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黒猫と白猫の亜人43

魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、ネモフィラ畑で浮竹と京楽たち一緒にピクニックした後、魔王城に戻ってきた。

『明日、プライべーとビーチに連れて行ってやる』

「やった!」

魔王の浮竹が、前に連れていってやると言って、けっこう時間が経っていたので、浮竹は忘れられたのかと思っていた。

『南国の島だから、泳げるぞ?水着の準備はしておこうか?』

「ああ、頼む。猫の姿でも泳ぐが、人の姿のほうが海の中では動きやすいだろうし。あと、白哉も誘っていいか?」

『いいぞ?』

こうして、魔王の浮竹と幽鬼の京楽、浮竹と京楽と白哉は、魔王の浮竹のもつ南国のプライベートビーチに遊びに出かけた。

「わぁ、綺麗だな」

「あったかいねぇ。浮竹、砂の城作ろうよ」

「私はわかめ大使でも作るか‥‥」

白哉は、恋次を連れてこなかったが、連れてこなくて正解だと思った。

恋次はうるさいし、空気を読まない。

白哉は、巨大なわかめ大使を作る。

「白哉、上手だな!わかめ大使か!」

『わかめ大使‥‥‥?』

『わかめだね』

魔王の浮竹と幽鬼の京楽はわかめ大使を知らない。

「あ、魔王の俺に幽鬼の京楽。わかめ大使というのは、白哉がデザインした菓子なんだ。中にあんこが入っていて、うまいんだぞ?これが現物だ!」

浮竹からわかめ大使をもらって、魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、そのデザインに苦笑しながら食べる。

『お、案外おいしい』

『うん。あんこ、上品なの使ってるね』

その時、白哉がもってきていた荷物ががさごそと動いた。

なんだとみんなが見てみると、猫姿の恋次が白哉の鞄の中に無理やり入り込み、ついてきていたのであった。

「俺だけ除け者ですか!?」

「れ、恋次!」

白哉が驚く。道理で荷物が重いわけだ。

『やぁ、ごわごわ赤毛君』

「む、俺の名前は恋次です!」

「す、すまぬ。このアホ猫は、私が面倒を見ておくゆえ」

「白哉さん、水着姿が似合いすぎて俺は」

「うるさい」

「ぎにゃあああ」

白哉は、荷物の中のわかめ大使を出して、今日泊まる宿に恋次を連れて行ってしまおうとするが。

『そんなごわごわ赤毛猫君ほっといて、白哉君も楽しもう?』

そう幽鬼の京楽に言われて、白哉は猫の姿のままの恋次を砂浜に埋める。

「白哉さん。あああ、身動きがとれないいい」

「兄は、そのままそこで荷物の番でもするがよい」

そんな恋次を放置して、浮竹と京楽は海で泳ぐことにした。

「まぁ、気にせず泳ぐか」

「うん。浮竹、浮き輪はいらない?」

「いらない。プールで京楽に泳ぎ教えてもらってから、ちゃんと泳げる」

二人は海の中にもぐり、サンゴ礁を見て熱帯の魚たちの色鮮やかさに驚いていた。

『白猫の俺、こっちにこい』

「ん?」

海の中で、酸素の入った球体に入っている魔王の浮竹と幽鬼の京楽に手招きされて、浮竹もその中に入る。

海の中に酸素ありで入れて、まるで水族館のトンネルを歩いている気分だった。

京楽も、遅れてその酸素の入った球体に入ってくる。

『サンゴ礁や魚を見るなら、こういう風魔法の使い方もあるぞ』

「へぇ。俺でも使えるかな?」

『白猫の俺なら、できるだろう。黒猫の京楽も、風属性の魔法を使えるだろろうから作り出せるだろう』

「ためしてみるよ」

京楽は、見事に酸素の入った球体を作り出した。

浮竹はそっちにうつり、魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、海の奥へと消えていく。

「あの二人、どこまでいくんだろう」
「海中散歩だな。この近くには昔財宝を乗せた船が沈んでいるらしいぞ。天候が変わりやすい海なので、まだ手付かずだとか」
「それをひきあげにいったのかな?」
「かもな」

浮竹と京楽は、浅瀬でサンゴ礁に群れる熱帯魚たちを見ていた。

やがて時間が経ち、二人は海からあがる。

白哉が、海鮮バーベキューの用意をしてくれていた。

『大量だった』

そこへ、魔王の浮竹がアイテムポケットを手に戻ってくる。

『少しいった海の底に、財宝を乗せた沈没船があった。金目のものをもらってきた』

魔王の浮竹は、アイテムポケットからサファイアやエメラルド、ルビー、ダイヤモンドといった宝石をとり出す。

『あとは金貨や銀貨に、金塊とか王冠とかアクセサリーとかかな』

幽鬼の京楽も、アイテムポケットから財宝の一部を見せる。

『これらの財宝は、貧しい地域の発展に使おうと思う』

魔王の浮竹の言葉に、白哉が頷く。

「兄が、よい魔王で本当によかった。どの国でも、貧民地区やスラム街はあるゆえ」

白哉が統治する北の領地と王都には、貧民街はあるが、孤児院やら教会の炊き出しがあり、違う国なら流れてくる貧民も多かった。

白哉は、そんな貧民も受け入れていた。

「バーベキューの用意をしておいた。肉は上等の黒毛和牛のものをもってきている」

『わぁ、気が利くねぇ』

『恋次はあのままでいいのか?』

「かまわぬ。私に勝手についてきた罰だ」

「白哉はそう言いつつ、少しだけ恋次のために残すんだよな?」

浮竹の指摘に、白哉はやや頬を染める。

「う、浮竹」

「ふふ、仲がいいね?うん、おいしいね。白哉君も食べなよ」

「うむ」

魔王の浮竹も幽鬼の京楽も、バーベキューを楽しんだ。

埋められたままの恋次に、白哉は砂から出してやって、焼いた魚をあげる。

「これに懲りたら、もうこのような行動をおこすな」

「はい」

恋次は猫の姿のまま尻尾を揺らして魚を食べる。

犬みたいだと、白哉は思った。

その日はそのまま宿に泊まり、次の日はビーチバレーをしたり砂浜を歩いたりしてまったりと過ごす。

浮竹は、いろんな貝殻を拾って嬉しそうにしていた。

「魔王の俺にあげよう」

ほら貝を拾って、浮竹は魔王の自分の元に行く。

『ありがとう。大切にする』

魔王の浮竹にそう言われて、浮竹はにこにこしていた。

「白哉のとこの猫たちにもあげるんだ」

『じゃあ、いっぱい拾わないとな?』

「京楽と、もう一回拾いにいってくる!」

浮竹は、京楽の元へと戻っていく。

プライベートビーチに、皆を招待してよかったと思う魔王の浮竹であった。




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