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エンシェントエルフとダークエルフ4

ギルドマスターから、直々に依頼があった。

オークジェネラルの討伐らしい。

「それがねぇ、オークロードもいるんだけど、そっちのほうが違うギルドの山じいとかいうじじぃが、魔物討伐の専門家に任せたそうなのよぉ」

クネクネと動くオカマは気持ち悪かったが、言葉と態度には出さない。

「だからぁ、オークジェネラルと雑魚のオークをやっつけて欲しいの♡」

「じゃあ、その魔物討伐の専門家と鉢合わせになったら、共闘でいいんだね?」

「うふん、そうなの。よろしくねん♡」

飼いならされたワイバーンに乗って、3日の地点にオークの巣があった。

見ていると、一番上座のところにオークロードがいて、その隣にオークジェネラルがいた。

「とりあえず、オークジェネラルを魔法で倒してしまおう」

「そう簡単にいくかい?相手はただのオークじゃなくって、オークジェネラルだよ?」

「うーん、オーク共を倒すには、俺たちでは火力不足だ」

「だからぁ、ボクが派遣されたってわけ」

エルフの浮竹と京楽の隣には、いつぞやも助けてくれた剣士の京楽がいた。

「今度の共闘は、またキミたちか。まぁ、足を引っ張るような真似をしないだけ、ましかな」

ダークエルフの京楽は、剣士の京楽を威嚇していたが、共闘となるのでその感情は捨て去ることした。

「ボクがオークロードをたたく。後、雑魚もある程度片づけるから、キミたちは自分の討伐対象を頼むよ!」

「プルルン!」

剣士の京楽の肩には、ヒュージスライムになったプルンというスライムが乗っていた。

「プルンも魔法使えるから。念の為にそっちに残しておくよ」

「あ、剣士の人!」

すでに、剣士京楽の耳には届いていなかった。

「死にたいやつからかかってきなよ」

妖刀を手に、オークたちを豆腐を切っているかのように斬り裂いて、オークロードの首をはねた。

「俺たちも行こう!」

「うん!」

「フレイムロンド!」

「バーストロンド!」

炎と爆発の中級魔法を使ってオークたちをふっ飛ばしていくと、近くにいたプルンが体を震わせて、浮竹と同じフレイムロンドの魔法を使った。

「すごいな、お前。スライムなのに魔法が使えるのか」

「プルルン!」

プルンは自慢げそうに胸を張った。

「この調子でいくよ!アイシクルワールド!」

オークたち京楽が凍り付かせて、それを浮竹が片っ端から切って粉々に砕いていく。

「BURUUUUUUU!!」

オークジェネラルがこっちに突進してきた。

「BURUUUUU!!」

「フレイムフェニックス!」

京楽が、炎の上級魔法を放つと、オークジェネラルは体を燃え上がらせながら、剣を振り回しまくり、浮竹と京楽は傷を負った。

「セイントヒール!」

京楽が癒しの魔法を発動させると、プルンも同じように癒しの魔法を使って京楽の怪我を癒してくれた。

「おおおおお!」

浮竹が、雄叫びと共にミスリルの剣でオークジェネラルの首を切り落とそうとする。

首は脂でなかなか切り落とせなかったところを、京楽が氷のハンマーを作り出して、浮竹の剣をオークジェネラルの首に食い込んでいる剣めがけて打ちこんだ。

「アイスクラッシャー!」

「BURURURU!!」

オークジェネラルは、悲鳴の断末魔をあげて倒れた。

「ふう、とりあえずオークジェネラルとオークロードは片付いた。あとは雑魚のオークどもだな」

オークたちは、剣士の京楽から逃げるようにこっちに向かってやってくる。

「アイスフェンリル!」

最近使えるようになった、氷の上級魔法を使い、氷の精霊フェンリルを呼び出すと、そのブレスでオークたちを生きたまま凍てつかせていく。

浮竹は、その氷像を壊すために、水を圧縮して氷の彫像を砕いていく。

「ウォーターグラビティ!」

