黒猫と白猫の亜人49
サタンになった京楽を封印するのに成功した幽鬼の京楽は、休眠モードに入っていた。
魔王の浮竹が言うには、1週間ばかり眠り続けるらしい。
京楽だけでなく浮竹も白哉も、幽鬼の京楽のお見舞いにきていた。
今日は、ちょうど1週間目だった。
「兄のお陰で京楽と浮竹が助かった。礼を言う」
白哉が、まだ眠り続けている幽鬼の京楽に礼を言うと、ピクリとその手が動いた。
『京楽!』
魔王の浮竹は、ほぼつきっきりで幽鬼の京楽の様子を見ていた。
『ん-おはよう。浮竹もおはよう』
ごく自然に、幽鬼の京楽は魔王の浮竹とキスをしてハグをする。
それを見ていた浮竹と京楽と白哉は、一時部屋を退出しようとする。
「お熱いみたいで。ボクらは外にいるね?」
「目覚めてよかったな、幽鬼の京楽!」
「邪魔はせぬゆえ、存分に甘えるがよい」
『ま、待ってくれ!ば、バカ!友人たちがいる前で何してる!!』
『ん?何もしてないよ?』
魔王の浮竹は視線で3人に助けを求める。
それに浮竹が反応して、魔王の自分の肩に猫の姿になって飛び乗る。
「じゃあボクも」
京楽は、黒猫になってベッドで横になって半身を起こしていた幽鬼の自分の肩に乗る。
それぞれ肩に猫が乗っていて、ハグもキスもできなくなった。
「お熱いのは、別にいいことだと思うよ?ボクらは気にしないから」
「俺もだぞ?別に気にしないから思う存分いちゃつけばいいと思う」
「私は傍観者なので、空気と思ってくれ」
猫になった浮竹と京楽は、幽鬼の京楽が魔王の浮竹に甘え始めたので、肩からのいた。
『ずっと、こうしていたいね』
『何を言っている。皆の前だぞ』
『ボクはみんなの前でも君に甘えたい。君が好きだよ』
魔王の浮竹は真っ赤になって茹蛸状態だ。
「熱いな」
「熱いねぇ」
「確かに熱い」
『ああもう、お前たちも京楽も!』
魔王の浮竹は赤くなって、1週間何も食べていなかった幽鬼の京楽に、まずは消化によさそうなお粥を作ることにした。
浮竹と京楽は人の姿になって、お粥を作る魔王の浮竹の手伝いをしようとする。
「卵粥をつくるのか?手伝うぞ?」
『いや、俺の手で作る』
「じゃあ、新鮮な卵とってくるね?」
京楽は、冷蔵庫にある卵ではなしに鶏舎からにわとりの産みたての卵をとってくる。
「あ、俺バナナ・オレ作るな?」
浮竹は、牛乳とバナナとりんごをミキサーにかけて、バナナ・オレを作った。
白哉は見てるだけだ。
卵粥にバナナ・オレというなんか不思議な組み合わせの食事を、幽鬼の京楽に食べてもらった。
『おいしいね。浮竹も食べる?』
『な、なにを言ってるんだ。お前の分だぞ』
『はい、あーん』
つい、口をあけてしまう魔王の浮竹に、幽鬼の京楽が卵粥を一口さしだす。
『おいしいでしょ?』
『まぁ、我ながらうまくできた‥‥‥って、白猫の俺も黒猫の京楽も白哉まで見てるじゃないか!!」
『まぁまぁ。卵粥、おいしかったよ。バナナ・オレもおいしかったよ』
浮竹はしっぽを揺らして、嬉しそうに自分が作ったのだとアピールする。
「元気そうでよかった。1週間もずっと眠ってたから、心配したんだぞ」
浮竹が、幽鬼の京楽の頭を撫でる。
その浮竹の頭を、京楽が撫でた。
「私は泊まるわけにはいかぬ故、ひとまずここで帰るとしよう。幽鬼の京楽、本当に京楽のサタンの件では世話になった。そのうち、礼をする」
『ああ、気にしなくていいよ?』
「そういうわけにもいかぬ。浮竹も京楽も、私の大事な家族ゆえ」
浮竹と京楽は、白哉に家族と言われてとても嬉しそうにしていた。
「じゃあ、俺は今日と明日、京楽と一緒に魔王城に泊まるな?」
「ボクに何かできることある?」
