黒猫と白猫の亜人45
浮竹は、人の姿でいる時に人攫いにおそわれそうになり、魔法を放った。炎の魔法であったが、人攫いたち魔法の護符で防御してしまう。
「この!」
浮竹が2発目の魔法を放とうとした時、甘い香りがした。
「え、あ‥‥‥俺は、誰だ?」
人攫いは、浮竹に特殊なお香をかがせて、拉致しようとした。
「あ、お前たちは誰だ?」
「白哉様の使いです」
「白哉の」
浮竹は一時的に記憶を忘れる忘れ香を、かがされていた。何も分かないが、白哉のことだけは覚えていた。
「白哉様がお待ちです。さぁ、一緒に行きましょう」
「うん」
馬車に乗ろうとしたところで、京楽が駆けつけてきた。
「この、邪魔をするな!今回必要なのはこの見目麗しい白猫の亜人なんだ!」
「浮竹を離せ!」
京楽は、馬車ごと風の魔法でずたずたに切り裂く。浮竹の身には一切傷がつかないように。
「ぎゃああああああ」
風の魔法で、人攫いたちはずたずたになって、死んでしまう。
「浮竹、大丈夫?」
「‥‥‥お前は、誰だ?」
「え?あ、このお香忘れ香!くそ、こんなもの!」
京楽は、お香を蹴り飛ばす。
忘れ香とは、嗅いだ者の記憶を一時的に消すお香だった。
「浮竹、君とボクは結婚しているんだ。ほら、お揃いの結婚指輪してるでしょ?」
「結婚‥‥‥白哉は?白哉はどこだ?」
浮竹は、白哉のことは覚えているようで、京楽を警戒していた。
「仕方ない‥‥猫の姿になって。白哉君のところに連れていくから」
「分かった」
浮竹は白猫の姿になると、京楽の手に抱きかかえられて、主である白哉の屋敷まで帰ってきた。
「白哉君、浮竹が‥‥‥‥‥」
事情を白哉に話すと、白哉は忘れ香の効果を消すお香を取り寄せると約束してくれた。
「白哉、抱いていてくれ。お前が主ということ以外、何も思い出せない」
浮竹は、猫の姿で白哉の腕の中にいた。
それから1週間経ったが、まだ浮竹は記憶を取り戻さず、忘れ香の効果を消すというお香も手に入り辛くて、難儀していた。
「白哉、頭撫でてくれ」
浮竹はすっかり白哉になつき、白哉の言うことをよく聞くが、京楽のことは忘れたままで、京楽と二人きりにすると怖がって、白哉を呼んで泣き出してしまうので、白哉と一緒にさせていた。
「浮竹さん、あんた白哉さんと距離近すぎ!」
「恋次だっけ。俺と白哉は結婚した仲なんだぞ」
「なんですと!?」
恋次が驚いて「酷いです、白哉さん、俺とは遊びだったんですか」とか言い出すので、白哉はとりあえず恋次の赤い頭を殴っておいた。
今の浮竹は、何も知らない子猫のように純真だった。
「京楽、このままでは浮竹はいつまで経っても記憶を戻さぬ。忘れ香の効果を消すお香は出回っていないのだ。かなり闇マーケットまで探したが見つからなかった」
「そんな!」
「魔王の、浮竹の手を借りるのはどうであろうか」
「魔王の!」
京楽はその手があったかと、嫌がる浮竹を抱きしめて、魔王城までテレポートする。
「ここはどこだ?」
『お、白猫の俺!少しだけ久しぶりだな』
「俺と同じ顔?お前は誰だ」
『え?』
『どうしたの、浮竹』
『白猫の俺が、俺のこと誰だって‥‥‥』
京楽が事情を説明する。
魔王の浮竹は、魔王城近辺でも忘れ香の効果を消すお香など出回っていないので、仕方なく自分の手を切った。
『ちょっと、浮竹?』
『魔王の血は、万能薬の代わりを果たす。一番手っ取り早い』
そう言って、血の数滴を浮竹に飲ませた。
血を飲んだ浮竹は、目を数度瞬かせた。
「魔王の俺!今、怪我治すからな?」
浮竹は、全てを思い出したようで、まずは自分のために傷を負った魔王の自分の傷を、魔法で癒そうとする。
『あ、そんなことしなくても勝手に塞がるぞ』
「それでも治す!」
浮竹は、魔法で魔王の自分の怪我を癒した。
「浮竹、ボクのこと思い出した?」
ゆっくり京楽が聞いてくるので、浮竹は長い息をつきながら。
「エロで色欲魔の京楽。俺の結婚相手で恋人で夫」
『エロの色欲魔。君、旦那なのにそう思われてるんだね』
幽鬼の京楽がクスリと笑う。
「ボクがエロいのは認めるけど色欲魔はないでしょ。君だけを愛してるよ?」