浮竹は京楽と違って、火、水、氷の魔法が使えて、エンチャントのみ聖属性を使えるが、京楽のようにほぼ全属性の適正はもっておらず、火、水、氷の魔法しか使えなかった。

ただ、剣士でもあるので、その腕は魔法剣士としてはAクラスの冒険者と戦っても引けをとらないかもしれないが、まだまだ修行中の身だ。

現に、オークジェネラル程度で傷を負っていては、いつまで経ってもSランク冒険者になんてなれない。

「エアグラビディ」

京楽は、残っていたオークと、剣士の京楽ともども、空気を圧縮させてつぶす魔法をかけた。

広範囲魔法だが、的をしぼってそこだけ防ぐとかができない魔法だった。

「ふん、どうせ剣士の人はこれくらい余裕でしょ」

「まぁね」

剣士の京楽は、エアグラビディに穴をあけて、そこからオークロードのいた上座に立っていた。

「オーク共は、もう残党もいないようだね」

「よし、依頼達成だ!」

エルフの京楽とハイタッチした浮竹は、剣士の京楽ともハイタッチをして、プルンともハイタッチをした。

「浮竹、そんな奴に関わることないよ」

「何不貞腐れてるんだ、京楽。この剣士の人がいなかったら、俺たちのほうがやられていたんだぞ」

「むー」

不貞腐れる京楽の頭を撫でて、浮竹は剣士の京楽に頭を下げた。

「オーク共を一掃するのを手伝ってくれて、ありがとう!」

「浮竹ぇ、そんな奴に頭を下げることないよ」

「こら、京楽!」

「ふん」

「すまない、うちの京楽が」

「いいよ。気にしてないから」

「ぷるるん!」

「プルンもそう言ってるしね」

「また、会えるだろうか」

浮竹は、剣士の京楽に興味を持ったようだった。

それに、ダークエルフの京楽が警戒心をむき出しにする。

「浮竹、帰るよ!依頼の報告もあるし!」

浮竹をずるずると引っ張って、ダークエルフの京楽はワイバーンを置いていった場所に進んでいく。

「またなぁ、剣士の京楽!」

「またね。どうしたの、プルン」

「プルルン」

「ああ、こっちの妖刀の精霊の浮竹に似ているって?当たり前かもしれないね。この世界では珍しい、二重の魂だ。ボクの魂の片割れはダークエルフに、浮竹の魂の片割れはエンシェントエルフに。本当は統合されるはずだった魂が、神の手から滑り落ちて、片割れを作った」

「プルルルン?」

プルンには難しいことのようで、器用に体ではてなマークを描いていた。


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「ということで、オークジェネラルの討伐は完了した。それの魔石と、雑魚オークどもの魔石だ」

剣士の京楽はオークロードの魔石だけをとっていったので、残りの雑魚オークの魔石はエルフの浮竹と京楽で全部回収しておいた。

「あらん、がんばったのねん♡こんなにオーク退治するなんてやるじゃない」

「いや、半分は退治屋専門の剣士が殺した分だ。魔石を抜いていかなかったから、勿体ないから回収していおいた」

「まぁ、どのみち今回も報酬は色をつけておくからん♡」

「まぁ、オークは素材にならないしな。肉が食べれないこともないが、二足歩行してしゃべったりするオークの肉を食おうという勇気ある人はなかなかいない」

浮竹は、まずは魔石の買取り金額で金貨40枚をもらった。

かなりの数のオークを屠ったので、相応の額であった。

それから、オークジェネラルの魔石が金貨3枚。報酬金が金貨50枚。

しめて金貨94枚。

今までの稼ぎの中で最高の収入だった。

「よし、今日は贅沢するよ!」

「ほどほどにな。住宅を買う金にもするから、金貨60枚は貯金に回すぞ」

金貨500枚もあれば、広くはないが町の外れくらいなら一戸建てを建てれる値段だった。

まだ貯金は始めたばかりで、金貨75枚くらいだった。

めざせ、まずは一戸建てのマイホーム。

浮竹と京楽、エンシェントエルフとダークエルフの戦いは、まだまだ続くのであった。



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