと、浮竹と京楽は思う。

「サタン君、市場に散歩にいかない?56番目の夫人でも探しに」

「よいぞ。ではルキアと一護、またなのである」

サタンは、猫の姿になった浮竹と京楽と一緒に市場に行く。市場につくと、たむろしている猫のうち雌猫だけを吟味して、気になった子だけにアタックをしかける。

「我はサタンぞ!」

「にゃーん(何言ってるのこの人)」

「うにゃん(相手にしないほうがいいわよ」

「にゃあ(夫人になれですって。面白そう)」

よい反応を見せた猫に、アプローチする。

「我はサタン。汝を第56番目の夫人にしてやろう。我と共に、サタン帝国を築こうではないか」

「にゃーん(あら、面白いわね)」

「浮竹、止めなくていいの?」

「京楽こそ」

にゃんにゃん言ってる猫の中に、人語をしゃべる猫が3匹。うち2匹は猫の亜人なのだが、サタンはただの猫だ。

ただの猫なので、魔法も使えない。

その猫な人生を、サタンは謳歌していた。

「ジョセフィーヌか。浮竹、京楽、新しい夫人ができた。ジョセフィーヌだ」

「にゃーん(よろしくね)」

「ああ、よろしく」

「サタン君の猫になるってことは、白哉君の猫になるってことだけど、いいんだね?」

「にゃーん(かまわないわ。人に前に飼われていたから)」

ジョセフィーヌとサタンは、にゃんにゃんラブラブしだす。

そこへ、魔王の浮竹が現れた。

『この気配‥‥悪魔王サタンか?』

魔王の浮竹はびっくりしていた。魔族でない悪魔は、魔族と共存関係にあるが、悪魔王サタンは自分の帝国を築くと言って、魔族とがあまり仲がよろしくない。

「む、貴様は魔族の魔王の浮竹か」

『サタン君、猫に転生しちゃったんだ。笑えるかも』

幽鬼の京楽は、クスクスと笑いだす。

「我はサタンぞ!」

しゃあああと毛を逆立てるが、魔王の浮竹に喉をくすぐられて、腹を見せる。

「うにゃん、喉は弱いのだああ」

『面白いな。悪魔王だったサタンが猫に転生したとなると、空いた悪魔王の座は順当にいくとヴェルゼブブか」

「む、あのハエ男が、我の代わりに悪魔王だと?」

サタンは悩む。

「ううむ、今すぐ悪魔王に返り咲きたいが、何分今は猫。仕方あるまい」

『悪魔王がヴェルゼブブになるということは、敵対関係はなくなるに近いな。助かる』

魔王の浮竹の言葉に、幽鬼の京楽がクスっと笑う。

『もともと、悪魔たちのことはどうでもいいくせに』

『まあ、敵対関係でいられるよりも、共存関係でいられるならそれにこしたことはない』

「あ、魔王の俺だ。串焼き、食うか?」

浮竹は、猫の姿でくわえていた串焼きを魔王の浮竹にさしだす。

『ああ、もらおう』

「ボクの予備の分を、幽鬼のボクにあげるよ」

『ありがとう、黒猫のボク』

市場でわいわい騒いでいると、人が寄ってきたので邪魔だと白哉の家に行くことになった。

「サタン殿、おかえりなさい」

「うむ、ルキアか。苦しゅうないぞ」

「何言ってやがんだ。サタンのくせに」

「ううむ、氷のフェンリルの黒崎一護。先の大戦で精霊界に負け、精霊には手を出さないと契約しているせいで、汝に猫パンチ以外できぬ」

弱弱しいサタンの猫パンチを、一護が受け止める。

「本当に、ただの猫なんだな」

「一護君、今日はルキアちゃんに会いに?」

京楽が尋ねると、一護は頷く。

「一応、婚約者だからな。いずれ、精霊界に連れていくけど」

「一護君、精霊界ってどんなのだ?」

浮竹が興味をもって、精霊界のことを聞くと、一護でなく魔王の浮竹が説明を始める。

長いので、浮竹も京楽も途中で欠伸していた。

「と、いう場所だ」

「そうか」

「そうかい」

魔王の浮竹の話のほとんどを聞いていなかった二人であった。

夕飯の時刻になり、魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、魔王城に帰還することにした。

『じゃあ、また会おう、黒猫の京楽に白猫の俺。あとついでにサタンとかいう猫も』

「しゃあああ!悪魔王である我に失礼であるぞ!」

『サタン君、猫に転生したんだから、もう悪魔王ではないでしょ?』

「む、しかしだな。いや、我は永遠に悪魔王なのだ。今決めた」

『まぁ、帰るね。じゃあ、またね』

魔王の浮竹と幽鬼の京楽は去ってしまった。

うなるサタンを、ルキアと一護と浮竹と京楽でなだめる。

ちなみに、サタンは夜はジョセフィーヌちゃんとしっぽりするのだった。



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