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黒猫と白猫の亜人48

「落ち着いて、サタナシア・オルタナティブ」

京楽は焦っていた。瞳を金色にして、自分の中にとりこまれているサタナシア・オルタナティブを鎮めようとするが、逆に乗っ取られそうだった。

(愛シイ者。欲シイ。浮竹ガ欲シイ。殺シテ私ダケノモノニシタイ)

「サタナシア!落ち着いて!!」

京楽の悲鳴に、起きてきた浮竹がどうしたのかと、京楽の傍にいくと突き飛ばされた。

「京楽!?」

「浮竹、逃げて!」

京楽の手には剣があった。

京楽はそれで浮竹を突きさす。

「うっ」

血がジワリと広がっていく。

「京楽‥‥‥?」

「うわあああああああああ」

京楽は悲鳴をあげて、浮竹を突き飛ばして逃げていった。

「京楽、どうして‥‥‥‥」

浮竹は、魔法で深い傷を癒しながら、それでも京楽の後を追おうとする。

『いっちゃだめだよ、白猫の浮竹!』

浮竹の影から出てきた幽鬼の京楽が、浮竹を止めた。

「どうして。京楽は、どうなったんだ?」

『彼は今、自分の中にある異物のサタナシア・オルタナティブに支配されている。サタナシア・オルタナティブが欲しいのは君だ。君の命』

「俺の、命‥‥‥」

浮竹は、涙をたくさん流していた。

こつんと、1つ結晶ができて、それは白涙石になる。

『おいで、白猫の浮竹。浮竹の元に行こう。そこで、黒猫のボクを取り戻そう』

「うん」

幽鬼の京楽は、京楽がついてきていないかを確認してから、魔王城に戻る。浮竹は、京楽のことをずっと心配していた。

京楽は、サタナシア・オルタナティブに支配されて、愛しい半身を傷つけた。それに絶望して、小さくなっていく。

サタナシア・オルタナティブは羽化する。

本物のサタンへ。

「ぐおおおおお」

サタンとなった京楽は、暴れた。

猫たちが逃げ出していく。

「何が起こって‥‥‥お主、我を宿したか!」

猫のサタンが、サタンになってしまった京楽を見て、声を失いそうになる。

「浮竹ええええ。殺すうううう」

京楽は、魔王城にテレポートした。

魔王城で事件を聞いた魔王の浮竹は、浮竹を保護するために何重にも結界を張る。

「浮竹ぇ、殺す」

サタンになってしまった京楽が、愛しい浮竹の血肉を求めてやってきた。

『こりゃ、本気モードだね。殺さずに元に戻すのは骨が折れるかも』

『京楽、なんとかならないのか』

『封印、できるかもしれない。白猫の浮竹、君の涙でできた白涙石を使っていいかい?』

「京楽を止めてくれ!」

京楽は、結界が張られているにも関わらず、魔法で浮竹をずたずたにする。

「あうっ」

『ヒーリング!』

すかさず魔王の浮竹が傷を癒すが、失った血までは戻せない。

『結界が効かないのか。厄介だね』

「浮竹ぇ」

京楽は暴れまくった。城が瓦解していく。

何人かの魔王の浮竹の配下の者が殺されていく。

「やめてくれ、京楽!!」

「浮竹、殺す」

「どうしてだ!京楽!」

『今の黒猫のボクはサタンだ。君の声は届かないよ。さぁ、ボクが黒猫のボクを封印しよう』

幽鬼の京楽は、自分の纏っている魔力を全て解き放つ。

姿が鬼のようになった。

「ファイナルフレア」

「ファイナルフレア」

お互い、禁忌の魔法を放つ。

魔王城が爆発で粉々になっていく。

『魔王城にこれ以上被害は出せない。こっちにおいで』

幽鬼の京楽は空を飛ぶ。京楽も空を飛んで、お互い睨み合う。

「エターナルワールドエンド」

「エターナルワールドエンド」

白い爆発が、空で起こった。

空間が捻じ曲がる。

幽鬼の京楽は、白涙石に魔力をねりこんだ。

『世界の果ての混沌たる力をここに』

京楽を魔力でなんとか抑え込んで、影の魔法でがんじがらめにすると、白涙石が輝いた。

「あああああああああ!!!」

その輝きに、京楽が怯む。

『清浄あれ!』

京楽のまとっていた汚染された魔力が消えていく。

『君を、封印するよ』

『京楽、俺の分の魔力も念のためもっていけ!』

『うん!』

幽鬼の京楽は、魔王の浮竹の魔力ももらい受けて、京楽の中のサタンを封印する。

京楽の体が落下していく。

「京楽!!!」

ボロボロになった京楽を、浮竹が抱きとめる。

浮竹も全身の衣服がずたぼろで血にまみれていて、京楽と同じくらいボロボロだった。

「浮竹?」

「気づいたのか、京楽」

「あ、ボクは君を!うわああああ!!」

「落ち着け!もう、お前の中のサタンは封印されたから!俺はなんともないから、だから落ち着け」

「あああ、ボクは愛しい君を傷つけた」

京楽はたくさん泣いた。

浮竹も、同じようにたくさん泣いた。

「俺は生きてる。京楽、お前が元に戻ってよかった。幽鬼の京楽のお陰だ」

「幽鬼のボクの?」

『ボクは、君の中のサタンを封印したけど、きっかけは君の中に残った白猫の君を愛する心だよ。その心を強く輝かせて、君の中のサタンを封印した。もう、サタナシア・オルタナティブは存在はするけど、二度とサタンにはなれない。サタナシア・オルタナティブは君と混じりすぎて封印できないからね』

