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黒猫と白猫の亜人55

浮竹と京楽は魔王城にきていた。

魔王の浮竹は今は仕事をしており、幽鬼の京楽に相手をしてもらう。

「にゃ!」

「にゃにゃ!」

猫じゃらしで遊んでいた。

浮竹と京楽は、魔王城にいる時の大半を猫の姿で過ごしているので、微笑ましかった。

昼になり、人の姿で普通の食事をとり、猫の姿でチュールを食べた二人は、昼寝をすることにした。

京楽が、中庭で芝生の上にごろりと寝転がる。

京楽はその横で丸くなり、浮竹は幽鬼の京楽のお腹の上に乗ると、自分もお腹を向けて寝る。バンザイのポーズだった。

京楽は、1時間ほど寝て起きようとするが、腹の上に浮竹がいるので起きれない。

『白猫の浮竹は変なポーズで寝るね?まぁすごくかわいいんだけど』

「そうでしょ。ボクの浮竹はめちゃくちゃかわいいの」

『ボクの浮竹だってめちゃくちゃかわいいよ?』

二人の京楽は、どっちの浮竹がかわいいか言い合って、結局どっちも破壊的にかわいいで落ち着いた。

『お、京楽たちこんなところに。ぶっ、なんだその白猫の俺の寝姿は』

バンザイのポーズで寝る浮竹の愛らしさに、魔王の浮竹はついついカメラをとりにいって、写真におさめた。

『ボクが昼寝してると、たまにお腹の上に乗ってきてこのポーズで寝るんだよね』

『むう、羨ましい』

『じゃあ、交代する?ボクはお菓子でも作ってくるよ』

まだ寝ている浮竹をだらーんと抱いて、魔王の浮竹がその身を預かる。

魔王の浮竹も芝生の上に寝て、腹の上に浮竹を乗せると、浮竹は「にゃあ」と寝ぼけて鳴いてから、バンザイのポーズをとってまた眠り出す。

「魔王の浮竹、きつくない?」

かわいい浮竹の姿を見ようと、首だけ起き上がろうしているそのポーズに、京楽が心配する。

『こ、この恰好は疲れるな。素直に空でも見てぼーっとしとこ』

今の魔王の浮竹は、することがない。

しようと思えばいろいろあるのだは、する気もなかった。

仕事が一段落したのだ。余計なことはしたくない。

「チュールくれ」

いつの間にか、浮竹が起きて魔王の浮竹の腹の上で、ゆらりとしっぽを揺らす。

『ああああ、かわいいいい』

「ぎにゃああああああああ」

京楽が、魔王の浮竹に猫パンチする。

「落ち着いて」

『あ、ああ。見上げてくる瞳にくらっとなった』

「いつものことでしょ?」

「でも、魔王城にきてくれるのは2週間ぶりだから、そんなにいつものことってわけでもないかも」

魔王の浮竹が思案する。

「毎日魔王城にくるわけにもいかないからね」

『俺は別にかまわんのだが』

「白哉君が心配するから」

白哉はああ見えて意外と心配性で、1日浮竹と京楽の姿がないだけで探し始める。

今日は、あらかじめ魔王城に行くと言ってでてきたので、白哉も心配はしていないだろう。

『そうか。今日は泊まっていくか?』

「うん」

「泊まってく!」

抱きつぶされていた浮竹が復活して、魔王の自分に猫パンチをする。

「俺の昼寝を邪魔した罰だ。チュールくれ」

『はは、そんなこと言わなくてもチュールやるぞ?新しい味のを開発したんだ』

「何!ぜひとも今食べたい」

「ボクも!!!」

二人は目を輝かせて、新作のチュールを食べて、そのおいしさにうっとりする。

「もっと欲しい」

『京楽が、そろそろお菓子もってきてくれるから、このくらいにしておけ』

「幽鬼の京楽の作るお菓子はおいしい!」

「うん、おいしい!」

二人は、食事の時間とお菓子の時間は猫から人の姿に戻る。

『今日はガトーショコラケーキ作ってみたよ?ハロウィンだから、お化けのチョコレートつきね?』

猫にチョコレートはダメなのだが、浮竹と京楽は猫の亜人なので食べれた。

「ほろ苦いけど甘い。おいしい。ああ、このお化けのチョコレート、食べるのもったいないくらいかわいい」

「ボクのだけ、ムンクの叫びみたいになってるんだけど」

『好きでしょ?ムンクの叫び。いつもうちの浮竹と白猫の浮竹がキスとかしちゃうと、そんな感じの姿してるじゃない』

「そ、それは君も一緒でしょ」

『ボクは嫉妬しても顔に出さないよ?』

「うむむむ」

「あ、京楽食べないならもらうぞ」

浮竹が、ムンクの叫びになっているチョコレートを食べてしまった。

浮竹の好物はチョコレートだ。

「ああああ、ボクのチョコが!」

『白猫の俺、おかわりがあるみたいだから、ゆっっくり食べていいぞ?』

「わーい」

本日はチョコレートを使ったガトーショコラということもあって、浮竹はいつもより食い意地がはっていた。基本お菓子は自分の分だけでいいのだが、チョコ関係になると京楽の分まで食べてしまうことがある。

『白哉君のお土産にも、作ったんで持って帰ってあげてね?』

「わかった」

『あと、途中で食べないように、今回は特別に白猫の浮竹の分だけ手土産の分もあるからね?』

「京楽、大好きだ!」

人の姿で幽鬼の京楽に抱きつくものだから、魔王の浮竹と京楽がちょっと複雑な気分になる。

お菓子を食べ終えると、浮竹も京楽も猫の姿になって、チュールをもらって、ねずみのおもちゃやらぬいぐるみで遊んでもらい、遊び疲れて寝てしまう。

『ああ、俺んちの子にならないかなぁ』

『まーた無茶言ってる』

『だってぇ』

『あ、白猫の浮竹ばんざいのポーズでまた寝てるね。ボクの腹の上以外でも、こんなポーズで寝ることあるんだ』

魔王の浮竹は、丸くなって眠る京楽と、ばんざいのポーズで眠る浮竹を写真におさめて、次の日こんな格好で寝ていたと見せられて、浮竹は真っ赤になってもうしないと言うのだが、寝る時やっぱりたまにばんざいのポーズで寝るのであった。


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