『黒猫の京楽がしでかしたことは、もう片がついた。無理しなくていい』
「でも、死者も出しちゃったし」
『遺族への報償金も配り終えた。負傷者は傷を完治させたし、瓦解した魔王城も見ての通り魔法で元通りだ』
「じゃあ、ボクはおやつでも作るね?」
京楽は、なんらかの形で魔王の浮竹と幽鬼の自分に恩返しがしたいらしい。
浮竹も一緒にお菓子をつくることにした。
10個作って、浮竹が作ったものの3個がダークマターだった。
「ダークマターできちゃった」
浮竹は嬉しそうにはしゃぐ。
「京楽、食べてくれるよな?」
ダークマターと分かっていながら、京楽への愛をためす浮竹。
京楽は、涙を流しながらダークマターに手を伸ばす。
ちなみに、作っていたのはカップケーキだった。
黒焦げの上に青い煙を放ち、異臭のするダークマターを京楽は食べる。
「ほげああああぎょぱええええええ」
すごい悲鳴の後、沈黙した。
「あれぇ?そんなにまずいかな?」
浮竹はダークマターを自分で食べる。
けろりとしていた。
「うーん、七味いれすぎたかな?」
魔王の浮竹は、ダークマターの残りをそっと処分するのだった。
その後で、京楽は幽鬼の京楽に呼ばれて二人きりになった。
『定期的にボクのところにおいで?封印はしたけど完全ではないから‥‥』
サタンの封印は完全なものではないらしい。
ただ、もうサタンが出てくるようなことはないだろうとのことだが、念には念を入れておいたほうがいい。
「うん。また来た時、封印の状態を見てほしい」
『おやすいご用だよ』
京楽たちがそんなことを相談している間に、浮竹たちは夕飯を作っていた。
ちなみに、浮竹の作った海鮮パスタはダークマターになって、京楽いきとなる。
幽鬼の京楽はダークマターを無効化できるので、平気で浮竹の作った海鮮パスタを食べているのだった。
魔王の浮竹が言うには、1週間ばかり眠り続けるらしい。
京楽だけでなく浮竹も白哉も、幽鬼の京楽のお見舞いにきていた。
今日は、ちょうど1週間目だった。
「兄のお陰で京楽と浮竹が助かった。礼を言う」
白哉が、まだ眠り続けている幽鬼の京楽に礼を言うと、ピクリとその手が動いた。
『京楽!』
魔王の浮竹は、ほぼつきっきりで幽鬼の京楽の様子を見ていた。
『ん-おはよう。浮竹もおはよう』
ごく自然に、幽鬼の京楽は魔王の浮竹とキスをしてハグをする。
それを見ていた浮竹と京楽と白哉は、一時部屋を退出しようとする。
「お熱いみたいで。ボクらは外にいるね?」
「目覚めてよかったな、幽鬼の京楽!」
「邪魔はせぬゆえ、存分に甘えるがよい」
『ま、待ってくれ!ば、バカ!友人たちがいる前で何してる!!』
『ん?何もしてないよ?』
魔王の浮竹は視線で3人に助けを求める。
それに浮竹が反応して、魔王の自分の肩に猫の姿になって飛び乗る。
「じゃあボクも」
京楽は、黒猫になってベッドで横になって半身を起こしていた幽鬼の自分の肩に乗る。
それぞれ肩に猫が乗っていて、ハグもキスもできなくなった。
「お熱いのは、別にいいことだと思うよ?ボクらは気にしないから」
「俺もだぞ?別に気にしないから思う存分いちゃつけばいいと思う」
「私は傍観者なので、空気と思ってくれ」
猫になった浮竹と京楽は、幽鬼の京楽が魔王の浮竹に甘え始めたので、肩からのいた。
『ずっと、こうしていたいね』
『何を言っている。皆の前だぞ』
『ボクはみんなの前でも君に甘えたい。君が好きだよ』
魔王の浮竹は真っ赤になって茹蛸状態だ。
「熱いな」
「熱いねぇ」
「確かに熱い」
『ああもう、お前たちも京楽も!』
魔王の浮竹は赤くなって、1週間何も食べていなかった幽鬼の京楽に、まずは消化によさそうなお粥を作ることにした。