「うん」
浮竹は、京楽に抱きしめられながら、口づけをする。
『元に戻ってよかったな、白猫の俺!』
「わざわざ血を与えなくても、エリクサーとかあっただろうに」
『探すのがめんどくさかった。それに俺の存在まで忘れてしまっているとか、認めたくなかったからな』
『浮竹は、君の身を案じて血を与えたんだよ。本来、魔王の血は与えることは厳禁なんだけどね』
「そうなのか。すまない」
浮竹は、魔王の自分の頭を撫でる。
『ああああ、かわいい』
魔王の浮竹は、猫に姿になった浮竹を頬ずりして撫でまくり、喉の下をくすぐってゴロゴロいわせて、猫じゃらしで遊びはじめる。
「ああ、ボクの浮竹が‥‥‥この1週間ほとんど会話してなかったんだけど、まぁいいか」
記憶を失っている間、京楽のことを怖がり、二人きりになると浮竹は悲鳴をあげて泣き出すので、京楽は1週間一人で過ごし、浮竹の身は白哉に任せていた。
「魔王の浮竹ってすごいね。血が万能薬か‥‥‥神の秘薬エリクサーにも負けないね」
「にゃああん」
すっかり猫になって、猫じゃらしに夢中になる浮竹の隣で、同じく黒猫の姿になった京楽が猫じゃらしに反応する。
「ボクも遊んで」
『かまわんぞ?黒猫の京楽も、猫の姿になるとかわいいな』
京楽は、魔王城にいる間ずっと浮竹の傍にいて、傍にいられなかった1週間を埋めるようにしていた。
魔王城で豪華な食事をもらい、昼寝をして、チュールをもらい、猫用シャンプーで体を洗ってもらって、ブラッシングされて、猫じゃらしで遊んでもらう。
魔王の浮竹も幽鬼の京楽も、浮竹と京楽を甘やかす。
「はぁ、極楽」
「極楽だな」
魔王の浮竹と一緒に風呂に入っていた。薔薇風呂だった。猫の姿で猫かきをして泳いでいた。
『溺れないようにな?』
「大丈夫だ。いざとなったら人の姿に戻る」
「ボクも」
魔王の浮竹は、二人をうんと甘やかして、幽鬼の京楽と一緒に、猫の姿のままの浮竹と京楽と同じベッドで眠る。
肌寒い季節になってきたので、猫姿の浮竹と京楽はかわいい湯たんぽ代わりであった。
「この!」
浮竹が2発目の魔法を放とうとした時、甘い香りがした。
「え、あ‥‥‥俺は、誰だ?」
人攫いは、浮竹に特殊なお香をかがせて、拉致しようとした。
「あ、お前たちは誰だ?」
「白哉様の使いです」
「白哉の」
浮竹は一時的に記憶を忘れる忘れ香を、かがされていた。何も分かないが、白哉のことだけは覚えていた。
「白哉様がお待ちです。さぁ、一緒に行きましょう」
「うん」
馬車に乗ろうとしたところで、京楽が駆けつけてきた。
「この、邪魔をするな!今回必要なのはこの見目麗しい白猫の亜人なんだ!」
「浮竹を離せ!」
京楽は、馬車ごと風の魔法でずたずたに切り裂く。浮竹の身には一切傷がつかないように。
「ぎゃああああああ」
風の魔法で、人攫いたちはずたずたになって、死んでしまう。
「浮竹、大丈夫?」
「‥‥‥お前は、誰だ?」
「え?あ、このお香忘れ香!くそ、こんなもの!」
京楽は、お香を蹴り飛ばす。
忘れ香とは、嗅いだ者の記憶を一時的に消すお香だった。
「浮竹、君とボクは結婚しているんだ。ほら、お揃いの結婚指輪してるでしょ?」
「結婚‥‥‥白哉は?白哉はどこだ?」
浮竹は、白哉のことは覚えているようで、京楽を警戒していた。
「仕方ない‥‥猫の姿になって。白哉君のところに連れていくから」
「分かった」
浮竹は白猫の姿になると、京楽の手に抱きかかえられて、主である白哉の屋敷まで帰ってきた。
「白哉君、浮竹が‥‥‥‥‥」
事情を白哉に話すと、白哉は忘れ香の効果を消すお香を取り寄せると約束してくれた。
「白哉、抱いていてくれ。お前が主ということ以外、何も思い出せない」
浮竹は、猫の姿で白哉の腕の中にいた。
それから1週間経ったが、まだ浮竹は記憶を取り戻さず、忘れ香の効果を消すというお香も手に入り辛くて、難儀していた。
「白哉、頭撫でてくれ」
浮竹はすっかり白哉になつき、白哉の言うことをよく聞くが、京楽のことは忘れたままで、京楽と二人きりにすると怖がって、白哉を呼んで泣き出してしまうので、白哉と一緒にさせていた。
