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ピアス

ロックオンに、ピアスを新しく買ってもらった。
肩まである髪のせいでいつもは見えないけれど、小ぶりのガーネットのピアスをいつもは身に着けていた。

今度のピアスは高い。ピジョンブラッドのルビーのピアスだ。
石はそれほど大きくはないが、最高級の品だから値段もそれなりにする。
鏡で、髪をかきわけて見てみるが、まるで自分の瞳の色みたいだった。

「思った通り、似合ってるな」

ロックオンが、屈託のない笑みを零す。

「こんな高いもの・・・どこで手に入れたのです」
「それは秘密だ」

ロックオンが意地悪く笑う。

「てっきり受け取ってくれないかと思った」
「僕がロックオンからの贈り物を一度でも拒否したことがありますか?」
「そういやないな」

身につけてくれてありがとう。
優しく耳元で囁かれる。
そして、耳朶を甘く噛まれて、ティエリアは少し紅くなってロックオンから身を離した。

「お返しに、何か考えておきます」
「いやそんなことする必要ないぜ。お前さんが側にいてくれるだけで十分さ」
「そうですか?」

ロックオンの言葉にまた頬が紅くなる。この人は、照れるようなキザな台詞を平気で言う。
そのたびに、ティエリアは胸が高鳴り、体温が上昇するのが分かる。

本当に、優しすぎて眩暈がしそうだ。

ティエリアは、鏡を机の上に置いて、ロックオンに抱き付いて、触れるだけのキスをするのだった。

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