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黒猫と白猫の亜人42

「あー、極楽極楽」

3日天日に干されて、本能を強くさせた京楽の相手をさせられた浮竹は、魔王の浮竹からもらった回復のポーションを飲んで、薔薇風呂に入っていた。

「極楽だねぇ」

猫の姿の京楽も一緒に入っていた。

「京楽を天日に干すはやめる」

「ボクは構わないよ?その後すごく気持ちよくなれるから」

10回近くいく京楽の相手をさせられて、浮竹はもう嫌だと思った。

魔王の浮竹から、結界を張れと言われたので浮竹ではなく、京楽がはったのであるが、魔王城で情事に及ぶのははじめてだった。

「お前のいく回数が半端じゃない。付き合わされたこっちの身にもなれ」

「ふふ、まぁしばらく猫の姿になっちゃって人の姿に戻れないからね」

「いっそのこと、一生猫でいるか」

「ボクがずっと猫だと、疼く君の体の相手する子がいなくなるよ?」

「ちっ」

浮竹は、京楽を抱いていた腕を離す。

京楽は泳ぎが得意なので、スイスイ広い湯船の中を泳ぐ。

浮竹は、猫用のシャンプーでなんだかんだ言いながら、京楽の体を洗ってあげた。

また薔薇風呂に入り、浮竹は京楽と一緒に風呂からあがった。

『お盛んだねぇ。結界、長いことはってあったし、白猫の浮竹があんまりぐったりしてるので、ボクが回復のポーション出したんだけど、あれは失った生命力を取り戻すけっこう貴重なやつだったんだよ』

『回復のポーションなんて、錬金術でいくらでも作れるだろうが』

浮竹に回復のポーションを渡した、魔王の浮竹が言う。

「魔王の俺、世話になる」

『罰にいいぞ。ただ、その、魔王城で情事は』

「ああ。しないようにする」

「あはははは、ボクは今猫だからねぇ。手を出そうにも出せないよ」

京楽がからからと笑う。

『明日から、魔王城で運動会があるんだが』

「え、そうなの?」

『せっかくだから、白猫の俺と黒猫の京楽も出ろ』

「運動会‥‥‥俺は学校に通わせてもらってなかったから、参加するのははじめてだ」

「ボクは学校に通ってたから、何回かあったけどね?」

魔王城の運動会は、日々の運動不足を解消するものだった。兵士はいいのだが、文官などが運動不足になりがちで、そういった魔王軍の仲間を、意思を統率して競い合わせるものだった。

『じゃあ、白猫の浮竹と黒猫のボクは白組ね。魔王の浮竹とボクは赤組で』

「魔法とかの使用は?」

『一切厳禁だよ』

「つまりは、体力勝負か。ふふ、俺は猫の亜人だから敏捷性には自慢があるぞ?」

『俺だって、魔法を使わなくてもなんとかなる』

ああだこうだ言いながら、次の日がやってきた。

魔王軍の運動会。

けっこう大規模な催し物で、出店とかまで並んでいた。

住民たちも参加できるし、優勝した個人には報奨金が与えられたりで、けっこう賑わっている。

「俺、パン食い競争と借り物競争‥‥‥」

「ボクは玉入れと魔王軍のリレー」

『がんばれよ、白猫のe俺』

『ボクは、見てるだけで参加しないけどね』

魔王の浮竹は魔族なので、獣人の一種である猫の亜人は身体的に適わない。

幽鬼の京楽も、普段はぼーっとしてることがあるが、身体的能力は高いが運動会などに興味ないので、参加しない。

浮竹は、パン食い競争のパンを最初にとって、1位でゴールした。

京楽は玉入れをがんばっていっぱい入れた。

浮竹の借り物競争のお題は、尊敬する人物であった。浮竹は、魔王の浮竹の手を取ってゴールする。魔王の浮竹は、お題を見てゴールした後で、浮竹の頭を撫でまくっていた。

「さて、最後の目玉のリレーだよ。ボクも出るから応援してね、浮竹」

浮竹は、敵チームである赤組の、魔王の自分を応援していた。

「いけ、魔王の俺。そうだ、その調子で追い抜いて引き離してしまえ」

『次、頼んだぞ!』

魔王軍の幹部が走り出す。それを、京楽もバトンをもらって走り出して、お互い抜いて抜かれてを繰り返し、アンカーにバトンを渡した。

「いけえええ」

『がんばれ、赤組』

「白組がんばれ!」

『アンカーは魔王軍の将軍の二人だからね。勝ったほうが有給休暇1カ月』

「なにそれ、めっちゃいいな」

浮竹が反応する。

そもそも、浮竹も京楽も猫の亜人な上に白哉に飼われていて、毎日が休みなのだが。

お金は望めば、いつでもけっこうな額がもらえるし。

「今年の魔王軍の運動会、優勝は紅組です!」

アナウンサーの報告で、白組だった浮竹と京楽はがっかりするけれど、楽しかったのでよしとした。

「なお、赤組の方々には有給1週間が贈呈されます」

「ボクらだと、もらっても意味ないしね」

「そうだな」

『魔王の俺は有給って言われてもなぁ。京楽もだろう?』

『まぁねぇ。ボクは魔王軍にはいるけど、働いているわけじゃないし』

「じゃあ、人間界にこないか。この前、綺麗なネモフィラ畑を見つけたんだ。そこでピクニックしてみたい」

『いいぞ?いつ行こうか』

「明日!」

「浮竹、唐突すぎだよ」

『いや、大丈夫だぞ。魔王軍は統治はしっかりしているし、俺は君臨しているが、国々が反旗を翻してこない限り攻め込まないからな』

『じゃあ、明日はボクがサンドイッチでも作るね?』

「やった!一緒にピクニック行きたかったんだ」

浮竹のささやか願いは、けっこうあっという間にかなうのだった。

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