「浮竹、ボクはまだ君の傍にいていいのかな?」

「俺は、お前のいない世界なんていらない。だから、傍にいてくれ」

「うん」

浮竹と京楽はお互いを抱きしめあって、キスをする。

『おかげで、俺も魔力がほとんどない』

『ボクも‥‥‥‥』

幽鬼の京楽は、力を全て出し切って、魔王の浮竹の腕の中で静かになった。

もう鬼のような外見ではなく、いつもの幽鬼の京楽の姿だった。

浮竹と京楽は、失ってしまった命までは取り戻せないが、瓦解した建物を魔法で修復していった。魔王の浮竹も、魔力を国宝にした浮竹の白涙石で回復させて、瓦礫となっていた城を元に戻していく。

「ごめんね、浮竹」

「いいんだ、京楽。お前が元に戻ってよかった。死んでしまった人たちは、冥福を祈るしかないけど」

『死者への追悼と遺族への補償金はこちらで出しておくから』

「すまない、魔王の俺。幽鬼の京楽は?」

『眠っているだけだ。心配するな』

「よかった」

「ほんとによかったね。幽鬼のボク、ボクの中のサタンを封印してくれてありがとう」

浮竹と京楽は、幽鬼の京楽に魔力を分け与えた。

ほんのり、青白いかった顔に赤みがさす。

京楽の中には、サタナシア・オルタナティブがまだいるが、京楽と混じりすぎたせいでもう封印はできない。

その意識を沈ませて、支配していくしかない。

幽鬼の京楽は、力のほぼ全てを出し切ったせいで、1週間ばかり休眠モードに入った。

浮竹と京楽は、幽鬼の京楽の回復を祈りつつ、魔王の浮竹に見送られて、自分たちの家に戻る。





「京楽、愛している」

「ボクもだよ、浮竹」

どちらともなく、衣服を脱いでキスをしながらお互いの体を弄っていく。

お互い、傷が残っていないかを確かめあいながら。

「あっ」

胸の先端を甘噛みされて、浮竹が声を漏らす。

「やっ」

京楽の手が、浮竹のものに伸びる。こしこしと音をたてられて、しまいにはじゅぷじゅぷと水音をたてていじくられて、浮竹は精液を吐き出す。

「んあああ!」

「早く、君と一つになりたい」

潤滑油を手に、指で浮竹の蕾を性急にほぐしてから、ずっと音を立てて侵入する。

それだけで、浮竹はドライでいっていた。

「あ、あ‥‥‥」

「奥まで、いくからね?」

「んあ、お前の子種をたくさんくれ」

浮竹は自分から足を開いて京楽を迎え入れる。

「ん、んあ、いい」

ぐちゅぐちゅと内部を犯す熱に、浮竹の瞳がトロンとなる。

「あ、あーー」

京楽が最奥を貫いて揺さぶると、浮竹は射精しながらドライでいっていた。締め付けがきつくなり、京楽も浮竹の中に出してしまう。

「はぁ‥‥君の中、うねっていてすごい」

「もっと子種ちょうだい」

浮竹は、京楽の背に手を回して口づける。

「ひあ!」

ぱちゅんと音がたつくらい、深く早く挿入されて、浮竹はまたいっていた。

「んあああ、京楽も、いってえぇ」

「うん、ボクもいく」

京楽は、浮竹の最奥で子種を吐き出す。

「もっと、京楽のザーメン奥にちょうだい?」

ねだってくる浮竹に、京楽はこたえる。

騎乗位になると、京楽は下から浮竹を後突き上げた。

「ひあ、これ、深くてすきぃ」

浮竹は、ゆっくり引き抜いて、自分から腰を落として乱れる。

「んあ、奥まで届いてるう」

ぐりぐりっと奥を抉られて、浮竹は背をしならせていっていた。

「まだ、終わりじゃないからね?」

「ひあああ、奥にくるのおお。太くて熱いの、奥に当たってるうう」

浮竹は宙に白い髪を乱して大胆に動く。

「あ、いくうううう」

激しく中いきをして、京楽もその締め付けに浮竹の胎の奥に子種を注ぎ込む。

びゅーびゅーとたくさん注ぎ込む。

浮竹のお腹は、ぽっこりと膨らんでいた。

それでも、まだ終わらない。

「あああ、もう無理ぃ」

「ボクの全部をあげるから、もう少し、ね?」

「ひあああん」

京楽は、正常位で浮竹を抱いた。

舌を絡ませあうキスをしながら、京楽は浮竹の中を犯す。

「あーーーいくうう♡」

浮竹は、ついには潮を吹いていた。

お互いの無事を確認するように、お互いが生きているのだと証を刻むように乱れる。

「あ、あ♡あついの、くるのおお♡」

浮竹は、京楽のものを貪欲に飲み込む。そして何度も中いきをする。

「あ、きもちいい。あ、あーーー」

京楽は最後の一滴までを浮竹の中に注ぎ込んで満足する。

交わり続けて、落ち着いた頃にはシーツも体も精液と潤滑油でドロドロだった。

「お風呂、入ろうか」

「体力が残ってない」

「ボクが連れていくから」

浮竹をお姫様抱きにして、熱いシャワーを浴びて体と髪を洗い、浮竹の中に出したものをかき出してから湯につかる。

「寝てしまう」

「いいよ。疲れたでしょ。おやすみ」

「うん。ちょっと、眠る」

京楽は、暴れたが不思議と疲れてはいなかった。

浮竹は泥のように眠る。

京楽は、そんな浮竹を抱きしめて、衣服を着せて髪の水分をとってから、シーツを変えた一緒のベッドで眠るのであった。


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