浮竹と京楽は人の姿になって、お粥を作る魔王の浮竹の手伝いをしようとする。
「卵粥をつくるのか?手伝うぞ?」
『いや、俺の手で作る』
「じゃあ、新鮮な卵とってくるね?」
京楽は、冷蔵庫にある卵ではなしに鶏舎からにわとりの産みたての卵をとってくる。
「あ、俺バナナ・オレ作るな?」
浮竹は、牛乳とバナナとりんごをミキサーにかけて、バナナ・オレを作った。
白哉は見てるだけだ。
卵粥にバナナ・オレというなんか不思議な組み合わせの食事を、幽鬼の京楽に食べてもらった。
『おいしいね。浮竹も食べる?』
『な、なにを言ってるんだ。お前の分だぞ』
『はい、あーん』
つい、口をあけてしまう魔王の浮竹に、幽鬼の京楽が卵粥を一口さしだす。
『おいしいでしょ?』
『まぁ、我ながらうまくできた‥‥‥って、白猫の俺も黒猫の京楽も白哉まで見てるじゃないか!!」
『まぁまぁ。卵粥、おいしかったよ。バナナ・オレもおいしかったよ』
浮竹はしっぽを揺らして、嬉しそうに自分が作ったのだとアピールする。
「元気そうでよかった。1週間もずっと眠ってたから、心配したんだぞ」
浮竹が、幽鬼の京楽の頭を撫でる。
その浮竹の頭を、京楽が撫でた。
「私は泊まるわけにはいかぬ故、ひとまずここで帰るとしよう。幽鬼の京楽、本当に京楽のサタンの件では世話になった。そのうち、礼をする」
『ああ、気にしなくていいよ?』
「そういうわけにもいかぬ。浮竹も京楽も、私の大事な家族ゆえ」
浮竹と京楽は、白哉に家族と言われてとても嬉しそうにしていた。
「じゃあ、俺は今日と明日、京楽と一緒に魔王城に泊まるな?」
「ボクに何かできることある?」
『黒猫の京楽がしでかしたことは、もう片がついた。無理しなくていい』
「でも、死者も出しちゃったし」
『遺族への報償金も配り終えた。負傷者は傷を完治させたし、瓦解した魔王城も見ての通り魔法で元通りだ』
「じゃあ、ボクはおやつでも作るね?」
京楽は、なんらかの形で魔王の浮竹と幽鬼の自分に恩返しがしたいらしい。
浮竹も一緒にお菓子をつくることにした。
10個作って、浮竹が作ったものの3個がダークマターだった。
「ダークマターできちゃった」
浮竹は嬉しそうにはしゃぐ。
「京楽、食べてくれるよな?」
ダークマターと分かっていながら、京楽への愛をためす浮竹。
京楽は、涙を流しながらダークマターに手を伸ばす。
ちなみに、作っていたのはカップケーキだった。
黒焦げの上に青い煙を放ち、異臭のするダークマターを京楽は食べる。
「ほげああああぎょぱええええええ」
すごい悲鳴の後、沈黙した。
「あれぇ?そんなにまずいかな?」
浮竹はダークマターを自分で食べる。
けろりとしていた。
「うーん、七味いれすぎたかな?」
魔王の浮竹は、ダークマターの残りをそっと処分するのだった。
その後で、京楽は幽鬼の京楽に呼ばれて二人きりになった。
『定期的にボクのところにおいで?封印はしたけど完全ではないから‥‥』
サタンの封印は完全なものではないらしい。
ただ、もうサタンが出てくるようなことはないだろうとのことだが、念には念を入れておいたほうがいい。
「うん。また来た時、封印の状態を見てほしい」
『おやすいご用だよ』
京楽たちがそんなことを相談している間に、浮竹たちは夕飯を作っていた。
ちなみに、浮竹の作った海鮮パスタはダークマターになって、京楽いきとなる。
幽鬼の京楽はダークマターを無効化できるので、平気で浮竹の作った海鮮パスタを食べているのだった。
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