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黒猫と白猫の亜人59

「クリスマス?」

10月も終わりを迎えて、世間ではいわゆる12月のクリスマスイブとクリスマス当日に向けて、モミの木を飾り、イルミネーションをつけて飾りつけをして、クリスマスまでくる日を心待ちにしている感じがあった。

浮竹は、長いこと監禁と幽閉生活を送っていた上に、クリスマスとは無縁の生活を送っていたので、クリスマスというものに興味深々だった。

「まだ、クリスマスには早いけどね?」

「でも、クリスマスはケーキを食べて、サンタさんからクリスマスプレゼントをもらえるんだな?」

浮竹は、サンタさんが本当にいると信じていた。

「まぁ、サンタさんは別として、クリスマスプレゼントの交換とかもするよ?」

「俺、クリスマスまで待てない!今すぐクリマスパーティーしたい!」

浮竹の我儘には困ったもので、京楽はそれならと、魔王城に行くことにした。

「浮竹がね‥‥‥」

事情を魔王の浮竹と幽鬼の京楽に説明すると、二人は乗り気でクリスマスパーティーをすることにした。

まだクリスマスには早いが、モミの木をもってきて飾りつけをして、魔力で点滅するイルミネーションを、モミの木だけでなく、中庭にある木々にも飾りつける。

その日の夜になり、イルミネーションが鮮やかに点滅し、綺麗な場面を見て浮竹は感動していた。

「綺麗だな‥‥‥お星様みたいだ」

『白猫の俺、クリスマスケーキができたぞ。七面鳥も焼いたし、フライドチキンもあるぞ』

「わぁ、ご馳走だな」

魔王の浮竹の夕飯は豪華だが、いつもよりさらに豪華な食事が出される。

『白猫の浮竹、クリスマスプレゼントあげる』

「プレゼント交換か!俺もこの日のために買っておいたんだ!」

幽鬼の京楽からもらったクリスマスプレゼントは、暖かそうな毛皮の上着だった。

「俺のは‥‥‥その、少し粗末だが」

『猫の肉球の手袋。かわいいね?』

「すまん、お前がくれたものとの値段の差が」

『気にしないよ』

『白猫の俺、俺からのクリスマスプレゼントだ』

魔王の浮竹は、浮竹にクリスマスプレゼントをあげる。

アメジストの髪留めだった。

「俺のは、同じものになるけど」

浮竹からのクリスマスプレゼントは、幽鬼の京楽にあげたものと同じ、肉球の柄の手袋だった。

「ボクからのクリスマスプレゼントだよ」

京楽が、YES、NOの枕を渡してきたので、とりあえず沈めておいたが、しっかり枕はもらっておく。

京楽にも、肉球の手袋をあげて、その後みんなで騒ぎながら、ケーキをカットしてご馳走も一緒に食べた。

「今日はNOだあああああああああ」

魔王の浮竹は、少量ならいいのではないかと、シャンパンを振る舞った。

浮竹はコップ一杯で酔っ払い、京楽を投げ飛ばしてダウンさせて、その体の上に座りこみ、さらに酒を飲もうとするので、魔王の浮竹と幽鬼の京楽が、チョコケーキをもってきて、そっちに気を引かせて、その間にアルコール類をとりのぞく。

「あれ、シャンパンは?もっと飲みたいのに」

『オレンジジュースでも飲むか?うまいぞ?』

「うん、そうする」

浮竹は素直に、京楽からどいてオレンジジュースとチョコケーキを食べていく。

『白猫の浮竹、アルコールに弱いみたいだね』

『そうだな。あれ以上飲ませたら危険かもしれない』

「浮竹、もっと座っててもいいんだよおおお」

何気に京楽は危ない発言をする。

『黒猫の京楽、お前にもクリスマスプレゼントだ』

「え、いいのに。浮竹を楽しませたいだけだったから、ボクなんの準備もしてないよ?」

『構わん。受け取っておけ』

魔王の浮竹からのクリスマスプレゼンとは、ふかふかの毛布だった。

『ボクからの分もあるよ』

幽鬼の京楽からのクリスマスプレゼ

ントは、これまたふかふかのマフラーだった。2つ入っていて、もう1つは浮竹にあげてお揃いにすればいいと言われた。

「ありがとう‥‥‥‥あと、浮竹ってサンタさん信じてるんだよね」

『サンタか‥‥‥‥サタンなら、白哉の家にいるが』

「サタンとサンタは全然別だからね?」

一応、念のために魔王の浮竹に言っておく。

『サタンがサンタなら楽なんだがな。名前も似てるし』

名前だけだ。元悪魔王がサンタだなんて、どんな世界だ。

『じゃあ、寝る前に大きな靴下準備しておかないとね?』

「どうしたんだ、みんな」

少し酔いを醒ました浮竹が、会話に混じってくる。

『サンタさんがきてくれるためには、大きな靴下がいるって話してたとこだよ』

「え、そうなのか。俺の靴下では入りきれないかな?」

『俺が、この靴下をやろう』

急遽用意させたので不格好だが、顔くらいの大きさのある靴下を、魔王の浮竹が浮竹に渡す。

「わぁい、これでサンタさんがくる!」

「ねぇ、サンタ役は誰が」

『俺がする。スリープの魔法で眠らせてから、プレゼントを入れておく』

サンタさんからのプレゼントは、チョコのお菓子をたくさんだった。

浮竹が徹夜してサンタさんを待つというので、魔王の浮竹がスリープの魔法を唱えて眠らせてから、チョコのお菓子をこれでもかというほど、靴下につっこんでやった。

『ふふ‥‥‥明日が待ち遠しいな』

猫の姿で眠る浮竹のかわいい寝姿を撫でながら、魔王の浮竹は部屋を去ってい。

翌日になり、浮竹はご機嫌であった。

「サンタさんが、チョコのお菓子こんなにいっぱいくれたんだ」

朝食の時間なのに、朝からムースポッキーを食べる浮竹。

「浮竹、朝食あるから、ほどほどにね?」

「ああ」

ちなみに、浮竹も京楽も今日は猫の姿だ。

そのままキャットフードをもらい、チュールを食べて、浮竹は食いかけのムースポッキーを前足で器用に挟んでがじがじと食っていく。

猫にチョコはだめなのだが、猫の亜人なので浮竹は食べても平気だ。

その日も、夕食までご馳走になって、それから白哉の家にもどった。

「浮竹、楽しんでこれたか?」

「うん!サンタさんが、チョコのお菓子たくさんくれたんだ」

「ほう。それはよかったな。ただし、ちゃんと寝る前には歯磨きするんだぞ。虫歯にならぬようにな」

「はーい」

浮竹は、暇があれば、チョコ菓子を少しずつ大切そうに食べる。

幼い頃、お菓子なんて食べたことがなかった。

白哉の家にくるまで、お菓子の存在を知らなかった浮竹は、本当に大切そうにお菓子を食べる。

猫の時に食べるチュールもとられないようにと、夢中で食べる。

「浮竹、私のところにもサンタがきたのだ。兄の分を置いていった」

そう言って、白哉はキャンディーやらのお菓子を浮竹に差し出す。

「わぁ、サンタさんにお礼の手紙書かなきゃ!」

「浮竹、サンタさんにお手紙どうやって届けるの?」

「うん?郵便で」

京楽も白哉も静かに笑う。

「俺、なんかおかしいこと言ったか?」

「いや、兄はそのままでいい。そのままでいてくれ」

「ボクもだよ」

「?」

浮竹はよく分からないと首を傾げるのであった。



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