「浮竹さん、あんた白哉さんと距離近すぎ!」
「恋次だっけ。俺と白哉は結婚した仲なんだぞ」
「なんですと!?」
恋次が驚いて「酷いです、白哉さん、俺とは遊びだったんですか」とか言い出すので、白哉はとりあえず恋次の赤い頭を殴っておいた。
今の浮竹は、何も知らない子猫のように純真だった。
「京楽、このままでは浮竹はいつまで経っても記憶を戻さぬ。忘れ香の効果を消すお香は出回っていないのだ。かなり闇マーケットまで探したが見つからなかった」
「そんな!」
「魔王の、浮竹の手を借りるのはどうであろうか」
「魔王の!」
京楽はその手があったかと、嫌がる浮竹を抱きしめて、魔王城までテレポートする。
「ここはどこだ?」
『お、白猫の俺!少しだけ久しぶりだな』
「俺と同じ顔?お前は誰だ」
『え?』
『どうしたの、浮竹』
『白猫の俺が、俺のこと誰だって‥‥‥』
京楽が事情を説明する。
魔王の浮竹は、魔王城近辺でも忘れ香の効果を消すお香など出回っていないので、仕方なく自分の手を切った。
『ちょっと、浮竹?』
『魔王の血は、万能薬の代わりを果たす。一番手っ取り早い』
そう言って、血の数滴を浮竹に飲ませた。
血を飲んだ浮竹は、目を数度瞬かせた。
「魔王の俺!今、怪我治すからな?」
浮竹は、全てを思い出したようで、まずは自分のために傷を負った魔王の自分の傷を、魔法で癒そうとする。
『あ、そんなことしなくても勝手に塞がるぞ』
「それでも治す!」
浮竹は、魔法で魔王の自分の怪我を癒した。
「浮竹、ボクのこと思い出した?」
ゆっくり京楽が聞いてくるので、浮竹は長い息をつきながら。
「エロで色欲魔の京楽。俺の結婚相手で恋人で夫」
『エロの色欲魔。君、旦那なのにそう思われてるんだね』
幽鬼の京楽がクスリと笑う。
「ボクがエロいのは認めるけど色欲魔はないでしょ。君だけを愛してるよ?」
「うん」
浮竹は、京楽に抱きしめられながら、口づけをする。
『元に戻ってよかったな、白猫の俺!』
「わざわざ血を与えなくても、エリクサーとかあっただろうに」
『探すのがめんどくさかった。それに俺の存在まで忘れてしまっているとか、認めたくなかったからな』
『浮竹は、君の身を案じて血を与えたんだよ。本来、魔王の血は与えることは厳禁なんだけどね』
「そうなのか。すまない」
浮竹は、魔王の自分の頭を撫でる。
『ああああ、かわいい』
魔王の浮竹は、猫に姿になった浮竹を頬ずりして撫でまくり、喉の下をくすぐってゴロゴロいわせて、猫じゃらしで遊びはじめる。
「ああ、ボクの浮竹が‥‥‥この1週間ほとんど会話してなかったんだけど、まぁいいか」
記憶を失っている間、京楽のことを怖がり、二人きりになると浮竹は悲鳴をあげて泣き出すので、京楽は1週間一人で過ごし、浮竹の身は白哉に任せていた。
「魔王の浮竹ってすごいね。血が万能薬か‥‥‥神の秘薬エリクサーにも負けないね」
「にゃああん」
すっかり猫になって、猫じゃらしに夢中になる浮竹の隣で、同じく黒猫の姿になった京楽が猫じゃらしに反応する。
「ボクも遊んで」
『かまわんぞ?黒猫の京楽も、猫の姿になるとかわいいな』
京楽は、魔王城にいる間ずっと浮竹の傍にいて、傍にいられなかった1週間を埋めるようにしていた。
魔王城で豪華な食事をもらい、昼寝をして、チュールをもらい、猫用シャンプーで体を洗ってもらって、ブラッシングされて、猫じゃらしで遊んでもらう。
魔王の浮竹も幽鬼の京楽も、浮竹と京楽を甘やかす。
「はぁ、極楽」
「極楽だな」
魔王の浮竹と一緒に風呂に入っていた。薔薇風呂だった。猫の姿で猫かきをして泳いでいた。
『溺れないようにな?』
「大丈夫だ。いざとなったら人の姿に戻る」
「ボクも」
魔王の浮竹は、二人をうんと甘やかして、幽鬼の京楽と一緒に、猫の姿のままの浮竹と京楽と同じベッドで眠る。
肌寒い季節になってきたので、猫姿の浮竹と京楽はかわいい湯たんぽ代わりであった。
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